かなり期間が空きました。
私事で申し訳ないのですが、忙しかったんです。許してください。
「ギガ....」
俺が技を繰り出そうとするその瞬間、脳無の顔が目に入る
悲しんでいるような、怒っているようなそんな表情。
「…ッ」
(なんでこいつがそんな顔を??)
そんなことを頭に思い浮かべてしまい、一瞬俺の剣を握る力が弱まる
その瞬間を脳無は見逃さなかった
「ガァァ!!」
と叫びこちらに急接近し、拳を振りかぶる脳無
俺は咄嗟に剣を握り直し、脳無に向け剣を横なぎに振るう
ギィィィン!!
俺の剣と脳無の拳が交差する
ギリギリと両者の剣と拳がぶつかり合い競り合う
俺の剣に纏っていた雷が脳無の体を駆け巡る
しかし、
「ギィギィ!!」
苦しそうな声を上げるも脳無のパワーが落ちる気配はない
おそらく俺が気をそらしてしまった時、込めた魔力が離散してしまい、威力が若干落ちたのだろう
「ぐっ!!」
ギィィィと何とか剣で拳を抑えてはいるが少しずつ押され始める
やはりパワーではこいつには勝てない…
「ガァァァァア!!」
脳無はさらに力を籠め拳を前に突き出した。
「ぐわぁぁ!!」
そのパワーに俺はたまらず吹っ飛ばされる、
「勇間!大丈夫かよおい!!」ガシッ
切島がそう叫び吹っ飛ぶ俺をがっちりと受け止めてくれる
「ああ、ありがとう」
俺が切島にそういうと切島が答える
「おう…にしてもアイツ、なんて馬鹿力してんだよ…」
そうなのだ、威力が若干落ちていたとしてもあの俺の攻撃を食らっても全くこたえてない、とんでもない防御力と再生能力ありきのタフネス、そしてあの馬鹿力と俺よりも強い呪文…
正直、俺たちが4人で戦っても完全に勝利できるとは言えない、むしろ俺以外の3人が負傷してしまう可能性だってある。
おそらく原作通りに物語が進んでいるなら、委員長が雄英高校に助けを呼んでいるハズだ、プロが来るまで耐えるしかない。
俺は大丈夫なんだ、これまで一人で戦ってたんだ、あとちょっとの耐久くらいやれる(希望的観測)
ただ問題は…
「ほ、ほんとにこんな奴俺らに倒せんのかよ…」
震えながら、そうつぶやく切島
そして少し離れた所にいる尾白と芦戸さんも何も言わずに、脳無を見つめていた。
しかし、その表情には恐怖がにじみ出ている。
無理もない、この間まで中学生だったんだ、仮にも入試で1位を取った俺をここまでコテンパンにする敵なんて、怖いに決まっている
俺は切島に言う
「切島、俺はこれからアイツと戦う、おそらくもう少しで先生たちの助けが来るハズなんだ…それまで粘ってみせる。だから…」
切島は不安そうに黙ってこちらを見ている
「それまで、切島はあの二人を連れて、少し遠くへ避難していてくれ」
そう伝えると切島は答える
「そ、そんなことできるわけねぇだろうがよ!!おめー1人でなんて…俺がさせねぇ!!」
グッと自らを親指で指差し男らしく発言する切島
しかし、その足元はわずかに震えている
…こいつらはいい奴らだ、多分普通に俺が一人で戦うと言っても、そうはさせてくれないだろう
でも少しでも敵に怯えを感じているこいつらを脳無と戦わせるわけにはいかない
だから俺は言う
「正直に言う、足手まといなんだ、俺が一人で戦った方が気兼ねなく戦える。だから早くアイツらと一緒に遠くへ避難していてくれ」
「そんなことはっ!!」
切島はそう返すが、俺は続ける
「切島、足が震えてるぞ…お前らはあの敵に怯えを抱いちまってる、すまないがそんな奴らとは一緒に戦えない」
俺ははっきりと言う
切島の表情が曇る
あかん、めっちゃ胸痛い
ほんとはこんなこと言いたくないし、一緒に戦ってほしい
でもそれ以上に『こいつらに怪我をしてほしくない』という想いが強いのだ
この敵は原作にはいなかった、つまり俺がいるから現れたようなもんだ、そのせいでクラスメイトが傷つくなんて...俺は我慢できない
敵は待ってくれない
うつむく切島に俺は
「分かったんならさっさと行ってくれ!」
と言い剣を構える
「グァァ!!」
と雄叫びを上げこちらに向かってくる脳無
そして拳を連続で繰り出す、その拳を俺は何とか凌ぐ
ギィン!ギィン!!
脳無の一挙手一投足に全神経を注ぎ、防御に徹する、そうでもしないとこの攻撃は防げない、
頭、足、腕、腹、胸、あらゆる箇所に拳を打ち込んでくる
それを俺は防ぐ
防ぐ
防ぐ
防ぐ
あいつらはもう逃げられただろうか…
そんなことも考える暇もないパンチの連続、まだだ、まだ防げ
ギィン!ギィン!ギィン!
まだだ、まだ、まだ、まだ
そして攻撃を防ぎ続ける俺にしびれを切らしたのか、脳無はこれまでのパンチよりもおおきく振りかぶり俺の頭目掛けて拳を振るう
(今!!)
ゴォォと迫る拳を俺はしゃがみ、ギリギリで避ける
そして避けた低い体勢のまま
「うらぁぁぁ!!」
と叫び俺は下からすくい上げるように剣を振るう、要領はメジャーリーガーのアッパースイングだ
ガラ空きの脳無の腹に俺の剣が当たる、低い姿勢からの攻撃と言うこともあり、一瞬脳無の体は地面から離れる
その瞬間
「ヒャダルコ!!」
と叫ぶ
ふわりと周囲に冷気が漂う
脳無の真下から氷の柱が生成される、それは宙に浮いている脳無を飲み込みさらに大きい柱となる
脳無はその柱の上部で凍りついている
「ふう」
脳無入り氷のオブジェ完成だ、今度の札幌雪祭りはこれで勝負しよう(雪ではない)
タイトルは『生命』だ
…これで、しばらく時間が稼げるだろうと考え、俺は一息つく
しかし
「…ゾー…べ…ゾォ…バ」
氷の柱から何か聞こえてくる
「ベラ…バ!…べ…ゾォーバ…」
嫌な予感がして俺は氷を見上げる
すると
「ヴェラ…ゾォーバァ!!!」
と全身火だるまになった脳無が俺の力作から顔を出す
…ふざけている場合ではない
「ヴェラゾォーバァァ!!」
完全に姿を現した脳無はこちらに大きな炎の玉を打ち込む
「グッ!」
俺はそれを右に横跳びし、かろうじて避ける
しかし、その避けた先で脳無が拳を振りかぶり待ち構えていた
コイツ速すぎん??
「ガァ!!」
そんなこと考える間もなく脳無の拳は俺にクリーンヒットする
吹っ飛ぶ俺、
今度は受け止めてくれる奴はいない…
「かっっは!!」バキッ!
と俺は壁に激突する
ああヤバイ、拳受けた腹も痛いし、打ち付けた背中も痛い
「ぐうう」
と痛みに悶える俺
そんな俺に対し、脳無は容赦なく手を向ける
「ヴェラゾォーバァァ」
テレレレレレレッ♪
そしてどこか聞き覚えのある音が鳴り響く
あれ、呪文の時って音鳴ったっけ??
そんなことを考える俺、
しかし、その疑問は迫りくるこれまでの何倍以上もの凄まじい大きさの火球を見て解消される
「…魔力暴走ね」
俺は呟く
魔力暴走は言わば、魔法版『かいしんのいちげき』
クソッ!俺も出したことないのに!!
迫りくる炎、避けようにも体が動かないし、そもそもデカすぎて避けようがない…
…ここまでか
時間は稼げただろうか…
アイツらは逃げられただろうか…
脳無は他のヤツらを襲わないだろうか…
色々な考えが頭に浮かぶ、
しかし、最後に思い出すのは切島の曇った表情
(酷いこと言っちゃったな…謝りたかったけど…無理か)
俺はギュッと目を閉じる
グォォォ!!と物凄い熱気に包まれる…
しかし一向に自分の体が燃える様子が無い…
しばらくすると熱気はおさまる
恐る恐る目を開くとそこには
「目の前で!!ダチがやられるとこ!!ぼんやり眺めてられっかよ!!」
そう叫ぶ、切島の背中があった
腕をクロスさせ、全身をガチガチに固めている。
しかし、その腕は完全に炎を防げたわけではなく少し焼け、ただれている
そして叫ぶ
「勇間!さっきのヤツ!俺たちが怪我するかもしれないからわざとキツイ言い方して遠ざけたんだよなぁ!?」
「き、切島??」
俺はいまだに何が起こっているのか状況が呑み込めない
しかし切島は続ける
「でもなぁ勇間ぁ!!」
「俺たちだって同じくらい勇間に傷ついてほしくねぇんだわ!!」
そう言い、こちらに向き直り、二ッと笑う切島
俺は以前の相澤先生の言葉を思い出す
『同じく雄英に通うヒーローの卵…対等な存在なんだ、助けてやる存在じゃなくてな』
この言葉を聞いた時、正直まだ納得いっていなかった、まだこいつらは高校生、俺が守らないと…
そう思っていた。
しかし
俺の目の前の男…
腕をやけどしながらも、俺を守った
(そうか、こいつらは高校生なんかではなく)
痛みをこらえ俺に笑いかける切島を見て思う
(『ヒーロー』なんだな…)
「ハハッ」
俺は思わず笑う、こいつらを見くびっていた自分自身に対して,そして何より心強い仲間の存在に対しても…
そして
「ホイミ!」
と切島を回復させ、言う
「行くぞ!切島!もうビビってんじゃねぇぞ!」
ニヤリと笑い、立ち上がる。
先ほどまでの俺の体の痛みなんて既に吹っ飛んでいた…
脳無に向け、向き直る俺と切島
切島はつぶやく
「正直よぉ、自分よりも強いと思ってた勇間が簡単に吹っ飛ばされて、俺はあの敵にビビってた…」
続ける
「今までの俺だったら間違いなく逃げ出してた、でもよぉ…なんつーか、勇間が戦ってんの見てると…なんつーか…あれだよあれ…んー何ていやいいんだぁ??」
歯切れの悪い切島
すると後ろから声が聞こえる
「勇気が湧いてくるんだよねっ!!」
後方からそう言いながら現れる芦戸さん
「敵に挑む勇気がね」
その隣を歩く尾白も言う
「おお!!それだそれだ!!」
と2人の言葉に賛同する切島、
そして芦戸さんと尾白はこちらに歩いてくる
「正直、私も本当は怖い、でもそれ以上に勇間を見てると湧いてくるんだ!敵に挑もう、頑張ろう、私ならやれるって言う気持ちがね!!」
と言う芦戸さん
「ほんとにね…勇間にはなにかそういう不思議な力があるよね」
そう言う尾白
そして俺たち四人は並び、各々構える
「勇間…」「勇間」「勇間ァ」
「「「行こうぜ!!」」」
お前ら…
「おうっ!!」
俺は元気よくそれに応える
あかん、泣きそう…
俺たち4人が覚悟を決め、さぁ行くぞというタイミング
その瞬間だった…
パァン!!パァン!!
はるか遠くから何やら銃声のような音が聞こえ、次の瞬間、脳無が苦しみもがいていた
イマイチ状況が呑み込めない俺たちだったが
「ただいま戻りました!!!」
というクソデカい聞きなじみのある声が聞こえ、プロヒーロー達が来たのだと気付いた
そしてその時、
ユラァ
と脳無の近くにワープゲートが現れた
脳無に逃げられる!と思った俺は脳無目掛けて駆けだそうとしたが、
「まぁ待ちたまえよ」
と言う、『声』がゲートから聞こえる
その声が耳に入ったその瞬間、ビタリと体が止まる
姿は見えない、しかし感じるのだ、とんでもない気迫に襲い掛かる緊張感
体だけではない、声も呼吸も俺のすべてが止まる
それほどまでの
『恐怖』
『居る』、間違えなく『居る』、この先に…とんでもない巨悪が…
「ありがとう、待ってくれて」
声はまだ聞こえる
「この子はまだまだ改良の余地があってね…今手放すのは惜しい」
声がそういう言うと、脳無の体に何かが突き刺さり、ズルズルとゲートの方へと引きずられる
コイツをみすみす見逃すわけにはいかない!
「…ッ!…ま…まてっ!!」
纏わりつく『恐怖』を何とか振り払い、声を出して俺は一歩踏み出す
するとまたしても声が聞こえる
「せっかちだなぁ」
またしても俺の体は動かなくなる
「うーん…君に分かりやすいように言おうか…」
俺は息をのむ
「今の君じゃレベルが圧倒的に足りない…この『魔王』に挑むにはね」
「なっ!!」
魔王だと!?
俺は驚きで固まる
その間に脳無は完全にゲートの中に回収され、ゲートが小さくなる
そしてゲートが閉じるその瞬間
「またね、『勇者』くん…」
ゲートが完全に閉じた…
「ハァハァハァ」
鼓動が止まらない、なんなんだアイツは…
その時
ドォォォン
と言う音ともに巨体が空から降ってきた
まだ何かあるのか…!
と身構える俺たちだったが
そこから現れたのは
「大丈夫だったかい!!少年少女!!」
オールマイトだった
安堵する俺たち、
切島なんかはよほど気を張っていたのかヘタリと座り込む、芦戸さんなんかは泣いているようだ
かくいう俺も相当な脱力感だ
するとオールマイトはススッと俺に近づき囁いてくる
「すまない勇間少年、今回少々無理をしてしまってね、アレやってくれない?、アレ」
アレって…どっかの球団じゃないんだから…
そう思いながらも
「ベホイミィィ…」
と唱える。唱えながら俺の意識は朦朧とする、
ああ、しまった、色々あって意識してなかった…
(…MP…なくなっ…た)
ドサッ
と体から力が抜け倒れる
そして、俺の視界は暗転する
・・・・・・・・・・・・・・
テレレレテッテテー♪(宿屋のヤツ)
パチリ
と目が覚める、
ああ、確かMP不足で倒れたんだっけか…
そして目に入るのは見慣れない天井
チャンス到来!
俺は口を開く
「知らn「アンタほんとに!!自分の正体がバレそうだからって生徒を倒れさせる教師がいるかね!!」「す、すいません…」
またしても、言えなかったか…
そんなことを考えながら俺は自分の周りを見渡す
左は窓、右には眠っている緑谷、さらにその奥、何やらペコペコと謝罪を繰り返すオールマイト、説教するリカバリーガール
俺がキョロキョロと辺りを見回していると
「起きたかい!!勇間少年!!」
そう声をかけてくるオールマイト
「起きたかい、じゃないよ!アンタが眠らせたんでしょ!」
と説教するリカバリーガール、会うのは入試以来か…
「いや、俺のMP管理が甘かっただけなので、オールマイトを責めないでください」
俺は言う
「ゆ、勇間少年」
何やら感激するオールマイト、しかしリカバリーガールは言う
「生徒に擁護される平和の象徴なんて、わたしゃ見たくなかったよ」
それを聞きシュンとするオールマイトを尻目にリカバリーガールは続ける
「それより、あんた、体は大丈夫かい??」
俺は返す
「ほんとにMPがなくなって眠っただけなので、そういう体質なんです。お手数かけて申し訳ありません」
するとリカバリーガールも返す
「それならよかった、しかし、外傷も寝ているうちにみるみる回復したねぇ…それも体質かい??」
そう聞いてくる
「そうなんです、俺の体は眠るだけで大抵の傷は治ります」
そうなのである、言ってなかったが俺の傷は寝ればほぼ治る、ドラクエの宿屋で寝たら全回復するように
俺は得意げな顔でそう返すと
またもリカバリーガールは聞いてくる
「それじゃ、あんたが目覚めるときの『テレレレテッテテー♪』という変な音も体質かい??」
…やっぱり聞こえてるよなぁ
「…た、体質です」
俺は恥ずかしげな顔で返した
気まずい空気が流れるもリカバリーガールは口を開く
「元気ならもう帰っていいさね、念のため今日は安静にね」
「あ、ありがとうございます、それでは失礼します。」
帰っていいとのことで俺は帰ろうとそそくさと保健室のドアを開ける
この後の緑谷とオールマイトの会話邪魔したくないし
その時
「あんた、回復ができる子だろう??」
そう声をかけるリカバリーガールに俺は足を止める
「回復の個性は希少さね、これから沢山アンタは頼られる、今日みたいに倒れることだって1度や2度じゃないだろうねぇ」
「…それでもアンタはやり続けられるかい??」
優しくリカバリーガールは俺に言った
そんなの、決まってる
「はい、俺が倒れる程度で助かる人がいるなら喜んで倒れますよ」
俺がそう返すとリカバリーガールはまたも聞いてくる
「何で、他人のためにそこまでするんだい??」
俺は答える
「『
するとリカバリーガールは「フフッ」と笑い言う
「十分さね、アンタ回復のコントロール、まだできてないんだろう??アタシが一緒に練習してやるから、たまに保健室に顔だしな」
あのリカバリーガールに教えてもらえるとは…
「はい!是非よろしくお願いします!!」
そう言って俺は保健室を去った
「私!空気!!」
勇間が去った後の保健室でオールマイトは叫んだ
・・・・・・・・・・・・・・
その次の次の日
あの日から臨時休校を一日挟んでの登校だ
いつものように焦凍が我が家のインターホンを鳴らし、俺を迎えに来る
登校中、焦凍は心配そうな表情で俺に聞く
「勇、ほんとに大丈夫だったか??」
「いや、電話で大丈夫って言ったろ、MP切れしただけだって!」
まだ焦凍は疑うような表情でこちらを見る
たまらず俺は喋る
「そう言えば、焦凍、そっちはどうだったんだ」
「ああ、こっちも大丈夫だった。…ただ」
「ただ??」
なんだろう
「葉隠を凍らせかけちまった」
…それは大丈夫なん??
そんな感じで俺たちは雄英高校へと到着する
教室に入ると、皆から心配をたくさんされて、鬱陶しかったです。(うれしい)
切島なんかからは、熱い抱擁を受け、困惑した(照れてます)。
朝のホームルームが始まる時間になった
相澤先生が教室に入った時には相澤先生の復帰の速さに皆のツッコミが炸裂した
そしてヨロヨロと教壇へ立った相澤先生は口を開く
「俺の安否はどうでも良い、何より戦いはまだ終わってねぇ」
え、え、まだあるん??
そういや俺はここからの話は全く知らない、どうしよ…
まぁ頑張るしかないか…
俺があれやこれや考えていると相澤先生が言う
「雄英高校体育祭が迫ってる!」
クソ学校っぽい!!
皆が体育祭についてガヤガヤとする中、相澤先生は説明してくれた。
敵に侵入されたばかりではあるが逆にこのタイミングで体育祭を開催することで雄英高校の危機管理体制が盤石であることを示すようだ。
そして何より、俺はこれまで一応毎年見てきたので知っているが、雄英体育祭は結構な規模のビックイベントである、オリンピックに代わるって、とんでもねぇぞ…
そしてこのイベントにはたくさんのプロヒーロー達がスカウトを目的に集まってくる。
頑張らねば…!!
説明を終えた相澤先生が最後に言う
「年に一回…計三回だけのチャンス、ヒーロー志すなら絶対外せないイベントだ!」
MP管理大変そうだな…
俺はぼんやりと考えた
・・・・・・・・・・・・・・
昼休み
皆、体育祭に向けテンションが上がっているようだ、かく言う俺も顔には出さないがかなりテンションが上がっている。
その時
ポンポンと後ろから肩を叩かれる
振り向くと
「勇間くん…頑張ろうね体育祭」クワッ
なんかすごい形相の麗日さんがそこには居た(席前後同士)
「う、麗日さん?顔がアレだぞ、アレ」
いや、アレってなんだよ、どっかのタイガースじゃないんだから
とセルフツッコミを入れていると麗日さんは立ち上がり宣言する
「皆!!私!!頑張る!」
うん、がんばれ
僕…麗日さんが心配です。
・・・・・・・・・・・・・・
そして放課後
「焦凍、帰ろう」
「ああ」
俺たちが帰宅しようとすると
「何ごとだあ!!?」
という麗日さんの声が聞こえてくる、今日あの子よく叫ぶな…
その声に釣られ俺たちも教室の外を見やると
そこには大量の雄英生徒達が集まっていた
いや、ほんまに何事!?
これじゃ出れないんですけど!?
俺は出入口付近にいる爆豪のそばに行き言う
「なんだよこれ、出れないぞ、何しに来たんだよこの人たち」
すると爆豪は歩き出し喋る
「敵情視察だろザコ」
「コラ」ポン
公然とザコなどと言う爆豪の頭をポンと叩き怒る
しかしなるほど、敵情視察か、俺らは敵と戦い生き残った、どんな奴らか見ておきたいという気持ちはわからんでもない、
ただ、ちょっとだけ邪魔ではあるな,うん
頭を振るい俺の手を払いのけた爆豪は言う
「意味ねェからどけモブ共」
「知らない人の事とりあえずモブって言うのやめなよ!!」
俺の言いたいことをしっかりと言ってくれる委員長、流石です。
なにやら、爆豪に視線が集まり出したので俺はススッと後ろに下がり、焦凍の横へ戻る。
コミュ障なんでね、はい(最近自覚しました)
すると人混みの奥の方から声が聞こえた
「どんなもんかと見に来たが、ずいぶん偉そうだなぁ」
「ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい??」
そいつだけです
「ああ!?」
爆豪は威圧するように声を上げる
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
すんません
ズイと人混みから出てきた声の主に爆豪に代わり心の中で謝罪する。(意味ない)
てか寝不足そうな顔してんな、この人
今度、ラリホーでも覚えたらかけてあげよう(迷惑)
そいつは普通科の生徒のようで、話によれば、普通科にはヒーロー科に落ちてしまったから入った人が結構いるようだ、まぁ言い方的にはそいつもそうなのだろう。
さらにそいつが言うには体育祭の結果次第でヒーロー科に編入することもできるらしいが、その逆も然りらしい、…まぁ俺には関係ないが(ビビってます)
寝不足の人(決めつけんな)は言う
「調子乗ってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
意外と言うやんコイツ
「隣のB組のモンだけどよぅ!!」
また他の声が上がる、どうやら隣のB組のモンらしい
「敵と戦ったっつうから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!」
「エラく調子づいちゃってんなオイ!!」
「本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」
怖
「・・・」
爆豪はそんなことを言う奴らを面倒くさく思ったのかグイと無言で人混みを搔き分けようとする
「待てコラどうしてくれんだ、おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねぇか!!」
切島はそんな爆豪に言う
そーだそーだ
「関係ねぇよ…」
爆豪は口を開く
「上に上がりゃ関係ねぇ」
え、かっこい、なにそれ、今度を俺も使おう(いつ?)
その発言にさらにざわざわと騒ぐ人混み
そして爆豪は人混みを押し退け帰宅するーー
と思われたがその人混みの手前で爆豪は立ち止まり言う
「行くぞ、ピアス!」
え、なんで俺?
A組にピアス装備者は俺のみなため、大量の視線がこちらに向けられる
何してくれてんだ!と言う目線を爆豪に送ると
「さっき俺を叩いたお返しだ」と言わんばかりの表情でニヤリと笑っていた。
はい、僕はあなたを許しません。
「・・・・・・・・・・・・・・」
俺は渋々無言で爆豪の元へ歩く
すると声が聞こえる
「なんだぁ??おめーもそこのヤツみたいに調子乗っちゃってんのか!?」
「そうだそうだ、乗っちゃってんのかぁ??」
乗ってませんけど
なんだこいつら、そもそも他のクラスの前に人だかりを作って他の人様に迷惑をかけるような奴らがヒーローになれるわけないだろうが
腹が立ってくるがここは冷静に、ここで冷静に対処するのがカッコいい大人って奴さ
…人多くて緊張するなこれ
俺は口を開く
(すいません、俺とお前らは違うクラスなのでこんなところで集まってられるといろんな人が迷惑しちゃうんでやめませんか??こいつが変なこと言ったのは本当に申し訳ございません。また教育の方させていただくので、それでどうかご勘弁ください、あと本当に邪魔なのでどけてくださいお願いします。)
「俺とお前らは違う…どけ…」(冨岡〇勇構文)
なんか人混みを前に緊張で言いたいことの10%くらいしか言えなかった気がするが気のせいだろう(違う)
こんなに丁寧に言ったんだ、はよどいてくれないかな…
「・・・・・・・・・・・・・・」
俺が発言すると周りが静まり返る
なんだ?おれまたなんかやっちゃいました??
俺は振り返りA組一同の顔を伺う
(((何してくれてんだテメェ!!)))
おかしいな心の声が聞こえてくるみたいだ
顔でなにが言いたいのかわかる
爆豪をみる
(やるじゃねェか…)
え?だからなんかやっちゃいました??
最後に人混みの方を見る
「・・・・・・・・・・・・・・」
みんな静かだ、なんで??
「??」コテ
俺は人混みに向け不思議そうな顔で首をかしげる
その刹那
「んだてめぇ!!」「乗っちゃってる!!乗っちゃってんなぁ!!」「お高く留まりやがって!!」「そうだ!そうだ!!」
ワーワーギャーギャーと
喧騒が俺の前に現れる
…いやぁ…頑張るか、体育祭…
…はぁ
・・・・・・・・・・・・・・
2週間後
あれから、色々あった。
爆豪と訓練したり、焦凍と訓練したり、切島と訓練したり、緑谷と訓練したり
あれ?訓練しかしてない??
まぁとにかく色々あった。
ちなみに他クラスからの俺の評判はすこぶる悪い、爆豪と並んで歩きでもすれば、ひそひそと話し声が聞こえてくる程だ。
ま、まぁ俺には関係ないけどね(悲しい)
そして今日が体育祭当日
俺たちは控え室にいる
「緑谷、世界で1番ピースが多いパズルは何ピースでできてると思う??」
「えっと、2000くらい……??」
「はい、残念正解はごじゅうg「勇、ちょっといいか?」
俺と緑谷が話していると焦凍が割って入る
なんだろうか??
「勇、お前との勝負はいつも勝ったり負けたりだが、多分俺の負けの方が多い」
「……そうかもな」
「だが、今日は俺の力の全部でお前に勝つ」
他の奴らは「俺の力?何言ってんだ??」みたいな表情だが俺には分かる。
多分これは焦凍なりの意思表明なんだろう…
「おう、見せてくれよ、お前の力の全部」
俺はそう返した。
そんな会話をする俺たちの前でなにやらモジモジしている緑谷が目に入る
そんな緑谷に俺は言う
「あー、緑谷、初めて会った日からお前はずっと『ヒーロー』だった。俺の中での1番のヒーローは実はお前だったりするんだ」
「え、ど、どうしたのさ急に僕はそんな……」
戸惑う緑谷に俺は続ける
「そんなお前に今日は勝つ、俺が1番の『
俺がそう言うと緑谷は
「い、勇間くん、」
戸惑う緑谷だがこちらをしっかりと見すえて発言する
「僕の中でだって君は最高のヒーローの一人さ、それに、個性をうまく扱えない僕の方が客観的に実力で見たら低いかもしれない」
「緑谷、そーゆーネガティブなことは言わねぇ方が…」
なにやら不穏な空気を感じた切島が割って入ろうとするが緑谷は力強く喋る
「でもっ!」
「皆…他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ」
「僕だって遅れを取る訳には行かないんだ」
「僕も本気で獲りに行く」
そして緑谷は俺に拳を突き出し、続ける
「君に勝って、僕だって最高のヒーローに!」
「望むところ!」
俺はそう言い、突き出された拳にコツンと自分の拳を合わせた
「皆!入場だ!!」
そう言う委員長の声で皆が入場に備える
『どうせてめーらアレだろこいつらだろ!!?』
プレゼントマイクの声が聞こえてくる
『敵の襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』
『ヒーロー科!!』
『1年!!』
『A組だろぉぉ!!?』
その声とともに俺たちは会場に入る
あれ?思ったより人が多い……
何コレ、実際に会場に立ってわかるが、プロ野球とかそういうレベルじゃない、オリンピックの代わりというのは大袈裟ではないな……
ダメだ緊張してきた。ヤバいかも、これまで数々の修羅場をくぐってきた俺もさすがにこの観衆を相手にしたことは無い
ガチンガチンとロボットのようにしか動かない手足
何とか整列するが、緊張で頭が痛い、ミットナイド先生が前で色々言っているがなんかもう聞こえない
てか、あれ?そういえば俺って……
「選手宣誓!!」
ミットナイト先生の声が聞こえる
「1年A組勇間勇!!」
そうね、俺でしたね、相澤先生に言われてましたね、忘れてました。
やるしかない
やれるさ
ここまでもなんとかやってきたじゃないか
そんなことを考えながら俺は壇上へ上がる
そして周りを見渡す
ああこれやばいあの時(自己紹介)の比じゃない、
バクバク鳴る心臓、俺死ぬかも
「せっ、宣誓!私たち生徒一同は、スポーツマンシップに則り、正々堂々、競い合うことを誓います!生徒代表、勇間勇!」
あれ?いけたんじゃないこれ?なんか短い気もするが、行けたんじゃないかこれ、なかなか無難な選手宣誓ではないだろうか??
俺はチラリとあたりを見渡す
恐らくもうすぐこの観衆からの義務的ではあるが、拍手が待っているのだろう……
よかった、 こんなとこで緊張で変なこと言って恥をかけば一生物だもんな、
俺はとてつもない達成感を感じる、
…嫌な予感はあった、
奇しくも大勢の前で1人で発言するという、規模が違えどあの時と状況は似ていること
そして、今感じている達成感がどこかあの時感じたものと同じような物だと感じていたこと
それに最近レベルアップもしてない
でも心のどこかで大丈夫だと思ってた、
俺のレベルはかなり上がった、
あの時のように戦闘以外で上がることなんて最近はまあ無い
大丈夫さ、大丈夫
そんな俺の気持ちを
嘲笑うかのように
テレレッテッテッテー♪
あ
会場にその聞きなれた音は響き渡る
A組一同(((あ、こいつレベルアップしたな……)))
他(((何この変な音……)))
音のせいで観客達の拍手をしようとした手が止まる
拍手喝采は起きずにシンとした空気が流れる
あかん、恥ずかしい
『え…と?この音は?』
ミッドナイト先生の疑問の声が響く
『あー、これはウチの勇間の個性『レベルアップ』のレベルアップした時の音です。驚かせてしまい申し訳ありません』
相澤先生は言う、いやなんで言っちゃうんだよ
(((あ、こいつレベルアップしたんだな……)))
この情報により会場の心の声は1つになる
『こ、これは恥ずかしぃぃー』
思わずプレゼントマイクが声を漏らす
いや恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい
正直言えば泡を吹いて倒れたい気分だが、俺は何とか正気を保ち、A組の元へ戻る
慰めてもらおう、緑谷とか梅雨ちゃんとかに……
俺は下を向きトボトボと歩く
しかし皆の元へ辿り着くも、
皆、下を向きフルフルと震えている
俺は緑谷の方を見る
フイと俺と目を合わせてくれない、緑谷どころか他の誰も目を合わせてくれない
みんなワナワナと震えるだけだ、何だこれ誰か助けてくれ
なんでこんなことになるんだ、なんでこんなタイミングでレベルアップするんだマジで
そんな中、俺に話しかける天然野郎が1人
「勇、レベルアップおめでとう」
「黙れ」
「「「ブッフォ!!!」」」
俺たちのやり取りを聞いていた他の奴らが一斉に吹き出す、なんだこいつら笑うのを我慢していたのか……
…ふう
……よし、死のう(やめとけ)
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主人公の教室内の席なのですが
飯田くんの後ろ、麗日さんの前と言う風になっております。
原作では20人のクラスなので5×4の席順だったのですが、
本小説では一列目の5人目に主人公がねじ込まれているため、一列目が6人となり、麗日さんが一人後ろにはみ出している感じになります。
麗日さんは隣がいないため、
必然的に前の席の主人公とよく喋ることになり、実はそこそこ仲が良かったりします。
ほんとはおまけとして麗日さんとのエピソードをこの話で載せようと思ったのですが、
流石に原作のメインヒロインと主人公の絡みは少し拒否反応が出る人もいるかなと思い、やめました。
しかし一応書いてはいるので、もし皆さんが良いと言うなら次の話あたりに乗せようと思います。
アンケートを置いておくのでよろしくお願いします。