主人は居ません。野良ポッドです。   作:やみばら

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初めまして。
今回が初投稿です。

思い付きから始まっているので温かい目で読んでくれるとありがたいです。


『檻』
episode001 目覚め


これは私の物語

この時から“私”が始まった

 

 

 

 

 

 

“ここは何処だ?”

 

そう思ったのは当たり前だった。

周りは深い霧に覆われて、視界はほぼゼロ。

右も左も全く分からない。

 

“昨日は仕事から帰って、寝たはず…”

 

そう、普段通りの生活を送っていた。

普段?アレ?

 

“そもそも自分は… ダレだ?”

 

片手で頭を掻きながら思考する。

記憶に靄がかかったような、ふわふわした感覚。

地名などの知識関係は思い出せる。

だが自分に関する事が全く思い出せない。

あるはずの記憶が思い出せない。

そんな時に。

 

…!うぉっ!?

 

唐突の風に、反射的に目を瞑った。

風に煽られないように身構えて、風が弱まるのを待つ。

 

“…おぉ”

 

風が収まり目を開けると、そこには石造りの塔が無数に建っていた。

不均等に並ぶ塔の群れの下は雲海が広がり、底知れない。

そんな塔の一つに自分は立っている。

 

“…まるでゲームの世界だな、幻想的で”

“しかし、この景色。何処かで見たような? ん?”

 

視界の端に妙なのが映った。

なんか黒い禍々しいオーラを放ったナニかが、この塔より低い別の塔の上にあった。

 

“本当にどこなんだ、ここ(⁠-⁠_⁠-⁠;⁠)⁠”

“仕方ない。とりあえず他に目立ったものは無いし、近くに行けば誰かいるかもしれない”

 

幸い塔と塔の間は石造りの橋や通路、階段で繋がっているから移動できそうだ。

せっかくだから、移動しながら改めて景色を堪能することにしよう。

そう思いながら、目の前の通路を進む。

 

“よく見ると所々、階段や広場みたいな場所もあるな”

 

道中、きょろきょろしながらよく景色を見てみた。

塔にも様々な形があり、城のような造りの大きな塔から内側にただ螺旋階段のついてる円筒状の塔など見てて飽きない。

所々崩れていたり、赤い葉の植物が這うように生えていたり、赤い落ち葉で染められた通路とか。

でも、やっぱりどこかで見たことがあるような気がしてならない。

 

“うーん、だけど思い出せないや”

 

すっごい引っ掛かりがあるから、尚更もどかしい。

しかし、なぜ何も思い出せないのだろう?

 

“なんだかんだ歩いてたら、着いちゃった”

 

石の階段を下り終えると目の前にオーラを出していたモノが見えた

 

“これは…像?”

 

オーラを出していたのは黒い像だった。

チェスの駒に似た形だがどういう訳か若干、宙に浮いた状態で武器のようなものを抱えたまま静止していた。

 

“何なんだこれ?どうして..ゔっ

 

暫く像を観察してると唐突に頭痛がした。

視界にノイズが走り、チラつく中で一瞬像の周りに少女と2人の異形の3つ影が見えた気がした。

視界が鮮明になり始める頃には頭痛も治まってきた。

 

“一体どうなってるんだ”

 

改めて像に目を向けて見るがさっきの影はなかった。

首を傾げていると、やがて後ろから声が聴こえた。

 

「ねぇ、見て!誰か居るよ」

 

振り返ると幼い少女が、こちらに指を指しながら階段を降りてきていた。

少女の隣には大小2つの影が見えた。

 

「おや、一体誰でしょうかね?」

 

少女たちが階段を降り終わり、こちらに近づいて来た。

 

「私はフィオだよ。あなたは?」

 

白い服を着て、所々包帯を巻いている少女は フィオ と名乗った。

 

「私は運送屋と申します。珍しいですね、檻を歩き回る人と会えるとは」

 

宙に浮く影の小さい方は 運送屋 と名乗った。

見た目はハロウィンの仮装でありそうなシーツを被ったオバケみたい、黒いけど。

そこに蒼い制帽とショルダーバッグを身に着けている。

シーツの下からはひじきみたいな足?腕?が2つ出ている。

 

「…どうでもいい」

「駄目だよカイブツさん、ちゃんと言わないと」

「…レヴァニアだ」

 

大きい影の方はどうやら レヴァニア というらしい。

見た目は火星の黒い2足歩行の昆虫をもっと格好良くしたような感じ。

大きな手にカンガルーのような足、頭はバイクのヘルメットのような感じに似ていると思う。

そして声はモゴモゴとこもるような感じで聞き取りづらい。

 

そもそもこの3人組どこかで…

 

「それで、あなたは誰?」

“私は…ワタシは…”

 

フィオちゃんが聞いてくるが、なんて答えたらいいかわからない。

自分は本当に誰だろうか?ダレだ?

 

「それより!早く『黒いカカシ』の記憶の修復を済ませてしまいましょう!」

「…そうだな」

 

フィヨちゃん以外の2人はこちらに興味があまり無いようだった。

そして黒い像『黒いカカシ』に向かい合い、レヴァニアさんが片手をかざすような動作をした。

すると『黒いカカシ』に吸い込まれるようにレヴァニアさんが消えていった。

少し呆気にとられたが、吸い込まれたことに正直そこまでの驚きは感じ無かった。

やっぱり何処かでこの光景見た気がするんだよなぁ。

 

“レヴァニアさん行っちゃったけど良いの?”

「うん!カイブツさんは私の怖いユメを食べてくれるの」

 

どうやらツートンカラーの動物『バク』と似たようなことをしてるらしい。

脳内のどこかで「その解釈は違う」と言っているような気がするが気にしない。

 

「ねぇ、あなたの名前は?」

“ゔーん、ごめんね。思い出せないんだ”

「そうなんだ、じゃあ何処から来たの?」

“…ごめん。それもわからないんだ”

 

幼女の質問に全く答えられない人。

うん、怪しい人でごめんなさい。

通報しないでね。

 

「じゃあ迷子ってこと?」

“…まぁ、そうなるかなぁ”

 

自分で言ってて情けなくなるが事実なのでしょうがない。

迷子と言われれば、そうだしな。

…近くに犬のおまわりさんいないかなぁ。

 

「じゃあ一緒に帰り道探してあげる!」

“…うん、ありがとね”

 

…あぁ、フィオちゃんが天使に見えてきた。

ありがたやーありがたやー。

 

「おっ、帰って来たみたいにですよ」

 

運送屋がそう言うと、レヴァニアさんがカカシから出て来た。

出てきた直後、毒素が抜かれたように黒かったカカシは白色に変化した。

そして、カカシが持っていた武器がレヴァニアさんの前に降りてくると光の粒子になり弾けて消えた。

 

「おかえりなさい。どうだった?」

「今日は、昨日の夢の続きのようでしたよ。」

 

レヴァニアさんたちの会話を聞いてわかった事が以下の通り↓

・ここは『檻』《ケージ》と呼ばれる場所、世界

・『檻』には人々の記憶が記録されている

・レヴァニアたちは『檻』の記録を修復する旅をしている

 

「ねぇ、カイブツさん。お願いがあるの」

「…お願い?」

「そう!あのお兄さんの帰り道を探してほしいの」

「…なんで俺が」

「お願い!カイブツさん!」

「…おい、オマエ」

“えっ!私ですか?”

「そうだ。本当に帰り道がわからないのか」

“ええ、本当に、わかりません…”

「…そうか」

 

レヴァニアさんは考えているのか、黙り込んでしまった。

本当にすいません。

 

「…おい、運送屋」

「はい、何でしょう?」

「アイツの帰り道を探せないか?」

「え?帰り道ですか〜、うーん(゜-゜)」

 

運送屋さんもひじきみたいな腕?を組んで唸り始めてしまった。

 

「大丈夫だよ!きっと帰れるから」

“フィオちゃん、ありがとう”

 

きっと不安そうな顔をしていたのだろう、フィオちゃんが近づいて励ましてくれた。

どうなのよ、幼女にフォローされる自分。カッコ悪いねぇ(泣)

 

「っ!そうだ!お嬢さんの行き来で使うアレで帰れるかもしれません」

 

運送屋さんがバッグの中を漁り始めた。

 

「あらよっと!」

 

やがて出てきたのは大きな両開きの扉。

ひとりでに扉が開くとマイ◯ラのネ◯ーゲートみたいな揺らいだ暗闇があった。

 

「これで帰れると思いますよ。」

「良かったね、お兄さん!」

“ありがとう、フィオちゃん。レヴァニアさんも”

「…フン」

 

最後まで愛想悪いな、いい人なんだけど。

 

「さぁ!お通りください。」

“運送屋さんもありがとう”

「いえいえ、これも依頼者のねがいを叶えるためです。」

 

願い?レヴァニアさんのかな?まぁ、いいか。

扉に近くが奥は暗闇で先が見えない。怖いな。

 

「扉をくぐると、先の方に光が見えると思います。それを目指して進んでください。」

「じゃあね~、お兄さん〜」

「…じゃあな」

“皆さん!いろいろありがとうございました!”

 

フィオちゃんに手を振られながら扉をくぐる。

くぐる瞬間

「…あなたの今後に幸あらんことを」

と運送屋さんが言った。

なんでそんなこと言うかな?不安になるやん。

 

扉の中は暗闇が広がり、遠くのほうに光が見えた。

運送屋さんに言われた通り、光を目指し歩みを進める。

 

ところで忘れていたがあの3人やっぱりリィンカネにでていなよな?

 

“ん?リィンカネ?…あっ!”

 

そうだ!

思い出した!

あの3人は!

 

思わず振り返って3人を見ようとすると同時に扉が閉まり、暗闇に消えていった。

呆然としながら、諦めて光の方へ進む。

 

『リィンカネ』正式名称『NieR Re[in]carnation』

・NieRシリーズの1つ

・『檻』を舞台としたスマホRPG

・いくつかの章に分かれ、フィオちゃんなど強い願いを持ったキャラクターたちを操作しながら人々の記憶を修復して回る

 

"どうして..私がこの世界に”

 

光を目指し、歩きながら考える。

ゲームをあまりやらない自分が以前までやっていたゲーム。

そもそもNieRシリーズ自体が好きだった。

 

"サイン貰っておけば良かったぁ~。”

 

呑気に歩いて行くと光に手が届く距離に来た。

 

“ちょっと待てよ、ここが『檻』なら自分は”

 

( ゚д゚ )彡そう!

 

“今だに詳しく自分の事が思い出せないがここが『檻』ならば、自分の記憶が…アッ?!

 

光を目の前し、あと一歩のところで足で踏みしめていた地面が抜けた。

 

嘘だろぉ~~〜〜〜!

 

気持ち悪い浮遊感を感じながら、光が真上に遠退いていく。

光に向かって手を伸ばすも、虚空を掴むだけ。

真下は何も無い暗闇。

 

“…さすがNieRの世界。無情だネ~”

 

落ちながら考えることじゃないと思うがいよいよ自分も最後かも知れないなぁ。

正直、好きな世界のキャラクターに会えただけ良しとしよう。

 

“出来るなら…この世界で…生活してみたかった…”

 

落下しながら、最後の願いを思う。

 

“…なんだか…ネムイ…なァ”

 

閉じゆく五感が最後にナニカを聞いた

「起動シーケンス開始」と………

 

 

 

 

 

 

 

 

LOADING ‐システム起動中‐ ………………

 

 

システムチェック開始

メモリーユニットチェック:グリーン

戦術ログ:初期化

地形データ:ロード開始

バイタルチェック:グリーン

 

 

 

 

 




多分、続きは暫く経ってからになります。
書くと思います、ハイ。
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