【ブルアカクロススレ】ルビコンからやってきたウォルター達が 作:AC組んでSS書いてる人
「あー…終わったー」
帰ってきた617率いる旧ハウンズたちがコックピットから降り、伸びをしながらガレージにある足場を歩いて備え付けられた椅子にテーブルを囲むように座る。
するとそこに622が駆るLOADER5とテンリが駆るライヒスアドラーとクルミのロンユーが帰ってきた。よく見るとコエとツヅルはLOADER5のタンクの上に座っている。
ガレージに機体を戻し、金田率いる整備班と電卓を打っているリズが軽く頭を抱えている中、子どもたちと大人たちは迎合する。
「俺たちの後に出たのか?」
「はい。どっちも護衛任務でした」
「コエとツヅルはどうした?機体持ってかれたか?」
「えぇ、してやられましたよ」
「まだまだ鍛え足りないですね…」
「どんな奴だった?」
「温泉開発部率いるMT群に不良たちの粗製共に…あとは独立傭兵でした」
「コールドコールか?スッラか?ノーザーク?」
「蚕って人でした」
「…あいつか。あいつもACを…」
「今は敵だが、今度は同じ依頼受けたいと言ってました」
「…そうか」
「それで私とツヅルは先に撃破されて…622と護衛対象だけでなんとか撃破まで持っていきました」
「そうか、よくやったな」
「ですが、あれは622ちゃんがいたから達成できたと言っても過言ではありません。私たちも、もっと強くなりたいです」
「いつでも声をかけてくれていい。いくらでも付き合う。で、クルミとノラはうまく行ったのか?」
「えぇ、ハイランダーでの護衛だったのですが…ACが1機。撃破しました。クルミが前はってくれたおかげです」
「の、ノラちゃん」
「事実だろーが。お前いなかったら私早々に木っ端微塵だったぞ」
「互いにカバーし合うのが成功の近道だ。5人とも任務は別だが連携はしっかりしていたんだろ?報酬は振り込まれてるはずだ。今は英気を養い、反省し、次にどう活かすか思考する時間だ。先に戻っていろ」
「「「「「了解/はい」」」」」
5人の子供たちが先にガレージから出ていく。それと入れ違いになるかのように2人、6人が囲んだ机に近づいた。
「621、仕事は終わったようだな」
「ロニー、さすがですね」
エアとウォルターだ。
「ウォルター、今度は帰ってこれたよ」
「あぁ」
「ろにーもむつひちゃんもつよいね。ぼくびっくりしちゃった」
「まぁ、な」
「何度助けられたか…ウォルター、あなたは僕ら以上に頼りになる子を拾えたんですね」
「そんなことない。621はもちろんだが、お前たちも頼れる部下だった」
「エアちゃん、だったかしら?」
「はい」
「この2人、よろしくね?」
そういいながら620はロニーとムツヒの頭を軽くこつく。2人はなされるがまま軽く首を傾けた。
「任せてください。ロニーはもちろん、ムツヒも、私にとっては大切な人ですから」
「エア…でも…」
「ムツヒ、あなたが殺めたエアは私ではありません。あなたは確かにコーラルを、私の同胞を全て燃やしたのでしょう。それは確かに事実だと思います。
ですが、私はこの世界のエアです。
この世界の、最後のコーラルの生き残り、それが今の私です」
少し息を吸い、エアは続ける。
「私は、あなたともっと仲良くなりたい。それは嘘ではありません。これからなんです。
ダメ、ですか?」
それを聞いてムツヒは少し泣きそうな顔を浮かべて言葉をこぼす。その声は震えていた。
「ずるいなぁ…そんなこと言われたら、断れないじゃん」
「私も成長したんですよ?」
「そっかぁ….そうだよね。エアは、生きてるもの」
「えぇ、生きてるなら成長できる。ロニーがその身を持って教えてくれました。私は幸運です」
「そうなんだ」
「ロニーもウォルターもいて、頼れる同僚のタカハシさんがいて、可愛い子どもたちもいる。これ以上何を望めるか、今の私でもわかりません」
「そっか…うん、そうだよ。私も同じだ。シロコは生きてる。便利屋の人たちも皆いい人たちだし…うん。私も、もっと頑張るよ」
「えぇ」
女子2人の会話を傍目で聞きながらウォルターは軽く目元をハンカチで拭う。617達含む猟犬たちも袖で涙をぬぐう。
そんな中、泣き売はしなかったが少ししんみりした顔でロニーは二人に声をかけた。
「湿ったいのもここまでだ。ムツヒ、エア、飯を食おう。先輩たちも続きと言っては、アレだが」
「おいしかったからもっとたべたい」
「そう言ってくれると助かる」
そうして大人たちは食堂に再び合流し、その日の夜はどんちゃん騒ぎだった。
皆が騒ぎ疲れて寝静まった時、暗い廊下を歩いている影が複数あった。
617,618,619,620である。4人はひたひたと歩いていた。全員表情が少し寂しそうで、惜しむような顔をしていたが、瞳には少し決意が見て取れた。
ギィ…とガレージのドアを開ける。自分たちの機体を眺めながら彼らは口を開いた。
「もうすぐ、か…」
「なにもいわずにでていってよかったのかな?」
「しょうがないだろ、あれ以上いたら…還りたくなくなってしまう」
「死人は死んでないとダメ…よね、やっぱり」
そう言いながら4人はロニーとムツヒと一緒に囲んだテーブルに無造作に置かれているパイプチェアに腰掛ける。
617が自身の手のひらを見つめる。手のひらは光の粒子のように少しずつ輪郭がぼんやりし始めていた。
「・・・時間か」
「やっぱり奇跡は長続きしないわね」
「でも、じゅうぶんだよ」
「本当にな」
4人は弾かれたようにガレージの扉を見る。
そこにはゆるりと立っているロニーの姿があった。その目は少し哀愁がこもっていた。
彼はゆったりと歩いてくるとドカッと座った。
「「「「「・・・」」」」」
沈黙。言わずともわかる、わかってしまう。この奇跡は、終わる。
「・・・もう、か?」
「うん…名残惜しいけど、しょうがない話だよ」
「あーあ、もっとながいきするんだったかなぁ。そうすればうぉるたーともきみともずっとすごせたかも」
「後悔なんてしても仕方ないわよ。私達は過去においていかれたんだから」
「それは、そうだけど・・・」
「・・・・そうかぁ」
ロニーは少しうつむいて呻くように、自身を納得するようにこぼす。それを見て4人は少し悲しそうに声をかけた。
「ごめんね、寂しい思いさせちゃうね」
「…ホントだよ」
「きみにあえてよかった」
「俺もだよ…」
「あんた、これからもウォルター宜しくね」
「うん」
「すまない、自分たちは…」
「それ以上言うな。言わないでくれ。わかってる。わかってるから」
直後、しばしの沈黙。
「・・・本当は」
「「「「・・・」」」」
「本当は…あんたらに還って欲しくない。
せっかく出会えたんだ。もっとアンタらといろんなことして…出撃とか、飯屋とか、景色とか、もっと、この場所にはダメなところも、いいところもたくさんあって‥‥それをあなたらにはもっと知って欲しい、知って欲しかった・・・でも、でも もう、時間が、来たんだろ?」
「…うん」
「残酷だ。何がどうしてこうなったのか知らないが、誰が俺たちを会わせた。こんなに俺は苦しいのに、この一日、俺はあんたらに何かしてあげれた記憶もない」
「・・・そんなことないよ。
あの時の出撃、誘ってくれて嬉しかった。先輩として頼ってくれてすごい嬉しかったんだ。君は強い。私たち以上に、そしてきっと、これからも、ウォルターを守ってあげれるほど強いはず。
私達の最後のお願いを聞いて」
「…おう」
「ウォルターを死ぬまで守ってあげて。きっとあの人は、自分だけで色々と背負い込んでしまう人だから。だから、一緒に背負ってあげて」
「言われずとも」
「・・・・・・・私たちね、あなたに会えてよかった」
「俺も、後悔してない」
4人はロニーをぎゅっとハグする。ロニーはそれを抱えるようにギュッと抱きしめ返した。
光の粒子の如く、さらさらと消えていく4人。それに呼応するかのように彼らの機体も消えていく。
そしてすべて消えた時、そこには生者以外いなくなった。ロニーは少し上を見上げながら少しぼうっとしていた。
ふと気が付いたときには、手のひらに何かがある。見ると、彼らのドッグタグであった。
「・・・はぁ、置き土産にしてはあまりにも感傷的だな」
そう言うと彼はそれらをぎゅっと手のひらに包んだ。
おわり
「621、617達は・・・」
「還ったよ」
「・・・そうか」
「ウォルター、これ」
「これは‥」
「先輩たちのドッグタグ。あんた、回収できずに失さしてたんだろ」
「・・・あぁ、あぁ‥!」
「・・・」ギュッ