この世界でも勇者になります。   作:shch

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どうもレミラーマとレミーラがごっちゃになってた人です(すいません)

いつも多くの感想、ご意見をいただきありがとうございます。とてもうれしいです。

例によっていつもよりちょっと短めです。ご了承ください。




17.レミーラ

 

翼を持った脳がむき出しの怪人が空を飛んでいる。

 

俺にはわかる、あれは…脳無だ…

 

「ホークス!脳無だ!俺が話したUSJの時のとはちょっと違うけど」

 

すると、ホークスは人混みの中から飛び立つ

 

「分かってる!俺はその脳無って奴をなんとかする!ソロは周りの市民の避難誘導を!」

 

「わかりました!」

 

緑谷が少し心配だが、今は市民の安全が最優先だ。

 

俺もトベルーラで人混みから飛び出し、叫ぶ

 

「皆さん!落ち着いてください!」

 

俺がそう叫んで、人々の混乱を落ち着けそうとする。

 

しかし、俺1人ではどうにも数が多すぎる。敵を見たいがために避難をやめてしまう人たちとか方向感覚を失いあらぬ方向に走り出す人たち、転倒して怪我をして逃げられなくなってしまっている人たち。

 

もう無茶苦茶だぁ!(壊)

 

くそっ、こんな時プロヒーローならどうするんだ…!?上手い事やれんのか!?

 

そんなことを考えている時。

 

バサリッ!

 

と言う翼の音と共に、あたりに羽が舞う。

 

その羽は周囲の人達の注意を引く、さらに怪我人の手助けも行う。

 

うん、ずっと思ってたけどその羽便利すぎない?

 

「みなさーん、落ち着いてくださーい」

 

ホークスの声が響き渡る、そこまで叫んでいるわけでもなさそうなのにその声はよく通り、人々の視線を集める。

 

これもNo3がなせる力なのか?

 

「ホークス!?」「なんでここにホークスが!?」「ホークスがいるならもう大丈夫だ!」

 

そんな人々の声…ていうか敵はどうなったの??もう倒したの?流石に早すぎない??

 

「ホークス!?敵はどうなったんですか??」

 

俺が思わずホークスに尋ねる。

 

「ん?まだいるよ、ほらあそこに」

 

そう言って後方を指さすホークス

 

そこには普通に元気に空を旋回している翼をはためかせた脳無がいた。

 

いや、全然めっちゃ元気やん、何してんのこの人?

 

途中でやめたの敵退治??

 

俺が考えている事を理解したのかホークスはしゃべりだす。

 

「いやいや適材適所だよソロ。君はこの人達の避難誘導完璧に出来ないでしょ?でも俺ならできる。だからやっぱり交代、君がアレ倒してきて」

 

え?俺が?脳無を?

 

困惑する俺にホークスは続ける

 

「大丈夫、アイツ君が話してたほど強くない、ソロでも十分倒せる。君がこの3日間着いてきたのはこのホークスだよ?それに比べたらあんなの止まって見えるさ」

 

「いや、でも俺はまだ空中の戦闘は…」

 

「何のために俺が今日の敵退治の時わざわざ「コレ」をこれ見よがしに使っていたと思う?」

 

「コレ」と言って指さしたのはホークスがいつも使っている自分の翼を剣のようにしたもの。

 

確かに今日の戦闘はずっとそれ使ってるなと思ったけど…

 

もしかして、俺に教えるためだった??

 

…ありがとうございます(チョロい)

 

でも確かにそのおかげか自分が空中で剣を使うイメージは不思議と出来ている。

 

「あんだけ俺のことジーっと見てたんだから大丈夫でしょ、んで今からが実践、ほら早く行ってきて。避難誘導は俺がやっておくから」

 

そう言うと市民の避難誘導へと戻るホークス

 

やれんのか?俺に?

 

そんなことを考えていると、空中の脳無と目が合った。

 

「ギャォォォ!!」

 

すると声にならない叫び声を上げながら脳無は口から火の玉のようなものを放った。

 

後ろに市民がいるため避けることはできない

 

キィン

 

という音を立てて俺は天空の剣を柄から引き抜く

 

そしてそれを振るい、火の玉を弾く。

 

キィン!キィン!

 

(うん、この火の玉威力はそこまで無いな、精々俺のメラ程度って感じか…)

 

確かにUSJの時ほどではなさそうだ。

 

てか、久しぶりにこの剣使うな…というかアレ?なんかこの剣こんなキラキラしてたっけ?特にこの宝玉のとことか、キラキラしてるというよりもはや光ってるんだけど?

 

…今こんなこと考えてる場合じゃ無いか。

 

相手は火の玉が打てる。

 

相手に遠距離の攻撃手段があるということは、空からは降りてこない、自分から叩きにいかないと倒せない。

 

「トベルーラ!」

 

俺の体が宙に浮かぶ、そして脳無目掛けて一直線に進む。

 

すると

 

「ギャォォォ!!」

 

またしても叫びながら火球を数発放つ脳無。飛んでいるから避けても角度的には下の人たちには当たらない

 

右、左、と交互にその火の玉を避けながら敵に近づいて行く。

 

やっぱり、神経使うなコレ…ちょっとでも気を抜いたら落ちてしまいそうだ…

 

(でも、もうすぐ)

 

敵の元まであともう少しという所。

 

思い出すのはホークスの戦っている姿。確か…

 

(飛んでる勢いは殺すな…)

 

空中で俺は剣を両手で持ち、構える

 

(敵と交錯したその瞬間、思いっ切り振り抜け!!)

 

空中の敵の元へそこそこ加速したスピードで到達する。

 

そして交錯…!

 

「オラァ!!」

 

掛け声とともに思いっ切り剣を振りぬく

 

ドゴン!と重たい音が鳴り響く

 

「ギャァヵ!!」

 

脳無の叫び声と確かな手ごたえが残る両手

 

俺が叩いたのは右翼。

 

片方の翼に衝撃を受けた脳無は機動力を失い。

 

ふらふらと空中で留まっている。

 

コイツ再生持ちの可能性も捨てきれない…

 

(一気に畳みかけろ…!!)

 

俺はヒュンとその脳無の真上に移動する。

 

そして両手で剣を振り上げる。

 

ブォン!!

 

そこから思いっ切り振り下ろした。

 

ゴンッ!!という金属音と共に振り下ろした剣は脳無の頭部にヒットする。

 

そして、その勢いそのままのスピードで脳無は地面へと落下していく。

 

俺はそれを追いかける

 

脳無が地面に落下したのを確認すると、仰向けに地面に倒れる脳無の腹部に着地する。

 

そのままそっと脳無の胸に手を当てて唱える

 

「ヒャダルコ」

 

フワリと柔らかな冷気が辺りに発生する。

 

ピキピキピキという音を立てて、俺が触れている所から凍り始める脳無。

 

しばらくすると完全に凍り付き、氷の柱となる。

 

氷柱となって脳無が動きが取れなくなった事を確認する。

 

「ふぅ」

 

俺は脳無を無力化できたことに一安心して、息を漏らした。

 

いや、思ったよりあっけなかったな。あのUSJの奴が強すぎただけ?

 

確かにあの強さの奴がこんなにポンポン出られても困るんだけど…

 

そんなことを考えていると声が聞こえてくる

 

「いやー流石未来の我らのサイドキック、鮮やかだったね」

 

そんなことを言いながら歩いてくるホークス

 

うん、ヌルっと俺の就職先決めないで?違うからまだ決めてないから

 

というか…

 

「ホークス!?避難誘導はもう終わったんですか?」

 

「うん、とっくにね」

 

やっぱ速いわこの人、確かに周り人全然いなくなってるわ。素直に尊敬だわ。

 

てか緑谷だ。速く向かわないと

 

「ホークス、緑谷のとこむかいまsh」

 

俺がそう言いかけたその時。

 

テレレレレレレッ♪

 

辺りにそんな音が響く

 

??

 

魔力暴走の音?でも俺は何もしていない、俺以外にこの音を出せる奴…まさかッ!

 

「あれ?ソロいまなんかした??」

 

そう聞いてくるホークスの背後が明るく光る

 

「ホークス!避けて!」

 

「っ!!」

 

俺の言葉を聞いてホークスは咄嗟に高く飛び上がる。

 

そしてホークスがいたところを通過する巨大な炎の玉。

 

「「ギュォォォ!!」」

 

声にならない独特な悲鳴が2つ辺りに響く、俺は炎の玉の発生源に目をやる

 

(マジか…)

 

そこにいたのは、忘れもしないあの時USJで俺をボコボコにしたあの赤毛の脳無。ともう一体、見た目は多少違うがさっき俺が無力化した脳無のように翼を生やした脳無。

 

こうして並ばれるとよくわかる、明らかに赤毛の方の威圧感(プレッシャー)がヤバい、ビンビンと俺のヤバいヤツセンサー(何それ)が反応していやがる。

 

「ソロ!コイツか!?」

 

ホークスがいつになく真剣な様子で叫ぶ

 

「はい、そっちの赤毛の方が俺が戦ったヤツです。確認できてる能力は炎と風、馬鹿力と再生。全部の能力が高水準です…!」

 

「見た感じ、思ったよりヤバそうだね」

 

そう零すホークス。おそらくホークスもこのとてつもない威圧感(プレッシャー)を感じ取っているのだろう。

 

それにこの前聞いたホークスの弱点である。

 

「力押しとタフネス」、「炎」と弱点が全部揃っている、ホークスにとっては最悪の相手。

 

どうしたものかと考えていると、翼を持っている方の脳無はコチラに見向きもせずにあらぬ方向へと飛んでいく。

 

追いかけるか?

 

いやこの目の前のヤバいコイツをホークスと何とかするのが先だろう。コイツに暴れられたら町がとんでもないことになってしまう…

 

しかし、無意識に飛んでいく脳無に目を奪われたその時。

 

ダッ!

 

と地面を蹴る音が聞こえたと思ったら。目の間にはドス黒い拳が迫っていた。

 

(速い!けどギリ反応できた!)

 

俺は顔に手をかざして唱える

 

「レミーラ!!」

 

至近距離で急に光を浴びた脳無は顔を抑え悶える。

 

その隙に俺はホークスに声を掛ける

 

「ホークス!まずは俺と2人でコイツを何とかしましょう!!」

 

きっとホークスと2人なら何とかなる、そういった思いのある発言だった。

 

しかしホークスからの返答は俺の思っていたものとは違った。

 

「いや、ソロはさっきの飛んでったのを追いかけるんだ。それのついでに見つけた他のヒーローにココに応援に来てくれるよう頼んで」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

「他のヒーローに応援に来てくれるよう頼んで」

 

その言葉を聞いた勇間は納得がいっていなかった。

 

「でもホークス!相性が悪すぎます!俺が応援を呼んでくるまで一人で戦うなんて…すぐに応援が呼べる保証は無いし…」

 

そう伝える勇間

 

しかしホークスは返す

 

「ソロ!もたもたするな速くアイツを追いかけろ!この騒ぎだ。おそらくヒーローも多く出動してる!だから追いかけている途中に会ったヒーローを応援として呼んで来い!」

 

(頼むソロ、この赤毛の脳無は思った以上にヤバい…さっきソロを戦わせられたのは相手がそこまで強くなく、ソロなら勝てるという確信があったから、それに俺も近くで避難誘導しながら監視できていたから、もしものことがあれば助けに入れた。でも今は違う。この最悪の相手と戦いながら、ソロを気にしている余裕はない。負傷の可能性、下手したら命だって危ない。そんな危険を職場体験の学生に負わせるわけにはいかない。命を懸けるのは、俺たちプロの仕事だから…)

 

ホークスはそのような思いを込めてキッと勇間に視線を送る。

 

どこかいつもとは違うホークスの視線を感じ取った勇間は少し悩む素振りを見せながらも答えた。

 

「わかりましたホークス、すぐにあの飛んでる奴倒して応援を呼んできます!」

 

しかし、そんな勇間の言葉の節々には若干の不安や焦りなどがホークスには見えた。

 

そんな勇間にホークスは安心させるように声を掛ける。

 

「大丈夫、大丈夫。コイツより俺の方が速いから、倒せることは無いと思うけど倒されることもないから!」

 

「本当ですね!信じますよ!…ちなみに応援はどんなヒーローに来て欲しいですか?」

 

「誰でもいい、とにかく大勢、欲を言えばコイツをワンパンで倒せるくらいのアホ火力ヒーロー」

 

それを聞いた勇間は(そんなの中々いないだろ…)と思いながらも若干落ち着きを取り戻したのか、冗談っぽく言う

 

「じゃあエンデヴァーさんでも連れてきますね!(流石に無理だろうけど)」

 

「お願いねー(まー無理だろうけど)」

 

そんなやり取りの後、勇間は飛び立つ。

 

それを見届けたホークス

 

(行ってくれたか…)

 

そして、赤毛の脳無に向き直る

 

(再生があるなら決定力が欠ける俺じゃ倒せない。さっきは冗談っぽく言ってたけどマジでエンデヴァーさん並みの火力を持ったヒーロー、もしくは強い拘束能力があるヒーローが来てくれないとキツイ…)

 

脳無が顔を振り、さっきの勇間によるレミーラの効果が切れていく。

 

ダッ!

 

それと同時にホークスに攻撃…するのではなく、これまたあらぬ方向へと走りだそうとする。

 

「いや、アンタの相手は俺ですよ!」

 

そういって翼で制すホークス。

 

そして敵が走ろうとした方向を確認する。

 

(ん?…もしかして今、ソロを追いかけようとした?)

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

同刻

 

ヒーロー殺しを何とか拘束した緑谷、轟、飯田の3人と1人のプロヒーローが路地裏から出てくる。

 

そこに単独行動を起こした緑谷に怒りながら突っ込んでくるグラントリノが現れる。

 

そして更にそこへ、エンデヴァーを経て応援要請を承ったヒーロー達も続々と集まる。

 

ヒーロー達がその3人と捕えられたヒーロー殺しを見て、一体何があったのかと口々に3人に声をかけている。

 

そして、そんな時飯田が緑谷と轟に謝罪をする。

 

「2人とも…僕のせいで傷を負わせた、本当に済まなかった。」

 

そう言う飯田の目には涙があふれていた。

 

「…僕もごめんね、君があそこまで思い詰めていたのに全然見えてなかったんだ、友達なのに…」

 

そう飯田に語り掛ける緑谷

 

「しっかりしてくれよ、委員長だろ」

 

と若干厳しい言葉を掛ける轟

 

それに対して

 

「…うん…」

 

と涙をぬぐいながら答えた飯田。

 

良くも悪くもこの3人の間には戦闘を終えた後の空気が流れていた。

 

しかし、その空気を破る叫び声が辺りに響く

 

「緑谷、焦凍、飯田!!伏せろ!!」

 

「この声は…」

 

「勇??」

 

聞き覚えのあるその声に3人は一瞬固まる。

 

そして

 

「伏せろ!!」

 

というグラントリノの声その声と共に

 

バサッ!

 

という翼を動かす音が聞こえる

 

「え、ちょ…」

 

緑谷をかぎ爪で掴み再び飛び去る脳無。

 

「わあああ!!」

 

叫ぶ緑谷、そしてその脳無を追いかけていた勇間が声を漏らす。

 

「くそっ!緑谷!!」

 

スピードを上げるがまだ追いつけそうにはない

 

しかしその時だった。

 

急に動きを止め落下する脳無

 

「な?」

 

急な出来事に困惑する勇間。

 

しかし目の前ではその敵に飛び乗り脳天を一突きにするヒーロー殺しの姿。

 

何かしゃべっているようだが、勇間には全く聞こえなかった。

 

勇間はとりあえず道路に降り立つ。

 

すると丁度エンデヴァーが路上から出てきた。

 

「焦凍!こっちに一体なにが…って、あの男は…ヒーロー殺し!!」

 

他のヒーロー達や勇間よりも速い反応速度でヒーロー殺しを捉え、ヒーロー殺しの元へ向かう体勢をとるエンデヴァー

 

しかし

 

「待て!!轟!!」

 

それを制するグラントリノ

 

するとヒーロー殺しがスッと立ち上がり口を開く。

 

今度は勇間にもはっきりと聞こえた。

 

「贋物…正さねば…誰かが…血に染まらねば…!!」

 

その赤毛の脳無とはまた種類の違う威圧感(プレッシャー)を勇間は感じ、全身の毛が逆立つ

 

「"英雄(ヒーロー)"を取り戻さねば!!来い、来てみろ贋物ども」

 

「俺を殺していいのは本物の英雄(オールマイト)だけだ!!」

 

そう言って完全に沈黙するヒーロー殺し

 

その凄まじい気迫に何人かのヒーローたちは思わず脱力し、尻餅を付く

 

勇間も気おされ、思わずその場で固まってしまう。

 

一番早く動けるようになったのはエンデヴァーだった。

 

「なんだったんだ今のは??」

 

そう言って辺りを見渡す。すると見覚えのある人物を見つける

 

「ムッ…勇間ではないか」

 

そう言って固まる勇間の方へ足を進めるエンデヴァー

 

「貴様、このエンデヴァーの指名を蹴ってどこに行っていたというのだ。貴様が来なかったせいで職場体験中の焦凍の表情が心なしか終始しょんぼりしてしまっているではないか!!」

 

その言葉に勇間はハッと我に返る

 

(え?今この人なんて言ってた?)

 

「ってなんでここにエンデヴァーさんが!?いやそんなことより大変なんです!この道を真っ直ぐ進んだ先でホークスが敵と交戦中です!!早急に応援がほしい!エンデヴァーさんお願いします!!」

 

「何!?ホークスだと!?なぜアイツがこんな所に?いや…よくわからんがとりあえず向かおう」

 

そう言ったエンデヴァーは火を滾らせて勇間が示した方向に向け進む。

 

その際に

 

「他の戦える者も続け!!」

 

と叫ぶ。

 

勇間もものすごい勢いで進むエンデヴァーさんの後ろに着いて全速力で飛ぶ。

 

(ホークス、無事でいてくれ!)

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、このままじゃジリ貧だ…」

 

その頃、ホークスはいまだ脳無との戦いを繰り広げてきた。持ち前の素早さを活かしたヒット&アウェイで相手の注意を反らしながら攻撃を避けていく。

 

しかしやはり決定力に欠けるホークスはそれを繰り返すしかない…

 

(羽のストックが無くなってきてる…ソロ…応援はまだか?)

 

ホークスの羽が少なくなり、機動力が落ちてきたその時だった。

 

「ホークス!!連れてきました!!」

 

(来たか!でも一体誰が…)

 

「うおおおおお!!」

 

そう叫びながら突進してくるエンデヴァーが目に入り、思わずギョッとしたような表情で勇間を見る

 

(えぇ?マジでエンデヴァーさん連れてきやがったよアイツ)

 

(「コイツマジでエンデヴァー連れてきたよ…」って顔やめて?)

 

そんなことを考えている2人につゆ知らず。

 

エンデヴァーは叫ぶ

 

「ホークス!!何故貴様がここにいるのかはとりあえず今は聞かん!!敵はどこだ!」

 

その言葉にホークスは我に返る

 

(でも本当にエンデヴァーさんが来てくれたなら、コイツを倒せる…!)

 

そしてホークスは残っているほとんどの羽を脳無に向け放つ。

 

素早い脳無だがホークスの羽の方がもっと素早い。

 

どんどんと脳無の体に羽が刺さり脳無の体が壁に貼り付けになる

 

そしてホークスは叫ぶ

 

「エンデヴァーさん!!一瞬なら俺がヤツを抑えられます!デカいの一発お願いします!!」

 

エンデヴァーはその声で標的を捕捉し壁に貼り付けになる脳無目掛けて、突き進む

 

「任せろ!!赫灼熱拳!!」

 

エンデヴァーの拳が脳無に迫るその時だった…

 

「レェミ゛ーラァ!!!!」

 

脳無がそう叫ぶ

 

テレレレレレレッ♪

 

音が響く

 

その瞬間脳無を中心に真っ白な光が辺りを包む

 

「ムッ!?」

 

一番の至近距離にいたエンデヴァーもいきなり真っ白になった視界に思わず目をつむる

 

そいて無暗に振りぬいた拳は空を切る

 

「ぐっ!」

 

(今のは…レミーラ?レミーラの魔力暴走なんて聞いたことがない…)

 

少し離れている勇間でも目をつむってしまうほどの光。

 

しばらくして光が収まり、勇間は恐る恐る目を開ける。

 

「…いない」

 

脳無が貼り付けにされいていたハズのところには何もいなく、脳無は姿を忽然と消してしまっていた。

 

(最後のレミーラの使い方…もしかして俺の真似をした?でもアイツらはそこまで頭がよくなかったハズだ…もしかして進化したりしているのか?だとしたら結構…)

 

そんなことを考えている勇間に声がかかる

 

「逃がしたね」

 

そう言ってくるホークス

 

「…ですね」

 

どこか上の空で答える勇間

 

そして並んでいる勇間たちの元へのしのしと歩いてくるエンデヴァー

 

「ちょっとめんどくさそうだね」

 

それをみて小声でこちらに耳打ちをするホークス

 

「…ですね」

 

聞きたいことが山ほどあると顔に書いているエンデヴァーをみてうんざりしながら答える勇間

 

この後滅茶苦茶事情聴かれました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

エンデヴァーさんに滅茶苦茶事情を聴かれ、何とかそれを切り抜けた俺とホークス、しかし俺たちを待っていたのは大量の事後処理と記者からの取材であった。

 

どうやら俺が脳無を一体凍らせて、生きたまま捕まえられたのがなんか褒められてるみたいだ。

 

やたらとグイグイくる記者たちにたじろぎながらも、なんとか無難な答えを絞りだす。

 

ヤバい、ちょっと疲れるなコレ、オールマイトはこんなのも笑顔でやりきるのか、やっぱりすごい。

 

そして一枚写真お願いしますと言われて写真を撮る。いやいやこういう時どんな顔すればいいの?笑顔?真顔?変顔?

 

うん、とりあえずピースはしておこう…

 

タジタジな俺の様子を見かねたのか、ホークスが俺と記者の間に入り、受け答えをしてくれた。

 

…こういう時はカッコいいなこの人

 

しばらくホークスが記者の人達と話していると、ようやく話が終わったようでホークスがこちらに向き直る。

 

「よし、言いたいことは言えたし、これ以上ここにいたら色々めんどくさそうだから、帰ろっか」

 

「確かに…」

 

事件の処理に右往左往するヒーロー達を見てそう思う。

 

それに俺のMPもホークスの羽のストックもなくなりかけてるし…

 

「帰りますか…」

 

緑谷達に一言言っておきたかったが、すぐに病院へ搬送されたため叶わなかった。後でメール入れとくか…

 

ホークスが俺の肩に手を置く

 

「ルーラ」

 

そうして俺たちは激動の保須市から飛び去った。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

おまけ 電話

 

 

保須市の事件の翌日の昼休憩

 

ホークス、俺、常闇の三人で屋台のおっさんからもらったラーメンを啜っていたその時だった。

 

boo!boo!

 

俺のスマホが鳴った。

 

電話か?

 

「すいません、ちょっと電話出てきます」

 

そう2人に伝えて、少し離れた位置でスマホを確認する。

 

そこには『蛙吹梅雨』の文字

 

梅雨ちゃん?どうしたんだろう?

 

俺は電話に出た。

 

「もしもし梅雨ちゃん?どげんしたと?」

 

『もしもし勇間ちゃん?いつから九州の子になっちゃったの?』

 

「いやごめんごめん、どうしたの?」

 

『いま休憩中かしら?時間は大丈夫?』

 

「休憩中、大丈夫」

 

『よかったわ。昨日のネットニュース見たわよ、すごいじゃない』

 

ああ、昨日取材されてた奴乗ってたのか…

 

「乗ってた??まだ見てないな、どんなこと書いてた?」

 

『「お手柄!雄英生見事に敵を無力化!」って題名でエンデヴァーの記事の下の方に小さく乗ってるわね。ここに勇間ちゃんの写真とかコメントとかも載ってるわ』

 

「へぇー、どう?カッコよく撮れてる??」

 

『いえ、ちょっと目付きがいつもの3倍くらい鋭くなってて正直怖いわ、爆豪ちゃんみたいな顔になってるわよ』

 

え?なんで?それだけは(爆豪みたい)嫌なんだけど?疲れてたからか?鋭くなっちゃった??

 

「で、でもピースしてたでしょ?それで緩和…」

 

『できてないわ、むしろ不気味で怖さが増してるわよ?せっかくの男前が台無しになってるわ、これじゃ人気出るものも出ないわね』

 

「そ、そんな…」

 

『それにこのコメントは本当なの?』

 

「コメント?俺は無難なことしか答えてないハズだけど…」

 

『いや私が言ってるのは勇間ちゃんのコメントじゃ無くてホークスのコメントの方よ?』

 

「ホークスのコメント??」

 

なんか嫌な予感がするな…

 

『職場体験先の事務所のコメントとして載ってたわ』

 

「な、なんて書いてた?」

 

『えーと…「彼は非常に優秀で職場体験にも積極的に学ぶ姿勢を見せて取り組んでくれてます。さらに彼は将来的に私たちの事務所でサイドキックとして尽力していくことを約束してくれています」とかその他諸々色々書いているけど、勇間ちゃんもう卒業後の進路決めちゃったの?』

 

おい、なんか外堀から埋められていってないか??大丈夫コレ??

 

俺は思わず談笑しているホークスと常闇の方を見る。

 

俺の怒りの視線に気が付いたのかホークスがコチラを見て、両手を広げ「何のこと?笑」とでも言ってるようなジェスチャーを見せる

 

「あ、あの鳥野郎…!!」

 

『勇間ちゃん、口調も爆豪ちゃんみたいになってるわよ…』

 

「ご、ごめん、つい…」

 

『その様子だと、職場体験でいろいろあったようね…まだ時間はあるかしら?』

 

俺はチラリとホークスと常闇の方を見る

 

まだ2人は談笑しているようだ

 

「うん、まだ大丈夫そう」

 

『じゃあ、色々勇間ちゃんの職場体験のこと聞きたいわ』

 

「聞く??確か最初は…」

 

そこから、色々なことを梅雨ちゃんに話した。

 

最初にホークスに煽られたこと、常闇と同室で話が盛り上がったこと、ホークスに教えてもらったこと、新しい呪文を覚えたこと

 

梅雨ちゃんはそんな俺の話を「そうなの?」とか「すごいわね」とか優しく相槌を打って聞いてくれる。

 

ママかな?ママなのかな??

 

「…てかちょっと待って。」

 

『どうしたの?』

 

俺は常闇が夜中に寝言で「らせん階段!カブト虫!廃墟の街!イチジクのタルト!カブト虫…」とか言い出して。怖かったという話をしているときに気が付いた。

 

(マジで自分の話しかしてないな俺…)

 

「いや、俺の話ばっかりで申し訳ないなって」

 

『いいのよ勇間ちゃん、私は話を聞いているだけで楽しいから』

 

梅雨ちゃん相手だと気が緩むのか、話すつもりのないことまで夢中で話してしまう所がある。

 

「いやいや、俺は梅雨ちゃんの職場体験の話も聞きたいんだけど、何かあった?」

 

『私の方は話すようなことはほとんどないわよ…強いて言うなら昨日密航者を捕まえたことくらいかしら』

 

いやとんでもないことしてるやん、常闇の寝言とかどうでも良くなるくらいすごい事起こってますやん。

 

「そういうの!そういうすごい事起きたら今後ちゃんと自分から言うように心掛けましょう」

 

『ぜ、善処するわ』

 

そんなこんなで梅雨ちゃんからも色々話を聞けて、嬉しかったです。

 





今回も読んでいただきありがとうございます。

今回いつもより短くてすいません。

ご感想やご意見などいただければとても嬉しいです。よろしくお願いします。

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