【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が   作:AC組んでSS書いてる人

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前回の続き




因縁

6機と1つの巨大な影がにらみ合う。

6機はC4-617を筆頭とした旧ハウンズ。対して巨大な影はジャンク屋共と残党どもが修理したであろうカタフラクト。

カタフラクトは元は惑星委封鎖機構が開発した地上用機動兵器であり、多彩な武装とそれに伴く火力で地に足付けるものすべてを薙ぎ払える。しかもMTを組み込むことによりMTの武装として一人でも扱いきれる上に整備性も案外悪くない。まさに予算に優しい兵器である。しかも単独で短時間だが飛行が可能であり、他部隊との協同もできる。もちろん単一でも十分強い。

それをこの6人は知っていた。1人は情報として、3人は彼の兵器に壊滅させられた身として、2人は一度対峙したものとして、それぞれの事情は違うが皆知っていた。

 

「カタフラクト・・・こちらとしては因縁の相手だ」

「知ってる」

「撃破するよ。皆で帰るんだ」

「あぁ」

6機が機体越しに構える。5人の接続はさらに強くなり、1人は機器を更にいじくる。

6機の中で同じ声・同じ音調・同じシステムが響く。

 

【メインシステム 戦闘モード 再起動】

 

瞬間、6機は一斉に散開する。カタフラクトから放たれた砲弾が6機のいた地面に着弾、すさまじい爆発を起こしながら派手に地面をめくる。

 

「何あの爆発?!」

「新兵装か…?!少なくとも俺達のデータには見なかったものだ!」

「レーザー砲の代わりか?奴さん、レーザー技術はてんで利用できなかったらしいね!」

617の推測を受け、総員がよく見ると確かにそれはあった。見る限りグレネードキャノン。弾速はあまりにも早い。だが、若干2名に見覚えがある。

 

「なに、この、ぬぐえない既視感は」

「どこかで見た気が…」

 

「まって!あのカタフラクトなにかがおかしい!きたいこうほうになにかある!」

「あれ何?!あんな武装見たことがない!」

「趣味悪いなぁ・・・」

618・620・619が口々に何かに気づいたのか叫ぶ。2人の621がなんだと注視し、そして驚愕した。

 

「バルテウスかアレ?!」「バルテウスだよねアレ?!」

 

2人が声を上げたと同時に背中の機構が円形上に展開する。

そこから大花火の如く、大量のミサイルが発射された。

 

「「バルテウスじゃねーか/じゃん!!!よけろ/さけて!!!」」

2人が同時に回避指示を出す。警報音と共に全員が回避行動を起こした。

 

「ミサイル多いー!!!」

「あぁーーーーー!!なんだコイツ?!!」

「わー↑わー↓わー→わわー↑!!?」

「奴の動きにも気を付けろーーー!!!」

617~620がミサイルの回避に注力する中、攻勢に転じるものもいた。

 

「ムツヒ!」

「任せて!」

ロニーとムツヒである。2人はアサルトブーストをふかす。クイックブーストも利用してミサイルを次々と掠りながらも直撃だけは避けるように避けて行き、突貫した。

彼が肉薄し、彼女が援護にまわる。

 

「奴の弱点は中央部のMTだ! ムツヒ、行けるな!!!」

「勿論!!」

彼の肩ガトリングが回転し、弾幕をばらまき始める。同時に両手に握られているジマーマン2丁から散弾が発射された。

更には彼女から放たれたミサイルやバズーカも複数直撃する。

 

・・・何かがおかしい。

あまり効いている感覚がしない。ACS負荷限界…いわゆるスタッガー状態に落ちていない。

2人の脳内に自分の主人である/あったハンドラー・ウォルターの言葉がリフレインされる。奇しくも2人は一語一句全く同じことを想起していた。

 

 

((不測の事態を予測しろ‥‥‥))*1

 

 

2人は観た。注視する。そして気づく。気づいた。

 

「アイツ前面に装甲板があるぞ!」

「バルテウスを抱えて装甲板も置いて大砲背負って尚機動力が落ちていないの…?!」

「ブースターでも増加装備してんだろ!恐らくは出力と推力でごり押ししてる!」

ロニーの推測の答え合わせをするかのように機体後方のブースターを思い切りふかしながら、ミサイルをばらまきすさまじい機動力で動き回るカタフラクト。

それに対応しつつ各員に伝える。

 

「こちらロニー。

奴は見ての通りカタフラクトだがMTの前面に恐らくはLCから流用したであろう装甲板が複数置かれている。背中にはバルテウスのミサイルポッドとジェネレータ、そしてそれを設置にするために車体が長くなっている。追加ブースターの推力と出力でごりおしてるのかもな。奴は基本地面だ。回復も素早いだろう。

 気を付けろ!」

「どう気を付ければいい?!」

「火力集中だ!奴の弱点が同じならばスタッガーに持ち込めば行けるはずだ!!」

「ならやるかぁ!!」

「なぐりつづければひとはしぬんだよ!」

「生きてるなら殺せるはずよ・・・」

6機が一斉に攻勢に出る。

 

 

 


 

一方そのころ

ウォルター「621!?」

ケンナ「ロニーさぁん?!」

総長「あれはカタフラクトか…?」

※前回カタフラクトにロニーがタックルされた時

 

華音辺「あれバルテウスじゃない?」

キッカ「・・・なーんか残党やジャンク屋にしてはなんか改造の質が高くないですか?」

テンリ「そこんとこどうなんすか?」

ジャミ「んー・・・今情報集めてるんだけど碌に集まらないねぇ。資金とかどこで調達したかが不明瞭だけど…改造は全てあいつらの腕かな。裏で何か動いてる気がしなくもないけど・・・正直考え過ぎな気がしなくもない」

 

イゼ「アレ?コエさんとツヅルさんと622さんが見えませんが」

キッカ「クルミとノラもいませんよ」

ジャミ「彼女等なら別の任務が入ったって言ってどっか行ったよ?」

ケンナ「エアさんとイトナさんも?」

ジャミ「今回はオペレーターだってさ」

 


 

 

 

「なにいまの」

「618、どうしたの?」

「いや、たぶんきのせい」

「集中しろ目の前にぃ!!!」

カタフラクトの攻撃をよけながら6機は攻撃を続ける。

操縦桿を全力で握り、Gに耐えながらもムツヒは必死に動かす。ヘルメットの中に納まっているその額には大量の脂汗が浮かんでいた。

 

(クソッ!勝てる、勝てるはずだっ…!私とこのメランダーC3ならどんな敵だって打ち砕ける……!!だけど、弱点はある!

 私が今は生身で、強化人間だった時の操縦が染みついていることだ‥‥!!)

「がぁっ…!!」

ガタガタと揺れるコックピットの中で機体制御をしている彼女から思わずうめき声がこぼれる。

そして皆、それを聞き逃す者たちではない。

 

「ムツヒちゃん、まだいける?!」

「まだ、まだいける…!」

「奴さん派手に改造を施したようだ!わかってるだろ!」

「キメラにも程があるよ・・・盛れば盛るほど強いっていかにも残党らしい思考回路だね…!!」

「だけど今実際に私たちもてこずっている!気を絶対に抜かないで!!」

「承…知ィ!!!」

ムツヒは歯を食いしばりながらシートに押さえつけられていた上半身を無理やり起こし、力を更に入れる。眼前のモニターにはガトリングを回すカタフラクトとそれをシールドで受けたりかいくぐっている味方の姿があった。

彼女は確信を得たように一人思う。

 

(やっぱりだ!間違いない!いくら体を頑丈にしてくれるヘイローでも、ACにおいては効力がない!やはりこういう状況だと強化人間の方が安定する…!! こんなところで再手術した弊害が出るなんて…!!)

 

 

ここで一つ話をしよう。

不思議な話だが、キヴォトスにおいてMTやACはキヴォトス人…特にヘイロー付きが持つ優位性や特性があまり作用しない。それは射撃やGへの耐久値などである。つまりは、腕だけが試されるということだ。

例えば、普段銃弾がどっかへ飛んでいきあたらない中務キリノがACに乗れば銃弾を当てれるようになったり、ロボや獣人がMTやACに乗ればそこら辺にいる木端のヘイロー付きを蹴散らせれるようになったり・・・

ACやMT、それに連なり類似する兵器群は、キヴォトスにおいて特殊な立ち位置を獲得していた。すなわち、逆転の一手・安定した戦力として。

だからこそ誰かは言う。

 

『ACにおいてはヘイローの有無が戦力には作用しない』

 

と。

 

 

 

話を戻そう。

 

「617、懐に飛び込んでガトリング斉射はできないか?!!」

「しようにも隙が少なすぎる…!!」

「俺が行く!!!」

ロニーが割り込んで叫ぶ。ウェポンハンガーを持ちかえるとブレードがガシャンと展開する。チャージされたパルス光波は指向性を持ち噴き出す。更にはブースターに熱が更に入り急加速してツッコんでいく。対して重騎兵はガトリングを向けた。回転が開始する。他も直撃を予感した。

 

しかし予感は裏切られる。

突然ブレードのブーストが中断され、彼の機体が横にスライドした。急な軌道変更により、放たれたガトリングの弾丸は宙を切る。

 

「ブレードキャンセルか・・・!」

それをモニターで見ていたテンリが呻くように呟く。

 

ブレードキャンセル 一部のAC乗りが扱えるテクニック、その一つである。

まず前提として近距離武器をふるう時にブースターをふかして接近する。ブースターの種類によって距離はある程度変動するが…共通する特徴はある。ブーストして近づいている間にクイックブーストをふかすと攻撃をキャンセルできるのだ。それを利用し、急速に近づきながら接近し、攪乱し、不意を突く。それがブレードキャンセルである。

主な使用者はロニーを筆頭にサム・ドルマヤン、ラスティといった凄腕である。コエはまだできない。622は…どうだろうか。できるかもしれない。というよりキヴォトス人はACにおいてもあまり近距離武器を使わない傾向があるのだが・・・それはまた今度の話にしよう。

 

しかし、ロニーは…独立傭兵はおろか全てのAC乗りの中で頂点に君臨する彼の技量は、そこで終わらない。再びブレードを展開するとブースターで急加速させる。だが、再びキャンセルして射線から外れる。

しかしまだだ。まだ終わらん。再々度ブレードを展開して突っ込んでいく。今度は弾幕を敷かれ、多少被弾した。だが、左右上下どこに飛んでもいいようにばらまかれていた故に集団性はなく、スタッガーさせるには至らない。

弾幕を突き抜けてロニーは敵の懐に飛び込むと、フレームがきしむほどの勢いでブレードを振りぬいた。緑白の残光が備え付けられていた装甲板をえぐる。そして素早く離脱すると間髪入れずにバズーカが飛んできた。ムツヒが放ったものである。

装甲板が爆風に塗れて割れ、その奥にある機体が姿を現す。2人は驚愕した。

 

「こいつ、MT…じゃない?!これは、バルテウス?!」

「有人に改造したっていうの?!」

 

なんとMTのあった場所にはバルテウスの人型部分が接続されていた。器用なことに背中の接続部を新規接続パーツを用いて再利用されており、その風貌は観る者に異様な威圧感を与えさせる。所謂「人型だが人間ではない恐怖感」だろうか。

 

『なめるなぁ!!!!』

カタフラクトから怒号が響き、散弾が飛んでくる。2機はそれをギリギリでよけるが動揺は隠しきれなかった。

 

「コイツ、カタフラクトとバルテウスの複合改造型か!」

「ショットガンもある!!」

しかしここにいるハウンズは2匹ではない。残り4匹も露出したコア部分に強襲を仕掛ける。

ハンドガンが連射され、ガトリングが視界を覆い、ミサイルやグレネードがせわしなくとんでいく。

怒号が通信機をびりびりさせながら響いた。

 

 

『クソエイリアン共がッッッ なめんじゃねぇええええええええええええっ!!!!!!』

 

 

敵パイロットが咆え、それと同時にキメラを中心にして白い光が集中する。

 

「まさか…?!不味い、全員離れろ!!」

ロニーが慌てて指示を出すも遅かった。

白い光を伴った大爆発。青白い光が視界を覆った。

 

「「「グワァ――――――――?!!!!!!」」」

巻き込まれた617・619・620が悲鳴を上げる。

 

「アサルトアーマー?!悉くバルテウスの機能をふんだんに使ってる…改造品にしては贅沢が過ぎる!」

「先輩方、まだ行ける!!?」

「「「うん/おう/えぇ!」」」

ムツヒとロニーがすぐさまカバーに入り、3機はリペアキットを使用し、すぐに体勢を立て直すと素早く動く。その間にも618は叫んでいた。

 

「ぱるすあーまーてんかいしてるよ!」

「一筋縄ではいかないわね…!」

再び動き始めたカタフラクトに皆々再度対処に動く。ミサイルを乱れ打ちしながら見えたソレはムツヒを動かすには十分だった。

 

「先輩、危ない!」

「え、ムツヒちゃん?!」

カタフラクトから振るわれたソレが619を押しのけたムツヒを襲う。

 

「ガァアアアアアアアアアアアッ?!!!!!!」

それは火炎放射器であった。かつてロニーもムツヒも苦しめられたそれはまるで剣の如く振り回され、地面に火を残しながら猛威を振るう。

 

「ムツヒちゃん!?」

「・・・だ・・・だ・・・・い・・・・・・」

あまりの衝撃と高熱、そして激痛に意識がもうろうとする。機体制御もうまくいかずふらふらと動いて膝をつく。

 

「こちら618!ムツヒちゃんがまずい!いったんひきつれてさがる!!」

「おう!こっちは任せろ!」

「こっち見ろモンスターマシンが!!」

618がバズーカを手放して腕をつかむと必死にブースターをふかして後方に下がる。そこを埋めるように619がミサイルを24本一斉射し、620がハンドガンを必死に連射する。617のガトリングが変わらず回り、ロニーのショットガンから放たれた散弾が舞う。

そんな中、618に連れられて後退していたムツヒ。618が必死に呼びかける。

 

「ムツヒちゃん!りぺあきっとをつかって!!おうとうして!」

618の呼びかけが聴こえないほど、彼女は追い詰められていた。衝撃による耳鳴りがあまりにも響き、何も聞き取れなくなっていたのだ。

 

(クソッ!やられた!強化人間の時でもきつかったのに生身だとダメージはさらに深刻になるのは明白だったはずなのに・・・!クソッ、自分の操縦に自分の体が追い付けてない!!意識が・・・・遠い・・・!目がかすむ・・・! 苦しい 酸素が 足りない)

 

ムツヒは強烈なGや攻撃に意識を飛ばしそうになっていた。口内を食いちぎらんとするほどの力で噛んでいなければ実際飛んでいたであろう。呼吸が荒くなる。視界が明滅する。操縦桿を握る力がどんどん失われていくのを感じている。悔しくて目から涙がこぼれる。

 

彼女は涙を流したその時、ヘイローが急速に輝きを増す。赤い光は血管の如く広がり始め、飼い主を模した模様の包帯がほどけ始める。ほどかれた内側から火がこぼれる。躯体がどんどん強くなっていく。

 

「・・・・・・・・・・・ぉおおおおおおおおッッッ!!」

 

眼を見開き、彼女は腹の底から叫んだ。

王たちの化身が目覚める。理不尽にあらがうことを願い、求めた者達が彼女の躯体を押しつぶされないように内側から支える。

拘束は、消えた。十全に動ける。まだ動かせる。

 

私は元々猟犬だった。

全部燃やして、それでもまだ生きたいと思った。

今こうして別の私と肩を並べて、先輩達とも並べてる。

 

まだ、まだ、終わりじゃない。まだ始まりなんだ!

私は、戦う!戦える!!まだ私の躯体は戦場だった!!この感覚だ!!

私が忘れようとして尚、忘れられなかったモノ。

この染みついたクセは一生消えない。例え、再手術をした今なお消えることはない。

私は煩わしかった。まだ、体が戦場を求めていた。寝ても、起きても、悲しいのに、苦しいのにまだ惹かれていた。

きっと誰かと一緒に戦うことを…いや、ACでともに戦うことを望んでいた!!

 

私は今、最高にうれしいんだ!!!!

 

彼女の顔に、躯体に苦痛は無くなった。それを上から見てほほ笑む複数の赤い影。

 

「むつひちゃん!いける?!」

「いける…まだ私は、戦える…っ いけますっ!!」

「よしいくよ!」

ムツヒはリペアキットを消費して体勢を立て直す。618はバズーカを拾い直すと再び二人は戦闘に参加した。

 

「ムツヒ、いけるか!」

「いける!」

「ならばよし!」

ここで一つ、改造カタフラクトの説明をしよう。

MTの部分はバルテウスの人型に、機体後方が延長され、ミサイルポッドと追加ブースターが設置。レーザー砲のあったところはバルテウスのグレネードキャノンになっており、バルテウスの片腕に設置されていたショットガンはそのまま。もう片方のガトリングはオミットされており、こっちには外付けしたであろうパルスキャノンが握られている。多分HCからはがした奴だろう・・・パルスキャノン?!

 

「618!パルスキャノンはシールドで受けるな!はがされるぞ!!」

「あいつカタフラクトの形したバルテウスだろ!」

「マジで頭おかしい・・・」

カタフラクトはアーマーを張りながら猛攻を加える。

パルスアーマーは強力である。特に惑星封鎖機構の奴は特別だ。パルスシールドを全周に張り、己の攻撃は通すが相手の攻撃は通さない。今は亡きコーラルシールドもそんな感じだったがそんなことは今どうでもいい。*2

読者諸君も思ったことがあるだろう。「HCよこせ」とか「LC動かしたい」とか「エネルギーパイルよこせ」とか「ヴィーヴィルの足よこせ」とか思ったことは1度や2度ならずあるはずだ。わかるはずだ、わかるはずだみんな!!

だが全周囲型のパルスアーマー…パルスシールド系には共通する最大の弱点がある。それは常時展開されている代わりに

 

「割った!割れた!!割りました!!!」

「今だ行っけーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!」

一度割れたら強制的にACS負荷限界に落ちることである。これはタキガワハーモニクスやアーキバス系列が発売しているシールドでも同じと言えるだろう。皆617と同じように割れてもすぐさま立て直して行動できるわけではないのだ。

 

コアめがけて全員タコ殴りしに行く。まるで一つの得物を食いちぎらんと攻撃する狼の群れのようだった。

しかし、カタフラクトはまだ終わらない。再び動き出した。

 

「くそっ…!」

「こいつどれだけ…!」

「しつこい!!」

動き出した奴に617・620・621がくらいつく。火炎放射をターンしてまき散らし、ミサイルをばらまきながら疾走する。

そして再度パルスアーマーが展開される。ロニーはガァンッとはじかれるがすかさず体勢を立て直すとガトリングを回す。彼は視界端に移っている残弾数を目にかけながら独り言ちる。

 

「(チッ やはり弾丸が足りん!短期決戦を考慮していたが長引いたパターンへの対策もある程度していた!だが、まさかここまでとは・・・だがっ!!)先輩方、アサルトアーマーは?!」

「「「ある!!」」」

「一斉にぶちかまして強制的に動きとめるぞ!618先輩、ムツヒ!援護行けるか!」

「「うん!」」

「俺が肉薄して標的を絞らせる!奴さんを釘付けにする!!!」

ブースターをふかして彼はわざと正面に躍り出た。ミサイルやグレネードキャノン、果てはショットガンや火炎放射もまき散らされるが最小限の被害に抑えつつ攻撃を仕掛ける。

 

「コア理論に基づいてる、武装も申し分ない、腕も悪くはない、これが普通なら一方的なんだろうな。だが、俺たちをなめるなよ」

ロニーが言葉を発した瞬間、3つの影がカタフラクト擬きに飛びつく。そして3機のコア後方部が展開すると3つの大爆発が重ねて起こった。

パルスアーマーを強制的にはがされてACS負荷限界に陥るカタフラクト。次の瞬間、ミサイルやバズーカの嵐が機体を襲った。

そして二つの光波がコアに迫る、617とロニーのパルスブレードだ。

 

「俺達ハウンズに」「勝てるわけないだろうっ!!!」

そして深く袈裟切りが二つ刻まれた。奇しくもバツ印に刻まれたそれは機体の限界をとうに越した。

 

 

『忌々しいエイリアン、いや、インベイダー共が・・・ここは俺たちの場所だぞ…!いつか必ず追い出してやるからなぁ!!!

 

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!』

 

 

断末魔を上げながらカタフラクトは大爆発を起こし、沈黙した。

 

「・・・・知ってんだよそんなこと」

「ロニー、気にしてるの?」

「いんや?必要としてくれてる奴がいるからまだいるつもり。まぁ、卒業する奴らは宇宙にも連れていきたいよな」

「私もその時が来たら宇宙にでも飛ぼうかな」

「ホシノは?」

「私がいなくても多分大丈夫でしょ。強いし」

「キヴォトスの外じゃあ強いだけじゃどうにもならんぞ」

「・・・・・・・・まぁ、うん、大丈夫でしょ。どうせシャーレにでも就職するんじゃない?」

「それもそうか。ま、自ら貧乏くじ引くくらい惹かれてんだろうな」

「それ先生慕ってる人たちに絶対言わないでよ?」

「お前はいいのか?」

「感謝もしてるし慕ってはいるけど・・・それはそれ、これはこれだよ。私はシャーレに就職するつもりはないかな」

「うちで雇ってもいいが」

「ん~~~・・・便利屋皆で宇宙行きたいんだよね。その時は手伝ってくれる?」

「いいぞ、それくらいはな」

 

「おーい、二人とも~帰るよ」

「「おう/はい」」

 

続く

 

*1
※エコー付き

*2
※この世界のコーラル兵器は全て沈黙してしまっている







カタフラクト改造型
・ジャンク屋やカイザーの残党が改造・修理した姿。
・36連装垂直ミサイルやガトリングキャノン、ガトリンググレネードは同じだが追加で機体後方にバルテウスのミサイルポッドが無理やり接続されており、水平の相手にも攻撃が更に熾烈になっている。しかしバルテウスの分、機体後方が長くなってる上ジャンプ及び短時間の飛行はできなくなった。が、それを補うために大型のブースタが複数追加装備されている。これにより機動力は落ちていない。
・レーザーキャノンはグレネードキャノンに置き換えられている。具体的に言うならバルテウスのアレ。弾速は弱体化アプデ前のもの。今よりも体感3倍速かった。
・本体にはLCのものであろう装甲板が増設されており、非常に強固。装甲板を割られたらバルテウスのコアユニットが姿を現し、ショットガンとパルスキャノンが解禁。体力半減するとアサルトアーマーと同時に第二形態に移行。バルテウスのパルスシールドが展開され、火炎ブレード及び火炎放射解禁と殺意マシマシ。
・これだけ無茶な改造をしたことも相まって整備性は劣悪。だが後先のことを考えず馬鹿力でとにかく目の前の敵を引きつぶそうという設計思想が見て取れる。
・ちなみにバルテウス部分は弱体化アプデ前を考慮している。
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