【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が 作:AC組んでSS書いてる人
・前回(ガルム)の続き
【出撃者】
・C4-617
・C4-618
・C4-619
・C4-620
・C4-621(ロニー)
・平行世界のC4-621(ムツヒ)
ザイレム下層部の格納庫に降りていく6人。そこは既に騒がしくなっていた。
「おい佐藤」
「はい!なんでしょう?」
「ACの整備状況は?」
「全部完璧!注文通りにアセットし直しました!パーフェクトです!」
「俺の先輩方は?」
「同様です!弾薬も補充しておきました!」
「流石だな。さすがは金田と茨木の部下だ」
「ヘヘッ」
そう言いながらロニーを最後尾にして彼らは自機に近づいていく。すると617が何かに気づいた。
「このエンブレムは…」
何と己の機体にニューハウンズのエンブレムが貼られていたのだ。これには思わず彼もびっくりする。
周りを咄嗟に見るとロニーとムツヒ以外の面々も同じように驚いていた。どうやら同じくエンブレムが貼られていたようだ。
「サトウ、くん、だっけ?」
「ハイ!」
「このエンブレムは、いったい?」
「それですか?整備ついでのお節介で貼ったんですけど・・・気に入りませんでしたか?」
「・・・いや、嬉しいよ。ありがとう、私たちのことも認めてくれて。恩に着る」
「ヘヘッ、なんてこたぁないですよ!」
次々と乗り込んでいくハウンズたち。ムツヒも乗り込み、ロニーも自分が乗り込もうと歩き出したその時、声がかけられた。
「621、行くのか」
ウォルターだ。後ろには子犬たちやエアもいる。
「あぁ、ウォルター。いってくる」
「・・・絶対に帰って来い。それ以上に俺から言うことはない」
「あぁ、任された。あ、食堂のモニターにでも映像を映しといてくれ」
「わかった。せっかくの共同だ。張り切っていけ」
「勿論」
少し言葉を交わすとロニーも機体に乗り込んでいく。
システムを立ち上げ、カメラアイに光が灯る。
「ハッチ開けろーーーーー!!!!!」
拡声器を通した金田の声がガレージ内に響く。機器が外され、ハウンズたちの機体がガクンッと動き出し、足を踏み出す。
そんな中、ウォルター達が子犬たちに語り掛ける。
「お前たち、食堂に戻ろう」
「いいんですか?」
「大丈夫だ。お前たちもよく見ているといい、俺の旧き猟犬の戦いを」
航行モードでブースタをふかしながら作戦領域に皆で近づいていると617から全員に向けて通信が入る。
「618・619・620・ロニー・ムツヒ、準備はいいかい?」
「618、いじょうなし」
「619、万全です」
「620、問題ありません」
「こちらロニー、支障なし」
「こ、こちらムツヒ。大丈夫です」
「事前情報によれば回転砲台含めた防衛施設と雑多なMT及びACの群れらしい。だけど、不足の事態に気を付けて」
「陣形は?」
「僕と620とロニーで正面から突撃する。618と619・ムツヒは周囲に散開して防衛施設を叩いて」
「「「「「了解」」」」」
ムツヒは機械をいじり、他5人は神経接続を強化して戦闘モードを立ち上げ、起動するとさらに加速して基地に突撃していく。
途中で618と619・ムツヒが散開し、開幕ミサイルを巻いた。ミサイルは雨・弾幕となってやつらに襲い掛かる。
『なっ何が起こっtギャ―――――ッ?!!!』
『な、なんだ!敵襲?!』
『襲撃!襲撃です!全員戦闘準備を!!』
『クソッ!どこからの攻撃だ?!』
広域通信を間借りしているのだろう。こちらにも通信や悲鳴が丸聞こえだ。
「奴さん慌ててんぜ。このまま沈めるっ!」
「ロニー・620、行くよ!あまり離れないで!確実に仕留めて!」
「「了解/応!」」
617を先頭にさらに加速して3機は敵陣地に突入する。廃ビルや大型倉庫・煙突が並び、ところどころに鉄骨で組んだ足場や武装設備が置かれていた。元々は工場都市だったのだろうか。彼らにとっては知らぬ話だが。
『敵だ!AC!』
『数は?!』
『外に3!中に3だ!』
『どこの所属だ?!』
『あのエンブレム…ニューハウンズです!』
『意地汚いハイエナどもが・・・!ここでぶっ殺せ!!』
相手もようやく気付いたのかACやMTが物陰から姿を現す。
『めっちゃうらまれてるじゃん。なにしたの』
「俺達で散々依頼受けて襲撃とか各地でしてきたからな。多分その伝手だろうよ」
『仕事しただけで恨まれるなんて大変だよね~』
「独立傭兵なんてそんなもんだろ」
ハウンズの軽口。
『死ね―――――――ッ!!!!』
ACの一つが襲い掛かる。左腕には鉄骨が握られており、それを振り下ろしてきた。
「遅いッ!!」
ロニーはするりとよけるとそこに間髪入れずに620が滑り込んできてハンドガンを連射する。スタッガーに陥った敵機のコアに617のブレードが突き刺さった。
『この、化け物がぁーーー!!!』
爆散。
しかしそこで止まる猟犬たちではない。
すぐさまブースタをふかし直した617のガトリングが火を噴き、たちまちMTやACをハチの巣にしていく。
撃ち漏らしたものもいたがロニーのショットガンや620のレーザーが砕き、貫いていく。
『なんだコイツら…?!いつものガキどもじゃねぇ!!!』
『ハンドラー・ウォルターめ…まだ隠し玉があったのか…!!』
『なんでもいい!とにかく撃て!!』
『こっちもやられてる!なんだ、この統率の取れた動きは…?!まるで、猟けn』ブツッ
『畜生は畜生らしく地面でみじめに這いつくばってろやゴラァ!!!』
敵の通信を聞き流しながら猟犬たちは手際よく着々と敵勢力を沈めていく。
すると618から通信が入ってきた。
『こちら618。がいかくにあったひときわめだつミサイルはっしゃだいぜんぶこわしたよ。どうやらどこかへむけてはっしゃするよていにみえたけど』
『・・・もしやゲヘナとトリニティにでも発射するつもりだったか?むだなことを…』
「それにしても…残党というには施設が充実しすぎている…。誰かが横流しでもしているのかしら?」
「それはわからない。考えるのは後にして。残りはある?」
『まだ外殻に設備が残ってる。全部破壊してからそちらに合流する』
「了解だ619。ムツヒちゃんもまだ行ける?」
『もちのろん!』
『そっちの健闘を祈る』
「祈られたら困るんだよ先輩。ウォルターから生きて帰って来いって頼まれてんでな…あんたらは生かして帰す」
「マジ?祈るのやめるわ」
『そっちも死んじゃダメだよ、ロニー』
「わかってるムツヒ。
神なぞ戦場では無力だ。あいつらはどこまでも偶像で、人と人の争いになるとてんで役に立たん」
そんなことをのたまいながら次々と破壊し、仕留めていく猟犬たち。
そんな中、ムツヒが何かに気づいた。
『あれは‥セントリー?』
「封鎖機構の連中のブツか。なぜ残党どもが?」
『もしかしたらあの時の騒動の回収品かも・・・だけど動きが少し鈍い。所詮底辺のジャンク屋共と支配権を失った会社の残党だ。碌に修理できなかったと見た』
ロニーとムツヒでそんな話をしていると617から声がかかる。
「620、ロニー。私も何か視認した。人型だけど何か違う…ACじゃないよ!」
2人は617がピンを刺した標的を確認する。
それは大型の人型であった。背中には馬鹿みたいに過剰に積んだであろう火器と左手にはLCのものを再利用したであろう実態盾、右手には恐らくエクドロモイのものと思われるプラズマライフルが握られていた。
名づけるならば…高火力型HCだろうか。
「HC、その改造品か…!」
『マジで?!』
「ロニー・ムツヒ、知ってるの?」
「惑星封鎖機構の新型兵器だ。
ACほどの互換性はないが…LCより防御力と積載上限があり、カタフラクトや大型ヘリ、バルテウスより取り回しがいい…ハッキリ言って連中の独自兵器、その完成形だな。
まさか修理されていたとは・・・だが、HCの真価は滞空しつつも高火力な攻撃を矢継ぎ早に行えることにある。見たところあれは限界まで積んだせいか地面をすべることしかできないし、ランスも兼ねるシールドもねぇみてぇだな。センスもロマンもねぇ!」
『なめるなよエイリアンどもがぁ!!』
HCから怒号が聞こえる。対して617率いる突入組は冷静に陣形を組みなおす。
「ロニー!620!行くよ!!」
「ロニー!私と617で視線を取る!あなたが叩き込んで!」
「アイアイサー!3人に勝てる訳ねぇだろうがよぉ!!」
3機はさらに加速して高火力型HCに襲い掛かる。
対してHCは背中の火器を一斉射してまとめて消し飛ばそうとするが617のシールドに阻まれた。その間に620とロニーが左右からそれぞれ回り込むと攻撃を開始する。
『ちょこまかと…!』
HCは620にレティクルを合わせるとライフルのトリガーを引く。
プラズマは地面に着弾し、爆発が620を巻き込むがACS負荷限界には程遠い。
瞬間、衝撃。頭部を動かしてみるとロニーが蹴りを叩きこんでいた。
そのまま押しつぶしてやろうとシールドを振り上げるがそこに617の拡散バズーカが襲う。すかさずアサルトライフルトレーザーライフルがシールドを砕き、強制負荷限界に陥れる。
ブレードが2つ迫る。HCの中身が必死に操縦桿を動かすが復帰にはあまりにも遠かった。
パルスで形成された光波が2つ、HCの機体装甲をバターのように切り裂いていく。
だが、まだ動く。ジェネレータをフル回転させ、ブースターをふかして体当たりを敢行しようとした。だが617がシールドを張って脚部裏を削りながらもブレーキを変える。そこに後方からロニーがHCに張り付く。そのままジマーマンの散弾を2発叩き込み、肩ガトリングを接射する。ガトリングは恐ろしい勢いで機体装甲を削り取り、0にした。
『なっ!こ、この俺が!そんな…!くそぉおおおおお!!!!』
爆散。背中の火器の弾薬にも誘爆し、より激しい爆発が起こる。すぐに退避していた3機は爆散したのを確認すると再び動き始める。
「敵影は?」
「レーダーに反応なし。だがまだいるかもしれない。くまなく探索しよう」
「了解。おい、ムツヒ」
『…何?』
「そっちは終わったか?」
『エクドロモイとかLCとかいたけど・・・動きが良くなかった。MTやACとは操作性が違うみたいだし…まだ試運転中だったのかも』
「一朝一夕で操れるなら封鎖機構の顔が立たねぇだろ」
『それはそう。間違いなくそう』
『私たちも内部に突入している。虱潰しに破壊して回ってるけど…何か変だ』
「変って何が?」
『封鎖機構の兵器を多数回収しているなら…LCやHC・エクドロモイだけじゃないはず。何か、何か見落としているような…』
「とりあえず全員集合しよう。場所の指示を送る」
617がピンを指すと皆そこに集まっていく。
「集合したな」
「うん。でも、ゲヘナ…とトリニティ?だっけ??そこに攻め込むにはいささか戦力が足りなくない?」
「少なくともレッドガンやヴェスパーに対抗するには心もとない。もしや、戦力を片方に集中させる作戦だったか?」
「ひとつをおとしてそこをあしがかりにするつもりだったのかな・・・?」
「だが、それならもっと大型の兵器を…待て、何か変だ」
するとロニーが何かに気づく。そして頭部を回してカメラアイを周囲に向け始める。
「どうしたの?」
「何か、音が聞こえる。なんだ、この音は?」
「・・・確かに聞こえる。一体、何が」
次の瞬間、彼らの後方のひときわ大きな大型倉庫を突き破りながら何かが飛び出してきた。
「なっ?!」
「どけぇ!!」
驚くムツヒをロニーが突き飛ばした刹那、巨体がロニーに激突した。
「ロニー!!!!!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ?!!!!!!!!!!!!」
ロニーは体当たりで負荷限界に陥ったものの機体に何とかしがみついており、肩ガトリングとジマーマンを斉射し、もう片方の銃床で殴りつける。だが、巨体は止まることを知らない。どうやらこのまま廃ビルにたたきつけるつもりか。
『ギャハハハハハハハハハハ!!!死ねぇえええええええええええ!!!!!』
巨体から下卑た声が聞こえる。だが、ロニーは装甲に足を引っかけるとそれを踏み台にして上に思いきり飛んで脱出した。代わりに巨体が廃ビルにツッコんでいく。瓦礫で姿が見えなくなった。
着地した彼に皆が駆けつける。
「ロニー、大丈夫か?!」
「まだいける?!」
「やってくれたね、アイツ・・・!」
「大丈夫かロニー!リペアはあるか?!」
「ごめん、ロニー。私、油断してた」
「問題ねぇ先輩方。ムツヒも謝んな。俺が死んでねぇだけ正解だろ」
口々に話しかけてくる皆にロニーは返答するとリペアキットを使用して機体を回復させる。
「先手は取られたが・・・それを覆すのが猟犬の狩りだ。違うか、先輩方」
「・・・そうだね。あいつ・・・カタフラクト・・・因縁の相手だよ」
「みんなとこんどはいっしょにたたかえるね」
「あぁ、行こう」
「あの時は後れを取ったが…今度はそうはいかねぇ」
「おう、やったろうぜ先輩方。ムツヒ、行けるか?」
「うん、行けるよ。私にとっても、因縁がある」
6機はそれぞれの得物を構える。カタフラクトも突き破った瓦礫の中から姿を現した。
続く