「そうか西住は戦車道をやると決めたか」
生徒会室の一件が終わり放課後になったときにこの事を中尉に報告した。
余談だが中尉からは人がいるときは、名前で呼べと言われた。おおかたこの世界で階級で名を呼ぶのは周りに変な目で見られてしまうからその為の配慮だろう。
「中尉、白月魅音さんは何者なんです?転校する前は黒森峰女学園にいたと聞きましが何やら中尉と関わりがありそうな感じでしたので」
「ああ、そうだ。アイツは、しr「私がどうかしたか?』っ!」
声がしたので後ろを振り返ると白月さんがいた。中尉が露骨にため息をしたとき、前世ではそんな顔見られなかったなと思ったのは内緒だ。
「ああ、ちょうどお前のことについて話そうとしていたところだだ。」
「本人がいないときに個人情報を話すのは関心しないな」
「じゃ自分から話したらどうだ?」
そうするかと白月さんは呟き
「じゃあ改めて自己紹介だ。私の名前は白月魅音。中学のときは黒森峰にいた者だよろしく頼む」
「坂東零奈です、よろしくお願いします」
「ああ、お前のことは奴から聞いている、なんでも奴を納得させるほどの技量を持っていると。」
そう言われてむず痒い気分になるが決して悪いものではないなと思った。
「知ってるか?実は、この3人は昔会ったことがあるんだぞ?」
そう言われ懸命に思い出そうとするもあった記憶がない。何かの間違いだろう。そう言おうとすると、
「そうか、すまない。会ったことはあるといっても面識はなかったな。」
「遠回しに言わないではっきり言ったらどうだ?」
「そうだな、実は私はこの世界の人間では無い。元いた世界ではこう呼ばれていたな、『白き鬼』エルマー・スネルと」
「なっ!」
驚きの事実を聞いて思わず戦慄する。名前を聞いた途端に反射的に体を奴から離し警戒する。
「そう、警戒するな軍曹。奴との関係はこの世界に来た時点で一度リセットされている」
「納得出来ません!中尉!ホワイトオーガーはあなたの宿敵で、あったはず!忘れたのですか⁉︎貴方はやつの所為で片足をうs『中尉、俺は余計なおしゃべりは要らんと言ったはずだが?』っ!」
「確かに、軍曹の言う通り再会したときは殺してやると思った時もあった。中学のときは互いに決着をつける為に殺し合いをした。だがこの世界は知っての通り連邦やジオンも無ければコロニーもモビルスーツもない。そんな世界で争うのは無意味であり筋違いだという事に気付いた。」
「だから、水に流したと?」
「完全に水に流した訳ではない。あくまで前の世界での出来事だけだ。安心しろ軍曹、俺はコイツのことが大嫌いだ。」
ふと白月のほうを見ると
「その言葉そっくりそのままお返しするとだけ言っておく。大体こっちに転校して顔を見合わせた途端に顔面をグーで殴るやつと仲良くできるか」
そんな過去が会ったのか、中尉がああ言っているのなら割り切るしかない。でもこの二人が戦車道をやるのはだいぶ心強いかもしれない。
そして次の日、私達は倉庫の前で待機していた。遂に戦車道の授業が始まるである。耳をすませるとなにやら声が聞こえてくる
「全部で23人、私達も入れても26人です」
「まあまあ集まったねー」
人数確認をする声が聞こえた。周りを見てみると『根性!』と言っている女生徒達。格好からしておそらくバレー部だろう。次に目に止まったのはおそらく歴史の偉人の格好(コスプレ?)をした女性たち。他は西住さんとその友達と別クラスの2人とおそらく一年生、奥に居るのはクラスメイトの秋山さんか。秋山さんとはたまにだか話したりするぐらいの関係だ。
そうこうしているうちに生徒会トリオが来て、
「これより戦車道の授業を始める」
「あ、あの戦車はティーガーですか?それとも..」
秋山さんが質問する。ティーガー..確か、宇宙世紀が始まる前、第二次世界大戦頃に旧ドイツが開発した戦車だったはず。
「え〜となんだったかな~」
そう言い、生徒会メンバーの2人が格納庫を開ける。開けると、倉庫の奥にポツンと置かれてた錆びた戦車が一両。
「なにこれ……」
「ボロボロ……」
「ありえな〜い」
「侘び寂びがあってよろしいんじゃあ」
「これただの錆…」
不満が出るのも仕方がない、私や中尉はともかく他の人から見てもまともに走行出来る状態じゃないことが一目でわかる。すると西住さんが歩き出し、
「装甲も転輪も大丈夫そう、これでいけるかも」
確認を終えると周りから声が上がる。実を言う私たちが乗っていた戦車とはだいぶ違うので戦車の知識は余り当てにならない。自動装填はともかく
GPSと連携して精密な遠距離射撃、なんてものはこの世界にはない。
話しが脱線してしまったが問題はまだある。それは、戦車の数だ。戦車道を始めようとするのに1両だけなのは、致命的にも程がある。
「こんなボロボロでなんとかなるの?」
「たぶん」
「男と戦車は新しい方がいいと思うよ?」
その言い方は色んなところから誤解を産むから周りには言わないで欲しい、武部さんのためにも。
「それを言うなら女房と畳では?」
「同じようなもんじゃない? それにさ一両しかないじゃん、戦車」
「えっと、この人数なら……」
「全部で6両必要です」
「んじゃあ、みんなで戦車探そっか」
「探すって……」
「どういうことですか?」
「我が校においては何年も前に戦車道が廃止になっている。だが当時、使われていた戦車があるはずだ。いや必ずある。明後日に戦車道の教官がお見えになるそれまでに四両見つけておくこと」
「して、いったいどこに?」
「いやー、それがわかんないから探すの」
「なんにも手がかりないんですか?」
「ない!」
自信満々に言わないで欲しかった。大洗の学園艦は他の学園艦と比べると小さいかもしれないがそれでも大きい事には変わりない。そこから探すのは無謀に等しい気がするのだが。
「では捜索開始!」
河嶋先輩の掛け声と共に皆が動き出し、
「聞いてたのとなんか話が違う、戦車道やってればモテるんじゃないの〜?」
武部さんが不満を呟くと会長こっちに来て
「明後日、かっこいい教官が来るよ?」
「本当ですか!?」
「ほんとほんと、紹介するから~」
「いってきまーす!」
確かにかっこいい教官が来るとは言ったが会長は一言も男がくるとは言ってはいない。つまり教官が男じゃない可能性も考えられるのだが…教え辛いから黙っておこう、そう心に決めた。
さて私達もう本格的に動かないと生徒会にどやされるので戦車を探そうとすると、
「あ、あの坂東さん」
「零奈で構いません。私も名前で呼ばせて貰います。それでどうかしましたか?」
「ありがとう、でね、もしよかったら私たちと一緒に探しに行かない?」
みほさん達からのお誘い、他のメンバーの顔を見ると問題無いようなので
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えて」
そうして大人数で戦車を探すことになった
「とは言ったものの何処にあるのよー‼︎」
「駐車場にはないかと」
「だって一応は車じゃん?」
だからって駐車場には無いと思うんだが、そう思っていると中尉が耳打ちしてきた。
「軍曹あそこの木の後ろに隠れながら私たちを覗いているのは誰だ?」
言われて振り返ると確かにいた。
「あれは秋山さん?何故隠れているのでしょう?」
「大体想像着く、おおかた声を掛けるのに失敗してこちらの様子を伺っているのだろう?軍曹声を掛けてやれ」
そう言われたので秋山さんの所に行き
「秋山さんもしよかったら一緒に探さしませんか?」
「ば、坂東殿!お気持ちは嬉しいのですがその、ハードルが高いというかなんというか」
声を掛けるのが恥ずかしいのだろう、しかし今回は余り時間はないので多少強引だがやるしかない
「みほさん、この子も一緒に探してもいいですか?」
「坂東殿⁉︎」
「いいよ、仲間はたくさん居た方が楽しいからねえっとその子は…」
「普通II課2年C組の秋山優花里です。よろしくお願いします。」
秋山さんが自己紹介を終えると
「私、武部沙織よろしく」
「五十鈴華です。よろしくお願いいたします」
「浜田八重乃、よろしく頼む」
「白月魅音だ」
「私は、」
「存じ上げています。西住みほさんですね。」
ん?秋山さんはどうやら西住さんのことを知っているらしい。まぁ戦車道界隈で有名人だしな。
「白月?もしかして貴方があの白月魅音さんですか?」
「ああそうだ」
白月がそう返すと
「なんだ、秋山コイツは、有名人なのか?」
中尉が尋ねると
「ええ、ある意味と言えば有名です。」
話によると中1で黒森峰を名指しで辞めろと言われた事が当時話題になったらしい。が本人はその事を全く気にしていない様子だった。
場所は変わり山の中。何故そこなのかというと『山に行ってみようよ、なんとかを隠すには林の中って言うしね』という武部さんの発言のもと、私たちはそれについてきている。
なかなか見つかりませんねと誰かが呟き
「グループで別れて探そう、そうした方が速い」
中尉がそう意見し誰も反対しなかったことので私達3人グループと西住さんグループ4人で山の中を探すことにした。何分が歩いてるとき別クラスの2人と出会った。
名を式神菊子(しきがみきくこ)と栂村奏(とがむらかなで)というらしい。新たな仲間が加わり更に歩くこと数分、
「あそこに倉庫があります。行ってみましょう」
式神さんが指を指した先は倉庫だった。思ったより小さい、戦車がギリギリ一両入るかどうかの小ささだ。ぼろぼろの扉を開けると真っ暗で何も見えない。そこで探索用に渡された懐中電灯を照らすと戦車が一両見つかる。
「これは……パンター戦車F型」
昨日家で第二次世界大戦の戦車について調べていたときに載っていたパンター戦車G型の改良車両だ。しかしこれ動くのか?そんな気持ちが、募る
零奈であった。
しかし彼女達はまだ知らない後に戦車道の歴史に伝説を残す車両であるという事を。
新たに加わった2人ですが転生者ではありません。完全オリジナルキャラです。転生した人達は軍曹、中尉、大尉の3人でこれ以上増やすつもりはありません。