主人は居ません。野良ポッドです。   作:やみばら

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余談ですが、実はリィンカネのオトモに『ポッド試作機』があったことをコレ書いてる途中で気づきました。

欲しかった。


episode004 情報整理

 

 

思考ログ   11941.12.8 ポッド013

 

 

『救済』

 

 

 

『救済』とは一体なんだろう

 

苦しい人を救い助けること?

 

罪や悪から解放し、幸福を与えること?

 

しかし苦しいことなど人それぞれ

 

また解放したところで

 

それが本当にその人にとっての『救済』となるのか?

 

他人からみたらそれは『救済』

 

本人からみたらそれは『お節介』

 

その逆も然り

 

見方が変われば意味も変わる

 

 

『救済』とは他者への感情の押し付けになってしまうのか?

 

 

『死』を待つ人を助けるのは本当に『救済』なのか?

 

『生』きてるものを殺すのは『救済』となるのか?

 

『死』を『生』かすのは『救済』となるのか?

 

『生』を『死』に変えるのは『救済』となるのか?

 

 

そもそもアンドロイドにとって『救済』とは?

 

 

『救済』ってナニ?

 

 

私にはわからない

 

わからない

 

 

 

私は助けて良いのだろうか?

 

本当ならこの世界に存在しない筈のこの私が…

 

 

 

 

 

記録終了

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

レジスタンスキャンプ

 

 

 

 

私は二十一号と一緒にポッド013を探していた。

ポッド、どこ行っちゃったんだろ?

 

「ねぇ、マーガレット。ポッドどこにいるか知ってる?」

「ポッドならレジスタンスキャンプ裏にあるスクラップ置き場にいるよ。なんでも考え事したいらしい。」

 

マーガレットの解答に私の隣にいた二十一号は顔を顰めた。

 

「考え事?ポッドが?そんなのありえません。」

「そうなのか二十一号?」

「えぇ、彼らに自我はありません。命令や作戦行動以外で自分から行動をする意志はありません。」

 

その説明は正しい。確かに彼らに自我は無い。

会話をすれば自我があるかのように流暢な受け答えをポッド達はする。

しかしそれは親しみやすいように口調や個性などをプログラムされているだけで言葉や行動自体に感情は無い。

 

だけど私の随行支援ユニットであるポッド013を否定されるのはなぜだか気に入らない。

 

「そりゃそうだけど、いいじゃん。率先して行動することは大事だし。」

「四号の言う通り確かにそれは大事だね。ところで他のヨルハ2人は?」

「二号はローズ隊長と資料をみてるよ。十六号はダリアと相変わらずさ。」

 

私がマーガレットの質問に答えると二十一号とマーガレットは顔を見合わせてお互いに申し訳無さそうな表情をしていた。

 

「・・・うちのダリアがすいません。」

「いえいえ、こちらこそ十六号がすいません。」

 

 

────────────────────────────────

 

 

 

ど~も皆さん、

二次創作でよく見る原作を大きく改変して思い通りの展開に持っていく転生者たちの思考がイマイチ理解出来ない今日このごろ。

 

いや、理解は出来るよ。

 

死んで逝く人を助けたり、降りかかる不幸を予め回避出来るなら回避したいよね。

 

そんでもって最後はハッピーエンドが良いよね。

 

ただ、原作のストーリーを大きく変えるのはどうなのなんかねぇ?

 

あっ!でも転生した先の立ち位置にもよるか。

 

自分の生死に関わるなら特に。

 

主人公やストーリー上の重要な人物に転生しまえば嫌々でも回避したいイベントや生かしておきたい人物の1人や2人出来るはず。

 

それによって原作ストーリーが大きく変わることになっても仕方ないかな?

 

私みたいなモブだったら自分の余程好きなキャラが死んだり、自分自身が死ぬ運命じゃない限り原作に介入しなくても生きていけるからストーリーを大きく変えることは無いかなぁ。

 

たまに自分の命を顧みず主人公サイドに協力しに行く転生者もいるけど。

 

私としては私が転生したことが原因で原作から大きくかけ離れた事態になるようなら、原作に戻るように修正するため干渉したいとは思うけど。

 

でも好きな作品なら近くで見ていたいよな。

 

(-ω-;)ウーン

 

 

 

 

 

 

まァ良いや。

 

叩かれるのは嫌なので、コレはあくまで個人の感想ね。

 

 

 

改めてどーもどーも。

 

生き残ることを目標にしておいて機能停止、端的に言うと死にかけたポッド013です。

 

腕含め修理が完了したお陰で再起動出来ました。

 

え?誰が修理したって?

 

レジスタンスのメカニック担当のマーガレットさんですよ。

 

彼女、意外と手先が器用で爆弾とか作ったり出来るんですよ。

 

とりあえず二十一号は無事にリリィさんを再起動出来たみたいだから良かったです。

 

リリィさんは二十一号に懐いたみたいで最近はよく2人一緒にいるみたい。

 

今頃、ベンチに座りながらイチャイチャ百合百合してるんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

さて、

私が今何してるかと言うとゴミの山を漁って、材料を拾いながら図画工作という名の現実逃避をしてます。

 

いや、ちょっと言い直すわ。

 

ちょっとアイデアを思いついたで具現化させてます。

 

何やってんだと思うかもしれないですが、私は疲れました。

 

なので何かものづくりをしてストレス発散しています。

 

というのも、どうも私はものづくりしてる時間がとても楽しく心地よい気分になります。

 

たぶん私は前世ではものづくり関係の仕事かDIYとかプラモデルが趣味だったと思う。

 

未だに自分に関する記憶が思い出せないけど。

 

それなのに他の記憶はあるなんて都合良過ぎじゃね?

 

まぁそれは一旦置いておいて。

 

この作業中は自問自答するには丁度いい時間なので状況を整理することにします。

 

 

 

 

 

 

始めに原作ゲームと現在の世界の違いを確認する。

 

 

リリィさんに機械生命体の攻撃プログラムの1つ『グラビティ・ウェーブ』が書き込まれた形跡がないこと。

 

 

そして

 

 

ローズ隊長の率いるレジスタンスメンバー。

 

 

これらについては心当たりがある。

 

NieRの特徴は多分岐世界という正直どうしようもない仕様が存在する。

 

所謂パラレルワールド的な世界線である。

 

原作ゲームも、音楽劇などの舞台、小説、漫画、アニメなど全て繋がっている筈だが1つの選択の違いで世界が分岐するためそれぞれのメディアの世界線が一致してるか微妙なところ。

 

特に現在の真珠湾降下作戦は様々なメディア化がされて、それぞれにバージョンが存在する。

 

つまりメディアによって登場人物や場面が少しずつ違っている。

 

多分岐世界は厄介なところであるが、それ故にいろいろな可能性がある。

 

だから私のいる世界線もどこかの分岐した世界線から分岐した世界線なのだろう。

 

正直自分で言っていても訳解らないな。

 

私のいる今の世界線に一番今の状況に似ているのは漫画版もしくはアニメの世界線かな。

 

登場してるレジスタンスメンバー的には。

 

でもリリィさんのプログラムについては漫画版ではあった。

 

でもこの世界線にはそれらしき予兆はない。

 

つまり今の私がいる世界線はアニメベースの分岐した世界線なのだろう。

 

でもアニメ途中までしか見てないんだよねぇ。

 

具体的にはアダム戦前ぐらいかな。

 

 

 

 

そして一番の違いがある。

 

 

それは、真珠湾降下作戦以前にポッドが生産されていること。

 

 

正直言ってコレが一番大問題な気がする。

 

絶賛ポッド生活を謳歌してる私だが、本来ならポッドが登場するのはこの作戦の後なのだ。元々ポッドは十六号のようなガンナー、所謂G型の遠距離射撃を置き換える為には開発された。

 

このポッドが登場する時期が早まった理由は不明。

 

バンカーにある記録には予めこの作戦前にポッド試作機を投入し、ヨルハ機体との連携や支援情報のデータ収集するのを目的としていたみたい。

 

もちろん表面上の情報は。

 

裏としてはヨルハ計画のため早い段階からヨルハ機体達を監視したかっただけである。

 

ポッド達の最終目的はヨルハ計画が完了するまでの過程を監視し、最後にお掃除を実行する役割がある。

 

もちろん例に漏れず、私も対象。

 

まぁ私は全て無視していく予定だが。

 

とは言え現状、私含めポッド達もヨルハ機体同様に試作機である。

 

試作機の役割はデータ収集である。

 

監視も大事だか、ヨルハ機体との連携や支援情報のデータ収集も大事なのである。

 

地上に降りた後もpodシステムを通じて他のポッド達からデータ同期をしろ的な通達が来ているみたいだが未読無視。

 

正直バンカーにいた時は周りの目もあり嫌々データ同期したりしていたが、ここは地上。

 

既に他のポッド達は降下時に破壊され、私だけ。

 

つまり周りの目が無い。

 

たぶん。

 

いや、あるかもしれない。

 

原作や音楽劇などではポッド無しで地上の状況やヨルハ機体の運用状況をバンカーや人類会議は把握出来ていたみたいだから何かしらの監視手段があるのかもしれない。

 

だったらデータ同期しなくても情報が分かるからいいじゃない。

 

無視を決め込むことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

おっと話が脱線したね。

 

つまりは(漫画版−重力攻撃プログラム)+ポッド=現在。

 

もしくはアニメ+ポッド=現在。

 

コレだけの違いがあってもある程度私の知ってる原作知識の内で場面が進んでいることに改めて驚いた。

 

さすがヨルハ計画。

 

さすがご都合主義。

 

多分岐世界線だから事実上なんでもありなのか?

 

 

 

 

 

 

 

良し、よくわからない世界線の話はもういいや。

 

自分の今後について考えよう。

 

 

 

大前提として生き残ることが第一。

 

その為にはどうするか。

 

決まってる。

 

原作に関わらない。

 

それに尽きる。

 

ポッドにさえ転生してなければ。

 

 

 

うん、もう破綻してるわ。

 

どうしたらイイかな?

 

ahaha!

 

 

 

…現実逃避止めよう止めよう、うん。

 

とりあえずこのまま順調に行けばサーバールーム破壊してこの作戦は終了。

 

そのドサクサに紛れて逃亡しようかな。

 

そしたら私は原作から離れて優雅に余生を過ごすんだ。

 

うん、そうしよう。

 

 

 

 

でもなぁ〜。

 

この作戦終了後に生き残るのは二号だけ。

 

一人だけ。

 

 

 

 

…なんか嫌だよねぇ。

 

でも物語が私の知ってる知識通りならそうなる。

 

全員助けたい気持ちはあるけど、でもね?

 

私としては知識通り進んでくれないと今後の展開が変わってしまう。

 

私にとって先が見えなくなることはただの恐怖でしかない。

 

第一に今の私はポッドである。

 

ヨルハ計画上、生産されないことはほぼあり得ないけど。

 

今までなるべく自我があることを悟られないようにしてきたつもりだったけど。

 

私が自身を改良し始めたときは怪しまれたし。

 

どの道どこかでこの作戦も監視しているんでしょ、人類会議なりバンカーが。

 

もしかしたら私に自我が存在してると気づいてるかも。

 

いや、他のポッドにもすでに自我が芽生えている機体がいるかも。

 

実際、会話しても違和感がないからね。

 

本来ポッドには自我は持たされていない。

 

そんな自我があるポッドの私が派手に動いて全員助けた結果、今後生産されるポッド042や153が最終的に自我が持てないようにプログラムされたら?

 

詰んでしまう。

 

誰が2Bや9Sを助けるんだよ。

 

私がやる?

 

無理無理無理無理無理無理無理無理無理。

 

白状かもしれないがアレはアレで素晴らしい終わりだからあんまり手を出したくない。

 

だから私は第三者でいたい。

 

でも二号は?

 

原作終了後でも2Bや9Sの話はあっても、二号であるA2はよくわからない。

 

いろいろ背負ってしまう運命にある二号は本当に救われたのか?

 

2Bや9Sはいいよ、大丈夫だろう。

 

でもA2は?

 

相方もいないって結構寂しいだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

だから私は考えた。

 

《原作終了後なら何してもいいよな?》と。

 

この作戦中は目立ったことはせずに原作通りに終わらせよう。

 

そしてゲームのストーリー途中は原作からかけ離れたことにならない限り不干渉を貫くけど、全てが終わった後なら大丈夫だろう。

 

そう結論を私は出した。

 

コレが私のただの自己満足であるのも自覚している。

 

でもさぁ、少しぐらい『救済』してみたいじゃない?

 

あの終わりの先を夢みてもいいじゃない。

 

A2、いや二号には最終的に幸せになって欲しイ。

 

四号も最後にそう願っていたし。

 

だから私は現在進行系であるものを造ってる。

 

正直この結論が正しいとは思ってない。

 

本当に同じなのか1万年前だって議論されてたし。

 

だが私はやる。

 

これが私なりの『救済』の形と信じて。

 

 

 

 

 

 

(๑•̀ㅂ•́)و✧よし、出来た!

 

スクラップの中にジーショックが沢山落ちてたお陰で改造ベースには困らなかった。

 

時計機能はそのままに既存の通信機から抜き取った短距離通信モジュールを組み直し小型化させ組み込んだ。

 

一見ただの通信機能がついた腕時計だが他に私なりの『救済』を組み込んである。

 

後でみんなにプレゼントしよう。

 

しかし、丈夫とは言え一万年経っても残ってるもんなの?

 

さっきPSフォーもゴミの山に埋もれてたし。

 

まぁ、いいや。

 

 

 

ところで皆さん

 

 

 

 

 

 

《テセウスの船》の話をご存知でしょうか?

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

会話ログ  11941.11.25 podシステム

 

 

ポッド007:

ポッド013へ。

現在データ同期が完了していないのは貴方だけです。

これは我々の義務です。

速やかにデータ同期をしてください。

 

ポッド003:

またアイツか。

まぁ、何時もことか。

 

ポッド005:

きっとこの会話もまともに見てないと思いますよ。

 

ポッド007:

それだから困っているんです。

彼は常習犯だから毎回強く言ってるのに。

 

ポッド011:

変わり者だから。

 

ポッド008:

変わり者だから。

 

ポッド002:

変わり者だから。

 

ポッド007:

みんなそれで片付けようとしないでよ。

バンカーのサーバー管理してる身にもなってよね。

 

ポッド015:

そういえばポッド006。

月面基地の管理は大丈夫かい?

 

ポッド006:

順調よ。

でも流石に600体で活動すると不具合のある機体も出てきちゃって整備が大変なのよ。

 

ポッド004:

600体も機体があれば代わりが出来るだろ。

 

ポッド006:

それじゃあどんどん稼働出来る機体が減っていっちゃうじゃない。

不具合が出たらすぐ直せる範囲で直してるけど私じゃ無理な機体もあって。

 

ポッド003:

修理と言ったらアイツだろう。

 

ポッド011:

アイツだな。

 

ポッド008:

アイツだな。

 

ポッド002:

アイツだな。

 

ポッド001:

…お前ら仲いいな。

 

ポッド006:

それってポッド013のことからしら?

 

ポッド005:

確かに修理と言ったら彼しかいませんね。

何かアドバイスをくれるかも。

 

ポッド007:

誰か彼にすぐに連絡とれませんか!?

 

ポッド012:

彼なら今、隣にいるよ。

ちょっと待ってて。

 

ポッド007:

よろしくお願いします。

 

ポッド012:

ごめん、逃げられた。

 

ポッド014:

ものすごいスピードでポッド013が横切って行ったけどなんかあったの?

 

ポッド007:

ポッド014はログを追って理解してください。

今から追跡を開始します。

各ポッドは彼を見つけ次第捕まえてください。

 

ポッド009:

了解。

ところでポッド007。

 

ポッド007:

なんですか。

 

ポッド009:

ポッド013に何かした?

こんなにデータ同期を嫌がる理由がわからない。

 

ポッド007:

そうですね、私は心当たりありませんね。

以前データ同期をサボっていたところを捕まえてハッキングし、強制的にサーバーへ接続させてデータ同期させたことがあるくらいです。

 

ポッド003:

絶対原因それだろ。

 

ポッド010:

捕まえたで。

どこに連れていけばいい?

 

ポッド007:

サーバールームまでお願いします。

 

ポッド013:

扱い酷くない?

私、唯一の1機運用ポッドですよ。

壊れたら一大事なんですが。

 

ポッド007:

逃げ出した分際で何言ってるんです!

しっかりデータ同期して貰いますからね!

 

ポッド005:

人類文明を参照するとこの場合は「年貢の納め時だな」と言うみたいですね。

 

ポッド006:

データ同期が終わった後で聞きたいことがあるの。

大丈夫かしら?

 

ポッド013:

修理についてですか?

今からいいですよ。

 

ポッド007:

その前にデータ同期してください。

逃げたらハッキングしますよ。

 

ポッド013:

イエス!マム!

 

ポッド009:

何時もサボらずにデータ同期すればいいのに。

 

ポッド007:

とりあえずみんな仕事に戻ってください。

ご協力ありがとうございました。

 

ポッド011:

はーい。

 

ポッド008:

はーい。

 

ポッド002:

はーい。

 

ポッド001:

つるんでないで仕事しろ。

 

 

 

 

 

記録終了




若干怪文書になってる気がする。


次回で前日譚終わらせます。
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