【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が 作:AC組んでSS書いてる人
・COMBAT_ZONE
ゲヘナ学園郊外
・OBJECTIVE
護衛
・REWARD
coam 200,0000
BATTLE LOG あり
・DETAIL
新型ACの護衛。
今回は622のLOADER5で出撃する。
僚機あり。
空崎ヒナ
ニューハウンズ、あなたたちに依頼がある。
私達は今回、新型ACの配備を決定した。完成したらしくてこれから贈られるらしいのだけれど・・・情報部から少し気になる情報が送られたの。
どうやらこれを良しとしない複数の勢力がこのACの破壊をもくろんでいるらしいのよ。
あなたたちには、迫りくる敵勢力を全て撃破してもらう。
レッドガンも私たちもほとんど出払ってて、今回護衛できる立場にない。
新型ACの搭乗は今回は火宮チナツが行うわ。あの子は至らない点も多いけどいい子だし貴方たちとも協同できるはずよ。
頼むわね。
タンク・2脚・逆脚の計3機のACがその場に降り立つ。
「二人とも問題ないよね?あったとしても行くけど」
「そんなこと言うな622。私達の仲だ」
「そうそう、金田もきっちり整備してくれたから万全だよ」
LOADER5・Power_Pray・Facing_Forward。搭乗者は左から622・河岸コエ・文月ツヅルである。622とコエはそれぞれニューハウンズAC/MT部隊と歩兵部隊の隊長を務めており、ツヅルはその双方に属している。今回コエは歩兵部隊を他の面々に任せて自分はACに乗り込んだようだ。そしてこの3人はニューハウンズ最古参組でもある。
『今回このACに乗る火宮チナツです。今日はよろしくお願いします』
すると今回護送するACから通信が入ってきた。名を火宮チナツ。
「チナツちゃん、今日はよろしくね」
622が声をかける。それに対して彼女は右腕をを上げることで返事した。
「ところで何故お前が抜擢されたんだ?」
「コエ」
「案ずるな、事情は聴いている。だが、戦闘だったら銀鏡がいるし、なんならアコでもいいはずだが」
『委員長に直接教えてもらったんですけど…イオリは前に前に出がちだし、行政官はちょっとこういう協同に難ありな部分があるので・・・後方で動いてる私の方が適任だったようです』
「成程ね、たしかに今君が乗っているACは護衛対象だよ。変に意地貼って前に出た挙句、撃破されでもしたら任務は失敗だからね」
「流石空崎ヒナだな。長目だ」
「それはわかったよ。ところでどこまで操縦できる?」
『訓練で各武装制御とブースト移動・ホバー移動は一通りできます。クイックブーストやアサルトブーストはまだ未熟ですが』
「コアエキスパンションは?」
『パルスプロテクションが3つ、です』
「起動方法はわかるか?」
『わかってます』
「どうだ、二人とも」
「おそらく操縦訓練は短期間でしょ?それでそこまでできれば十分だよ」「うん、622に同じかな」
「だそうだ」
『それはよかったです』
そんな話をしていると友軍識別タグがその場の全員に交付され、更に通信が入ってくる。
《今回は私、大本イトナがオペレーターさせてもらうよ。今日はよろしくね》
『今日はよろしくお願いします』
「今回はお願いねイトナちゃん」
《任せてよ。タイタニニック号に乗ったつもりでいてよ》
「それ最後真っ二つで沈没するじゃねーか!」「なんかもう不安になってきた・・・」「やめてよ縁起でもない!」
《思った以上に非難囂々で泣きそう》
『ま、まぁ皆さん。行きましょう?』
「「「おう/うん/はい」」」
そして4機はブースターをふかしてすいーっと動き始めた。
『集まってくださったのは嬉しいんですけどどうしてこのメンバーで?』
「クルミとノラは別の任務で出たし621さんは先に任務行ったんだよ」
「ACで出撃できる奴が多いのが私たちの強みだしな」
「そもそも傭兵集団だからどこにも縛られないのが最大の強みでしょ?」
「あとは私達付き合いが長いからさ?ある程度連携はやりやすいのよね」
《そうだね。私も付き合い長いもの。コエとはブラックマーケットからの仲だし》
「確かにな」
すると全員のコックピットに警告音が響く。
《お出ましだよみんな。蹴散らしていこう》
「っしゃあ、やるかぁ!」「気張っていこう!」「(無言でDIZZYを構える音)」
『が、頑張ります!』
4機が動く。警告のした方にカメラアイを向けると確かにMTの大軍が来ていた。
「どこの所属?」
「おおかたカイザーの残党だろう。あのエンブレムはカイザーのものだ」
「残党もしつこいよね。どっからその資金だしてんだか」
『MTの集まりだけど油断しないでよ3人とも!チナツちゃんが落とされたら終わりなんだから!!』
「「「了解!」」」
『私もお手伝いします!』
4機は一斉にMTに飛び掛かる。
『くそっニューハウンズだ!!』
『あの黒い4脚さえやれればこっちのもんだ!とにかくせめろぉ!!』
相手からの通信が聞こえるがそれをかき消すかのように622のミサイルが襲い掛かった。ミサイルが多数命中する中、その中を潜り抜けるようにコエのミサイルやショットガン、ツヅルのマシンガンやミサイル・プラズマライフルが飛び交う。そして次々と撃破されていく。
『なんだこの2脚…!俺たちのデータベースに登録がねぇ!』
『こんなやつ聞いてねぇぞ?!』
「コエ認知されてないじゃんウケル」
「ACで出撃なんてほとんどしてないしな!ほとんどシミュレーターだ!片手で数え切れる!」
「だけどそれでもここまで動けてるなら十分!!」
『す、すごい・・・これが猟犬』
スタンバトンが4脚MTを貫き、そこにツヅルの逆脚のドロップキックが突き刺さる。2機がすぐさま飛び退くと突き刺したコアロッドが炸裂し、直後に622のグレネードが着弾する。4脚MTごと周りのMTを吹っ飛ばした。
『ぎゃあああああ?!!!』
断末魔を上げてMTの軍勢は全滅した。カメラアイを各々別方向に向けて周囲を確認する。
「こちら622、MTを殲滅。引き続き護衛任務にあたる」
《りょーかい。でも最後まで気を抜かないでね》
「わかってる」
そう言いながら4機は再び移動を開始した。
移動しているさなか、コエが口を開く。
「そういえば・・・そのACを提案したのは誰だ?少なくとも風紀委員に協力してくれる奴らはレッドガン、特にCOMBAT-MANがいるだろう」
『委員長です』
「ヒナさんが?」
「・・・あいつは基本静観主義だ。現状を変えることはそこまでしないタイプの人間だ。そういうことにはあまり口出しをしない人間だと把握していたつもりだが・・・・アコの差し金か?」
『いえ、今回の件はヒナ委員長直々に動いていました』
「・・・どういう風の吹き回しだ?」
『委員長が直々に企業やレッドガンの方々と話し合うために足を運んで、予算を工面して…そして各場所を説得したんです』
「やる気に満ち満ちてるね」
『そうですね。本人は いつまでも訓練生さんに頼るのは良くないわよ とか言っていたんですけど・・・正直それも本心でしょうけどそれ以外にも何か理由がある気がしてならないんですよね』
その言葉を聞きながら622はこぼすように呟く。
「・・・なんか、4脚といい武装構成といい、ライガーテイルに似てない?気のせいだったら悪いけど」
『・・・』
すると一瞬沈黙が帰ってきた。4人はなんか変なことでも言ったかと少し内心焦る。
《なんかまずいことでも言った??》
『いえ、やはりあなた方も同じようなこと言うんですね』
「同じようなこと?他にも誰か言ったの?」
『イオリも同じこと言ってました。レッドガンの皆様も同じようなこと言ってて…ミシガン総長は背を向けてましたけど』
「それ照れてるだけなのでは?」(凡推理) 「シッ」
「アコはどうした」
『アコ行政官は色々言ってましたけど別室に連れていかれて帰ってきたらスゴイげっそりしていましたので…』
「万魔殿は何か言わなかったのか?特にマコトは難癖付けるだろう」
『いろいろ言ってたみたいです。ヒナ委員長直々に 説得 されたようですけど』
「なんか色々含みがあるようだけど・・・それは、まぁ、いいか」
《そういえば4脚と言えばコエって4脚適性が一番高かったよね》
「そうだな」
『なんで2脚を?』
「あぁ、それねw 聞いてよチナツちゃん。コエったら621さんに憧れて無理言って2脚にしてもらったんだよww」
「622、余計なこと言うな!」
会話に割り込みながらコエはショットガンのグリップで622の頭部を軽く小突いた。APが10ほど減った。
「こつかないでよ!」
「お前が余計なこと言うからだ!」
「だってホントのコトじゃん!シミュレーションでクルミとノラに中々勝てなくてふてくされてた時あったじゃん!!」
「だーーー!!!!やめろーーーー?!!!!」
コエはかき消すように叫ぶと今度は622のタンク脚を軽くけった。APが50ほど減った。
「ちょ、ちょっとごめん。からかったの謝るから小突くのやめない??こっちちょっとAP減ってんだよね」
「だったらからかうのやめろ」
「わかった。やめるから。
あーもーほんとコエは暴力的で嫌になっちゃうよ」
「私だって気にしてるとこをからかってくるの嫌だぞ」
「ほんとやってらんないよ」
「本当にそう思ってるか?」
「思ってたら一緒に隊長やってないよ」
「私もだ」
「「へへへへへへへへ」」
『仲いいんですね二人とも』
「「どこが!」」
《そんなところだと思うけど~? お、そんなこんな言ってたらお出ましだ!》
622とコエはすぐさま周りを確認する。
いた。さっきと同じようにMTの群れ。
『風紀委員に届けさせるな!』
『空崎ヒナがいねぇならこっちのもんよ!』
『ニューハウンズがなんだってんだかかれぇ!!』
「どこか特定できるか?」
《ちょっと待ってね。・・・わっかんねコレ。「「「は?」」」・・・あー、多分ゲヘナ在中の不良たちかな?少なくとも、組織って感じじゃないねコレ。よく見たら連携みたいな動き出来てないし。乗りたてホヤホヤか?そういえばホヤって食べれるらしいね》
「お腹すいてきた。でも在野の不良なら話は早い。さっさと蹴散らしてしまおうか」
「「おう/わかった」」
スッ・・・と622はグレネードを構えると弾頭を発射した。発射音があたりに響き、それをかき消すほどの大爆発轟音を響かせながらMTのほとんどを粉みじんにしてしまった。
『『『ギャーーーーーーーーッ?!!!』』』
打ち漏らした奴はコエがショットガンで、ツヅルがマシンガンで打ち抜いた。
「出オチにもなんねぇ!」
「一昨日来やがれ!」
622とコエが咆える。
《2人には悪いけどおかわりだ。MT多数・テトラポッドが3台・ACが1機。識別とエンブレムから照合して・・・これ温泉テロリストか》
「奴等か、反省も学習もしない」
「というかMTとACとか持ってたんだ」
『確かレッドウィンターに正式に仕事に行った時にMTとACをローンで買い取ったと聞きました。それをそのまま使用しているのでは?』
「余計な知恵だけつけやがって~」
「迷惑だよねほんとに」
「仕事増やしやがって 殺すぞ」
《3人とも目のもの見せてやれ》
ニューハウンズの面々が思わず殺意をこぼす。
カスミの掛け声でMTが一斉に襲い掛かる。対して5機全員が銃口を向けた。
622がグレネードやミサイル・アサルトライフルで吹き飛ばし、コエの実弾オービットやミサイル・ショットガン・ミサイルやスタンバトンの放電が舞い、ツヅルのプラズマライフルやマシンガン・ミサイルが飛び交い、たまにシールドが展開される。
チナツが駆る4脚にも多数のMTが襲い掛かる。まだ初心者ということもあり、かなりてこずっているようだ。
『クッ…!』
思わずチナツは苦悶の声を漏らす。
カスミの駆るACがこちらに両手の火炎放射器と両肩の10連ミサイルを向けているのだ。
ACSは熱異常を引き起こされており、モニター下部には 【ACS ANOMALY】 と表示されている。コックピット内に熱がこもり始めており、APも見る見るうちに削られている。リペアキットを1つ使い、パルスプロテクションを起動した。彼女を中心に円形状のパルスバリアが展開され、火炎を防ぐ。その間に彼女は無理やり体勢を立て直した。
『ハッハッハ!逃げても無駄だぞォ!我々の安寧のために撃墜されろ!』
ACに乗り込んでいるカスミの声が聞こえる。しかし、後ろから大量のミサイルが飛んできた。
『なっ!』
彼女が思わず後方に機体を向ける。そこにはMTを壊滅させ、こちらにミサイルを打ったニューハウンズの3機の姿があった。
「いい加減にしろお前ぇ!!!!!!」
コエの怒号が響く。
それと同時にLOADER5の左手に携えていたDIZZYから砲弾が発射され、カスミを通り過ぎ、後方、つまりはMTの群れに真っ直ぐ飛んで行った。
着弾と同時に起こる、手持ち武器とは思えないほどの轟音と爆風は内にいた者達を全て塵にし、外側にいたものにも無視できないダメージを与え、打ち漏らした者たちを右手に携えているRF-024 TURNERでしらみをつぶすかのごとくしとめていく。
Facing_forwardもそれに続くかのように4脚MTにフルチャージされたVvc-760PRの銃口からプラズマが発射された。広範囲に発射されたプラズマはMTたちの目の前をぶち抜き、全て爆散させた。
その間Power_playはカスミのACに肉薄していた。
蹴りとSG-026 HALDEMANから散弾が発射され、BO-044 HUXLEYから展開されたオービットから実弾の連射が追従し、BML-G2/P19SPL-12の分裂ミサイルがカスミをドンドン追い詰めていく。
『くっ、なんだ…?!コエ君の声が…!でも彼女は歩兵のはずだ!だからMTで襲ったのに!!』
「悪いが私も622達ほどじゃないがACの手ほどきは受けてるんでな…!少なくともお前たちよりは!」
『じょ、冗談じゃ』
次の瞬間、カスミはACS負荷限界に陥った。そしてそこを見逃す猟犬ではない。
コエが左手に装着されているVP-67EBをチャージするとバチバチッと音を立てて、ブースターを噴かせて急突進する。対して鬼怒川カスミは操縦桿をがしゃがしゃ動かすが機体はうんともすんともいわない。
コアにロッドに突き刺さり、そしてそのままひときわ大きな放電が起こった。強制放電である。
そして追い打ちに622の体当たりが炸裂し、吹っ飛ばされた所を今度はツヅルの逆関節から放たれた鋭い蹴りが突き刺さり、また吹っ飛ばされる。そしてガシャアンッと大きな音を立てて、地面を転がり、カメラアイを通してモニターに映った最後の光景は、こちらを見降ろしながら自分にSONGBIRDSを向けているチナツが乗り込んだ4脚ACの姿であった。
2連装砲から弾丸が2発発射され、機体のAPを0にした。
『そ、そんな、嘘だろ?! 夢なら覚めっ』
爆発。通信は途中で途切れ、機体は沈黙した。
《敵機沈黙。いやー、ほんと余計なことしてくれたよね。
お前たちは水底がお似合いだ。 ・・・なんつってね》
『それドラマのセリフですよね』
《そうそう》
「でもそのセリフはいた人、最終的に水没して自分が水底に行ったよね」
《ホントだよ。しっかし、温泉の連中もだいぶふざけてるよね。あんな付け焼刃みたいなACとMTだけで勝てるとでも思ってたのかな》
「いつもと比べたら度強あったけどな」
「でもACとMT乗ってると強気になりがちなのはわかるよ」
「実力を見誤った奴からやられていくからね。ホント、修羅の道だよ」
そして再び移動している4機。そしても目的地までもう少しというところでイトナから通信が入った
《待って、遠方から機体反応。こっちに迫ってきてる》
「え?単騎で?」
「普通協同した方が任務成功率は上がるはずだが・・・?」「いやな予感がする・・・」
《未確認の機体反応、接近中。接敵するよ!気を付けて!》
すると彼女たちの目の前に機体が着陸した。
見たところ機体構成は逆脚をベースに様々な企業のパーツが混成していることが一目でわかる。明らかに独立傭兵だ。武装は手にジマーマン二つを装備している。
その機体はゆらぁと立ち上がると広域通信でこちらに声をかけてきた。
『お前たちがニューハウンズだな』
「貴様、何者だ」
『俺のことはどうでもいい。そこの黒い4脚の破壊依頼が来ている。受諾はしたが…これは好都合か』
「好都合・・・?」
『お前らだ、ニューハウンズ。そのエンブレム、ロニーの部下、精鋭の集まりらしいじゃないか。あいつの部下ならば話が変わる』
「何か含みがあるように聞こえるけど・・・生憎お前の機体は見たことがない」
『当たり前だ。最近手に入れて少しばかり任務を達成していったばかりだからな。見慣れないのも無理はないだろう』
「駆け出しってことか?なめるなよ」
『ヘイロー付きは頑丈さが売りだが…それがACにおいて勝敗につながらないことを教えてやる』
4機は一斉に動き出した。対して相手の逆関節のACも動き出す。
「あの構成、間違いなく独立傭兵だ!両腕両肩の武器からかなり稼げてると思う!気を抜かないで!」
「だが自己申告で少しだけ依頼をこなしたとも言っている!奴はACを手に入れたのは最近じゃないのか?!」
「それでも今会敵しているんだからやるしかない!」
『できる限りお手伝いします!』
通信を回しながらも攻撃・連携していく4機。だが、おかしい。一向に仕留めれない。寧ろ、前線を張っているコエのAPがどんどん削られている。
「こいつ。なんだ…?!4対1で私たちが攻めあぐねている‥?!! 強いぞ!一朝一夕じゃねぇ!!」
「ジマーマンに気を付けて!アレにあたると無視できないダメージを受ける!」
『ドローンが…!』
チナツの苦悶にツヅルは思わず彼女のほうを見る。そこには2機のドローンがレーザーを彼女に打ち込んでいた。よけてはいるが多少被弾しており、かなり不利にされているらしい。
「Vvc-700LD・・・!使えるってことはかなりの手練れか!今までの敵とは格が違う!」
《情報、何とか収集できたよ!》
「こっちに伝えてくれ!!」
《各地の証言や情報をかき集めて推測した結果、あのACに乗っている奴は…独立傭兵”蚕“!
一度受けたらその依頼人を絶対に裏切らないことで有名な、裏社会の実力者だよ!》
「かなりの変わり者か…!」
《あとはこっちのアーカイブにロニーさんと便利屋の皆が交戦したと記録にあり!恐らく、ジャミのアジトを襲撃した時にいたんだと思う!》
『ジャミか、懐かしいな。あいつは金払いが良かったし、便利屋も強かった。だがロニーは特に強い』
「お前、そういうことか!ロニーさんと因縁があるのは!」
『因縁と言えば因縁か? だが、そこまで執着はしていない。あいつは強い。このキヴォトスの中で、間違いなく、一番強い傭兵だ。己に似合わずワクワクしてしまうな。だからこそだ』
「何が!!」
『だからこそ、俺は戦いたい。部下であるお前たちが来たのは偶然の産物だったが…アイツの手ほどきを受けたお前たち、どれほどのものか…俺で証明して見せろ!!』
そしてとにかく攻撃の応酬。アサルトアーマーによる爆発やパルスアーマーによる防御が起こったが一向に奴のAPを0にできない。
「そこをどけぇ!!」
しびれを切らしたコエのスタンバトンが襲い掛かる。だがそれをジャンプでよけるとショットガン2発で応戦した。パワープライはその2連撃でACS負荷限界に落ちてしまう。
「なっ・・・!」
『ひとぉつ!!』
蹴りを叩きこまれ、チャージされていた拡散レーザーキャノンの収束光がコエを襲う。そして追撃に複数のドローンのレーザーがパワープライを貫いた。なんと残っていたリペアキットを使わせる暇もなく撃沈させた。
「なんだこいつ…!強い…!!」
「コエ!ウォオオオオオオッ!!!!」
622からミサイルが全弾放たれるが、最小限の動きで被害を抑えられる。ツヅルがそれを埋めるようにマシンガンを撃ちまくるがQBでよけられるとABで護衛対象に急接近された。
『俺に集中するのはいいが、護衛対象ががら空きだぞ!』
チナツに肉薄し蹴りを打ち込むと拡散レーザーがチナツの機体に突き刺さる。
『きゃあっ!』
彼女から悲鳴が上がる。蚕はそれを耳に入れ、モニター内の情報をかき集める。
(なるほど、ENに弱いか。見る限りベイラム製だから当然か・・・温泉の連中を見る限りコア拡張はプロテクション。肉薄すればいずれ落とせるが…俺の問題はあっちだな)
警報音に素早く反応し、その場を飛びのいて離脱する。直後、プラズマ爆発が炸裂するがそれは彼の機体を傷つけるには至らなかった。
『ハッ、やはり楽しませてくれる!
(近距離は仕留めた。次はあの逆関節を仕留めるか。あのタンク、確か事前にもらった情報だと622と言っていたか。話によればハウンズの最古参と聞いている。ならばこの場で一番強いのは恐らくあいつだ・・・破壊対象の4脚はどうでもいい。俺は奴とサシでやりあいたい!)
なら俺が今一番すべきことは…!』
彼はクイックターンをして素早く振り向くと一気に加速してツヅルに突撃した。そしてそのままの勢いでドロップキックを放つ。
「ぐぅ!」
だがそれはシールドに阻まれた。ダメージこそ多少受けれど直撃よりはマシである。
「挟撃だ!此処で仕留めないとだめだ!」
「私が前に出る!2機で援護して!!」
『わかりました!』
『そうだ!それでいい!もっと!もっとだ!もっと俺に魅せてくれ!!』
「「この、バトルジャンキーがぁ!!!」」
ツヅルに猛攻撃を仕掛けられる。622が間に割って入ったり何とかチナツが乗りこなしてガトリングをばらまいたりしている、APを減らし、リペアキットを使わせど、いまだACS負荷限界に陥れることはかなっていなかった。
「こいつ強すぎる!ぐっ…ぁああああああ!!!!?」
「ツヅル?!どうしたの?!」
「なんだ・・・情報が…! 目が、脳が・・・・痛い・・・!!」
「ツヅルーーーーー!!!!気をしっかりしろーーーーーッッッッ!!!!」
『何が見えているんですか?!』
『強化人間は神経接続らしいな!おおかた情報量に脳が追いつけてないな?
俺はロボットだが鋼の躯体はいいぞ!並のヘイロー付きと違って頑丈だ!しかも少し改造を加えれば神経接続もできる!!人間と違ってリスクも少なくな!!!』
「うっせぇー!今お前の自慢は聞いてないんだ―――――ッ!」
622が咆える。しかし無常か。ツヅルはACS負荷限界に陥り、ジマーマンの散弾を叩きこまれた。そしてドロップキックをその躯体に受けてしまい、大きく吹っ飛ばされる。APは0だった。
「機体が…!!冷却が…あそこでパルスアーマー使ってなければ・・・622ごめん!」
「ツヅル!!クッソォ!!」
『622さん、きっとあと一歩です!!踏ん張って!!!』
「踏ん張ってじゃないよ!君も頑張るの!!」
残るは2機。だが蚕は一切油断していない。
『まずい、まずいです!』
「だけどあっちもリペアキットは2回使っている!あと1回、使わせることができれば、こっちの勝ちは目前だよ!」
そう言っているが622の心中は焦燥にかられていた。
(私のリペアキットは残り2回、チナツちゃんは1回。チナツちゃんは初心者だから1回じゃあまりにも不安だ!
奴は、少なくともラスティさんと同じくらい強い…!私の手でやらなければ…!
だが奴のコア拡張機能が全く分からない…!もしもアサルトアーマーならこっちがあまりにも不利だ!でも、どの拡張機能でも不利なことは間違いない!
こっちの方がAPとリペアキットで勝っている!だけど、相性はある!
奴は逆関節で、こっちがタンクだということだ!)
「クソッ!ノラとクルミもいてくれれば…!!」
タンクで疾走しながら622は呻く。
彼女らは同じタイミングで別の任務に行ってしまった。故に来れないのは622本人だってわかっている。でも、言わずにはいられなかった。
ケンナはこの戦闘にはついていけない。彼女はまだまだ早すぎる。
『俺もかなり追い詰められているが…622!お前が最期だ。ハウンズの最古参、AC/MT部隊の隊長!お前がロニーらを除いて一番強いはずだろ!見せて見ろ!俺に!!お前が今まで築き上げ、研鑽した実力を!!!』
「やってみろぉおおおおおおおおっ!!!」
蚕と622が咆える。両車の武装が火を噴き、互いに削っていく。
『こ、これが、実力者の戦い・・・!ど、どうすれば・・・!』
チナツがコックピット内でおろおろする。無理もない。一通りの動きこそできるが初戦初心者に毛が生えた程度でしかない。訓練だってした。さっきまで不良共を片付けたりもした。だが、ここまでの戦いは予想できていなかった。上位の戦いにはついていけないのだ。
622はアサルトライフルを連射し、グレネードを爆発させ、ミサイルを雨の如く降らす。
蚕もショットガンから散弾が舞い、レーザーが空気を先、ドローンが複数敵を打ち抜かんと展開する。
一進一退の攻防。
互いが互いを削り、極限まで意識と操作が集中される。互いに思う。
((先に集中が切れたら死ぬ))
互いに操縦桿を必死に動かし、Gに耐えながら攻撃を続ける。
622がACS負荷限界に陥るがパルスプロテクションが展開され、無理やりスタッガーを軽減する。リペアキットが使われ、残り1つとなった。蚕はそれを見て再び突撃するが今度はお返しとばかりに622の体当たりが直撃し、おし敗ける。
そんな光芒とも思える一瞬の攻防を続けているうちに、ついにその時が来た。
激しい音と共に蚕のACがACS負荷限界に陥る。
そしてそこを見逃すほど622も、チナツも甘い人間ではなかった。622はロニーに散々に、チナツは短期間とはいえ元訓練生くんに訓練を受けたのだから。
「これで終わりだ/です!!!!!」
622はDIZZYを、チナツはSONGBIRDSを構え、それらから放たれた砲弾が着弾し、爆風が彼を包む。
これで終わりか?とその場にいた誰しもが思った次の瞬間、イトナが叫んだ。
《待って!まだ終わりじゃない!まだ機体反応がある!》
「なにっ」
咄嗟に622がQBするとさっきまでいた場所にレーザーの閃光が通り過ぎる。
レーザーに切り裂かれた爆炎が晴れた先には、パルスアーマーを纏いながらこちらに武装を構えている逆関節ACの姿がそこにはあった。クモを模した頭部の8つのカメラアイが光り、こちらを睨みつけていた。
「まさか、ターミナルアーマーか?!こいつ最後まで戦う気か?!どこまでこっちに求めてくる?!ふっざけんな!!!」
622は思わずたじろぐ。
『いいぞ、やはりこの依頼は受けて正解だった…お前ほどの強者と戦えることが、今はすごく誇らしく思う』
「いい加減にしろよ!もううんざりだ!」
『だが声色が笑っているぞ!お前もやはり楽しいんだろう!』
どの口がと622は口元に手が思わず伸ばす。確かに口角は上がっていた。
「チッ…!」
『キヴォトス人は元々暴力への枷が緩い。お前も知っているだろうがな。
だが、ACやMTに乗っているときはその枷が更に緩くなる。そこら辺の奴でも在野のヘイロー付きを蹴散らせれるようになるし、ヘイロー付きとそれ以外の差があまり生まれない。
故に求められた、求められる!人の歴史は暴力性で満ちていた!誰かから奪い、勝ち残るために人は力を求めた!
その根っこは何も変わってはいない!』
「奪うだけじゃ手に入らない!」
『今更だ。
お前も傭兵ならわかるだろ?お前はどれだけの人間を任務と言って倒してきた?
お前も理解はできるはずだが?』
「・・・・お前を黙らせる!」
622は再びミサイルを一斉射する。多少被弾しつつも彼は確実に接近し、散弾を叩きこまれる。ACS負荷限界に陥り、猛攻を受けるが、まだ0にはならない。素早くリペアキットを使うと戦闘を継続する。
「お前の言い分は正しい。間違いなく、傭兵は力がモノをいう!
…でも、一人だけじゃ生きていけない!」
『・・・・』
「一人なのは寂しい!
一人だと分かんない事が沢山ある!
だから私は皆が必要なんだ!好きなんだ!
お前に、そんな心を許せる人がいるの?!」
『・・・なるほどな、仲間のために強くなるか。少し羨ましいな。俺もお前たちと協同したいものだ』
「だったら今すぐ投降しろ!」
『だが、一人なりの強さもある!之は意地の張り合いだ!』
622と蚕が戦闘しながらお互いの言い分をこぼした瞬間、そこに横から突入してくる者がいた。
『うわぁあああああああああああ!!!!!』
なんと火宮チナツがアサルトブーストをふかし、ミサイルとガトリングとショットガンをぶちまけながら4脚の回転キックを繰り出したのだ。
『なっ…!邪魔だ!!』
蚕は即座に対処した。ショットガン2連射に拡散レーザー、そしてドローンを使いスタッガーに落とすと蹴り飛ばす。
だがそのひと手間が勝敗を分けた!!
「ガァアアアアアアアッッッ!!!」
622は腹の限り叫ぶと体当たりをぶちかます。そしてDIZZYを向けると至近距離で大爆発を起こした。
爆炎が2機を包む。しかし、彼女も彼も全く怯まない。
突っ切って再び体当たりを敢行する。ロックオンは途切れていない。相手も同じだったのだろう。こっちに両足を向けている。
だが、押し切ったのは彼女のほうだった。そのままぶち抜くかのごとく突っ切った。
敵は大きく吹き飛ばされる。
APは、0だった。
そう言い残し、彼の機体は爆発・沈黙した。
《独立傭兵蚕、機体反応ロスト。脱出は・・・してるみたい》
「・・・・ふ―――――――‥‥コエ、ツヅル、返事できる?」
『なんとか・・・』『いてて・・・・』
「チナツちゃんもナイスファイトだったよ」
『いたた・・・ありがとうございます』
「しっかし・・・4機のうち2機は大破・2機は中波、か・・・かなりきつかったね」
『どんだけ引かれるんだろうな』
『少なくともマイナスになることは無いだろうけど・・・ロニーさんたちみたいにはいかないか』
『でも、ここまで激しい任務になるとは思いませんでした』
《私たちもだよ・・・周りに敵機の反応がないから敵はこれで本当に終わりみたいだね》
おわり
【機体紹介】
【挿絵表示】
機体名:BAAL(バアル)
搭乗者:ゲヘナ風紀委員会
解説
・「いつまでも元訓練生のCOMBAT-MANに頼りきりではダメ」という委員長の発言により設計図が組まれたAC。だが彼女たちの内情を見るに「万魔殿のパンデモニウムタンクに対抗・協同するため」という意図が含まれている可能性がある。
・近距離射撃戦に重きを置いており、ガトリングにショットガン、グレネードにミサイルと満遍なく火力に長けている機体構成となっている。
・今ミッションでの搭乗者は火宮チナツ。実は誰が乗るかは正式には決まっていないが空崎ヒナはやる気満々らしい。
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機体名:USEFUL_INSECT
搭乗者:独立傭兵「蚕」
解説
・とある人物と接触して提供してもらったAC。高機動で攻撃力が高い。距離を離されてもレーザードローンで追尾できるのでかなり手ごわい。
・彼女は思った。上から管理しようとするから失敗するのだと。ならば、横から提供すればいいではないか。そもそも自分は傭兵支援システムなのだから。そしてこの機体は新しい事業の一環であり、試金石である。
・良くも悪くもキヴォトス人は輪っか付きに限らず暴への枷が緩い。故にACを渡したらもっと人の真価を促せる。そうは思いませんか。
・「USEFUL INSECT」は「益虫」という意味だが、彼はこれを「都合よく使い倒される自分たち独立傭兵」と自虐の意味で使っている。彼の胸中には「自分たち独立傭兵は誰かにとっての益虫であり害虫」というのもあるのだろう。
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機体名:DEVELOPER(開発者)
搭乗者:温泉開発部
解説
・赤冬の縁で使わせてもらったACをそのままローン払いで買い取った。
・10連式ミサイルと火炎放射器を二つずつ持っている。理由としてはミサイル以外すべて雪を溶かしたりするためのものだったから。つまりミサイルは後から購入した。
・元々作業用のものをそのまま戦闘用に使っている為、FCSは最低限である。
・今回の搭乗者は鬼怒川カスミ。
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機体名:LOADER5
搭乗者:622
解説
・ニューハウンズAC/MT部隊隊長が駆る機体。
・今回はスリーマンセルということで支援機の立ち位置だったが最終的に最前線担当になった。
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機体名:Power_play
搭乗者:河岸コエ
解説
・ニューハウンズ歩兵部隊隊長が駆る機体。
・血がにじむほどの努力を重ねた結果ACへの適性を得ているが、やはりAC/MT部隊の面々に比べたら動きが悪い。
・ショットガンとスタンバトンは彼女が普段使いしている武器を参照にしている。武器を一緒にすることでコア理論に少しでも近づこうとしていることがうかがえる。
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機体名:Facing_forward
搭乗者:文月ツヅル
解説
・ニューハウンズ歩兵部隊兼AC/MT部隊所属の彼女が駆るAC。
・彼女はエデン条約での混乱が原因で足が不自由になったがそこをオールマインドにそそのかされて強化手術を受けた。
・色々あったがACへの適性を持ち、足が不自由なのを逆手に取り逆関節となった。
【裏話】
BAAL
・コンセプトはずばり「ライガーテイルの子供」。タイガーとライオンの交雑種で子孫を残せないライガー。しかしその意思は受け継がれた。
・カラーリングはフレームがヒナ、ショットガンがイオリ、グレネードはアコ、ミサイルはチアキ。じゃあガトリングは何かと聞かれればこれはミシガンの機体カラーリングをそのまま流用している。メインウェポンに当てることによってヒナにとってミシガンがどれだけ頼れる存在かということを示したかった。
USEFUL_INSECT
・コンセプトは「昆虫」。全体的なシルエットは異形を意識。
・顔はクモを意識しているベリル、足は獣の脚部をベースにしたマインドベータ。キメラ。
DEVELOPER
・コンセプトは「土方」。ごつい低頭身。
・チェンソーを振り回す案もあったがそれだとブルートゥに近づきすぎてしまうため没にした。