この世界でも勇者になります。   作:shch

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勇間勇 再立志編
24.哀しみを胸に


 

 

 

 

 

 

 

 

「炎が使える…」

 

 

 

暗闇の中、とある男の声が響く。

 

 

 

「氷だって風だって操れる…」

 

 

 

周囲には建物が崩れた後のような風景が広がっており、その中央にいる声の主が月光により照らされていた。

 

 

 

「雷も、重力だって自由自在…常人を遥かに凌ぐパワーとスピード…それを強化する手段だってある…」

 

 

 

重厚感のある声の主はゆっくりと言葉を続ける。

 

 

 

「遠距離へのワープ…空の飛行…自身や他人の傷の回復まで可能……まさに万能…それがキミの『個性』…」

 

 

 

…その男は自身の足元へと目線を移す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから何だ?」

 

 

 

長い台詞をそう締めくくった男と男の足元が強い月の光に照らされてその姿が明らかになる。

 

 

そこには…

 

 

 

「…………」

 

 

地面に突っ伏して沈黙する勇間の姿…そしてそれを余裕の表情で見下ろすオールフォーワンの姿があった。

 

その勇間の体は傷だらけでボロボロだった、そんな勇間に向けてオールフォーワンはさらに言葉を続けた。

 

「そのくらいのことは僕にだってできる…なんなら全ての能力について君よりも高水準でね」

 

そんなオールフォーワンの言葉を受け、沈黙していた勇間の体が僅かに動き、口を開く。

 

「……………ク…クソ…がッ…!!」

 

(…か、体が…動かねえ………クソ…こんなハズじゃ……!)

 

悔しさの滲むような表情でオールフォーワンを見上げる勇間。

 

だがその悔しさとは裏腹に体は全く動いてくれない、本当に勇間はオールフォーワンを見上げることしかできなかった…

 

 

この2人の勝負は一瞬だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…この世界の…『勇者』になる男だ!!」

 

自分のせいで連れ去られてしまった爆豪を連れ戻すため、これまで悪逆の限りを尽くしてきた目の前の巨悪を討ち倒すため。

 

自身のことを『魔王になる男』と名乗ったオールフォーワンに対抗するように勇間は叫び、自分のことを鼓舞する。

 

その拳にはバチバチと激しいデイン系の雷を纏わせており、臨戦態勢である。

 

それを見たオールフォーワンは余裕の笑みを浮かべながら口を開く。

 

「…面白いことを言うね」

 

臨戦態勢の自分を見て、特に構えるわけでもなく突っ立ったまま笑いながらそう言うだけのオールフォーワン。

 

「言っとけ…!!」

 

ダッ…!!

 

それを見た勇間はすぐさま地面を蹴りつけて、オールフォーワンに向けて駆け出した。

 

…だが、その拳はオールフォーワンに届くことは無かった。

 

オールフォーワンに向けて走る勇間、それに対してオールフォーワンはゆっくりと右腕を突き出す。

 

その瞬間…

 

ゴォォッ!!!

 

凄まじい突風が勇間を襲い、踏ん張る間もなく勇間はいとも簡単に部屋の壁まで吹き飛ばされ、背中を打ち付けた。

 

「かはッ……!!」

 

(…予備動作ほとんどなしで…この威力の風……!?)

 

そのスピードと威力に戸惑う勇間、それに対してオールフォーワンは挑発するように言う。

 

「どうした?速く来いよ…『勇者』くん?」

 

「…クソッ…!!」

 

そんなオールフォーワンの挑発に勇間は一言そう言うと、倒れていた体を起こし、次の攻撃へと転じた。

 

 

 

 

 

だがしかし…

 

 

 

 

ライデイン、バギクロス、メラミ、ヒャダルコ、べタン、バイキルト、ピオリム…これまでの戦いで遺憾なくその威力を発揮し、勇間の戦績に白星を付けてきた呪文たちはすべてオールフォーワンが軽く手を振り払うだけで消し飛んだ。

 

勇間のあらゆる攻撃を涼しい顔で受けきったオールフォーワンは言う。

 

「…はぁ…()()…この程度だったのか」

 

まるで期待外れだと言わんばかりのその言葉に勇間は声を荒げる。

 

「どういう意味だ!!」

 

勇間はそう言うと、これまでのどの呪文よりも強い魔力を両腕に籠める。

 

そしてその両腕をオールフォーワンに向け、唱えた。

 

「ライデ……ッ!?」

 

しかし…その呪文を勇間が唱え終わる直前…

 

ドッ…!!

 

オールフォーワンの手元から目にもとまらぬスピードの黒い何かが放たれ、それが勇間の体を貫いた。

 

そしてオールフォーワンは口を開く。

 

「『個性強制発動』」

 

オールフォーワンがそう口に出したその瞬間だった。

 

「…!?…なんだ…これ…?…体が…」

 

勇間の体に『とある異変』が起こる…勇間の体内を循環する魔力が勇間の意思とは関係なく動き始めたのだ。

 

「…ぐッ……が…があああああああああ!!」

 

魔力が体内で暴れ始める、巡るましいスピードで体内を駆け巡る。

 

意図的に暴走させられるその魔力に勇間の体は耐えられなかった。

 

「あああああああ!!!」

 

悲痛な叫び声、自在に操れていたはずの魔力が言うことを聞かない、これは勇間にとっては初めてのことであり、どうすることもできない。

 

やがて、勇間の体内に残っていたほとんど全ての魔力が一点に凝縮され、その魔力は勇間の覚えているどの呪文にも変換されず、勇間の体内から放出される。

 

 

 

 

 

 

勇間の全魔力の解放……

 

「ぐああああああああ!!!!!」

 

全身がヒビ割れるような痛みと共に体の至る所から魔力の塊が放出され、勇間を中心とする赤黒い色の光が辺りを包み込む…

 

 

 

…そして弾ける。

 

 

ドゴォォォ…!!

 

 

そして、その光は轟音と共に勇間のいた部屋の天井を突き破り天を貫いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その遙か上空にて魔王は呟く。

 

 

「全魔力の解放による大爆発…これってなんて言ったっけ…?」

 

「………うーん……昔()に教えてもらったはずなんだけど………ああそうだ思い出した…確か…」

 

 

 

 

「『マダンテ』って言ったかな…」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

…そうして話は冒頭へと戻る。

 

気絶するギリギリまでの魔力を『個性強制発動』にて放出された勇間は身体中に残る痛みと疲労感に苛まれ、地面に這いつくばる。

 

勇間を閉じ込めていた建物は先ほどの大爆発で吹き飛び、瓦礫となって周囲に散乱していた。

 

「もう終わりかい?」

 

その中央で無傷の魔王と手負いの勇者が月明かりに照らされていた。

 

先ほどの大爆発を受けたハズなのにどういうわけか傷の1つもついていないオールフォーワン。

 

そんなオールフォーワンの姿を地面に転がっている勇間は何とか首を動かして見上げる。

 

「……っ!!」

 

自らを見下ろす無傷の魔王の姿を見た勇間の体と表情がピキンと硬直し、そしてやっと実感する。

 

(…俺は…………俺はコイツに…)

 

勇間の体を地面に縛り付けているのは…肉体的なダメージの蓄積かそれともMPの枯渇による意識の希薄か……もしくは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…コイツには……『勝てない』…)

 

 

初めて邂逅した…天地がひっくり返っても勝てない目の前の『魔王』に対しての『絶望』によるものか…

 

それは定かではないが、少なくとも今の勇間の脳内は爆豪を連れ去られた『怒り』は薄れ、その代わりに『恐怖』という感情に支配されていた。

 

…そして勇間はじっくりと、だが確実にそのことを自覚していく。

 

剣も持っていない、仲間もいない、レベルも足りない…

 

そんな勇間が戦う相手として目の前の『オールフォーワン』は早すぎたのだ、これまで培ってきた何もかもがオールフォーワンには通用しなかった。

 

(…そうか…俺は…勝てないんだ…)

 

それは勇間にとって人生で初めて経験する完膚なきまでの『敗北』だった。

 

この敗北はこれまで大きな挫折をしてこなかった勇間にとってはあまりにも大きすぎるものだった。

 

強力な『個性』を手にして、戦えば戦うほど確実に強くなり、確かに苦戦したこともあったが、これまで誰にも負けることは無かった。

 

勇間は自分の『個性』を信じていた。

 

ずっと憧れてきたこの力ならどんな相手でも必ず『勝てる』そう信じてこれまで戦ってきた。

 

…だが目の前の相手はそんなに甘い相手では無かった。

 

むしろこれまでが上手く行き過ぎていた…確かに、ここがゲームの世界ならば…これまでのように勇者がギリギリで勝てるようなレベルの敵が出てきて、それを倒し続けて強くなり続けることができたのかもしれない…

 

そして十分な強さを手にしてから、魔王と相対することができたのかもしれない。

 

しかし…これはゲームでは無く、現実だ。

 

魔王は都合良く待ってくれない…自分を超えうるような芽を見つけて放置しておくわけがない。

 

さらに言えばこの世界には…この現実の世界には、ゲームとは違い『コンテニュー』は無い。

 

ザッ…ザッ…

 

倒れている勇間にオールフォーワンがゆっくりと足を進める。

 

(……『ゲームオーバー』…か)

 

そんなことを考え、自分に近づいてくるオールフォーワンを見ていることしかできない勇間。

 

その勇間の蒼い瞳は恐怖と絶望に染められ、以前のような燃え上がる闘志はもう見る影も無かった。

 

やがてオールフォーワンは勇間の下にたどり着き、トドメだと言わんばかりその右腕を勇間に向けた。

 

(……俺は…少しでも…憧れの…カッコイイ『勇者』に…なれていただろうか……)

 

「終わりだ…『勇間 勇』」

 

勝負の終わりを…勇間の敗北を告げるその冷たい声を聞いたその時。

 

「……っ!」

 

勝つことも、生きることも…全てを諦めていた勇間の頭の中に無意識に浮かび上がる。

 

 

(…ああクソ……怖い……なあ緑谷…オールマイト…いや…神様でも誰でもいい……………俺を……俺を………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………助けてくれ」

 

その言葉はポロリと勇間の口から零れ落ちた、『勇者』では無い1人の『少年』から出た本当に小さな独り言…おそらく目の前のオールフォーワンにも聞こえてはいないだろう。

 

だがそれは勇間の心からの言葉だった。

 

 

 

「……あ…れ…?…俺…今…」

 

 

無意識にこぼれたその言葉に勇間自身も戸惑い、そして改めて思い知る。

 

 

(……情けない…………こんなんで……何が『勇者』だ……やっぱり…やっぱり俺は…)

 

 

 

 

 

 

 

(『勇者』なんかじゃなかった……)

 

 

「…もう…いい…」

 

そうして…勇間はゆっくりと目を瞑り、オールフォーワンからのトドメを待つ。

 

だが…

 

 

 

「……………」

 

 

 

…いつまで経っても、勇間にトドメが刺されることは無かった。

 

(……あ…れ?)

 

異常を感じた勇間は恐る恐る…閉じていたその目をゆっくりと開く。

 

「………は?」

 

 

 

…そこには

 

片膝を地面について、倒れている勇間に対して右手を差し伸べている魔王の姿があった。

 

 

 

その姿はまるで倒れている自分を、打ちひしがれている自分を立ち上がらせようとしているようで、それを見た勇間の頭は困惑する。

 

そしてそんな困惑の表情を浮かべる勇間に対して…オールフォーワンはゆっくりと口を開いた。

 

「怖いだろう…初めての『絶望』は…」

 

その声色は先ほどまでの威圧感のある喋り方とは違い、勇間に対して語り掛けるような声色だった。

 

「失望しただろう…弱い自分に…」

 

その言葉は勇間の弱った心の隙間にスルスルと入り込む。

 

「もう理解していると思うが…キミは偶然強い個性を手にしただけのただの『一般人』だ……だから弱い、だから負ける、だから折れる…」

 

月光を背に勇間を見下ろすオールフォーワンは言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから………キミは『勇者』にはなれない

 

 

 

その言葉は地に伏す勇間に鉛のようにズシンと重くのしかかる。

 

勇間は口を開く。

 

「…そんなの…俺が一番わかって…「だが…それはキミが一人ならの話だ…」

 

勇間の弱々しい声をオールフォーワンが遮った。

 

「…え」

 

その言葉に勇間は思わず顔を上げ、自らに手を差し伸べるオールフォーワンの姿を見た。

 

 

 

 

そしてオールフォーワンが…再び口を開く。

 

 

 

 

 

「僕の元に来い…『勇間 勇』」

 

 

 

 

そんな言葉と共に…差し出された右手…

 

 

 

 

「僕なら君を『勇者』にできる」

 

 

 

 

その右手を……

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

(…この手を取れば…命は助かる…『コンテニュー』が出来るかもしれない…助けて…もらえるのかもしれない……でも…)

 

その時勇間の脳裏に浮かぶのは…

 

(……なあ『緑谷』…お前ならどうする?)

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ひどいよかっちゃん…!」

 

「泣いてるだろ…!?これ以上は」

 

「僕が許さゃなへぞ!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

思い出すのは…この世界に来て初めて見た『ヒーロー』の背中…

 

涙を流して…這いつくばって…弱々しくも…自分以外の誰かのために立ち向かう…そんな背中…

 

 

 

 

 

(ああ…そうだった……あの背中に…俺は…)

 

 

 

 

とある情景を心の中で思い描いた勇間は少しだけ笑みをこぼして、呟く。

 

「……はは…聞くまでも無かったな…」

 

そう言いながら勇間は…

 

 

ゆっくりとその右手をオールフォーワンの右手に重ねる。

 

「良い判断だ…勇間勇」

 

そんな勇間にオールフォーワンは軽く笑いながらそう言った。

 

その時、勇間が小さく口を開く。

 

 

 

「……バ…する…な…」

 

「……なんだって?」

 

勇間の小さな呟きにオールフォーワンが少し反応し、勇間の手元から顔へと意識を移した。

 

すると、そんなオールフォーワンを勇間はギロリと睨む、その瞳には消えてしまったはずの闘志がメラメラと燃えていた。

 

そして勇間は声を荒げる。

 

「『バカにするな』と言ったんだ!!」

 

そう言うと、勇間は重ねていたオールフォーワンの右手を拘束するように掴み、さらに力を込める。

 

「…確かに俺は弱いのかもしれない!!…強くてかっこいい、誰にも負けない『勇者』にはなれないかもしれない…!!…でも俺は!!『勇間勇』は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『ヒーロー』だ!!!」

 

まだ、誰にも見せたことのない勇間の最大火力の呪文がある。

 

必要なMPはたったの『1』…ただそれだけじゃダメだ、それともう一つ必要なものがある。

 

「絶対に!離さない!!」

 

「…まさか!」

 

勇間のただならぬ様子に何かを感じ取ったオールフォーワンは初めて少しの焦りを見せる。

 

もう一つ必要なもの…それは命を投げ打つ『覚悟』だ。

 

自分以外の誰かの為に命を賭す、そんな『覚悟』…

 

残された力で必死にオールフォーワンの右手を掴んでいる勇間は心の中でその手放しかけていた覚悟を繋ぎ止めてくれた友人に語りかける。

 

(…覚悟はできた…ありがとな…緑谷…)

 

そして、口を開く。

 

「もう…終わりだオールフォーワン!!」

 

オールフォーワンを逃がすまいと掴む右腕にありったけの力を籠める。

 

そして唱える…

 

 

 

 

 

「……『メガンテ』!!」

 

 

白い光が勇間を包んだ。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

地獄の林間合宿の2日後…

 

 

 

「……………」

 

 

緑谷は病室のベットの上にいた。

 

『マスキュラー』という名の敵との戦闘による両腕の酷使とその後の戦闘のせいで意識を失い、負った怪我を治療するために病院へと搬送された。

 

そして今、失っていた意識を取り戻したのだ。

 

ガラリッ…

 

病室の扉が開く。

 

開いた病室から顔を出したのは緑谷の見慣れた顔だった。

 

「あー緑谷!!目ぇ覚めてんじゃん」

 

「え?」

 

緑谷が驚きの声を上げる。

 

「テレビ見たか!?学校いまマスコミやべーぞ」

 

そう言って病室に入ってきたのは緑谷のクラスメイトである上鳴で、その後に続くようにA組のクラスメイト達がゾロゾロと緑谷の病室に押し入ってきた。

 

「春の時の比じゃねー」

 

「メロンあるぞ皆で買ってきたんだ!」

 

A組の面々は騒がしくそれぞれが口を開く。

 

そんな中、林間合宿で敵に襲われた際に黒影が暴走してしまい、制御することができなかった常闇がベットの上の緑谷に口を開いた。

 

「迷惑をかけたな緑谷…」

 

「ううん…僕の方こそ…それよりもA組みんなで来てくれたの?」

 

常闇にそう返した緑谷は今度は自分からお見舞いに来てくれた面々に向けてそう聞いた。

 

するとそれに対して飯田が口を開く。

 

「いや…耳郎くん葉隠くんは敵のガスによって未だ意識が戻っていない…そして八百万くんも頭をひどくやられここに入院している、だが昨日丁度意識が戻ったそうだ、だからここに来ているのはその3人を除いた…」

 

飯田がそこまで言うと室内に重苦しい空気が流れる。

 

そしてそんな中、麗日が言った。

 

「…ここに来てるのは…15人だよ」

 

A組は総勢21人、飯田の言う通り耳郎、葉隠、八百万の三人が来ていないなら、緑谷を除いて残りは17人のはずだ。

 

それにも関わらず来ているのが15人ということは…

 

病室には沈黙が流れ、空気がさらに重くなり、緑谷の顔が曇る。

 

そんな沈黙を破ったのは轟だった。

 

「爆豪と……勇がいねえからな」

 

「ちょっ轟…」

 

轟の言う通り、今回の敵の襲撃の被害は耳郎達だけでは無い。

 

爆豪と勇間の2人が行方不明となっていた。

 

ブラドキングの通報により、現場には数々のプロヒーローや警察、調査隊が駆けつけ捜索したものの、この2人だけはどうしても見つからなかった。

 

「……………」

 

曇った表情で黙っていた緑谷が口を開く。

 

「…オールマイトがさ…言ってたんだ…『手の届かない場所には助けに行けない』って…だからこそ手の届く範囲は必ず助け出すんだ…」

 

緑谷は続ける…

 

「僕は…手の届く場所にいた…」

 

緑谷の目の前で爆豪と勇間は脳無に抱えられてどこかに連れていかれた。

 

超スピードの脳無相手に手負いの緑谷にはどうすることもできなかったのだ。

 

「必ず助けなきゃいけなかった…!僕の『個性』は…その為の『個性』…なんだ…相澤先生の言う通りになった…」

 

緑谷はいつか相澤に言われた言葉を思い返す。

 

『お前のは一人助けて木偶の坊になるだけだ』

 

確かに…緑谷は敵の襲撃から洸汰という一人の少年を助けた。

 

でもその戦いで負った傷により2人を助けられなかった。

 

「体…動かなかった…」

 

そう言う緑谷の顔は悔しさと後悔で歪んでいた。

 

「…じゃあ今度は助けよう」

 

そんな緑谷の前に突然切島が現れてそう言った。

 

「へ!?」

 

その突然の発言に緑谷は驚く、だがそんな緑谷に構わずに切島は言葉を続けた。

 

「実は俺さ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切島が語ったのは、昨日意識が戻った八百万が敵の一人に発信機を取り付けることに成功していたという話。

 

そしてその八百万に受信デバイスを創ってもらえば、爆豪と勇間の居場所が分かり、助けに行けるのではないかということだった。

 

「なあ緑谷!!」

 

一通り説明を終えた切島は緑谷に向けて言う。

 

「まだ手は届くんだよ!」

 

「助けに行けるんだよ!!」

 

そんな切島の叫びが病室に響いた。

 

切島のそんな言葉に対して、否定派の者と肯定派の者で意見が割れて、口論になりかけていたその時だった。

 

ガラリ…

 

と扉が開いて、緑谷の担当の医者が病室に入ってきた。

 

「お話し中ごめんね…緑谷くんの診察時間なんだが…」

 

医者が入ってきたことにより、A組の話し合いは打ち切られ、一気に解散の流れになる。

 

そしてA組の面々が病室を去るその手前でそれまで黙っていた蛙吹が轟に対して口を開いた。

 

「…ねえ轟ちゃん…」

 

「蛙吹…なんだ?」

 

轟がそう答えて立ち止まる。

 

蛙吹が言う。

 

「轟ちゃんは…勇間ちゃんの一番のお友達よね?」

 

「ああ」

 

自信満々でそう答える轟。

 

それに対して蛙吹は不安げな顔で続ける。

 

「じゃあ…勇間ちゃんを…あんな目の前で攫われて…なんでそこまで冷静なの?…わ、私は…」

 

「勇が強いからだ」

 

蛙吹の言葉が終わるその前に轟はそう答えた。

 

「え…」

 

驚く蛙吹に轟は話し続ける。

 

「勇は…強いんだ…俺の知る誰よりも…だから大丈夫だ…俺は勇を信じている…大丈夫だ……大丈夫…」

 

「……………そうね」

 

蛙吹は轟の様子を見て、気が付いた。

 

轟も表情には出さないだけで勇間の様子が気が気じゃないということに。

 

轟が勇間を大丈夫だという理由は『強いから』というぼんやりとしたものしかなかった。

 

そして繰り返す「大丈夫」という言葉はそれを聞いた蛙吹に向けてでは無く、発言した自分自身にそう言い聞かせている。

 

…そう蛙吹は感じた。

 

…そして蛙吹と轟も他のA組の面々と同じ様に緑谷の病室を退室しようとしたその時だった。

 

「ああそう言えば…緑谷くんだけに話すつもりだったんだけど…キミたちもいるなら一緒に伝えた方が良いかな」

 

医者がそう言うと、病室を去ろうとしていたA組はその足を止める。

 

「え…俺らに…なんですか?」

 

首をかしげながら切島がそう聞くと医者が言った。

 

 

 

 

 

「…キミらのクラスメイトの行方不明になってた勇間くん…だっけ?……彼なんだけど…」

 

 

 

「…さっき雄英に帰ってきたみたいだよ」

 

 

 

 

 

「「「え!?」」」

 

A組の驚きの声が重なり、病院に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勇間が!?…先生!どいうことですか!?」

 

驚くA組の面々の中から芦戸が医者にそう聞いた。

 

すると医者は答える。

 

「キミら…ここは病院だからもう少し静かにね……ああ彼のことだね…さっき雄英からこの病院に連絡があったんだよ…雄英高校の校門前で眠っている勇間くんを見つけたってね…外傷が酷かったらしいから…多分もう少しでこの病院に搬送されてくるんじゃないかな?」

 

「「「……………」」」

 

医者がそう言った直後、一瞬の静寂が病室を支配する。

 

そしてそのさらに直後…

 

「「「よ、よかった~!!」」」

 

A組の数名の声が重なり、病室の空気が一気に軽くなった。

 

「で、でもどうして??」

 

そんな中、緑谷が疑問の声を上げると峰田がそれに答えるように口を開く。

 

「アイツのことだぜ!きっと敵の隙を突いてルーラで雄英まで逃げてきたんだ!流石オイラの相棒の勇間だぜ!」

 

峰田がそう言うと、病室の中が騒がしくなり始める。

 

「なんだよ~心配させてんじゃねえよなあの野郎~」

「囚われの中…敵の虚を突いたか…流石だな…」

「でもほんとによかったよね~外傷があるって言っても勇間なら寝てたら治るんでしょ?」

「おお確かにそれならアイツもう普通に元通りなんじゃねえか」

「いつ勇がお前の相棒になったんだ?なあ…峰田?」

 

そんな安堵の声をA組の面々が口々に唱える。

 

そんな時。

 

「はいはい…病院では静かにね、あと緑谷くんの診察をしないといけないから病室から出てね」

 

医者がそう言うと、A組の面々は今度こそ、ゾロゾロと緑谷の病室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が病室を去った後、医者と二人になった緑谷は自分の腕を診察している医者に質問を投げかけた。

 

「あの…すいません…さっきの話なんですけど…帰ってきたのは勇間くんだけですか?…かっちゃん…あ、いや…爆豪くんは一緒じゃなかったんですか…??」

 

「残念だけど…勇間くんだけだと聞いているよ」

 

「…そうですか」

 

緑谷は医者の答えにそう返すと口を閉じて、何かを考え込むような様子で一点を見つめる。

 

(…どこか…おかしい…気がする)

 

緑谷は頭を回転させながら思考する。

 

(勇間くんが帰ってきた…それは確かに嬉しいことだ…でも素直に喜んでもいいのか?)

 

(まずおかしいのは…勇間くんが一人で帰ってきたってことだ…確か脳無に連れていかれた時はかっちゃんと一緒だった…それで2日も帰ってこなかったってことは少なくとも2人が一緒に敵に攫われていたということは確定だ…でもそれなら…勇間くんは… ()()()()()()()()()1()()()()()()()()…ってことになる…)

 

(よほど切羽詰まった状況だったのか…??でも僕の知っている勇間くんは多分そんなことはしない…じゃあなんで?………わからない…でも僕の中の勇間くん像を信じるのなら…勇間くんは『自らの意思で帰った』のでは無い…ということ…つまり勇間くんは……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……『敵に意図的に送り返された』………ってことか??……………でもなんで……いやこればっかりは考えても仕方ない…勇間くんは今眠っているらしいから…目覚めた時に本人に話を聞こう…)

 

そんなことを考えながら、緑谷は診察されている自分の両腕に目を移す。

 

(…というか勇間くんが羨ましいなあ…勇間くんは『個性』のおかげで寝ているだけで怪我が治る…だから僕みたいに数日間も入院しないでいいだろうし…後遺症の心配もなさそうだ…)

 

(…多分…さっき見つかったらしいから…遅くても夕方には起きるんじゃないかな…早く話がしたいな…)

 

勇間のことを悶々と考えながらも緑谷の診察の時間はゆっくりと過ぎていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…だが…緑谷の考えは外れることとなる。

 

なぜなら勇間が目を覚ますのは今日の夕方では無く、翌日の昼頃で…

 

さらに勇間の体についた多くの外傷は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()その体に残ったまま、勇間は目を覚ますことになるからだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24.『哀しみを胸に』

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ:『爆豪side』

 

 

 

 

 

 

 

時は林間合宿に戻る…

 

 

 

 

ギィン!!ギィン!!ギィン!!

 

「……ああ?」

 

鳴り響く金属音とわずかな地面の振動によってある男が目を覚ました。

 

「…ここは…なっ!?」

 

目が覚めて真っ先に視界に入ったのは…

 

「ヴェラゾーマァ!!!」

 

「バギクロス!!」

 

吹き荒れる竜巻と燃え滾る炎の塊…

 

ギィン!ギィン!!

 

拳と剣のぶつかり合いで弾ける火花と金属音…

 

目の前で繰り広げられていたのは見知った顔の好敵手(勇間)と能が剝き出しの怪物『脳無』の一対一の戦いだった。

 

そう…暗い森の中、ひとり目を覚ましたのは爆豪だった。

 

爆豪は目の前で繰り広げられる戦いを視界に入れながら…起きたばかりの脳内を必死で整理する。

 

(…たしか俺は鬱陶しいクソデク達と一緒に合宿所に向かってたハズ…それから…どうなった?…思い出せねェ…てかなんでピアスがここにいやがる!?合宿所で寝てたハズだ!!)

 

爆豪はこの状況を考えれば考えるほど疑問符が頭に浮かぶ。

 

それもそのハズ、爆豪にはコンプレスに圧縮されてからの記憶が無い、すなわち勇間が助けに来たことも、脳無に一緒に連れ去られかけたことも知らないのだ。

 

(…わかんねェことは考えても仕方ねェ…それより今は…)

 

爆豪は目線を戦っている勇間に移す。

 

目の前で勇間が敵と戦っているのだ、そしてさらには個性による戦闘許可も出ている。

 

この状況なら爆豪がすることは一つだ。

 

(…少し癪だが…うだうだやってるピアスに加勢して敵を秒でブッコロス!!)

 

爆豪はそう考えるとウォーミングアップとして掌を軽く爆発させる。

 

そしてどのタイミングで戦闘に加勢するかを見極めるために目の前の戦いに意識を集中し、勇間の動きと脳無の動きを冷静に観察する。

 

だがしかし…

 

「…………っ!!」

 

そこで爆豪は嫌でも理解してしまう。

 

「ライデイン!!」

 

「ビャダイ˝ン!!」

 

鳴り響く雷鳴とそれに対抗する大規模な氷結のぶつかり合い…

 

爆豪は理解する…

 

目の前で行われている戦いの『レベルの高さ』を。

 

「…んだよ…これ…」

 

そして気が付いてしまう…

 

その戦いに自分の入る余地なんて全くないことに。

 

スピード、パワー、技の豊富さ、テクニック…全てにおいて、目の前で戦っている両者に自分は圧倒的に劣っているということに。

 

たしかに爆豪は強い、だが強いといっても学生レベルの話だ。

 

目の前の戦いのレベルはその学生のレベルを遥かに凌駕していた。

 

レベルアップで確実に、急速に強くなっていける勇間だけが到達できるその領域は今の爆豪では決して至ることができる領域じゃなかった。

 

その事実を爆豪の高い戦闘センスは一目見ただけで理解し、こう判断した。

 

『この戦いには参加しない方が良い』と、だが…

 

(…そんなハズはねェ…!!…つけいる隙はどっかにあるハズだ…!!…クソがッ…クソクソクソ!!)

 

爆豪のプライドがそれを認めなかった。

 

爆豪は必死で戦闘に自分の入り込める隙を探す…しかし…

 

(…クソッ…どこだ!?どこにある!!……そんなハズはねェんだ!…そんなハズは…)

 

爆豪の想いとは裏腹に目で追うのがやっとのスピードで行われる目の前の戦闘…

 

(…ちょっと前までは隣にいたハズだ…!…好敵手(ライバル)だったハズだ…!!…こんなに…こんなにも…)

 

 

 

 

「ギガ…スラッシュ!!!」

 

力強い叫び声と眩く輝く稲妻から繰り出される斬撃…爆豪は見ていることしかできない。

 

 

 

表情には悔しさがにじみ出て、血が滲むほどに力強く拳を握り締めた爆豪は口を開く。

 

「…テメェが……勇間が…こんなに遠いわけがねェ…!!」

 

爆豪の悲痛な呟きは脳無との戦いに夢中な勇間の耳には決して届かなかった。

 

 

 

 

だが…その時は遂に訪れる…

 

 

 

 

「グギャアアァァ……!!」

 

勇間の放った光の斬撃が脳無に直撃し、これまでとは比べ物にならないほどの大きな悲鳴を脳無はあげる。

 

「はあ…はあ…はあ…どうだ!!」

 

激しい攻防に息を切らしながら、渾身のギガスラッシュを炸裂させた勇間は声を上げて、悲鳴をあげる脳無を見つめる。

 

そして…

 

「…ギィヤゥ…ガッ…」

 

ガクンッ!とその無限とも思えるスタミナを持っていた脳無が遂に地面に膝をついた…

 

拮抗していた両者の戦いが…わずかに勇間に傾いた瞬間だった。

 

そしてそれと同時に…

 

(ここしかねェ…!!)

 

自分が勇間の隣にいると証明するため…自分のプライドを守るため…虎視眈々と戦闘に入り込む余地を探していた爆豪にとっても、やっと見つけたその『瞬間』だった

 

膝をついて隙だらけの脳無、大技を放った後ですぐには動けない勇間。

 

確かに爆豪から見れば、それはずっと探していた『入り込む余地』だったのかもしれない…

 

ダッ…

 

爆豪は勢い良く地面を蹴りつけ、脳無の下へと飛び出した。

 

 

 

BOOM!!

 

 

爆発音が響き渡る…

 

 

爆速ターボで加速した爆豪は地面に膝をつく脳無の背後に見事に回り込み、その背中目掛けて右腕を振りかぶる。

 

(いける…!!)

 

完全な死角からの一撃、爆豪にはその一撃を決められる自信があった。

 

そしてその一撃を決めれば…勇間に追いつける…爆豪はそう信じていた。

 

ただしかし…脳無には『勇間と似た個性』と『再生の個性』、『肉体強化の個性』とは別でもう一つ個性が植え付けられていた。

 

それは…『空間把握の個性』だ。

 

この個性によって脳無には死角からの攻撃に対応できるようになっていた。

 

実際に脳無と戦っていた勇間はそのような個性を脳無が持っていることに薄々気が付いていた。

 

だが、見ていただけの爆豪にはそんなこと想像もつかなかったのだ。

 

 

その背後からの一撃が決まらないと分かっていた勇間が奇襲をかける爆豪に声を荒げる

 

「…くっ…ま、待て!!爆豪!!」

 

だがその言葉は勇間に追いつこうと必死で足掻く爆豪には届かない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタンッ…!

 

 

 

静寂の中、何かが倒れこむような音が爆豪の耳に入った。

 

恐る恐る、爆豪は閉じていたその瞳を開くと、目の前の光景が視界に飛び込んでくる。

 

脳無の一撃に倒れていた自分に放たれたメラゾーマによって抉れた地面と、燃える草花、そして自分の目の前の…

 

 

 

 

 

「………」

 

 

 

倒れ込んだ勇間の姿。

 

「…い…さま…?」

 

その光景に爆豪は呆然とするしかなかった。

 

そしてその勇間の姿を見て爆豪はやっと理解する。

 

くだらないプライドにすがったばかりに、勇間が勝利できたハズの戦いに首を突っ込んでしまったことを…

 

その結果がコレだ。

 

自らの弱さを受け入れられないという『弱さ』がこの事態を引き起こした。

 

実際、『この戦いには参加しない方が良い』という爆豪の戦闘センスによる判断に従っていれば…勇間は倒れることは無かった。

 

(………全部…俺の…せい…)

 

爆豪はどこかで分かっていたはずだ、自分が戦闘に参加すれば勇間の足を引っ張ってしまうことを…そして自分がピンチになった時、勇間は自分の身を挺してでも爆豪を守るということも。

 

()()なってしまうことは爆豪が戦闘に参加した時点で決まっていたのだ。

 

(…俺が…プライドを捨てられていれば…己の『弱さ』を受け入れていれば……)

 

爆豪は改めて…倒れてしまった勇間に目を移す。

 

(………コイツの『強さ』を認めていれば…こんな事にはならなかった…!!)

 

そんなことを考えている内に脳無は爆豪の下にたどり着いていた。

 

そして爆豪に左手を向けて唱える。

 

「…ラ˝リボォー」

 

発生する青白い波状をなすすべなく受けた爆豪の意識は抵抗ができないほどに急激に薄れ、瞼が重く垂れさがる。

 

 

 

(……俺の…せいだ…)

 

 

薄れゆく意識の中…隣に倒れている勇間の姿を見ながら爆豪はこれまでのことを思い返す。

 

 

 

初めて河川敷で会って戦った時も…

 

ヘドロの敵から助けられた時も…

 

入試で一位を争った時も…

 

初めての戦闘訓練の時も…

 

体育祭で不戦勝した時も…

 

職場体験のあとのレースの時も…

 

期末試験で勇間がオールマイトに勝った時も…

 

 

 

 

(…ああ…そうだったのか…)

 

爆豪は気が付く。

 

(…俺は最初から…ずっと勇間に負けてた…でもアイツは…勇間は…クソだった俺を…好敵手(ライバル)と…友達と認めてくれてた…)

 

 

(……多分…俺はそれが嬉しかった…だから…だからこそ認めたくなかった……アイツの隣でずっと好敵手(ライバル)でありたかった……自分の弱さと勇間の強さに気が付かない振りをしてた…)

 

 

(それが招いた結果がこれだ……勇間…………もう…遅いかもしれねェけど…)

 

 

 

 

そして爆豪の意識は……

 

 

 

 

(………勇間…………ごめん…)

 

 

 

 

 

 

まどろみのなかへ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今回も読んでいただきありがとうございました。


誤字脱字もありましたら報告いただけると嬉しいです。
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