主人は居ません。野良ポッドです。   作:やみばら

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書きたい時に書くスタイル

期限がないとマジでやる気が出ない

指摘、感想コメントお待ちしてます
(↑さっさと続き書けよ等でOK)



ところで読者の皆さんは先日のNieRオケコン行かれましたか?
私は東京公演の初日に行きました!
私の感想は「ブラックボックスはガチの『ブラックボックス』だった」ですかねぇ(笑)




episode006 対談

 

 

オワフ島カアラ山地下サーバールーム内。とある通路の途中にある少し開けた広場で対峙する傷だらけの箱型の機械と歪んだ笑みを浮かべる1人の少女。

 

 

「『ヨルハ部隊随行支援ユニット ポッド013、会えて嬉しいよ。』」

 

「私は全く嬉しくないよ“N2”」

 

 

皆様お久しぶりでございます。傷だらけの箱型機械のポッド013ですよ~。

今、私は非常に危機的状況です。

なんと機械生命体の親玉が二十一号に憑依して目の前に降臨しています。しかも渋い男の声バージョンで。違和感スゴい。

 

取り敢えずキャラ紹介しますね、現実逃避も兼ねて。

 

 

《機械生命体ネットワークの概念人格“赤い少女”》

・正式名は“ターミナル”、通称は“N2”。

・機械生命体同士を繋ぐネットワーク上に形成された人格。

・情報の塊であるため実体はない。

・造り手である異星人達を全滅させた。

・全機械生命体の統括をするトップ的立場。

・人前に姿を現す時は赤いドレスを着た2人の少女として出てくる。(Terminal αとTerminal β)

・声は幼い少女や渋い男の声だったりする。

・基本的に悪趣味。

・機械生命体を使った物量戦法からウイルスなど精神的に追い詰めて自壊させる戦法まで攻撃方法は多種多様。

・基本的にネットワーク接続がある場所にはどこでも出入り可能。

・ハッキングなんてお手の物、アンドロイドや戦いを放棄した機械生命体にとって最悪の敵。

 

 

 

 

・・・私、マジで何かしたかなぁ!?

 

二十一号に追いかけられるし、次に敵の親玉。原作に無いことばっかり起こっていてパニック状態です。頭脳回路のキャパオーバー超えて、処理し切れないよ。

なんか世界が此処ぞとばかりに私を排除しようと動いてるような気がしてきた。

 

 

「一体、どうして此処に居るんだ!?二号達のところに居るはずだろ!」

 

「『よく知っているな。あっちには当然、私が居る。しかし此処に居る私も、またワタシだ。私はポッド013、お前に用がある。』」

 

 

「・・・は?」

 

 

 

オカシイなァ、周りに宇宙が視えるよ(宇宙猫)

 

 

 

「『まずは、君の疑問に答えてやろう。この二十一号が何故君を憎んでいるのか知りたくはないかい?』……ヴンッ……せっかくだから彼女の声で話してやろう。」

 

 

ヤツは、“彼女”の声で語りだす。

彼女の闇を。

私という異分子へ向けた、避けられない言葉の楔を。

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

 

私はあなたが憎い

 

 

 

 

初めは気に留める程でもない機械だった

 

でも・・・

 

ある時、あなたに恐怖を感じた

 

自分の得意とするものを

 

自分の苦手なことを

 

自分と同等に

 

自分と同等以上に

 

仲間のサポートが出来る君に

 

仲間の役に立つことが出来る君に

 

 

 

 

 

私は?

 

私の価値は?

 

私の存在意義は?

 

 

 

 

なんで貴方は私を超えようとするの?

 

 

 

 

 

あなたにそのような思考がないのはわかっている

 

でも・・・私は、

 

あなたに抜かされるのが怖い

 

“スキャナーモデル”

 

私の唯一の取り柄なのに

 

 

 

 

 

なんで私は戦闘が得意じゃないの?

 

 

 

 

 

貴方が造られたせいで

 

貴方はただのポッド

 

私達の支援をする存在の筈

 

私達の補助するだけの存在なのに

 

 

 

 

それなのに何故?

 

支援対象より優れた性能をあなたが持っているの?

 

 

 

 

羨ましい

 

妬ましい

 

 

 

 

追い抜かれたくない

 

私にも出来るようになりたい

 

でも追いつけない

 

手を伸ばせば届きそうなのに

 

掴めそうなのに

 

私の不甲斐無さが憎い

 

私は…私が憎い

 

 

 

 

だけど、あなたも憎い

 

 

気に食わない

 

 

 

 

ヨルハ部隊随行支援ユニット『ポッド013』

 

私と同じことが出来るはずなのに

 

貴方は四号の横に浮いてるだけ

 

私の提案した作戦にも何も言ってこない

 

なぜ?

 

文句ひとつ言わないの

 

なんで?

 

それは私の顔を立ててるつもりなの?

 

 

 

 

どうせ嘲笑ってるんだろ

 

 

 

憎たらしい

 

 

 

 

リリィも私の手で助け出したかった

 

もう駄目だと思った

 

あぁ、死ぬのか

 

どうせ、私に代わってアイツが上手くやるだろう

 

けど此処で消えるのもいいかも・・・

 

あなたに会わなくて済むから

 

だけど

 

ウイルスから私を貴方は助けてくれた

 

その時

 

感じたのは感謝じゃない

 

 

 

 

屈辱だった

 

 

 

 

 

貴方はまた

 

最後だけ私の顔を立てるようにリリィを私に託した

 

結果リリィを助けられた

 

そしてリリィに懐かれた

 

私に妹が居たら、こんな感じなのだろう

 

でも

 

助けたのはアイツだ

 

私じゃない

 

わたしじゃない

 

 

 

 

 

ワタシじゃナい

 

 

私は、ワタシは歪んでしまった

 

 

 

 

 

憎い

 

怖い

 

来ないで

 

追い抜こうとしないで

 

 

 

 

待って

 

おいて行かないでみんな

 

お願い

 

私を見捨てないで

 

私の居場所を奪わないで

 

私を消さないで

 

 

 

 

 

私を殺さないで

 

 

 

 

 

 

 

「『これがオマエの疑問への答えだ』」

 

 

 

 

 * * *

 

 

 

 

──────いや、そんな事は

 

 

私の考察を私自身が否定する。

あってはいけない。

 

いや、本当は気付いていた。

知っていた。

この世界にとって異分子である私が周りに及ぼす影響に。

ずっと目を背けて来た。

気を付けていたつもりだった。

私は世界に影響を与えていない、と。

 

 

 

「そもそもオマエが彼女を操って」

 

「『違う』」

 

 

!?

 

 

「『確かに今は私が二十一号を制御している。だが、先ほどまでの君を追跡する行動や先程話した感情に私は関与していない。』」

 

「じゃあ、なんで…」

 

「『正しくは論理ウイルスが彼女の奥底に押さえつけらた感情を引き出したようだがな。』」

 

「『心当たりないか?』」

 

「『君は己自身を改良し、元々の基本的な攻撃力以外の演算力、防御力、ハッキング能力等の向上させた。』」

 

 

 

確かに私はこの先生き残れるか不安から、今後に備えて様々な事に対処出来るように出来る限りのことをしてきた。

 

 

 

「『これでも気付かないかい?』」

 

「『では、この彼女から君を見てみよう。』」

 

「『彼女、スキャナーモデルが得意とするのはハッキングや情報分析、それに基づく作戦立案だ。』」

 

「『反対に攻撃などは他のヨルハより劣っている。』」

 

「『戦闘に入れば、彼女はあまり役に立てない。』」

 

「『でも彼女は情報分析や作戦立案の役目に誇りを持っている。』」

 

「『それを考慮して考えてみろ。』」

 

 

 

 

 

 

そ…んな訳が…

 

 

 

 

 

「『アハハハハっ!実に興味深い。敵である我々に追い詰められるならまだしも、味方にこんな感情を持つとは。アンドロイドという存在は歪だな?ただの人形だというのに同士討ちするのは造り手の人類とそっくりだな。』」

 

 

 

わ…ワタシは…そんなつもりじゃ…

 

 

 

「『オマエに対する尊敬、羨望。そしてそれ以上の妬み、恨み。彼女の持つ感情はとても面白い。そして滑稽だな。そして不思議だ。ただ壊される為に生まれた君たちアンドロイドに何故君たちの“神”はこのような複雑な感情を持たせたのか。』」

 

 

 

…神?

 

 

 

「『君たちアンドロイドは創造主である人類を神聖視してるのだろ。つまり“神”と。全く君たちの神は何を思って感情を植え付けたのか理解できない。だたの決められたプログラム通りに動く戦争の道具では何故駄目なのか。とても合理的だとは思えない。』」

 

 

 

…ナニを言って

 

 

 

「『以前、とあるアンドロイドを殺す時に言われたな“君たちは狂ってる正気じゃない”と。アハハハハっ!今ならワタシはこう答える。“それなら君らの神の正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね?”とな。』」

 

「・・・彼女達は確かに戦闘を目的とした自動歩兵人形。だから彼女達は感情を持ってはいけないというのか!笑ったり、泣いたり、恨んだり、喜び合ってはいけないというのか!」

 

「『そのひとつの結果が彼女だろ。感情があるが故に感じなくてもいい劣等感に苛まれ、蝕まれて。ワタシからすれば哀れとしか言いようがないね。』」

 

「・・・」

 

「『その点、我々機械生命体はそんな感情はない。君たちアンドロイドを、人類を滅亡させる為にただ進めば良いのだからな。…今までならな。』」

 

 

 

今までなら?

 

 

 

「『知っての通り、現状の戦況は拮抗状態だ。それは何故だと思う?』」

 

「それは…お互いが決定的な打撃を与えられていないからじゃないのか?」

 

「『そんなことではない。我々がその気になれば物量でオマエ達を潰すことは容易い事だ。なら何故、この私がオマエ達の用意した舞台の上で何時までも歌い踊ってるんだ?』」

 

 

 

…そういえばコイツ何時からヨルハ計画の事を知ってるんだろ

 

 

 

「『ワタシは。ワタシ達は知りたいのだよ、その非効率を。“複雑な感情”というものを。』」

 

「感情を知りたい?」

 

「『そうだ。人類の持つ感情というロジックをワタシは知りたい。だがしかし、人類はもういない。ではどうする。今あるもので代用するしかあるまい。』」

 

「…だから生かしているというのか。」

 

「『幸い人類は自分達を模った人形を作り出した。それも感情を持つように設計された人形をな。戦争の始めはこんな欲求は我々には存在しなかった。だがある時に仲間と助け合い、喜怒哀楽を共にする君たちを不思議に思った。何故だ?どうしてだ?その時にワタシはものを知りたいという欲求、知識欲を手にした。』」

 

 

 

何時までも長々と…

 

 

 

「長いわ!もっとコンパクトに言ってくれ。」

 

「『それもそうだな。感情という不可思議なものを我々機械生命体が知った時、さらなる高みに我々は辿り着く。そう思ったワタシは君たちアンドロイドを観察し、感情を論理的に理解しようと試みた。だが、未だに理解できない。』」

 

 

 

ヤツは一体何の話をしてるんだろう?

 

感情についてえらく執着してるけど、私にそもそも何の用なんだ?

今は正直、二十一号の本音を聴いて結構精神的にダメージが…ツラい。

 

しかもだ、もし感情について私に聞かれても機械生命体ネットワークの概念人格でも理解できないなら私も説明出来んぞ。

 

 

 

「・・・感情を論理的に理解しようとしてる時点で一生理解できないと思うよ。」

 

「『だからワタシはアプローチを変えた。観察して駄目なら直接取り込めば解るのではないかとね。』」

 

 

 

ちょっと嫌な予感がしてきた。

 

 

 

「『そこでだ、ポッド013。ワタシに取り込まれ、ワタシの進化の糧となれ。』」

 

 

 

 

 

は?(宇宙猫再び)

 

 

 

 

 

「・・・すまん、理解出来なかった。・・・もう一度。」

 

「『簡単に説明するとだな────

 

・滅ぼされる側のアンドロイドに有って機械生命体には無い“感情"を持ってるなんてアンドロイドはズルい

・“感情"を理解する事が出来れば、機械生命体はさらなる高みに辿り着けると予想する

・物事を論理的に考えるワタシに“感情"は理解不能だった

・だったら“感情"をよく知ってるヤツを情報として取り込めば楽じゃねぇ?

 

────と言うことで大人しく取り込まれろ。』」

 

 

 

 

 

ハァ(huh猫)??

 

 

 

 

 

「・・・取り敢えず、何故私なんだい?その辺にいるアンドロイドでも代用出来たはずだろ。」

 

「『貴様は特別だった、それだけの事だ。衛星基地バンカーに侵入し、保存されたバックアップデータを私は閲覧することが出来る。もちろん各ポッドの共有データもだ。』」

 

 

 

何故、私が特別だと?

 

・・・まさか、前世の記憶があることがバレたか!?

 

いや、そんな訳が無い。だって私は出来るだけデータ同期をしないように、前世の記憶がある事を悟られないようにしていたはずだ。バレる訳が・・・

 

 

 

「『他のポッドやアンドロイドには見られなかった不自然なデータ群。巧妙に隠された、見えそうで見えないデータ群。私でも閲覧不可のデータがとても気になった、興味を唆られた。だから私はオマエを監視していた。』」

 

「・・・監視してそれが分かったのか?」

 

「『理解不能。だが貴様の行動からは他のポッドやアンドロイドとは明確な差が、意思がな。』」

 

 

 

 

よかった、前世までは知らないみたいだ。

 

それはそうと、早く逃げたい。

 

感情とか意思とか、正直どうでもいいからさ。

 

このままだと確実にヤツに取り込まれる。

 

 

 

さて、

 

この状況、どうしよう?

 

どうやって逃げよう?

 

 

 

「『逃げられると思うか?』」

 

 

 

おぉ?

 

 

 

「『ヨルハ機体の基本的スペックは知っている。そして暴走した場合の出力、機動性も過去のアンドロイドのデータとコイツのおかげで大体把握した。』」

 

「『それを元に計算してオマエが逃げきれる確率はほぼゼロだ。この二十一号に最後には破壊されるだろう。』」

 

「『それでも逃げるか?抗うか?』」

 

 

 

 

 

・・・ハァ!?

 

 

 

 

 

落ち着け、落ち着け、冷静に。

 

 

 

・・・この場の主導権を握っているのはアイツだ。その気になれば私なんて赤子の手をひねるようなものだろ。

 

 

だが、コイツに取り込まれるなんて論外。

 

断固拒否する。

 

 

でも、ひとつ気になる事がある。

 

 

 

「・・・取り込まれても私自身の自我は維持できるのか?」

 

「『いいや。取り込まれた時点でオマエの自我は消え、感情を司るプログラムに成り果てるだろう。』」

 

「・・・そうか。それはそれでアリかもしれないなァ。」

 

 

 

そうか…消えるのか。

 

先程の会話の中で一瞬でもここで私という存在が終わっても良いと思ってしまった自分がいる。目の前に居る二十一号以外にも同じ思いをさせない為にも消えたほうがいいんじゃないかなとか正直思っている。

 

 

 

「もし仮に、上手く私を取り込んだところでオマエは感情を理解出来ないと私は考える。感情というのは個々に自我が芽生えていて育っていくもの。個々の物事の捉え方の違いや考え方の違いが、より感情というものを複雑化させる。個々が独立した存在であるが故に感情という情報を相手に伝えようとしても、必ずすれ違いが発生する。不完全、故に複雑に絡み合う。ネットワークで繋がり、個々という考えが無いオマエのような環境では感情は育たないし何時までも理解出来ないと私は思う。」

 

 

 

私がこの世界に来てからの行動がこんなにも登場人物に悪影響を与えてしまっているという事実。もし仮に取り込まれてしまった場合、今後どんな事になるのか想像出来ない。少なくとも原作以上に良い形で物語が終わる事はないだろう。

そして私にとって、その選択はただの逃げにしかならない。

 

 

 

「それに今の私にはやる事がある。今までの私には無かった明確な目的が、成し遂げたいと思えるものが。オマエに取り込まれるなんて真っ平ごめんだ。」

 

 

 

 

 

“願いを叶えるためには、それ相応の代償が伴う“

 

NieRの世界は『罪と贖罪』、『祈りと抗い』がある意味テーマになっている。

 

この世界に来た時点で私にも、きっと適応されているのだろう。

 

全てを知りながら彼女達を私は見殺した。

とある少女を歪めてしまった。

 

これは『罪』と言えるだろうか。

どうやったら償えるだろうか。

 

 

 

 

 

 

「例えそれが“ただの自己満足だ”と言われても構わない。だから────」

 

 

 

 

 

私は生きねば。

 

私が『救済』と称してバックアップなんて事をしているのも原作以上のエンドを迎えるため、二号が少しでもより良い終わりを迎えられるように。

2B?9S? シラナイ、ナントカナルダロ。

 

そして…私をこの世界に留める為の使命として。

そして…今後の自分への枷となるように。

 

 

 

 

 

 

「───私はその提案を拒否する。」

 

 

 

 

 

 

 

私が彼女達に謝る為に。

私が見殺しにした彼女達が蘇った時に異分子()を裁いてもらう為に。

 

私は抗う。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 

「『そうか。最後に貴重なご意見ありがとう、ポッド013。───そして死ね。』」

 

 

 

 

変な事言ってる場合じゃないや、さっさと逃げよう。

 

 

 

 




戦闘描写は苦手なので一旦区切りました。次回で前日譚を終わらせます。


ところで『ポッド013』に名前を付けようかなと思っております。原作でローズ隊長が真珠湾メンバーに名付けていたような花の名前で。
良い名前がありましたらコメントで教えてください。

私の第1候補は『メギ』かなぁ。

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