【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が   作:AC組んでSS書いてる人

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時系列
本編開始前


悩める五花海

「商売の風上にも置けない大人が多すぎル・・・!もっとこう、あるじゃないですカ…!」

 

上記の言葉は電卓をうち、銃を持ち、言葉巧みに騙し、蹴落とす日々を送っていた五花海のとある日で出た本音である。

彼は曲がりなりにも商人である。

詐欺師ではあるものの、商売の利益や他益に関してはきっちり熟知していた。わかりやすく言えば、自分の部下であるヴォルタに商売の仕方を教えれるほどには。

ヴォルタは生まれや育ちの関係上、覚えは悪いが中々素直だ。理解してしまえばきっちり物事がどこでどうつながるかを理解できるのだから。

 

だがここの大人は違う。

 

他人から利益をむさぼることしか考えてない。

誰かを出し抜くことしか考えれない連中が多すぎる。

それだけしかいないわけじゃない。ちゃんといい大人もいる。だがそんな大人は蹴落とされ、路地裏をひっそりと濡らすことしかできなくなってしまうのだ。

 

いい人ほど食い物にされ、悪い人ほどのさばる。

 

キヴォトスは極端な弱肉強食社会だ。

どんなにいい人であれ、力が無ければ食い物にされてしまう。

だがヘイロー持ちとそうでないものには大きな差がある。だからこそ、大人は汚くならざるを得ないのだろう。理屈はわかる。わかれてしまう。

シャーレの先生もあの権力が無ければいずれ押しつぶされていたかもしれない。

 

だが考えて欲しい。ここまで汚くなる必要はない!

 

人をだますのはいい、いや、よくはないが。品質をそのままにして少しずつ値段を上げたりするのは常套手段だ。

だが品質を落として値段を吊り上げるのは詐欺師の風上にも置けない所業だ。

だからこそ、彼は隠し事なしで動いた。三流の大人の策謀に対して、一流の詐欺師の手腕を見せてやる。

まぁ正直言ってあまりにも稚拙すぎて彼のプライドに火がつけられたのだろう。ムキになったのかもしれない。

 

だがそれが功を成した。

山海経の流通を取り仕切る玄武商会に肩入れしたおかげで子供たちや、それに味方する大人たちからの信頼も得た。

悪い大人がしょっちゅう襲い掛かるも彼ら・彼女らの協力もあって追い払い、少なくとも山海経から追い出すことに成功した。正直言って大成功と言えるだろう。

同時に大失敗でもある。山海経、特に玄武商会の面々に彼は気に入られ、臨時顧問にまでなったのだ。そしてあまりにも目立ち過ぎた。

 

ようするに派手にやり過ぎたのである。

 

彼的にはひっそりと路地裏の片隅に店を経営して少しずつむしり取りたかったのだが何度も言うようにどうしようもない大人共のせいで大立ち回りをしなくてはならなかった。

信頼を得るために解りやすく人に伝えるためには自分の足で稼ぎ、手を汚す必要性があることも彼は十分理解していたからだ。

 

だが今の状況は彼にとって好ましくない。

今や自分はベイラム精鋭部隊・レッドガンの3番目。

過去に2番目のナイルにコテンパンにされ、1番目のミシガンにくぎをぶっ刺され、商売を教えてる後輩のヴォルタや最近警察組織の外部顧問になって落ち着き始めたイグアス、ゲヘナのギャルに囲まれてよくタジタジしてるレッドや風紀委員に引きずられる訓練生には最低限顔を立てたいし立てた方がいいとも思っている。

 

これはレッドガンの功績ではなく、自分だけの功績であることも彼の悩みの種だった。

元々自分が住んでいた場所や文化に近かったからなのもあるが、レッドガン引いてはベイラムの影響が少ない場所としてここを選んだのだ。どうやらここは保守派で伝統を重んじる玄竜門と革新を外部から取り入れて新たに風を巻き起こさんとする玄武商会が対立しており、いつ爆発するかわからない火薬庫のような状態らしいのだ。

幸いにも上層部、組織を取り仕切っているボスは双方穏健派であり、無駄に争うことを好まない人間なのは不幸中の幸いと言えるだろう。

 

「明日はニューハウンズが食材を取りに来ますカ・・・」

スケジュール表を見ながら彼は独り言ちる。・・・ん?

 

「あ、いいこと思いつきましたヨ」

思い立ったが吉日。彼は手元にあった黒電話を取るとダイヤルを回し始めた。

 

『はい、もしもし。こちらニューハウンズ窓口の吉田です。どのようなご用件ですか?』

「自己紹介を、私の名前は五花海。玄武商会の協力者でス」

『・・・レッドガンでは?』

「あなたのような勘のいい子供は好ましく思いますが今は置いておいてくださイ。今日はあなた方に依頼があり電話しましタ」

『え、はい』

「明日あなた方はこちら…山海経・玄武商会まで食材を取りに来ますよネ?」

『えぇ、そのような予定になってますね』

「そのついでとは言いませんが、玄武商会の食材を狙うあくどい連中がいましてネ。

 黒鼠歯会(くろそしかい)と言うんですが・・・逃げ足だけは早く、我々だけではなかなか捕まえれないんですヨ」

『・・・なるほど』

「今回、私独自の情報網で明日また食材を狙う可能性が非常に高いことを突き止めましタ。あなた方はそれを迎撃、できれば本拠地を叩いていただきたイ」

『なるほど。・・・私だけではこの依頼を受け取るかどうか判断しきれません。ロニーさんに代わりますね』

「ゑ?」

すると電話の向こうから電子音声が流れ始めた。どうやら少し席を離れたらしい。少しすると耳障りな電子音声は切れて男の声が聞こえてきた。

 

『はい、お電話代わりました。こちらニューハウンズ総隊長兼G13のロニーです。で、五花海。依頼の要件だったな?』

「え、えぇ、そうですガ」

『ウォルターとエアも近くにいるが、その依頼は受けたいと思っている。俺たちは傭兵だ。大概の仕事は選ばないし、何より俺たちの名をさらにアピールするチャンスでもある』

「そうですカ。そう言っていただけて何よりでス」

『で、報酬はいくら出す?』

「事前に1000coam程どうでしょウ?」

『・・・もう少し盛れないか?1500でどうだ?』

「最近懐が寂しいんですよねェ…」

『じゃあ1200は?』

「んん~~・・・いいでしょウ」

『だが本拠地を見つけたところでどうする?俺達だけでやるか?』

「いえ、そもそも警備に玄武商会の面々も動かしまス。だから言ってしまえばあなたは本拠地を突き止めることだけに集中してくれてもいいですヨ」

『‥‥わかった。そちらによこす面々は後で電話する』

「あ、最後に一つ」

『なんだ?』

「総長と副長には秘密にしといてくれませン?」

『…、……ッ、‥‥‥‥わかった、これでも口は堅い方だ。約束する』

するとお互い電話を切った。

 

「さテ・・・忙しくなりますネ」

五花海は背伸びしながらそう愚痴た。

 

 

 

 

「・・・時間の問題だとは思うがねぇ」

全員の予定表に目を通しながらロニーはつぶやく。

 

「だがばれたところでミシガンが動くだけだ」

「だよなぁ・・・」

「そもそも後ろめたいことしなければいいのでは?」

「エア、それは俺たちにも言えるからあまり追及するな。生き方というものがある」

 

おわり





【キャラ紹介】
吉田
・ニューハウンズ窓口兼通信・情報部隊担当。
・なにかと名乗るので時々うたれて止められている。
・固有グラはない。
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