騎馬戦描写書くの難しすぎて死んでました。遅くなりすいません。
長いけど読んでくれたら嬉しいです。
「「「「「「はァァァァァァ!!!????」」」」」」」
そんな驚く??
まぁでも話さねばなるまい、こうなった経緯を…
「いやぁこれは…」
俺は話し出す
・・・・・・・・・・・・・・
騎馬戦発表の少し前…
俺が障害物競走を終えて緑谷と話しているとき
「あの!勇間くんはなんd「おい!テメェ」
緑谷の話を遮り、声が聞こえてくる
なんだ人の会話遮って、失礼な奴だ…
てか「てめぇ」って誰だよ
緑谷はよくわからないって顔しているし、
用があるのは…
「俺か??」
と俺は答えながら声のほうを振り返る
すると
「そうだ、テメェだ」
そう答える強面の男がそこにいた
こいつ、障害物競走で0Pに潰されかけてた、体育祭前に俺たちに突っかかってきた怖い人だ。
なんにせよ俺は今緑谷と話しているんだが…
「なんだ??俺は今緑谷と話しているんだが…」
俺はそう言うと
「なっ?そいつはすまねぇ!邪魔したか??」
と申し訳なさそうに答える怖い人
あれ?咄嗟に謝るとは…
案外いい奴なのか??
「いや!!もういいよ!僕の話は!」
「そりゃ良かったぜ!ちょっとコイツと話してぇことがあるんだ。借りても良いか??」
「あ、どうぞどうぞ」
いやいや、俺おいて話さないでよ、当事者ですよ
「だとよ、ちょっと着いてきてくれ」
俺はモノじゃないんだぞ
そんなことを考えながらも緑谷と別れ、その怖い人についていく
少し離れると怖い人が口を開く
「俺はB組の鉄哲徹鐵!テメェは!?」
てつてつてつてつ!?
名前いかつすぎんだろ、まぁ俺の名前も似たようなものだが…
この世界ではありがちだが、その中でもぶっちぎりヤバい名前じゃないかコレ?
「あ、ああA組の勇間勇だ…」
うん「勇 間 勇」って文字に表したら結構ヤバいね
少し面食らいながらも俺は答える、
すると鉄哲は少し深呼吸をし、意を決したように叫ぶ
「勇間…すまなかった!!」
突然、俺に頭を下げる鉄哲
「え?なんでだよ?」
俺、こいつに謝られるようなことしたか??
鉄哲は顔を上げてこちらを真っ直ぐに見つめて話す
「俺!勇間のことなんも知らねぇのに体育祭前、テメェらに向かって酷えこと言っちまった!」
「それなのに勇間は、さっき俺を助けた!ダチでもねぇ、競走中でテメェには何の得もねぇのにだ!!」
「俺はそんなテメェに『漢』を見た!そんなテメェにひでぇ事言った自分が許せなくなった!だから謝りたかった!そんだけだ!」
そのあまりにも真っ直ぐな言葉は俺の中にスッと入り込む
中々に熱い男だ
「そんなことか、そんなの誰も気にしてない。それにさっき助けたのも、その時に言ったが当たり前のことだからな。気にすんな」
俺がそう返す
「ありがてぇ!!」
すると鉄哲も嬉しそうにそう返す。
なんだコイツやっぱり結構いいやつだな…
どこか切島と似たようなものを感じる、個性も似てるし
これ言っちゃうと切島怒りそうだけど…
「詫びと言っちゃなんだが、勇間!今後困ったことがあったらなんでも頼ってくれ!全力で手を貸すぜ!!」
やっぱり似てるわ、コレ、おんなじセリフ切島が言ってても違和感ないもん
でも、そういう熱血で真っ直ぐな奴は嫌いじゃない、むしろ好きだ
「ああ、じゃあ遠慮せず頼らせてもらうよ」
と俺は返すと
「おうよ!じゃあそんだけだから!またな勇間ぁ!!」
と言い鉄哲は手を振りながら背を向け歩き出す
頼み事かぁ…まあ今はないなぁ
今度勉強でも教えてもらうか…いやでも鉄哲もあんまり頭はよくなさそうだな…(失礼)
頑丈そうだし訓練相手にでもなってもらおうか…
そんなことを考えていると近くから話し声が聞こえてきた
他のクラスの人だろうか?
「てか、次の種目なんだろうなぁー」
「知らね、でも例年通りならなんか生徒達同士でチーム組んで戦うやつじゃね??」
「チームかぁ、それもしも一人余ったりしたらどうなるんだろうな?」
「バカお前、そんな奴流石にいねぇだろ!…まぁでも予選落ちした俺達には関係ないんだけどな!」
「「HAHAHA!!はぁ…」」
次の種目…チーム戦…一人余る…
・・・・・・・・・・・・・・
勇間脳内
ミッドナイト『さぁ皆!!チームは組めたわね!!』
知らん奴『先生ぇ!なんか一人余ってまぁす!』
勇間『・・・』
ミッドナイト『あら!勇間くんが余ってるのね!どこか勇間くんを入れてくれるチームはないかしら!?』
勇間くん『・・・!?』キョロキョロ
周囲『ヒソヒソ…』
ミッドナイト『えーと、どうしようかしら…じゃあしょうがないから…ボッチの勇間くんは先生と組もうかしら??』
周囲『先生とだってさ、ダセェ!』
ボッチの勇間くん『泣』
・・・・・・・・・・・・・・
とか
俺のコミュ力ならなりかねないんじゃないか!!??(なりません)
チームとか、断られるの怖くて他人誘えねぇし!
爆豪と焦凍は強いから人気で誘えないだろうし!
最悪の未来を予知してしまった(見聞色)俺はどうしたものかと頭を悩ませる
その時俺の頭にあるアイデアが浮かんだ
去りゆく鉄哲の背中に声をかける
「あのぅ、て、鉄哲くん??」
「ん?なんだ勇間!」
こちらを向きなおす鉄哲
「つ、次の種目って何だと思う??」
俺は鉄哲に聞く
「次かぁ…わかんねぇけど…」
鉄哲は言葉を濁すが、その時
「多分チーム戦だと思うよ!私たちでチーム組むやつ」
そう話しながら歩いてくるオレンジ髪のサイドテールの女性
「おぉ!拳藤!」
その女性に向けて声を上げる鉄哲
「あれ?A組の入試1位で選手宣誓してた人じゃん!鉄哲知り合いだったっけ?」
こちらに歩きながら鉄哲に聞くその女性
それを聞くと鉄哲は
ガシリと俺の肩をつかみ言う
「おう!コイツとはダチ同士だぜ!」
どうやらいつの間にか友達判定されていたらしい(ちょっと嬉しい)
「確か、勇間…だっけ?あたし拳藤!よろしくな!」
と拳藤さんはこちらを向き挨拶をする
「ああ、こちらこそよろしく」
なんか姉御肌すごいなこの人、頼り甲斐ありそう
そんなことを考えていると鉄哲が口を開く
「なんで拳藤は次の種目分かるんだ??」
「いや毎年2種目目は基本チーム戦じゃん、ちょっと考えたら予想できるでしょ」
やれやれといった様子で答える拳藤さん
やっぱりチーム戦だよなぁ
あの最悪の未来が再び脳裏に巡る
しかし、これを回避するために鉄哲に声をかけたのだ
「鉄哲、さっきの頼み事なんだが、今使ってもいいか??」
「ん?今か??まぁいいぜ!」
鉄哲の了承も得られたということで俺は口を開く
「次の種目がチーム戦だったとしたら俺と組んでくれないか??」
これが最強戦略である、あらかじめチームを組むやつを確保しておけば、あの最悪の未来が訪れることはなくなる
しかも鉄哲の個性は確か、『スティール』だ。切島と同じような個性、つまりは中々優秀、どんな競技だろうと腐ることはないだろう。
それにいい奴だし、チームを組むならもってこいだ
それに…
「A組は正直いけ好かねぇが、勇間ならいいぜ!頼み事聞くって言っちまったしな!」
これである、何より断られる心配がないのが一番の利点だ
コミュ障的には自分から誘って断られるのが一番メンタルに来るからな…(来るよね?)
「じゃあよろしくな!勇間!」
そう言って手をこちらに差し出す鉄哲
「おう」
俺はその手を握る
鉄哲がいれば、コイツ人望ありそうだし何人チームかはわからないが、人は集まるだろう
俺以外全員B組になりそうで、ちょっと心配ではあるが…
まあ余るよりはマシだろう
「…」
握手をする俺達の横で気まずそうにたたずむ拳藤さんをちらりと見る
正直全く知らない奴と組むよりかは拳藤さんが組んでくれるとありがたいんだが…
姉御肌って感じで、チームにいれば頼りになりそうな雰囲気をヒシヒシと感じる。チームに1人はいて欲しいタイプだ。
個性はわからないけどヒーロー科である以上優秀ではあるだろうし
ほら顔もキリっとしててなんか戦う顔してるし(立浪?)
拳藤さんの顔を思わずジッと見てしまう
ん?あれ?よく見るとめっちゃ綺麗な顔してるなこの人
男勝りな雰囲気が強すぎて気が付かなかった…
下手したら俺がこれまであってきた人の中で一番綺麗なんじゃないか??
雄英ってミスコンとかあるのかな?この人ならテッペン取れそうだけどな(不良見みたいな言い方すんな)
俺が無意識に凝視していると…
「い、勇間??そんなに見られると照れるというかなんて言うか…」
と少し困ったような表情で口に出す拳藤さん
あ、やばいやばい見すぎた、
大丈夫??訴えられたりしないよな??
とにかく弁明だ
でもあれだな、何というか困った顔も…
「綺麗だ」
(ごめん、ちょっと次の種目について考え事してた)
目の保養だ…まぁ俺がチームに誘えるはずもないんだが
あとで鉄哲にでも誘ってもらうか
そろそろ次の競技の説明始まりそうだし、チームに関してはその時また考えよう
ぼんやりと考えていると
「きゅ、急に何言ってんだよ!」
顔を真っ赤にしながら拳藤さんは叫ぶ
あ、あれ?なんか怒ってる??
またなんかしちゃいました?俺
「いやほんとのことを言っただけなんだが…」
俺がそう言うと
「ほ、ほんとのこと??」
おそるおそるといった感じで聞いてくる拳藤さん
なんかしおらしくなってないこの人?
でもなんかこれもいいな、ギャップ萌えってやつかこれが
「あ、ああ、ほんとのことだが…」
なんでこんなにしつこく聞かれているのかわからないが俺は返す
「お世辞とかじゃなくて…??」
と拳藤さん
お世辞?
「お世辞もくそもないけど…」
なんか会話ずれてない?大丈夫これ?
怒ってる感じではなさそうだが
「大丈夫か??顔赤いけど体調悪いか??」
俺が聞く
「は、はは、ごめん、なんかそういうの面と言われたことなくて…うまく話せないや…」
「そういうの」って何?
なんかヤバくない?
「でもありがとうな…素直にうれしい…」
ヤバくない??(語彙力)なんか雰囲気甘くない?
それにありがとうと言われる筋合いはないし
俺は情報が処理しきれずに拳藤さんの話を聞くばかりだ
「そ、それに!わ、わたしも勇間のこと…」
え?何急に?
「カッコいいと思うぞ…」ボソッ
え?何?俺さっき告白でもしちゃった?
何この感じ?
「え?な、なにを急n「それじゃ!そろそろ始まりそうだから!またな!」
困惑する俺の声を遮り拳藤さんは走って行ってしまった
えぇ…
そして鉄哲が呆然と立ち尽くす俺の肩にポンと手を置く
「お前、ほんとに漢だなぁ!!」
だから何が??
「じゃあ俺もB組のとこ戻るわ!!次、頑張ろうぜ!!」
走り去る鉄哲
「…」
まぁ…いいか!!ボッチ回避できたし!!(思考放棄)
みんなのとこに戻ろう
『さーて第2種目よ!!私はもう知ってるけど…何かしら!?』
俺がA組のみんなが集まっているところに戻ると同時にミッドナイト先生の声が響き渡る
『コレよ!!』
そう言って電光掲示板を指す
そこには
『騎馬戦』の文字
やっぱり拳藤さんの言う通りチーム戦のようだ
反射的に俺は鉄哲の方を向く
すると向こうもコチラに目線を送ってきている
バチッと目線が合う
そして鉄哲がニヤリと笑い、こちらに拳を突き出す
俺も少し笑いながら、控えめに拳を突き返した
やるか…!
・・・・・・・・・・・・・・
「…って感じです。ハイ」
「「「仮にも入試1位で障害物競走も2位の奴が余るわけねぇだろうがぁ!!」」」
勇間が事の顛末を伝え終えたその瞬間にA組からの総ツッコミが炸裂する
「た、確かに…!」
ああぁと頭を抱える勇間
そしてその時
「コミュ障メンタル豆腐ピアス野郎」
勇間(それ俺??)
お前だ
「結局てめぇはどうすんだ?B組の野郎どもと組むのか、俺たちと組むのか」
その言葉に周囲が静まり返り、目線が再び勇間に集まる
そんな中、勇間は意を決したように声を上げる
「俺はB組の人と組むことにするよ、それに俺だって何も余りそうだからって理由だけで鉄哲と組んだわけじゃない…入学してからお前らと過ごしたことで分かったことがある」
勇間は続ける
「俺の個性は基本的に何でもできる、炎や氷、爆発だって出せるし、常人以上のパワーやスピードだってある。でも炎や氷なら轟に、爆発なら爆豪、パワー勝負なら緑谷、スピードなら飯田には勝てない。他にも戦略や起点、防御力諸々、ヒーローとしての能力でA組の中で俺がNo1の能力は無い」
「だから今日、俺はそんなお前らに挑戦したいんだ。最高の好敵手を相手にして自分がどこまで戦えるのかを試したい」
いつになく真剣な表情で話す勇間を全員静かに見守る
「だから今回俺はお前たちに挑む、今日No1になるのは俺だ」
そして最後に勇間はそう言ってA組の面々に背を向ける
その様子を見て緑谷は思う
(もう、始まってるんだ…!勇間君だって色々考えてる、それなら僕だって)
(君に勝つ、最高のチームを作って迎え撃ってやるさ…!!)
・・・・・・・・・・・・・・
俺は鉄哲の方に向けて歩く、あそこまで啖呵を切ったんだ、やるしかない
「鉄哲」
俺は鉄哲に声をかける
「おお!勇間!かましてやろうぜ!」
鉄哲も俺に声をかけてくる
その時
「あれー?鉄哲A組と組むの??」
え?誰このイケメン?俺とチームでも組んでくれんの??
「せっかくの僕たちの作戦が台無しじゃん」
え、こいつら作戦とか立ててたの?
「まぁ一人くらいなら問題ないか」
作戦が気になった俺は思わず聞いてしまう
「言えないなら言わなくて良いんだけど、どんな作戦なんだ??」
俺が聞くとそいつは喋り出す
「あっれぇ?君、選手宣誓で恥かいてた人じゃん、あれ結構面白かったから特別に教えてあげるよ」
言わないでくれ、せっかく忘れかけてたのに…
「君たちA組はさっきの第一種目、馬鹿正直に全力で一位を狙ってやってただろ??」
当たり前だろ
「でも考えてみなよ、ミッドナイトが"第一種目"と言った時点で予選段階から極端に数を減らすとは考えにくい、だから僕たちはおおよその目安を仮定しその順位以下にならないように予選を走ってさ、後方から君たちの個性や性格を観察させてもらったのさ」
「…」
「まぁクラス全員でやってたわけではないけど良い案だろ?人参下げた馬みたいに仮初の頂点狙うよりさ」
それを聞いた俺は口を開く
「確かにそれは良い案かもな…」
確かに合理的な良い案ではあると思うが、それ以上に…
「だろ??君、A組の割には話が分かるじゃないか」
俺は少し怒っていた、必死でトップを狙う俺たちを馬鹿にするような発言に
「だが、がむしゃらにトップを狙うことの何が悪い」
周囲の空気が変わる
「そんな作戦やろうがやるまいがお前らの勝手だ、でもそんなことをいつまでもやっていると本当のNo1には一生なれない」
頭に浮かぶのは常に完膚なきまでのトップを目指し努力を続けるあの男
「次の騎馬戦で分かるハズだ、『常にトップを狙う者』と『そうでない者』の差がな」
俺が言い終わると隣の鉄哲も口を開く
「物間、俺は馬鹿だからよくわかんねぇが、目指しているのは常にイチバンだ、俺は勇間と組んでトップを狙うぜ!!」
そして肩を組んでくる鉄哲
なんだコイツ馴れ馴れしいな(うれしい)
その言葉を皮切りに周りのB組の面々もザワザワと騒ぎ出す
そしてそこから一人の声が上がる
「勇間!!お前顔の割に結構熱いヤツなんだな!私も入れてくれよそのチーム」
そう言いながらこちらに歩いてくる拳藤さん
てか俺に聞くな、鉄哲に聞いてくれ
でもこちらとしてもそれは願ったりかなったりだ
俺は鉄哲と顔を見合わせ頷きあう
そして
「いいぜ!!拳藤!」
と了承の声を上げる鉄哲
「よ、よろしくな勇間…」
さっきまで元気だったのにしおらしくなるなよ…
気まずいやん…
「よ、よろしく、拳藤さん」
たどたどしく返す俺
「あと一人だが、どうする勇間!」
うーん、どうするといわれてもなぁ俺はB組と他に面識ないし、あれだけ啖呵を切った手前A組誘うのは論外だし…
その時拳藤さんが口を開いた
「私、一人組みたい奴がいるんだけどいいかな?」
・・・・・・・・・・・・・・
『さァ上げてけ鬨の声!!』
『血で血を洗う雄英の合戦が今!!』
『狼煙を上げる!!』
プレゼントマイクの声が会場に響き渡る
騎馬に乗ってることによって、いつもより高い目線から辺りを見渡す
なるほど、そんな感じでみんな騎馬組んだのね…
「……」
いやB組と組んでるの俺だけですやん
なんかA組でハブられたヤツみたいになってない??
相澤先生心配してない??大丈夫??
まぁでもとりあえず…
俺はポイント数が書かれたハチマキをギュッと締め直す
「鉄哲」
「おう」
「拳藤さん」
「うん」
「塩崎さん」
「はい」
俺は騎馬を組んだメンバーの名前を呼ぶ
「狙いは
・・・・・・・・・・・・・・
騎手の勇間は目を閉じて全神経を体に流れる魔力に集中している
『いくぜ!!残虐バトルロワイヤルカウントダウン!!』
『3』
先頭の鉄哲が全身をガチガチに固める
『2』
右後ろの拳藤が空いた右の掌を巨大化し、何かに備える
『1』
左後ろの塩崎が自身の髪を伸ばし騎馬全体を何かから守るようにツルで覆う
勇間はこれまでこの呪文を剣に纏わせて使用してきた。
だからA組の面々であろうとこの呪文の本当の使い方を知るものはいない
『START!』
勇間は目を開き、天に手を掲げ叫ぶ
「ライデイン!!」
『ライデイン』は全体呪文である
テレレレレレレッ♪
キラリと空が一瞬輝く
その直後
ピシャァァン!!
というすさまじい音と共に何本もの光の柱がフィールド全体に落ちる
「常闇君!!」「八百万!!」「テメェら!気張れ!!」
それに反応したそれぞれが降りかかる雷鳴に対して策を講じる
『おぉぉッとこれはーーー!!1A勇間!まさかの初手雷炸裂ぅぅ!!』
「「「「ぎゃぁぁぁ!!」」」」
「「「い、勇間ぁぁ!!」」」
『まさに阿鼻叫喚これを耐えれた騎馬はいるのかぁぁ??』
「皆、行くぞ!!」
ほとんどの騎馬が雷を喰らい行動ができなくなっていることを確認した勇間はそう叫び進む
その先には緑谷の騎馬がある
『勇間チーム!!他のチームが感電中に一直線に一千万へ!!』
「塩崎さん!!ついでにいっぱい取っちゃって!!」
「かしこまりました!!」
塩崎は痺れて動けない騎馬のハチマキを次々とツルで奪取していく
そうして勇間の騎馬は緑谷の元へドンドンと近づいて行く
「塩崎さん!!一千万ももらっとこうぜ!!」
そして勇間のその声と共に塩崎のツルが緑谷の騎馬に襲い掛かる
「常闇君!!」
「ああ!ダークシャドウ!!」
緑谷は迎撃を常闇に命じ、常闇もそれに応える
「アイヨ!!」
ダークシャドウが緑谷に伸びるツルを迎撃する
ライデインがあまり効いていない様子の緑谷の騎馬を見て勇間は言う
「緑谷、流石だな!ダークシャドウで電撃を防いでいたか!」
そして緑谷と勇間の騎馬が向き合う
『ここでいきなり一騎打ち!!熱い展開だぜ!!』
しかしその時
ゴゴォォ!
と言う音と共に両者の騎馬に燃え盛る火炎が襲い掛かる
「っ!バギ!!」
勇間はとっさにバギの風で炎の進路を変える
「勇、緑谷、俺のことを忘れてないか??」
そして現れたのは被っていた絶縁シートを捨てながら近づいてくる轟の騎馬だった
「勇、似たような事を上鳴にやらせようと思っていたんだが手間が省けた」
「焦凍!」
『おぉっと!!轟も防いでいたぁ!!流石!!』
「皆!!一旦離脱する!!」
二つの騎馬と相対した緑谷は分が悪いと考え、離脱を試みる
ピッ
とボタンを押すと緑谷の身に着けているサポートアイテムが起動する。
そして麗日の個性で軽くなった緑谷の騎馬が宙に浮く、そして凄い勢いで飛び出し、その場を離脱する
「勇間!!あいつ等飛んだぞ!!」
鉄哲が叫ぶ
「分かってる!拳藤さん!いける??」
「おう!!」
勇間に応えた拳藤が掌を巨大化させる
「ピオリム!」
そしてピオリムを唱えた勇間が巨大化させた拳藤の掌に飛び乗る
「勇間!!行くよ!!」
そう言った拳藤はボール投げの容量で振りかぶる
そして飛んでいく緑谷の騎馬目掛けて勇間をぶん投げる
そのリリースの瞬間に勇間は足に力を籠めグッと拳藤の掌を蹴り出し、空中へと飛び出す
こうすることで勇間の脚力と拳藤の筋力が合わさり、更に勇間はピオリム状態であることもあり凄まじいスピードで緑谷の騎馬に迫る
迫る勇間に気が付いた麗日は緑谷に声をかける
「デクくん!!勇間くん来とる!!」
「え!!」
「ダークシャドウ!!」
その声で常闇が勇間の接近に気が付き迎撃を試みる
しかし
「レミーラ!!」
勇間がそう唱えると眩い光が勇間から発される
「ギャン!」
「グッ」
余りの眩しさにダークシャドウは怯み、緑谷も思わず目を瞑ってしまう
「今!!」
その隙に勇間は緑谷のハチマキに手を伸ばす
そして…
「奪ったぁ!!一千万!!」
勇間の手に一千万と書かれたハチマキが納まる
『来たぁぁ!!開始早々1A勇間、一千万奪取!!』
「塩崎さん回収頼む!!」
そう勇間が叫ぶと空中の勇間が塩崎さんによって回収される
「皆ごめん!!取られた!!」
緑谷の声が辺りに響く
「しゃあない!いったん着地!!」
麗日がそう言って緑谷の騎馬は着地をする
そして回収された勇間も無事に騎馬に戻る
「「ナイス!!勇間!!」」
一千万を手に戻った勇間を拳藤、鉄哲が褒め称える
「おう!!塩崎さんもありがとう!」
コクリと頷く塩沢
「でも、問題はこっから!これからは…」
勇間は周りを見回す
「おい!一千万あっちだぞ!!」
「さっきはよくもやってくれたな!!」
電撃の痺れが抜けた他の騎馬が俺たちを囲む
「俺たちが狙われる番だ…!!」
勇間がそう言って身構える
(まだ時間は半分程度…こっからが本番だ!!)
・・・・・・・・・・・・・・
はい勇間です。
とりあえず一千万取りました。塩崎さんマジ有能、マジ感謝
まぁでもふざけている場合ではないんだけど…
俺たちを取り囲む騎馬の数々を見ながらそんなことを考える
『7分が経過した現在のランクを見てみよう!!』
『ちょっと待てよコレ…!A組勇間以外パッとしねぇ…ってか爆豪あれ??』
そんなプレゼントマイクの実況が耳に入るスコアが表示されているモニターを見る暇なんてないが、とにかく爆豪がヤバそうだ
気にはなるが…まぁアイツなら大丈夫だろう
そんなことより自分の心配をしなくてはならない
正面にいる焦凍から目を離さずに指示を出す
「拳藤さん、塩崎さん!左右の迎撃を頼む!!鉄哲!!体固めとけよ!!」
「おう!!」
ギンッと鉄哲の体が鋼鉄になったのを確認し焦凍と目を合わし、離脱の隙を伺う
すると焦凍は口を開く
「勇、そろそろ奪るぞ」
「飯田、前進」
「八百万またガードと伝導を準備」
「上鳴は…」
「いいよ分かってる!!…しっかり防げよ…」
あ、これなんか来るぞ
「塩崎さんガード!!」
そう俺が言うと塩崎さんのツルが俺たちの騎馬を覆う
その時
「無差別放電130万V!!!」
上鳴の声が聞こえたその瞬間
BZZZZZ!
辺りに電流が走る
「~~~!!」
「上…鳴!!」
「また…かよ…!!」
それにより俺たちに群がっていた騎馬の動きがマヒする
そして
「わりぃな」
そういう轟が
キィィィィィ!
という音を立てて俺たちの周りを氷で囲う
『何した何した!?群がる騎馬を轟一蹴!!』
周りに広がる氷の壁と正面に立ちはだかる轟の騎馬を見る
一騎打ちの簡易的なフィールドを用意したってわけか…
でもこれで焦凍だけに集中すれば良いということになった。
他の騎馬に気を使わなくて良くなったため、かえって好都合だ。
俺は口を開く
「ありがとな焦凍!鬱陶しいの蹴散らしてくれて!これで焦凍からあと6分逃げきりゃ良いってだけになったたわけだ!!」
煽るように言う俺に対し轟も口を開く
「勇、お前には勝つと言ったハズだ、奪るぞ一千万!!」
『これは熱い展開だぁ!!喜べマスメディア!!入試1位と推薦入学組の一騎打ちだぁ!!勇間チームが逃げ切るか??轟チームが一千万を奪取するのかぁ!?』
・・・・・・・・・・・・・・
あれから約5分
轟が炎で攻めればバギマで軌道を反らす
氷で来るならばメラミで溶かす
上鳴の攻撃は塩崎さんが防ぐ
しかし、俺たちの反撃は轟の氷や八百万の創造で防がれる
一瞬たりとも気が抜けない一進一退の攻防が繰り広げられる
何とかハチマキを死守しながら時間が過ぎるのをひたすらに待つ
「バギマ!!」
俺がバギマで炎の軌道を反らす
「ハァハァ」
呪文の連続使用によって息切れが起こってしまっている
「勇間!!大丈夫かよ!!」
鉄哲の心配の声が聞こえてくる
俺が何も気にせず呪文を放てるのは鉄哲が先頭で気張ってくれているからだ…
マジ感謝
「ああ!大丈夫!あともうちょっとだ!鉄哲こそ大丈夫かよ!!」
「余裕だぜ!!」
頼もしい奴だ
その時
『残り約一分半だぁ!!一位は未だ勇間チーム!!中々しぶといぜぇ!』
その時轟の騎馬の動きが止まる
先頭の飯田が何か言ってるようだ、声が小さくて聞こえないが
何が来るかはわからない、俺は警戒を強める
すると
「奪れよ!轟くん!!」
「トルクオーバー!!」
これヤバそうだ…
「皆、何があっても騎馬を崩すな!!」
「レシプロバースト!!」
「ルーラ!!」
飯田の姿が見えなくなると同時に俺たちの体が物凄い速度で宙に飛んでいく
「飛んでる!!俺たち飛んでるぞ!!」
なぜか無駄にテンションの高い鉄哲と急に飛んだことにより顔が引きつっている他の2人に向けて言う
「急にごめん!!着地に備えてくれ!」
このルーラは体育祭会場から体育祭会場へのルーラ
つまり一回空に飛んで元の位置に着地するだけ、多少外れるがフィールド外は落ちることは無い…と思いたい。
ズゥン!
という音と共にフィールドに俺たちは着地する。飛んでいる途中で騎馬が崩れるのが一番の懸念点だったが、拳藤さんの掌や塩崎さんのツルでの補強、鉄哲の頑丈さによって何とか無事に着地できたようだ
一回限りの緊急脱出、4人でのルーラは初めてだし着地不安によってやりたくはなかったがうまくいったようだ。
しかし、MP消費がそこそこ多い、もう使えないな…
「勇間!!来てんぞ!!」
「っ!!」
俺は咄嗟にバギを出して近づいてきていた騎馬を吹っ飛ばす
「ハァハァハァ!!」
『あと30秒!!』
「勇間!!
拳藤さんが俺に言う
「
その時
「ああああああ!!」
と叫びながら突進してくる緑谷の姿が見えた
「ッ!塩崎さん!!」
「はいっ!」
しかし、塩崎さんのツルはダークシャドウによってはじかれる
そして緑谷が目の前まで迫り、こちらに向けて手を伸ばす
クソッ!集中力が…
「ッ!!」
咄嗟に右腕で緑谷に向けてバギを放とうとするがその時
緑谷の腕が光り輝き、俺の前をかすめるように腕を振るう
(この気迫っ!まるで…オールマイトみたいだ…)
そしてその腕の振りによってすさまじい風が発生する
「なっ!!」
俺がバギを放とうとした腕がそれにより崩される
そしてがら空きになった首元に緑谷の腕が伸び
俺の首に巻かれた
「獲った!!獲ったああ!!」
叫ぶ緑谷
『残り20秒緑谷怒りの奪還!!』
「おい勇間!!大丈夫なのか!?」
「ああ!獲られたのは一番上の奴!危なかった」
まじ危なかった!適当に取ったやつの順番変えといてよかった!
しかしあと20秒…
緑谷は再びこちらに向けて攻撃をしようとしている
さらに
「勇、やっと見つけたぜ…!!」
と言いながら現れる轟
そして…
BOOM!BOOM!
という爆発音
やっと来やがったか
「勇間ぁ!!
爆破によって飛んでくる爆豪
「ハァハァ、爆豪ぉ!遅かったじゃねえか!!」
満身創痍で迫りくる3人を見据える
「ああああああ!!」
と叫び、手を伸ばす緑谷
「勇!もらうぞ!!」
炎を纏い迫る焦凍
「俺がとるのは完膚なきまでの一位だァ!!」
爆豪もすぐそこまで来ている
間に合うか!?
その時
『残り10秒!!』
「来た!!拳藤さん!!」
「おう!!」
そして巨大化した掌で俺の上半身を
ぎゅむ
と覆う、首元のハチマキが完全に隠れたその状態で俺はある呪文を唱える
「アストロン!!!」
俺が唱えた瞬間俺たちの体は全く身動きが取れない状態になる。
そして向かってきた爆豪が俺に爆破を浴びせる。
しかし全く痛みは感じないし、俺を握っている拳藤さんの掌も開く様子は全く無い
『アストロン』は完全防御魔法、これを唱えると一定の時間体が鋼鉄となり、ほとんど無敵状態になる。まぁ…全く動けないのだが…
『5』
正直、この呪文を覚えた時、いつ使うのかなとか考えていたがこんな時に使うことができるとは…
『4』
「どうなってんだこれェ!」
爆豪はまだ俺を爆破している。ちょっと面白いなこれ
『3』
「どけ爆豪!」
そう言って炎をこちらに飛ばす焦凍
しかし、全く何も感じない
『2』
「なんだあれ?勇間君の新しい呪文か??どうすれば破れる??単純な攻撃じゃ無理そうだし、時間経過なら打つ手がないし…」ブツブツ
緑谷はいつも通り
『1』
爆豪が固まる俺の頭を両手でつかみ
「クソがァァ!!」
と言って頭を振りかぶる
え?何やってんの??頭突き??頭かち割れんぞ!?
『TIME UP!』
(イカれてやがるっ!)
咄嗟に俺はアストロンを解く、その瞬間
ガチンッ!!
という音と共に爆豪の頭突きが俺に炸裂する
「ぎゃぁぁぁあああ!!」
「ガァァァァァ!!!」
頭突きした爆豪自身と俺の悲鳴が会場に響き渡る
「何してくれてんだ爆豪テメェ!!」
クラクラする頭を押さえながら爆豪に文句を言う
「だぁぁぁぁ!!」
爆豪を見ると地面をバンバンと叩いていた。痛がっているというよりは、悔しがっている。
あ、そうか…
『早速上位5チームを見てみようかぁ!!』
ポンッと俺の肩に手が置かれる
俺が振り返ると
満面の笑みで俺の肩に手を置く鉄哲
その奥で親指を立てて笑顔でサムズアップする拳藤さん
幸せそうな顔をして祈るように両手を組む塩崎さん
俺達…
『1位勇間チーム!!!』
勝てたんだな
『2位轟チーム!!』
上鳴の電撃で周囲を痺れさせていた時にハチマキを大量に取っていた焦凍が2位
『3位爆豪チーム!!』
やっぱり大丈夫だったか…
「だぁぁぁぁ!!」
本人はめちゃ悔しがってるけど
『4位心操チーム!!』
あ、眠そうな人だ。すげぇな…
というか、ここまでくると心配になってくるな…
大丈夫か緑谷
「あれ??勇間、頭につけてたハチマキは??」
その時拳藤さんが俺に聞いてくる
「あれ??いつの間に…」
そこで気が付いた、俺たちがもともと持っていたハチマキがなくなっていることに
まさか…
『5位緑谷チーム!!』
緑谷の方を見ると、俺たちのハチマキを咥えているダークシャドウとそれを見て大号泣している緑谷
え、涙出すぎじゃない??涙腺大丈夫??
というか、まんまとしてやられたなぁ
『以上5組が最終種目へ…進出だああーーーー!!』
でもこれあれだな
『一時間ほど昼休憩をはさんでから午後の部だぜ!』
MP使いすぎたし、とりあえずお昼寝ですわ
・・・・・・・・・・・・・・
おまけ
騎馬戦が終了し、昼休憩
決勝まで残ることができた拳藤はある一人の人物を探すため、食堂、観客席とさまよっていたのだが…
その人物は一向に見つからない、
(アイツ、どこ行ったんだよ…)
(あたしが決勝トーナメントまで残れたのはアイツのおかげ、もう一度お礼を言っておきたかったんだけど…)
(それに…)
拳藤の頭に自分を見つめて
「綺麗だ」
とつぶやく奴の姿が浮かぶ
(詳しく聞きたいこともあるし…)
そこからいろいろな場所を探すも見当たらない
そして最後に残ったのはA組の控室
流石の拳藤でも他クラスの控室に入るのは緊張するのか
恐る恐るといった様子でゆっくりと扉を開ける
ガチャ
という音と共に部屋に入る拳藤
シンと静まり返った控室に
(ここにもいないか…)
と思う拳藤だが
よく教室の隅っこを見てみると
「…すぅ…すぅ」
と静かに寝息を立てて机に突っ伏して寝ている男を発見する
その特徴的な緑髪とよくわからない生物をあしらったピアスをみて
(いた、勇間だ…!)
拳藤は目的の人物を見つけたと内心少し喜び、そちらに近づく
少し近づくと、勇間の背中に何やら張り紙のようなものが張ってあることに気が付く
『MP充電中です。起こさないでください 勇間』
そう書かれた張り紙と勇間の幸せそうな寝顔を見ていると
さっきまであんなに頼もしかった勇間がまるで自分の弟のように可愛らしく感じてしまう
(もうちょっと近くで顔が見たいな…)
そんなことを考えてしまった拳藤は音を立てないように勇間に近づこうとする
その瞬間
ガチャリ
という音を立てて扉が開く
慌てて近づくのをやめて、その場で硬直する拳藤
そして
「聞いてませんわ!応援合戦なんて…それもこんな格好で」
「でもちょっと楽しそうじゃない?」
「まぁ息抜きと考えようよ…」
そんなことを言いながら控室に入ってくるのはA組の女子一同
そして拳藤は先頭の八百万と目が合う
「あら、あなたは確かB組の…勇間さんと騎馬を組んでいらっしゃった…」
八百万がそう言うと
「け、拳藤だ、よろしくな」
少し言葉に詰まりながらも名乗る拳藤
「え…と、拳藤さんはなぜA組の控室に??」
もっともな質問をぶつける八百万
後ろの女子たちもうんうんとうなずいている
ここでごまかしても意味ないと考えた拳藤は正直に言う
「いや、さっきの騎馬戦で勇間にめちゃくちゃ世話になったからさ、改めてお礼を…と思って探してたら。ここまで来ちゃってて」
「肝心のコイツは寝てるんだけど…」
「そうでしたか、わざわざこんなところまでいらっしゃるなんて、義理堅いお方ですわね」
「てゆうか、まだ寝てんの勇間!」
納得してもらえたようで拳藤はホッと安堵の息を漏らす
そして拳藤自身が疑問に思ったことを口に出す
「そっちも女子全員揃ってるみたいだけど何かやんのか??チアガール?みたいな衣装持ってるけど」
するとまたも八百万が答える
「相澤先生からの伝言でこの衣装を着て応援合戦に行かなくてはなりませんの…ほ、本意ではありませんのよっ!!」
「全く…バカじゃないの…」
小さく悪態をつく耳郎
(へぇーA組そんなことするんだ、すごいなあ)
と考える拳藤
「今から着替えようと思って控室に来たの!!」
耳郎とは対照的に乗り気な葉隠の言葉
「勇間寝てるけど一応外出しとこ…麗日、梅雨ちゃんお願い!」
「了解」「ケロッ!!」
その合図とともに勇間に麗日が触れ、蛙水がベロで勇間を持ち上げドアの外へ放る
ドサリッと音を立てて廊下に放り出される勇間
「……すぅ…すぅ」
まだ起きてはないようだ
(け、結構扱い雑いな…)
そう思いながらも拳藤はこの場を後にしようとする
「じゃ、じゃあ私はこれで…またな!」
しかしそれは止められる
「ちょっと待った!!」
「お礼を言うにしてもわざわざこんな他クラスの控室までくるかな?普通?」
「拳藤さん、もしかしてなんかあったんじゃない??勇間と!」
何かを嗅ぎ付けたA組恋愛脳筆頭の芦戸と葉隠により止められる拳藤
(勇間くん、人見知りやし、あんまり初対面でそういうのはなさそうやけど…)
そう考えながらも拳藤に注目する麗日
(あのヘタレの勇間ちゃんが初対面の相手に何かするなんて考えにくいけど…)
皆より少しだけ勇間に詳しい蛙水もそんなことを考えながらも拳藤の話を聞く態勢をとる
他の面々も年頃の女の子ということもあり興味津々と言った様子で拳藤に詰め寄る
「ねぇ!どうなの!?ねぇねぇ!」
面倒なことに巻き込まれてしまったと思いながらも、この場には女子しかいないということで
拳藤は口を開く
「なんかあったかと言われれば…あったけど…」
「何何!?」
「会って早々、勇間が私を見つめながら「綺麗だ」って言ってくれたんだよ」
拳藤がそう言った瞬間さっきまで騒がしかった女子たちが静かになる
(((え?あの勇間が??)))
全員が勇間を人見知りだということは認識していた。
正直何かの勘違いだったり、もっと間接的なモノだと全員が思っていた、
しかし
思った以上にガッツリ手を出しちゃってる勇間に言葉が出ない女子一同
急に黙ってしまった女子一同に拳藤は続ける
「でもあの様子だと、他の女の子にも言ってるんだろ??皆も言われたことあるんじゃないか??私なんかより全然皆かわいいし…」
その言葉の後
何とか衝撃から最初に回復した八百万が口を開く
「い、いえ、勇間さんは結構な人見知りですし、そんなに直球的に褒められたことは初対面はおろか今でもありませんわ。そうですよね??皆さん!?」
その言葉にうんうんと肯定の意思を伝える女子一同
それを見て、ボッと火が付いたように顔を赤らめて頬を両手で抑える拳藤
(マ、マジかよ…!!え!?じゃああの言葉って私にしか言ってないってこと??いやいや…でもうれしいな…ニヤニヤすんな!この顔!!)
その様子を見た芦戸が言う
「へぇ、あの勇間がねぇ…アイツこういう人がタイプなんだ…」
そしてその傍ら、先ほどまで何の反応も示さなかった蛙水が無言で控室のドアの方へと歩き出す
「つ、梅雨ちゃん?どこ行くん?」
いつもとは少し違う蛙水の挙動に心配したように麗日が尋ねる
「ケロッ、心配しないでお茶子ちゃん、ちょっと勇間ちゃんとお話しに行くだけよ」
振り返り、笑顔でそう告げる蛙水から謎のプレッシャーを感じた他一同
ガチャリという音と共に蛙水が控室から出る
取り残された拳藤とA組の他の女子たちは無言である
((((ア、
どうやら心の中は一致しているようだ…
・・・・・・・・・・・・・・
「ん??あれ??梅雨ちゃん??起こしてくれた?もう休憩終わり??てかなんで俺廊下にいるの??」
「え?なんか怒ってる??痛ッ!やめて!無言で舌で頭叩くのやめて!?」
「何した??俺何した??「自分の胸に聞いてみて」だって?わからんよ!?」
「悪かった!すいません!謝るんで無言で叩くのやめて!?」
「怖い!無言怖いからぁぁぁ!!」
・・・・・・・・・・・・・・
結局
「そんなかわいい顔してなんでそんな怖いことすんの!?」
と勇間が言ったら解放されました。
なんで急に解放されたか勇間は分からない…
主人公の女性の好みは『頼りになる人』、見た目は『なんとなくキリッとしてて気が強そうな人』です。
オリジナルの設定多めですがご了承いただくととても嬉しいです。
皆さん今回も読んでくださり、ありがとうございます。
間が空いてしまいほんとすいませんでした。騎馬戦の描写で沼りました。
また頑張ろうと思うので感想ご意見お待ちしてます。どんなことでもくれたらめちゃくちゃ喜びます。
よろしくお願いします。