こんちは~HAKUSUNAです!
この話は前に出したセリナの奴を短編集に入れました!前回の話とほぼ変わってないので新規投稿して良いのかちょっと不安…それでも良ければ是非見ていってください!
「いつも見ていますよ――先生」
聞き覚えのある声が聞こえる。甘く温かく感じるその声は近づいてくる。甘さはますますと感じ取れる。五感と言う五感が全て彼女色に染まっていく。桃色と言うべきかピンク色の服が皮膚に当たる感触がある。それと同時に伝わる彼女の感触。温かく、穏やかだった。いつも見ている彼女とは少し違ったものが見れた。頬を赤く焦がせている彼女。愛おしかった。俺は彼女色に染められていた。
事が起こるのは今から数時間前。俺はみんなに先生って呼ばれている。キヴォトスに来てから結構な日数が経った。様々な生徒と関わりも持った。それは大勢の生徒とね。一人一人違う個性を持っていてまるで花のようだ。そう彼女もその一人。トリニティ総合学園救護騎士団の2年生。彼女はいつもシャーレに来てくれている。どうやって来ているのかは未だに謎だ。
「大丈夫ですか?先生」
彼女は優しく甘ったるい声を掛けてくる。コーヒーやエナジードリンクを飲んで元気を前借りしている。疲労と睡魔の限界の時、彼女は現れた。生徒だと言うのに俺は別の感情を抱いていたのかもしれない。
「無理は禁物ですよ!先生は無茶し過ぎです!」
「もう今日は休んでくださいね」
セリナは優しく諭すように述べる。母親のような母性を感じれた。そして彼女はいつもの健康チェックをしてくれる。腕を出すとベルトを巻かれる。少しずつ力を加えられ血管が圧迫されていく。
「先生!?高血圧ですよ!」
「お願いです――今日は…今日こそは休んで下さい…」
寂寥感を漂わせながら言うセリナ。わかっているさ。わかっていたとしても
「先生ッ!」
セリナは多い被るように抱きしめてくる。泣いていた。彼女らしいと言っては何だがやっぱりセリナは優しい子だ。他人を思いやれる気持ち。簡単には手に入れることが出来ない。しかしセリナは違う。困ったことがあれば何処からともなく現れ、助けてくれた。他の子にも優しいしゲヘナ学園の子とも仲がいい。天使を具現化したかと思うほどだ。
身を委ねるように無防備な体を曝す。例えて言うなら、官能小説の一説みたいな状態になっている。一線を越えそうな勢いで距離が接近する。
「先生のセリナです」
「――先生の思うままにしてくださいね」
頬を赤らめながらセリナはそう言う。まるで身を捩らし愛を求める赤子。愛おしかった。
デスクワークの弊害なのか俺は判断力が鈍っていた。脳に送られるまでに時間が掛かってしまう。今の感情は何処から流れてきているのか。全部俺の妄想で疲れてセリナの幻覚を見ているのかもしれない。感情と言うプロトコルに支配されているだけなのかもしれない。考えれば考えるほど疲弊して行く。社会の荒波に揉まれながら身を削って行く。そんな社会に出る前に彼女達には友情や愛情を育みあって欲しい。セリナも俺の為にではなく自分の為に――行動して欲しい。
俺はセリナ見つめる。その目は慈悲の心に満ち溢れていた。セリナ――俺は一体どうすればいいんだ。
「先生?」
駄目だ。生徒に手を出すわけにはいかない。肉欲に塗れるにはまだ早い。しかしセリナは身を寄せて来る。何気に理性の限界でもあった。セリナは隣にある回転椅子に座り、優しく頭を撫でて来る。
「えへへ…先生の頭を撫でるってこんな感じなんですね」
「少し――ドキドキしちゃいます」
撫でることはよくあったが人に撫でられるなんて久々だ。セリナの手が俺の髪の毛にスリスリと辺り心地いい感触が伝わる。俺はセリナの膝下に吸われるかのように横になった。ストッキング越しからでもセリナの温もりがわかる。セリナの膝下で横になっていると段々眠気が出始めてくる。寝まいと目が閉じないように眼球に力を入れる。恐らくは変な顔をしているに違いない。
「無理はなさらず寝てくださいね」
「セリナには先生が必要なんです…」
横になった俺を撫でるセリナ。彼女によって膨大な睡魔が襲ってくる。セリナの声が子守唄のように聞こえてくるとふわふわとした浮遊感と脱力感を感じる。目を閉じたり開いたりを繰り返している。
俺はセリナの誘惑に負けてしまった。意識が少しづつ飛んでいった。
「先生…許して――」
意識が飛んでいく瞬間、セリナが何か言ったような気がした。正確に聞き取ることは出来ず、俺は眠りに着いた。
白い空間。白い霧が自分を包み込んでいく。霧が晴れる。未だ白色の空間は健在だった。これはシッテムの箱が見せているのか?ならアロナはどこだ?よくわからないまま俺は謎の空間を漂って行く。何時もの壁と天井が崩壊し、外に机が積み上がった青空と水平線の広がる教室のような空間はどこにも存在しない。システムのバグか?漂い続けていると白い空間に何かが立っているのがわかった。霞んでよく見えないが人影らしき物体であることはわかった。俺はその人影に近づくことにした。
約三メートル程に近くと、全身白色で人とは掛け離れた見た目であることがわかった。語弊なく言うならば、石膏で作られた一分の一スケールのプラモデルと言った所だろうか。人の好奇心は猫を殺す。そんなことわざがあるが簡単に好奇心は捨てられない。俺はその石膏に近づこうとした。すると立ちはだかるかのように何かによって止められた。理解するのに時間が掛かった。ようやくその状況に追いつける様になると俺を止めた何かがわかった。丸い球のような光の玉だった。人魂みたいにも見えるコイツは前にいる奴との間に入り妨害してくる。
パチンと音が響く。途端に俺達のいた空間はガラスが割れたかのように崩れ始めた。崩壊していく空間は乱反射している。言うならば、よくある都市伝説の合わせ鏡のように影と影が重なりあっている。次第に崩壊の旋律はすぐそこへとやってくる。同時に五感を全て奪われた感じを味わう事になる。
唯一と言ってはなんだが落ちている感覚は残っていた。奈落の底へと向かっている。そんな感覚もそのうちに消えて行った。
目が覚める。五感は戻っている事を確認して安堵するら。いつもとは違う感覚。サラサラとしていて寝心地いい。そう言えばはさっきまでセリナが来ていた。
――俺は気づいてしまった。この至高に近いこの枕の正体を。俺は直ぐ様飛び起きる。時計の針は夕刻を刻み外は暗くなってきている。どうやらセリナもあの後寝ていたようだ。驚いて起きたせいかセリナも目を覚ました。まぶたを擦って眠たそうにしているセリナ。小動物みたいな可愛さがあった。
「先生?――もう起きられたのですか?」
物足りなさそうにしているセリナ。でも俺は満足した。
「もっと一緒に……」
セリナがボソボソと何かを言っている。俺はセリナに感謝を伝えた。心からの感謝を。
「ちょっ、ちょっと…先生やめてください」
「は、恥ずかしいです…」
気恥ずかしいそうに体をクネクネとしている。あと少しだけ甘えたい。小さな願望だった。
「いいですよ先生――来てください」
「先生の事はなんでもわかっちゃいますから…」
見透かしたようにセリナは両手を広げる。これはもう飛び付けと言っているようなものだった。
そして今に至る。至福の刹那だった。もっとこうしていたい。もっとセリナと一緒に過ごしていたい。
「先生、私も一緒にいたいです」
「――もっと一緒に…」
そんな時だった。扉が勢いよく開く。
「せんせーいる?」
ユウカが来た。丁度いい雰囲気だったのにと思ってしまった。
「あらセリナさんもいたのね」
「そんなに近づいて…先生、もしかして生徒にいやらしい事でもしようとしていたの?」
ギロリと視線が向く。いやな予感が…
「ちょっと先生!また新しいフィギュア買ったんですか?」
ユウカの言う先には見覚えのないフィギュアがあった。いや――フィギュアというより人形に近いかもしれない。気味が悪い人形が俺の方を見つめていた。
「これは没収です!」
「大人なんですからちゃんと金銭管理をしてください!まったく…」
ユウカはそう言って机にあった人形をあらかじめ持ってきた鞄の中にしまった。
その瞬間、何かから解き放たれた感覚がする。さっきまでの事が夢のように思え始めた。と言うよりも俺は…セリナにものすごい事をやらかしてしまった。バレたら懲戒免職ものにやばい。
「セリナさんもこう言う大人には厳しくしないといけませんよ!」
「――そうですね」
「気をつけますね」
淡々としているセリナ。どうかしたんだろうか。それよりもセリナはこのことを許してくれるのだろうか。
「それじゃ先生、ちゃんとお仕事を頑張ってください」
「終わるまで私がちゃんと監視してますよ!」
やっぱりユウカは恐ろしい。母親のような威厳がある。と言うよりもとにかく恐ろしい。
「後少しだったのに――」
セリナが小声でそんな事を言っていた。あと少しって何なのだろう?何かしていたのか?
「それじゃ先生セリナはそろそろトリニティに帰りますね」
「先生のことは何時も見ていますからね――絶対に…」
セリナはそう言って身支度を始める。セリナはユウカに対して視線を向けていた。終始何か言っているような気もしたけどすぐに身支度は終わり跡形もなく帰っていった。
「先生?休んでいる暇はありませんよ!」
「さっさとこの書類の山を片付けますよ!」
いやだ。寝ていた分も含めて大量の書類が残っている。俺はため息をつく。けど体は軽かった。気分も大分いい。
先生は今日も忙しいです。
どうでしたでしょうか?連載を抱えながらブルアカの短編を毎回出すのは無理ですけどまた思いついたらやってみたいですね!
少しヤンデレっぽい描写入れてみたけどあまりいい感じじゃなかったね…反省
好評であればまたブルアカの短編もの書きますので率直な感想をくれると参考になります!