この世界でも勇者になります。   作:shch

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自分が書いたものが評価されるのは嬉しいなと思いました。


2.ヒャド

 

 

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ふと目が覚める

 

まばゆい朝の陽ざしがカーテンから差し込み、鳥のさえずりが聞こえてくる。

 

いつも通りの朝である

 

あの入学式の事件から3か月ほどの月日が流れた。

 

クラスにも話せるやつが何人かできたし

 

上手くやれていると思う

 

これはあえて自己紹介の時にレベルアップさせることで、張り詰めた空気をほぐし、俺に話しかけやすい状態にするという作戦がうまくいったからだろう(早口)

 

歯を磨き、顔を洗い

 

朝食を食べて、制服に着替える

 

時計を見ると、いつもの学校へ向かう時間まで少し余裕があり、カフェオレでも入れようかなどと考えていた

 

その時だった

 

ピンポーン!

 

インターフォンが鳴った

 

「はいはいー」

 

母はそう言って速足で玄関まで向かった

 

こんな朝早くから誰だろうか

 

まあ大方隣の山田さんが回覧板を回しに来たついでに母と談笑でもしに来たのだろう

 

呑気にそんなことを考えながら、自分好みの甘いカフェオレを作る

 

その時だった。

 

「勇!!お迎えの友達来てるわよー!」

 

と母の大きな声が玄関より聞こえてきた

 

迎え??俺は朝は普段一人で登校するため(帰りも一人)迎えなんて来るはずがないのだが…

 

そんな疑問をもちながら玄関へと足早に向かう

 

「勇~、あなたちゃんと学校に友達いたのね、それもこんなにかっこいい友達なんて」

 

失礼な、友達くらい沢山いるわ!

 

と心の中で悪態をつきつつ訪問者を確認する

 

そして言葉を失う

 

赤髪と白髪が半分で別れている奇抜な頭髪

 

鋭い目つき

 

入学初日で学校中の女子を魅了した甘いマスク

 

間違いない

 

轟焦凍である

 

じっとこちらを見つめて、佇んでいる

 

「あ、えっと、おはよう??」

 

恐る恐る俺は口を開いた

 

すると

 

「…ああ」

 

とだけ轟は言い、いくぞと言わんばかりに方向転換し歩き始めた。

 

ん??ん??

 

状況についていけない俺をおいて轟は歩き続ける

 

かと思いきやしばらく歩くと俺がついてきていないことに気づいたのか足をとめ

 

はやくいくぞ

 

と言わんばかりの目線をこちらに向けている

 

いやしゃべれよ、と心の中で思いつつ

 

鞄をもち家を出る

 

なぜこんな状況に???

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

side三人称視点

 

勇間家の轟が凸る前日

 

 

「あついぃぃ、暑すぎるぅー」

 

と文句をたれながら通学路を歩く男がいる

 

我らが勇間 勇である

 

「あついぃー、あつい」

 

今の彼には「あつい」以外の語彙はないのであろう、そんなこんなで少し歩くと

 

不意に勇は立ち止った

 

きょろきょろとあたりを見渡している

 

そして周りに誰もいないのが確認できたのか

 

小声で

 

「ヒャド」

 

と唱え,小さな氷の柱を生成した

 

それを彼は額にあて涼しそうな顔で歩いていく

 

ここで少し『ヒャド』について説明しよう

 

ヒャドはかなり汎用性の高い呪文になっている

 

基本的には空中に氷の柱を生成し、対象に向け飛ばすことができる呪文であるが

 

それだけでなく、地面から氷の柱を出現させることで攻撃をすることができる。自分の前に生成すると盾のような役割としても運用できる。

 

また手に触れている相手を凍らせることもできる、対象に直接触れていなくても地面や壁など対象が触れているところを伝い凍らせられるため非常に強力である。

 

このようにヒャドは攻守ともに幅広い使い道がある。

 

勇は今冷却グッズとして使用しているみたいだが…

 

最近暑いため、よくこうやって勇は暑さをしのいでいる。

 

そんなこんなで学校へ到着する。

 

教室へ入ると

 

「おはよー」「おはよう」「勇、おはよう」

 

何人かに挨拶され

 

「ああ、おはよう」

 

と勇は返す

 

本人はぐちぐち言っていたがクラスメイトとの関係は良好なようだ。

 

勇は少し教室を見渡し、目的の人物が来ているのを確認するとそちらに足をすすめ

 

「轟、おはよう」

 

と言う

 

「…ああ」

 

と轟は返す。

 

これは勇があるときから毎日やっていることである、最初は無視されたり、会釈だけだったが、最近は少し挨拶が返ってくるようになり、勇は喜んでいる

 

というのも轟は入学当初から

 

『誰も話しかけてくんなオーラ』を体から放っており、誰も話しかけられなかったのである

 

いつも何かに対して憎しみを持っているような目をしているが、時折さみしそうな顔を轟がしているのに勇が気付いた

 

その時からこうして勇は毎日挨拶をしている

 

……

 

ここで入学から3ヶ月経過したときの勇のクラスでの立ち位置を見ていこうと思う

 

勇は心の中や自宅などではよく喋るが実際はそんなに饒舌というわけではない

 

必要な時に必要な分しゃべるといったスタンスである

 

周りとは精神年齢が異なるため、中学生のノリについていけないこともあり、友人と遊びに行くことは少ない。

 

交流が少ないし遊びにもあまり乗らないためクラスメイト間では少しクールで大人びているといった評価がされていたのだが

 

クラスでRPGのゲームが流行したときは、一番楽しそうにゲームについて話をしたり、自分からゲームをしようと誘ったりと

 

子供っぽい一面もあるのだとクラスメイトは驚いていた

 

自己紹介の時に少しやらかしたのもあり、クラスメイトからは

 

『基本クールだが少し抜けているキャラ』として男女両方から愛されている

 

さらに容姿が変に良いため少し女性からの人気が高い。しかし本人は全く気づいていない

 

そんな勇とさらに寡黙な色男である轟の毎朝の挨拶はもはや学年全体の恒例行事となっており、他のクラスからも挨拶を見に顔を出す者もいる。(当事者2人は全く気づいてない)

 

話が少しそれてしまったがこれが勇のみんなからの印象である

 

 

……

 

 

授業が終わり、勇は一度帰宅する

 

そしていつも通り、訓練をするため動きやすい格好に着替え、木刀を携えていつもの河川敷へ向かう

 

その道中、暑さをしのぐためいつも通りヒャドで氷を生成しようとしたその時

 

ピピピ、ピピピ

 

と勇の携帯電話がなる、相手は父であり取引先に向かう電車に乗り遅れたため『ルーラ』で送ってほしいとのことだった。

 

このお願いは今年に入ってもう10回ほど聞いたため問答無用で電話を切る

 

自分の父のポンコツ加減を憂いながら先ほど中断したヒャドを唱えた。

 

その際、電話が来たこともあり、周りへの注意を向けるのを忘れていた

 

そのことを気にせずいつもの河川敷へ向かう勇

 

その勇の後をついてくる人物には気が付いていなかった

 

・・・

 

そして河川敷

 

勇はいつものように訓練を開始する。

 

今は木刀を用いて、呪文ではなく特技を覚えるために訓練を行っている

 

勇は木刀を構える。

 

勇が木刀を使い始めたのは去年くらいで使い始めて1年ほどになる

 

さすが勇者といったところか、最初から勇には剣の扱いがある程度分かっており

 

そこから1年木刀を振り続けた勇の構えは非常に様になっている

 

そして構えながら

 

「メラ」

 

と小さく唱えその魔力を木刀に込める

 

そして一振り

 

ブォン!!

 

という凄まじい空を切る音のすぐ後、メラメラと燃え滾る炎が木刀の軌道から発生し、前方へと襲い掛かる

 

『かえんぎり』である

 

かえんぎりの完成度に勇は一人でうんうんとうなずく

 

また木刀を構える

 

今度は

 

「ヒャド」

 

と唱え、魔力を木刀に込める

 

また一振り

 

ブォン!!

 

先ほどと同じほどの速度で振りぬかれた木刀、一瞬、間が空きその木刀の軌道である半円状にキラキラと輝くとがった氷が一斉に地面から生成される。

 

『マヒャドぎり』だ

 

生成された氷はとてもきれいで一種のオブジェのように輝いている

 

最近のJKがこの場にいようものなら連写に連写を重ね、インスタグラムに投稿しているだろう

 

勇はマヒャドぎりの完成度にうんうんと満足げにうなずき、スマホを取り出し、生成した氷を連写していた

 

その後は演舞のように動き回り

 

かえんぎりとマヒャドぎりを放ちまくる

 

しばらく動き回っては休みを繰り返す

 

どうやら技の練度を挙げているようだ

 

そして訓練開始からおよそ2時間半

 

勇は動きをとめた

 

そして深呼吸する、

 

そしてゆっくりと木刀を構える

 

あたりは静まり返り

 

静寂の中、勇が口を開く

 

「ヒャド」

 

明らかにこれまでより「ため」が長い

 

どうやら眠ってしまうギリギリまでのMPをこの一撃に込めるようだ

 

木刀を横なぎに振る

 

ギュンッッ!!

 

最初に放ったものとは比べ物にならない速さで木刀は振りぬかれ

 

その軌道上から先ほどまで放っていた氷の柱のおよそ3倍程度のかなり大きな尖ったギラギラと輝く氷の柱が出現した

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

バタリと地面に突っ伏す勇、その顔はどこか満足そうである

 

しばらくすると立ち上がり、パッパッとジャージを払いその場を後にした

 

勇が立ち去ったあと、最後のマヒャドぎりで生成された美しい氷の柱を見上げる人物がいた

 

そのことを勇は知らない。

 

ーーー----------------------------------

 

 

side.轟焦凍

 

 

 

学校は嫌いじゃない、アイツの顔を見ないで済むから

 

アイツのせいで母さんは..

 

俺はアイツをゆるさない

 

アイツの力は使わずに母さんの力だけでNo.1ヒーローになることでアイツに復讐する

 

絶対にだ

 

そんなことを考えながら学校へ行く

 

俺の心には復讐しかない、それは生産性のない事だと理解はしている

 

だが納得はしていない、アイツはそれ程の罪を犯した

 

ふと自分の席の傍で談笑している同級生たちに目をやる

 

たまに復讐しかない自分と楽しそうに青春を謳歌する同級生を比べてしまう時がある

 

その度俺はそんな同級生達とは程遠い人間なんだと感じてしまう。

 

しかし俺は一刻も早くNo.1ヒーローになるために訓練をしなくてはならない

 

友人なんて作っている暇はない

 

しばらくするとこちらに人が歩いてくる足音が聞こえる

 

「轟、おはよう」

 

こいつはクラスメイトの勇間だ、なぜか俺に毎朝挨拶をしてくる。

 

最初は俺に関ってほしくなくて、挨拶を無視してしまっていたこともあったが

 

最近は

 

「…ああ」

 

とだけ返すようにしている。母さんが「挨拶は大事、人間の基本なんだよ」と言っていたのを思い出したからだ(良い子)

 

俺がそっけなく挨拶を返すと、満足そうに自分の席へ戻る勇間

 

変な奴だ

 

自己紹介の時はあの自己紹介の後にそれっぽい音楽が鳴るものだから心の中で

 

(あ、こいつ今レベルアップしたな)

 

と思っちまったが

 

…しかし

 

勇間と挨拶を交わすときはなんだか少しだけ

 

 

俺も皆と同じになれたような気がしていた。

 

 

……

 

授業を受け、帰宅する

 

今日も訓練だが最近はアイツの仕事が忙しいらしく、最近は一人で訓練をすることが多い

 

No.1ヒーローになるためだ

 

訓練は欠かさない

 

一人の時はいつも氷の個性の訓練ばかりをしている

 

氷を出現させ、ヴィランとどのように戦っていくのかを想定し、動く

 

しばらく続けていると訓練場に姉の冬美が顔を出した

 

「焦凍?訓練中にごめんね、ちょっと今料理中なんだけど、調味料きらしちゃってて」

 

姉は家政婦さんが年で引退してから大学生をしながら家事もしてくれている。感謝してもしきれない

 

「ちょっと今手を離せないから、買ってきてくれない??訓練忙しいなら全然いいんだけど・・・」

 

いつもお世話になっている姉の頼みは自分の訓練よりもよっぽど大事だ(良い子)

 

「いや、ランニングがてら買いに行く」

 

と姉に返した

 

「本当??助かる!ありがとう!」

 

という姉に見送られ近所のスーパーへ向かい、足らない調味料を購入した

 

その帰り道だった。

 

「行ってきまーす」

 

見覚えのある男子が住宅から出てきた。思わず曲がり角に身を隠してしまう

 

(なんで隠れたんだ俺?)

 

と考えながらその男子、勇間を見る、ジャージ姿に木刀を持っている

 

何とも奇妙な格好だ

 

何やら電話をしているようだ。

 

そこは通り道なので追い越すしかないのだが、挨拶くらいした方が良いだろうか

 

どうしようかと考えていると電話が終わったようだ

 

電話をしまうと勇間は呟いた

 

「ヒャド」

 

すると勇間の手に小さい氷の柱が生成された

 

勇間の個性はレベルアップだったはず、聞いた話では氷の生成などは出来ないと思っていたが…

 

俺のようなハイブリットなのか?

 

しかも俺と同じような氷系の個性?

 

などと疑問が浮かぶ、考えているうちに勇間は走り出した

 

俺の帰る方向と同じであるため俺も着いて走る

 

(はやいな・・・)

 

日々訓練している俺がやっと追いつく程のハイペースでのランニングに轟は少し驚く

 

勇間が走る道は自分の帰り道とずっと同じだ

 

後ろを走り続ける

 

……

 

河川敷についた。勇間は河川敷におり高架下まで歩いていく

 

俺は興味本位で少し様子を見ていた

 

すると勇間は持っていた木刀を構えた

 

ここでも驚かされた

 

アイツといつも戦闘訓練を積んでいる自分から見ても、隙のない良い構えだった

 

勇間から目が離せなくなる

 

何か呟いた気がするが聞こえなかった

 

その後勇間は木刀を振る

 

凄まじいスピードで振られる木刀とその軌道上から炎が上がる

 

「なっ!」

 

思わず声が出てしまった。

 

(炎まで出せるのか..)

 

俺の声には勇間は集中して聞こえていないようだった

 

また構える

 

木刀を振ると今度は尖った氷の柱が凄まじい勢いで生成される

 

普段から炎、氷を操るからわかる勇間の炎、氷の技の練度の高さ

 

同級生に自分よりも強いかもしれない人物がいることに対し強い不安が芽ばえる

 

それに個性も似ていると来た。

 

こんなのが同級生にいて母さんの個性だけでNo.1ヒーローになれるのだろうか??

 

不安は高まる

 

その時自分がお使いを頼まれていたことを思い出した。

 

勇間が気になるが姉さんを心配させる訳にはいかない(良い子)

 

一旦調味料を届けに帰宅することにした。

 

姉さんに調味料を届けた後も勇間が気になり、訓練に集中できないでいた

 

気がつけば河川敷に足を運んでいた。

 

まだ勇間は訓練しているようだ

 

演舞のように飛びまわり、炎や氷を出す様は美しく、思わず見とれてしまうほどだった。

 

しばらくすると動きが止まる。

 

勇間が深呼吸し、木刀を構える

 

当たりが静まり返り、空気が張りつめる

 

「ヒャド」

 

今度は聞こえた。

 

その直後、木刀は振られ先程のおよそ3倍程度大きさの氷の柱が生成されていた。

 

倒れている勇間

 

だが直ぐに立ち上がり帰り支度を始める、

 

勇間が残した氷の柱を見上げる、自分の身長の約2倍程度の高さ

 

今の自分なら同じ大きさの氷は作れる、しかし速さと硬度は勇間の方が上であろう

 

そんなことを思いながらふとスマホを取り出し時間を見る19時手前だった

 

今日はもう帰ろう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

帰宅するとアイツの怒鳴り声が聞こえる

 

「焦凍!!こんな時間まで訓練もせず何をやっていたんだ!」

 

「…」

 

今回に関しては何もいえねえ

 

「焦凍、お前が訓練をサボるのは初めてだ、よほどのことがあったのだろう、話せ」

 

ゆっくりと本当に理由を知りたいのか親父はいつもの怒鳴りではなく冷静な様子で聞いてきた。

 

いつもなら無視するところだが、今日見た勇間の実力は高く

 

今の自分と実力は変わらない、もしくは上なのではないかという感想を抱いていた

 

同級生でそのような奴はこれまでいなかった

 

俺は焦りを感じていた。だからだろう

 

コイツは仮にもNo.2ヒーローだ。何とかしてくれるかもしれない

 

コイツを頼るのは嫌だが

 

俺が勇間よりも強くなるためだと言い聞かせ口を開いた

 

 

・・・

 

今日の事情をすべてアイツに話すと

 

何か考えるようなしぐさをしていた、しばらくすると口を開いた。

 

「ならば焦凍、そいつを明日うちに連れてこい」

 

「なっ」

 

思わず声が出てしまった。

 

意外な言葉だった。

 

「情けない」と罵倒されると思っていたがそうではないようだ

 

自分の最高傑作である俺より強い中学生の存在が信じられないとでも考えているのだろうか

 

とにかくコイツは実際に見て確かめたいのだろう

 

「わかった、勇間が断らなければ連れてくる」

 

・・・・

 

就寝前に少し考える

 

明日、俺は勇間を自宅に誘わなければいけない

 

俺はこれまでの勇間とのやり取りを思い出す

 

ーーーー

 

「轟、おはよう」

 

「…ああ」

 

ーーーー

 

(多分「…ああ」以外勇間と話したことねぇな)

 

こんな状態で自宅に誘えるのかという不安が押し寄せてきたが

 

瞼は重く、気が付けば寝てしまい

 

朝がきていた

 

(どうやって誘えばいいんだ)

 

頭を悩ませた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あれから悩みに悩み血迷った焦凍は昨日特定した勇間の家に朝から特攻するという暴挙に出た

 

そして現在に至る

 

side.out

 

現在時刻8時ジャスト

 

轟君と二人で通学路を歩いてます。勇間です

 

会話はありません

 

いやいやどういう状況!!!!????

 

怖いよ怖いよなんだよこれ

 

なんだか周囲の登校している生徒達が俺たちの近くに集まっている気もする

 

何故か少し騒がしい

 

それに対して俺たちは

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

きまず

 

ちらっと轟の顔をうかがう

 

スンとしている。なんだその顔は、どういう感情なんだ。

 

すると轟がぽつりとつぶやく

 

「勇間」

 

なんだか初めて名前を呼んでもらった気がする、何なら「…ああ」以外の初めての会話な気がする

 

気のせいだろうか(違う)

 

「ああ、なんd… ピピピッ、ピピピッ!

 

携帯電話が鳴り響く

 

なんだタイミング悪いな

 

画面を見ると父からだった

 

「ごめん電話」

 

と轟に伝え電話に出る

 

「何?父さん忙しいんだけど」

 

「ああ勇か??今ちょっと取引さk… プツ

 

電話を切った

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

「今の電話は何だったんだ?」

 

静寂を切り裂いて轟が聞いてきた

 

「いや、いいんだ気にしないでくれ」

 

「それよりさっき何を言おうとしたんだ??急に家に来るなんてよっぽどのことだろ??」

 

少しだけ緊張感がほぐれ、話せるようになってきた俺は気になっていたことを聞いた

 

「ああ、勇間」

 

轟は口を開き淡々と俺に告げる

 

「今日俺の家に来い」(無表情)

 

「え?」

 

今何を言われた?いきなり家に誘われたのか俺?

 

「昨日のお前は凄かった。親に紹介したい」(言葉足らず)

 

昨日の俺??親に紹介??なんで??

 

それになぜか俺たちを中心に生徒の人だかりができている気もする

 

なぜか先ほどよりもざわざわと騒がしくなっている気もする

 

なんならどこからか「キャー」という黄色い声色も聞こえる

 

マジでどういう状況なんだこれは…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

おまけ:『ロトの剣』(ただの木刀)との出会い

 

1年程前のある日のことだった。

 

俺は愛すべき故郷、日本についての知見を深めるため複数人とともに旅に出ることになった(修学旅行)

 

この世界での初めての京の都(京都)に恥ずかしながらも心躍っていた。だがその道中、バスの中で俺は原因不明の病に侵されてしまった(乗り物酔い)何とかたどり着いたものの俺は満身創痍だった。

 

班での行動時間だったのだが、あまりの辛さにフラフラしていたところ、はぐれてしまったようだ

 

運よく休憩できそうな雑貨が置いてある老舗を発見し、休息をとることにした。

 

しばらく休むとかなり体調は安定してきた

 

そろそろ班に合流しなければならない

 

そう思い立ち上がったその時だった。

 

『出会ってしまった』のだ

 

部屋の隅にまばゆく光を放つ一振りの剣があった(放っていない)

 

思わず剣を手に取る、俺が装備するために作られたと言っても過言ではない(過言)と感じるほどその剣は手になじんだ

 

間違いない

 

俺は確信した

 

これは勇者の剣だ!!

 

即購入し手に持つ

 

この剣は『ロトの剣』(ただの木刀)と名付けよう!!

 

こんなところで勇者の剣に出会えるとは(ただの木の棒)

 

運命だもしかしたらあのバスでかかった病(乗り物酔い)はこの勇者の剣(ひのきのぼう)が俺を呼び寄せるためのものだったに違いない(違う)

 

なんだか他に置いていた木刀も握ってみると意外と手になじんだ気もするが気のせいだろう(気のせいではない)

 

こうして俺はロトの剣と運命的な出会いを果たしたのである。

 

俺はこいつといつまでも人を助け続けるのだろう

 

『勇者』として…!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次回 「ロトの剣(ぼうきれ)燃ゆ」

 

ぜってぇ見てくれよな!




主人公はドラゴンクエスト関連のことになると馬鹿になります。

ヒャドなのにマヒャドぎりなのは自分でも気になっているので、気にしないでください(無茶)


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