ブルアカ短編シリーズ   作:ハクスナ

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 ある日の夕方。シャーレに一人の生徒が訪れる。先生はある物を取り出して生徒と夜のパトロールに出かけたのだった。

こんちは~HAKUSUNAです!
 今回も引き続きブルアカの短編小説になります。今回は一応リクエストみたいな感じでスズミを出しました!あまり詳しくないキャラなので何処まで合っているかわかりません…申し訳ない
とりあえず今回のは曇らせも鬱、胸糞一切なしの純愛なので俺的にはokです!


不器用な先生とスズミ

「先生、一緒にパトロールに行きませんか?」

 

 突然そう言ってきた彼女。彼女はスズミ。俺がキヴォトスに来たとき色々サポートしてくれた子の一人だ。クールで冷静沈着。正義感に溢れ、平和の心を絶えさない優しい子だ。そんな彼女からよくパトロールの同行を誘われる。いつも通りの事だが今回は何時もと違う。机の引き出しからある物を取り出そうとする。瞬間手が滑り、それが袋から出てしまった。

 

「先生?どうかしましたか?」

 

 慌ててそれをスーツの中に隠す。焦りを見せているのがスズミにバレてしまう。なんとか誤魔化せる様な言い訳を考える。 

 スズミは不審げに見ている。こう言う時は強引に話題を変えよう。取り敢えず、今日行く所や何をするのかを聞いて話を誤魔化す事にした。そうやって言い訳を試み、騙すことに成功した。

 

「今日の先生はなんか変ですよ…」

 

「それよりも――早く行きますよ!」

 

 銃を持ってシャーレの外へと出る。外に出ると見事な夕日が出迎えてくれた。少し眩しい程ではあったけど。少し歩いて行くとトリニティの生徒達がいた。生徒達はある店へと吸い込まれていく。そこはよくあるようなアクセサリー店。ネックレスやピアス、ブレスレットなど(ちまた)の女の子が好みそうな物ばかりが陳列されている。スズミをそれに気づいたのかトリニティの生徒を見ている。スズミも買ってみるかと聞いて見たが予想通りの結果が返ってくる。

 

「私には似合わないですよ」

 

「女の子らしくないですし…」

 

 スズミらしいと言えばそうなのかもしれない。でもスズミにはもっと自分に自信をもって欲しい。スズミは十分に可愛い。この年の少女なら一つや二つほどファッションに興味を持っていい年頃。普段見せているスズミは一人の乙女。もっと自分に正直になって欲しい。――だから俺は今日、決意を付けた。

 店を通り過ぎる。色んな記憶が蘇ってくる。そう言えばスズミと一緒にキヴォトス中をパトロールしたな。山あり谷ありな日々だったけど、スズミとは本当に長い事日常を共にした。スズミにとっては刹那の物語かもしれない。けどね、先生にとっては本当に有意義な時間だったよ。

 スズミの横顔を見ながら微笑む。流石に引かれるかな。スズミはパトロールに真剣だ。銃に付いているスリングを持って何時でも戦えるようにしている。なんか俺が馬鹿みたいなやつだと感じてしまう。

 そろそろ目標の公園まであと少しまで迫った。辺りは先程と違い次第に薄暗く、我々を快く迎えた夕日は大地へと帰っていく。

 

「いいですか、先生」

 

「この時間帯が一番犯罪が起きやすいんです」

 

「気を引き締め下さい!」

 

 公園はもう外灯の輝きに照らされていた。ここに来るのは初めてだった。キヴォトスの間では結構人気スポットで昼夜問わず、美しさを提供してくれている。そしてこの公園今まで見たどの公園より幻想的な場所だった。立ち並ぶ木立。何処からか小川の細流(せせらぎ)が聞こえる。

 

「綺麗な所ですね」

 

 スズミも興味津々だ。耳を澄ませて音を楽しんでいるスズミ。パトロールと言っていたが完全に魅了されている。

 

「ここにいると――あの時を思い出しますね」

 

「ほら先生、星を見て下さい」

 

 空を見上げる。あの時のように星空は私達を迎え入れてくれる。暫時の間、空を見上げていた。もう夕日はいなかった。しかし、新しく迎えてくれる星々の追憶。忘れたくても忘れられないものがあった。 

 時間が過ぎるのもあっという間で私達は再度ここに来た目的を認識する。と言ってもこんな所で悪巧みする奴がいるのかと疑問には思うが――それは置いておこう。

 先々へと進むスズミ。あれよあれよという内に置いてかれて行った。そこまで年は取ってないつもりだと思っていたが、若いのが羨ましく思えてしまった。少し休憩を取ろうと木影へ歩みを取る。

 

「先生、大丈夫ですか?」

 

 気遣わしそうに様子を見てくるスズミ。やっぱりスズミは優しい子だ。何処からかスズミは恐ろしいとの噂は流れているがこの子に限って――いやどうだろうか。思い当たる節があるような。

 スズミがしゃがむ。スカートが見事に折れ曲がる。――これがラッキースケベって奴か。スズミは心配そうに気づかってくれているのに…俺は最低だな。でも男はそう言うものが好きなんだ。そうして、見えそうで見えない時間を楽しんだ。

 

 数分もすれば体力も回復し、再び歩を進めた。公園の中を歩いて行く。そう言っていても短いものだ。どうやら公園の中心に来たようだ。中央にはピラミッド型の噴水がある。それから流れ出る響は心に平穏を(もたら)す。他にも多数の吹き上げる噴水があり何処となく、お伽話の中にいるみたいだ。

 

「こんな噴水――初めて見ました」

 

 スズミは噴水に興味津々だ。スズミも歴とした少女だと言うことがわかる。

 

「夢の中にいるみたいです」

 

 スズミはくるくると身を回している。教え子がこうやって童心を忘れずにいる。それだけでも嬉しいことだ。

 時間は残酷だ。何時からともなく体に限界が現れてくる。何時までこうやって傍にいてやれるのか。大人としての責任を果たせるのか。せめてこの命尽き果てるまで、どうか彼女達の為に――。

 

「先生、どうやらここが()()()みたいですね」

 

 もう夜は更けている。疎らに人はいるものの、怪しい行動をする奴はいない。

 

「今日はもうそろそろ帰りましょうか」

 

 それはパトロールの終着を意味する。服を透けていく冷たい風。夜風に当たるその二人は仲睦まじい姿を見せている。変わることのないものがある。

 俺はスーツの中に入れたとあるものを手にする。もしこれからのスズミに役に立つならと思って。背を向けているスズミの肩を叩く。

 

「先生?――どうかしましたか?」

 

 改めて見ると緊張する。自分が弱いことはわかってる。いつも生徒達に守られてばかりの非力な人間。自分の命すら自分で守れない根性なし。そう言われても当たり前だ。でもスズミやみんなは心優しく迎えてくれた。だからここにいる。責任どうこうの話じゃない。これは感謝の念を伝える為の行為だ。

 スズミが喜ぶかはわからない。でも多少でもスズミが喜んでくれるなら本望と言うもの。

 

「先生――それ……」

 

 スーツから取り出したもの、それは単なる髪飾り。星型の飾りがある変哲もないただの髪飾り。

 

「私に……ですか?」

 

 食い気味にスズミは答えてくる。いつもはクールで冷静な彼女でも乙女のような素顔があるのが容易にわかる。

 

「でも――それお高いはずでは?」

 

 スズミは知っているみたいだ。いつもあの店を通る時、この髪飾りを見ていたのを知っているよ。六桁近くはするけどそんな事は気にしない。大人カードがある限りわね。

 やっぱり値が張るからなのかスズミは驚いている。俺は引きずった笑い方をしていたと思う。

 

「受け取れ……ないです」

 

 スズミは重々しく答えた。次言う事を予想できる。

 

「先生とは長い付き合いです」

 

「だからわかると思います」

 

「私は――女…女らしくありません」

 

 女らしい…か。何時から女らしくないと髪飾りをしてはいけないなんて法律が出来たんだ?女らしく無くてもいいじゃないか。らしいだけで人は決めつけられない。スズミだってよくわかっている筈だろ?自分の心に正直になって欲しい。スズミはスズミだ。他の子に変わることは出来やしない。スズミだからそこ、ここで伝えたかったんだ。

 そんな理念があった。エゴと思われても仕方ない。けど今まで正直に伝えられなかった。機会はあったさ。臆病な性格の持ち主だからと決めつけてきた。

 奥ゆかしい彼女に髪飾りを手渡した。手と手が触れ合うと反発し合うようにピンと跳ね返る。数秒の出来事がさも数分――数時間に感じる。恐らく二人とも頬を赤く染めていたのだろう。それにすら気づけずに夜風に当たっていた。

 

「本当に――いいんですか?」

 

「これを……私に」

 

 静寂を破るように強く頷く。するとスズミは両手を使い、受け取った髪飾りを付け始める。スズミの長い髪の毛に綺麗な星が散りばめられる。

 

「……どうですか?――先生」

 

 とても似合っていた。噴水も相まって美しさに拍車がかかる。ここに来て正解だった。

 

「似合っていますでしょうか?」

 

 それは勿論、似合っていると答えた。スズミには気にって貰えただろうか。

 

「……今、とても幸せです」

 

「先生、この髪飾りありがとうございます」

 

「大切に使わせてもらいます」

 

 ニコリとスズミは微笑んだ。これからスズミは大人の道を進んでいく。辛く、険しい峠に当たるかもしれない。挫折してしまうかもしれない。でも、そんな時に今まで会ってきた仲間、友達との思い出や友情があれば越える事ができる。そう信じている。

 スズミの未来――いや祝福を心から祈っているよ。先生としての役目はまだまだあるけど少しでもいい巣立ちが出来るように。

 

「先生……少しいいですか?」

 

 何か言いたげそうにしているスズミ。髪飾りがキラリと少し光沢を見せる。

 

「いつか…きっと――こうやって二人になれると思っていました」

 

「あの時から私は変わっていません…」

 

「それでも――また離れ離れになってしまう」

 

 スズミは近づいてきて手を握ってくる。スズミの手は少し冷えていたが温もりがあった。手を握ってスズミは見上げてくる。麗しい乙女のようなスズミ。らしくなかった。

 

「先生、私は……」

 

 何を言い出すのだろうか。固唾を飲み込む。少し緊張した汗が頬を伝う。

 密着した二人の間には祝福が迎えていた。もし、このままスズミと――そんな訳ないか…

 

 その瞬間だった。公園の外から物凄い轟音が響いてくる。それはどんどんと二人のいる所に接近してきているようだ。その音で密着していた二人は離れてしまった。そうして音の正体が目の前に現れた。

 

「やっと到着したぜ〜」

 

 よく見覚えのあるシルエット。頭にヘルメットを被った集団。

 

「ここは今日からヘルメット団の縄張りだあ!」

 

 意気揚々と宣言し、ぞろぞろと何人か現れてくる。先程までの空気は何処へやら…ピリついた空気が辺りを漂う。

 

「ムードぶち壊しですね」

 

 スズミは何処か不機嫌そうな態度を取っている。しかし、いつも通りのスズミだ。そしてまた――いや違う。スズミの頭部で輝くそれがある。もう昨日までとは違う。

 

「先生、援護をお願いします」

 

「閃光弾、投擲!!」

 

 タブレットを持ちスズミを援護する。さて一仕事終わらせますか。

 

 キヴォトスは今夜も忙しい夜になりそうです。

 




 どうでしたでしょうか?ちゃんと原作通りのキャラだったでしょうか?マジでそこだけが心配…
とりあえず楽しんでもらえたなら嬉しいです。次回作も一応リクエスト形式になります。次はホシノ!多分かなり時間経つと思いますけどがんばります!
後ブルアカキャラでリクエストあるなら通します(基本全部)
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