【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が   作:AC組んでSS書いてる人

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【時系列】
・機械仕掛けの花のパヴァーヌ第2章(エリドゥ攻防戦)

【備考】
・エリドゥの管理権限は「シンダー・カーラ」「チャティ・スティック」「調月リオ」の3名が分配している。
・もしものことがあった際、誰か一人に託すか完全に自立稼働にして自動制御されるよう細工が仕掛けられている。
・ラミー側の仲間はエリドゥにマッドスタンプ2出撃直後に潜入して一部機器系統(AC一機分のガレージ)を掌握住み。よって彼らも外部アクセス排除されたが機器の制御権は彼らが持っている。出撃ハッチは持ってかれた。
・エアはこの時点で義体を使って肉体を得ている。





ERIDU_ALLBLOCK&リターン・オブ・マッドスタンプ/ラミーズ・リバイバル

 

「成程、なかなかやるな」

そうつぶやくチャティ・スティック。

彼は今、ボスと共にラミーを撃破した後単独行動を開始した。ボスとリオは司令塔で指示を出し続けている。

そして自分はサーカスに乗り込みながら量産型サーカスに大雑把な指示を出しつつエリドゥとアバンギャルド君、そして量産型サーカスにハッキングを仕掛けてくるヴェリタスやエンジニア部を相手にしていた。

人間であれば脳が焼き切れそうな状況だが彼はカーラ謹製の超高性能型AI。それくらいお手の物である。

 

「どう?!ハッキングの調子は!」

『ダメ!仕掛けようとしたら仕掛けたところからブロッキングされてる!』

「複数同時はダメ?!」

『今やってるけど完全にこっちが後手に回ってる!しかも一枚目を突破しても二枚目が堅い…!』

「チャティか?!」

『たぶんそう!』

そしてヴェリタスやエンジニア部の面々はチャティの的確かつ迅速すぎるブロッキングに悪戦苦闘していた。

こっちは一つしか脳みそがない上にヘイローがついててもタダの人間だ。それが複数人。

だが相手は機械のアドバンテージを生かした同時並列作業なのだ。

脳の酷使による鼻血が出ても仕方ないことである。

だが彼女たちに悲劇が起きることになる。

 

「・・・フム、ヴェリタスをずっと相手にしているわけにもいかないな」

チャティは考えた。自身が対応できるものにも限界はある。ならば、どうするか。

そうだ、あれをするしかない。

アリスがアリスで終わらせるために彼は、ある意味自棄に走ったのかもしれない。

 

「最終段階と行こうか」

 

サーカスの目が、チャティ・スティックの目が強く光る。

 

『なッ?!』

「何?!何があったの?!」

『完全に閉め出されました!!ハッキング不可能です!!』

「え?!」

ハッキングができない。これは彼女たちにとっては死刑宣告に近い。今まで機械の遅延・妨害を担当していたのだがそれが全くできなくなるのだ。はっきり言ってお荷物同然である。

 

「最終プロトコル発動」

 

チャティの声がエリドゥ全域に響く。

 

 

「管理権限をチャティ・スティックに一極化」

 

 

「チャティ・・・!何を…?!」

リオが狼狽える。

 

「・・・まさか」

カーラが確信めいた推測を思いつく。

 

「全外部アクセスを排除」

 

「やっぱりかい・・・!私がきっかけを作るためのハッキング可能場所を全部閉め出したってわけかい…!」

「なんでそんなことを・・・?!」

「チャティはきっと自棄になっているんだ!アリスを殺すかもしれないという状況、それでも私たちに味方した!きっとつらい選択だったはずだ!だから、もう、全部終わらせる気なんだよ!・・・そんな選択を強いたのは、私なのにさ・・・」

そんなことを言っている間にもプロトコルは進んで行く。外部アクセスを排除する以上、もうだれにも止められない。それは管理権限を失ったカーラやリオにも言えることだった。

 

 

「オールブロック」

 

 

それを聞いたエンジニア部やヴェリタスは完全に自分たちが敗北したことを悟った。悔しさと胸がこみあげてくる。机を血がにじむほど握りしめて叩いてしまう。

 

「くそっ・・・!完ッ全に負けた…!!」

『これどうなるの?!』

「わかりやすく言うとハッキングで稼げた時間が全て消えた・・・!攻撃が加速する…!!」

『こんな時にラミーさんがいてくれたら…!!』

 

 

 


 

 

 

「うぅん・・・」

男が、ラミーが目を開ける。天井に見覚えはない。

 

「おい、ラミー!起きたか?!」

すると仲間の一人が気が付いたのか声をかけてくる。確か、こいつは・・・ルビコンのころから手当てがうまい奴だったっけか・・・?コイツはボスについていってなかったような・・・

 

「あぁ・・・ここは・・・?」

「俺たちでこっそり改造した治療室だ!」

「おぅ・・・あ、アリスは?!アリスはどうなってる?!」

そう大声を出しながらラミーは急いで体を起こす。自分がACの相手をしなければアリスが死んでしまう。今彼はその使命感と焦燥感に襲われていた。

 

「まだ奪還できてねぇ!そしてまだ処分もされてねぇらしい!」

「早く行かなきゃ…!」

そう呻きながらラミーは痛みをこらえてベッドから起きようとする。しかし、仲間の一人がそれを抑えようと両肩をつかんだ。

 

「待てよ!その怪我で行くつもりか?!まだ傷もふさがりきってないんだぞ?!」

「あいつらまだMTにすら乗れねぇんだぞ?!量産型サーカスにも苦戦してた!放っておけるわけねぇ!!」

「あぁそうだろうよ!今のお前ならそういうと思ってたよ!」

「だからそこをどけ!」

「待て!まず説明をさせろ!」

「なんだよ!」

「お前にいい知らせと悪い知らせがある!どっちから聞きたい!」

「良い方で!」

「よし!向かいながら話すぞ!」

そう言いながら二人は廊下を大股で歩きながら話をつづける。

 

「お前の機体の応急修理は完了した。動作やシステムに一切の支障はねぇ。あとはコア拡張機能をターミナルアーマーにした。これを使えばより安全にリペアキットを使用できる」

「おう」

「悪いのは、見ればわかる」

「なんだよもったいぶって」

「正直目で見た方が深刻さがわかるはずだ」

そう言いながら緊急のガレージに到着した。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「これは・・・ッ」

「コアや脚部は問題なかったんだ。頭部以外安定と信頼の大豊、俺たちRaDの自慢のレッカー。元々荒い作業や戦闘も想定してる。だが、BASHOがあまりにも損傷が激しすぎる。

腕の装甲は剥がれ落ちて機能が大分低下してるし、頭部もこれでなんでカメラアイ自体に支障がないのか不思議でならねぇ。それでも動けるのは半世紀前からずっと作り続けてブランド化したBAWSの技術力とボスが何故か引いてた改修案の設計図の賜物といえるな」

「・・・」

「ショックを受けるのは無理もねぇ。これは正直、さっきより戦闘になれるかどうか怪しいぞ」

少しの空白。考えたのだろう。

コーラルが抜けた頭ではこんなボロボロの機体で戦闘をさっき以上に行うことなんて難しいことくらいわかっていたはずだ。

だが

 

「いや、これでいい」

 

彼の答えはとうの昔に決まっていた。

 

「は?」

「ちょうど軽くなったんだ!機動力も上がってるだろうよ!」

「お、おいラミー!?」

かけてあった己のジャケットを羽織るとラミーはコックピットに無理やり乗り込んでいく。仲間たちも驚いたような顔をしながらラミーを見た。

そして閉めようとしたコックピットのハッチをガッと止めながら仲間が声を荒げる。

 

「おいラミー!お前のその態度から止めても出撃するのはもうわかった!だがまだ説明してないことがある!」

「言えよ!」

うるせぇ!今から言うんだよ!

ショットガンとチェンソーは問題なかった。だから弾丸を補充してそのまま載せてる。だが、アタッシュとミサイルがダメだった。だから、量産型サーカスから回収したバズーカとデリバリーボーイを積んでる

 

 

【挿絵表示】

 

 

一瞬の間。だが、答えは決まっていた。

 

 

「十分だ。ハッチ閉めていいか?」

「・・・行って来い馬鹿野郎!!」

ハッチが閉まり、又なじみ深いものが目の中いっぱいに映る。急がなくちゃいけない。だが、彼の心はやる気に満ち満ちていた。

脳裏に楽しそうに笑うゲーム開発部の面々とそれを見つめるチャティが思い起こされる。きっと一人でも欠けたら、二度とそんな笑顔が見れなくなることも勘づいていた。

 

「アリスを檻から脱出させる…名づけるなら、マッドスタンプ2・ジェイルブレイクか。ハハッ、いい名前じゃねぇか。最高だ」

 

『調子はどうだー!やれそうかー?!』

 

「また脳みそがワクワクしてきたぜ!最高の気分だぁ!!」

『また調子乗って落ちるんじゃねーぞぉ!』『今度はもう修理してやらねーからなー!』『無敵じゃなくなったお前の力見せつけてやれー!』『もしアリスたんを助けなきゃひどい目に合わしてやるからなぁ!!!』

なんか無理やりこじ開けたようなハッチからマッドスタンプ2は飛び出した。

 

 

無敵のラミー、再始動。

 

「・・・ッ」

そしてそれを見つめる白い少女がいた。それは少し目をつむるとガクンッと倒れた。

するとマッドスタンプ2・ジェイルブレイクに女性の声が響く。

 

 

『聞こえますか?』

「なんだぁ?!幻聴かぁ?!」

『私です。エアです』

するとラミーはニヤッと笑いながらからかうように答える。

 

「・・・あぁ!ビジターの女か!」

『そんな、照れます…!』

「ヘヘヘッ・・・で、なんか秘策でもあるのか?」

『私があなたをサポートします。ハッキングには多少の心得もありますし、損はないかと』

「・・・おう!頼りにしてるぜ!」

『わかりました、ラミー』

するとお決まりの言葉を口にした。不思議とラミーも同じ言葉を叫ぶ。

COMボイスにエア・そしてラミーの声が重なった。

 

『『「メインシステム、戦闘モード起動!」』』

 

 




【機体紹介】

【挿絵表示】

機体名:マッドスタンプ2・ジェイルブレイク
搭乗者:インビンシブル・ラミー
・被撃破後、先んじて潜入していたラミー側の仲間が回収、応急修理を施した機体。
・コア部分と脚部はともかく頭部と腕部の破損があまりにも激しかったが、RaD本部のカーラの机の上に置かれていた大破したBASHOの修理案を参考にしたため性能は著しく下がったものの一通りの動作は保証されている。
・武装はお釈迦にされてしまったデリバリーボーイとアタッシュに代わり、破壊された量産型サーカスから回収したデリバリーボーイと小型バズーカを背中に乗せている。本当はどちらもミサイルにしたかったがENが足りなかったようだ。
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