中尉が照準をⅢ突に合わせ、引き金をひく、ドン!という鈍い音とともに砲弾が発射され命中する。
「命中」
中尉がそう呟く
「II突を撃破したな次は八九式、と思ったが西住が先に撃破したようだ。
ん?生徒会チームがAチームに近づいているな、浜田、今度は38tに照準を合わせろ一発でいけるな?」
「言われなくても分かってる。」
軽口を言いながらも、照準を合わせ38(t)に向かって攻撃する。中尉が言った通り一発で仕留めた。どうやらみほさん達も狙っていたようでほぼ同時に着弾する。2発の砲撃をくらった生徒会チームは白旗をあげる。これで一対一になった。一年生チームはどうやら履帯がちぎれてリタイアしたそうだ。そしてAチームはまだ橋を渡っていないので最後まで渡らせた。
「これで残り一つになったが相手は西住流だ。舐めてかかると負けるだろう、どう戦う?」
すると中尉は、
「行進間射撃でいくぞ」
中尉は自分の腕が落ちてないか確かめたいようなのでそう意見すると、
「採用だ」
「坂東、お前はIV号に突っ込みながら回りこむように車体を旋回させろ、栂村は次弾装填しろ。浜田は旋回してる時に狙え」
「「「了解」」」
覚悟を決めレバーを強く握り、
「一気に行きます!」
パンターをIV号に向かって全速で突っ込む。Ⅳ号が砲撃してきた。おそらく履帯を破壊して側面に回り込むつもりだろう。しかし履帯に当たる前に車体をドリフトの要領で大きく右に旋回させる。Ⅳ号は側面を取られないよう左に向け攻撃しようとするも旋回中なので上手く狙いが定まらずパンターの砲撃音だけがフィールドに響いた。
『Aチーム、Bチーム、Cチーム、Dチーム、Eチームいずれも行動不能よってFチームの勝利!』
『撃破された戦車は回収班が回収するわ、とりあえずみんな、戻ってきて』
蝶野さんにそう連絡がきて私達は元いた所に戻る。
「みんなグッジョブベリーナイス!初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ!特にAチームとFチーム良くやったわ。後は日々走行訓練と砲撃訓練に励む様に、分からない事があったらいつでも連絡してね」
「一同礼!」
『ありがとうございました!』
こうして試合は終わりを迎えた。
場所は変わり私達は、体を洗い流すために学園の大浴場に来ていた。途中みほさん達も来て大人数になった。私個人としては、女の子の裸体を余り見ないように断ろうとしたが周りの圧力に負けてしまいここにいる。
体を洗っているとき、みほさん達は、それぞれの役割を決めていた。4人の役割がほぼ決まったとき麻子さんは書道を選択しているからやらないと言っていたが、遅刻しすぎで留年が視野に入っているらしく、戦車道をすれば帳消しにしてくれると沙織さんが説得すると戦車道をやってくれるようになった。体を洗い終えあがろうとすると、沙織さんがみんなであそこに行こう!と誘って来た。あそこってどこのことだ?
そう思いながらもみんなについていく。
着いたのはデパートで戦車道ショップては無かった、そのせいかさっきまでワクワクしていた優花里さんがみるみる元気が無くなっている。
「何でここ何だ?」
「てっきり戦車道ショップに行くかと…」
「だってもうちょっと乗り心地よくしたいじゃん。乗ってるとお尻が痛くなっちゃうんだもん」
「えっ、クッションひくの?」
「ダメなの?」
「ダメ、じゃないけど…戦車にクッション持ち込んだ選手見たことないから」
沙織さん、あなたは戦車を普通の車と勘違いしてませんか?
戦車は文字通り、戦う車であって快適なんて言葉とは無縁のものなのだが、
「あとさー、土足禁止にしない? 汚れちゃうじゃない」
「土禁はやりすぎだ」
麻子さんもこれには、擁護しかねるようで反対していた。
「えー、じゃあ色とか塗り替えちゃダメ?」
「ダメです! 戦車はあの迷彩色がいいんですから!」
「いいんじゃないか?色くらいなら」
「白月殿⁉︎」
まさかの援護射撃が来て優花里さんは相当驚いている。奴は、前世では自分のモビルスーツを白色にペイントしていたからな、最もそれは奴が高い実力を持っているからこそなんだが。それから、沙織さん達は戦車の中に入れる物を決めていた。
このとき私は忘れていた。白月魅音が生徒会に提示した条件を、それに該当する戦車に乗っているのは私達という事を。
次の日、各チームの戦車の変わりように目を疑った。八九式は車体に『バレー部復活』の文字が刻まれている。Ⅲ突は赤、青、白のカラフルな色で塗装されている。更に旗も立っているがこの戦車メリットを潰している気が… M3は全体がピンクに塗装され、38(t)に至っては全体が金色で塗装されている… ビームでも弾きたいのか?唯一変わってないのはみほさん達のⅣ号戦車だった。ここまでで何か変だ、と気づいた人はすごいと褒め称えたい。
「む〜私達も色塗り替えれば良かったじゃん!」
「あぁ、38(t)が!Ⅲ突が!M3や八九式が何か別な物に!あんまりですよ、それにパンターまで!」
そう、唯一変わってないのはみほさん達のⅣ号戦車だけであり私達の戦車はそれに含まれていない。
「零奈あれは、一旦どういうことだ!?」
中尉が怒りながら指をさす。無理もないなぜなら指をさす方向には、
『白い塗装がされたパンター戦車』だった。しかもご丁寧に黒いトカゲのエンブレムまで刻まれている。それはまるでホワイトオーガー戦車版である。実はパンターは発見した戦車の中でも全体に傷がたくさんあったのたがそれが上手く白色と組み合わさってカッコいいと思ってしまったのは複雑な気分だ。
「アイツに直接言文句を言ってくる、言い方次第では殴る」
「八重乃、諦めてください。彼女が戦車道をするときに自分の戦車の色を好きに塗装してもいいならやると言っていたんです。」
そう言うと中尉は苦悶の表情を浮かべたていたが白月だけえらくご満悦だった。中尉ないつか殴ると小さく呟いていた。
「ふふっ」
するとみほが突然笑い出した。
「に、西住殿?」
「戦車こんな風にしちゃうなんて考えられないけど、何か楽しいね。戦車で楽しい何て思ったの初めて」
その頃とある学園では、アフタヌーンティーをしながら電話をする金髪を三つ編みに束ねた女生徒がおり、
「大洗女子学園、戦車道を復活されたんですの?おめでとうございます。結構ですわ。受けた勝負は逃げませんの、」
そして受話器を置く
今日の練習が終わり生徒会の号令と共に挨拶をした。皆疲れている中、河嶋先輩が皆んなに話しがあるそうなので集まると、
「今日の訓練ご苦労であった!」
『お疲れ様でした〜』
「えぇ、急ではあるが、今度の日曜日練習試合を行う事になった」
「相手は聖グロリアーナ女学院」
すると、優花里さんがの学校名を聞いて難しい顔になる。聖グロリアーナって確か…
「どうしたの?」
「聖グロリアーナ女学院は全国大会で準優勝のした事のある強豪です」
「準優勝⁉︎」
「日曜は学校へ朝6時に集合!」
その言葉に絶望している子が1人、
「…やめる」
「はい?」
「やっぱり戦車道やめる」
「もうですか⁉︎」
「麻子は朝が弱いんだよ…」
なるほど、だから朝あんなにふらふらしていたのか、けどここままではⅣ号の操縦手がいなくなる。それを避ける為にみほさん達が説得に入る。
「ま、待ってください!」
「6時は無理だ」
「モーニングコールさせていただきます!」
「朝だぞ…人間が朝の6時に起きれるか⁉︎」
そこに優花里さんが追い討ちをかける一言を口にする
「いえ、6時集合ですから起きるのは5時ぐらいじゃないと」
「人には出来る事と出来ない事がある、短い間だったが世話になった!」
すると、白月がここは任せろといい、麻子さんを呼び止める。
「冷泉、お前が戦車道を辞めるのは勝手だがお前は、遅刻し過ぎて単位が危ないんじゃなかったか?戦車道を辞めるという事は特典も放棄する事になるんだが、それでもいいなら辞めていいぞ」
相手の痛い所を的確に突いてくる。更に沙織さんが、
「このままじゃ進級出来ないよ!!私達の事先輩って呼ぶ様に成っちゃうから!私の事沙織先輩って言ってみ!」
「さ.お.り.せん・・・」
「はぁ〜、それにさちゃんと卒業しないとお婆ちゃんめちゃくちゃ怒るよ?」
「おばぁ!?」
すると麻子さんは大人しくなり、怯えた表情をしていた。
「わかった…やる…」
練習が終わった後、みほさんや他のチームの車長である磯部さん、澤梓さん、歴女の中では装填手のカエサルさんが生徒会室に集められた。ちなみに私達の車長は白月だが、どういう訳が気を失なっていたので、代わりに
中尉が代わりに行くことになったのだが、その時の中尉はスッキリとした顔をしていた。見送った後白月の頭を見るとこぶができていた、誰かに頭を殴られたらしい..取り敢えずそっとしておこう。
作戦会議が終わるまで優花里さん達と待っているとみほさんが何やら暗い顔をしていた。どうやらみほさんが隊長になった。ここまではいい、問題は負けたらあんこう踊りを踊らされるらしい。嘘だろ..思わず口が滑る。あの踊りは絶対に踊りたくない、そう思っていると、
「つか、勝とうよ!勝てばいいんでしょ!!」
「わかりました!負けたら私もアンコウ踊りやります!西住殿一人だけに辱めは受けさせません!!」
「わたくしも恥を忍んでやります!」
「それよか、私は麻子がちゃんと来るかの方が心配だよ..」
この発言から数分間、麻子さんを起こすことみんなで考え、沙織さんが迎えに行くことになりそれぞれの帰路に着いた。
そう言えば、中尉と白月が目を合わせたとき2人はお話という名の殴り合いをしていた。明日試合なのに大丈夫なのか?
感想お待ちしています。では次回