暗黒錬金術師伝説7 暗黒!フィリスのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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2、森の暗闇

一旦獣を解体し、アトリエに回収する。周囲の植物がざわざわ言っているのが分かる。図鑑で見ると、いずれもが攻撃性を持つ植物ばかりだ。

 

植物のネームドが人間を襲うこともあるらしいが。

 

いずれにしても、獣と同じ危険な存在と考えるべきだろう。

 

生唾を飲み込む。

 

アングリフさんが、ハンドサイン。ついてくるように、という合図だ。

 

根を踏むと、一斉に果実を爆発させ、致死毒がついている針をまき散らしてくる植物がある。

 

殺した獲物は即座に根で絡め取って栄養分を吸い取る事で、更に大きくなるのだ。

 

ある植物の実はとても美味しそうだが。

 

触っただけで手の皮がズル剥けるほどの毒を持っており。

 

食べたりしたら当たり前だが即死。

 

近くで臭いを嗅ぐだけでかなり危ないという代物である。

 

巨大な花が見えるが。

 

アレは囮で。

 

周囲には根が張り巡らされており。

 

かぐわしい香りに寄せられて近づいただけで、その根が獲物を串刺しにする。真下からの攻撃に弱いのは、人間だけではない。

 

この根が突き出す速度は音を超えるらしく。

 

獲物は大きくえぐれて、粉砕されてしまうらしい。

 

根そのものも下手な金属より遙かに堅い、というか大量の金属を蓄えているそうで。

 

その危険度は想像を絶する。

 

此処にオスカーさんを連れてきたら、どんな反応をするのだろう。

 

世界中の植物と友達になるのが夢だ、という話だったが。

 

相手が此方を殺す事だけに特化して進化した植物ばかりだったら。

 

それでも上手くやっていく方法を見つけるのだろうか。

 

巨大な人型の石隗が歩いているのが見えた。

 

前にアングリフさんが遭遇した、という奴だ。

 

見ての通りスピードは大した事はないものの、攻防共に激甚な性能を有しており、生半可な攻撃ではびくともしないという。

 

その上体内にあるコアを破壊しない限り絶対に止まらないとかで。

 

何回か戦ったが、非常に厄介だったそうだ。

 

正体は諸説あるそうだが。

 

錬金術師が作った人工生命。

 

つまり、遺跡などで見かける命ある道具、などがそれに近いのかも知れないとか。魔術の産物だとか。

 

まだ正体はよく分かっていないそうである。

 

森の中では、その石像さえ大人しく、ゆっくり木々を傷つけないように歩いていて。

 

石像故に攻撃されても痛くもかゆくも無い様子だ。

 

まあそうだろう。

 

石像にどんな毒が通じるというのか。

 

ただ、それでも至近距離で顔を合わせるのは、あまり好ましくない。

 

通り過ぎるのを待ってから、先に進む。

 

森の奥は非常に薄暗く。

 

異臭も強い。

 

巨大な獣の糞や、マーキング跡も珍しくない。

 

幸い、森の中での大立ち回りは、現時点では起きていない。

 

可能な限り注意して進んでいるから、というのもあるのだが。

 

この森は、そうせざるを得ないほど、危険すぎるのだ。

 

イルちゃんに至っては、常時シールドを展開出来るように準備しているほどで。それでも間に合わないかも知れない。

 

威力偵察の名目で来たものの。

 

わたしは少しばかり後悔していた。

 

だが、その後悔も。

 

少しずつ、良かったと思える事に変わっていく。

 

森が少しずつ、密度を減らしてきた。

 

黄金に輝く何かを見つける。

 

例のドラゴンかと一瞬思ったが、どうも違うらしい。慎重に確認しながら近づくと、どうやら黄金色をした糸の塊だ。内部からは何かが這い出た跡があり、既に空っぽになっている。

 

これは。

 

確か、噂に聞いたことがある。

 

図鑑を見て、慎重に確認。

 

そして確信できた。

 

これぞ伝説的な糸の素材である、金の絹糸だ。

 

非常に強い魔力と頑強さを併せ持つ糸素材で、ヴェルベティスと呼ばれる最高品質の布を作るために必須となる。

 

どんな錬金術師も量産には成功していないという噂で。

 

アルファ商会に以前カタログで見せてもらったのだが。

 

それこそ糸束一つで、傭兵団を一ヶ月くらいは雇えるほどの値段がついている。

 

だが、こんな所で見つけると言う事は。

 

その価格も納得である。

 

木に貼り付いているそれを、丁寧に剥がしていく。イルちゃんも、生唾を飲み込んでいた。

 

此処がこんな危険な森でなければ、大喜びする所だが。

 

今は周囲を全員で全方位常時確認しているほどの状況なのである。

 

はっきりいって、それどころではない。

 

剥がし終えた後、油紙に包んで、荷車に積む。

 

これだけの作業で、どれだけ緊張したか分からない。

 

というか、不純物を取り除くだけでどれだけ大変なのだろう。

 

ぞっとしない話だ。

 

他も探してみる。

 

やはり簡単に見つかるものではないらしく。

 

周囲を丁寧に探し廻っても、毒の植物ばかりで。簡単には見つけることができなかった。

 

少しずつ、上り坂になっている。

 

と、不意に開けた広場に出る。

 

アングリフさんが、即座に手を横に。

 

止まれ、という意味だ。

 

そして下がる。

 

理由は、言われなくても分かった。

 

其処は広場ではあったが。

 

ある意味この世の地獄だった。

 

真ん中に泉があるのだが。

 

その泉の周囲を、森に入るときに襲いかかってきた獣よりも、更に強そうなのが何十も屯しているのである。

 

唸り声を上げて威嚇し合ったり。

 

平然と水を飲んでいたり。

 

その獰猛さはおぞましい程だ。

 

迂回するぞ。

 

ハンドサインをアングリフさんが出す。

 

流石に森の中で開けた場所。しかもあの敵の数。同時に相手にするのは自殺行為だ。ティアナちゃんくらいの実力があれば出来そうだが、あの子はもう正直な話、人間とは言い難い。

 

丁寧に広間を迂回した跡。

 

また、不可思議な木の実が生る木に出た。

 

図鑑を調べる。

 

非常に可燃性の強い実で。

 

美味しくは無い一方で。

 

非常に火力は強靱。

 

これから生成した油を錬金術で加工すると、文字通り激甚な火力を発揮する事が出来るという。

 

なるほど。

 

それならば、採取していく意味はある。

 

お姉ちゃんに手伝って貰って、熟した実を採取して、更に瓶に入れて保存する。

 

何かの切っ掛けで発火して大爆発、何てことになったら大惨事だからだ。

 

良くしたもので、周囲は油の栄養を得てか。

 

草がぼうぼうに生え茂っている。

 

臭いが有害であっても。

 

植物にとって、油が栄養になる、と言う事は、揺るがない事実なのだろう。

 

或いはこの実。

 

肥料に活用できるかも知れない。

 

岩陰に出た。

 

周囲には危険な植物もなく、休むには丁度良い。

 

イルちゃんがシールドを展開。

 

戦闘時に即時展開する奴では無く。

 

時間を掛けて、じっくり展開するタイプだ。

 

宿場町で使っているものだろう。

 

壁に仕込んで、強力な獣などの攻撃を防ぐためのものだ。

 

アトリエを展開し。

 

内部にみんな入って貰う。

 

このアトリエは、いずれにしても外部からの攻撃は、簡単には受け付けないし。内部からは外部を幾らでも見る事が出来る。

 

中に入ると。

 

やっと皆、気が抜けたようで、疲れを見せた。

 

すぐにイルちゃんに促されて、絹糸を確認。

 

まずこれを布にしなければならないのだが。

 

専用の器具が必要になるだろう。

 

それくらい鋭い。

 

普通の糸繰りではとても無理だ。

 

一旦慎重により分けて、半分こにわける。

 

その作業には、ハルモニウム製のピンセットを使ったのだけれど。

 

それも冷や冷やさせられながら行わなければならなかった。

 

「これは、触るのが怖いね」

 

「最上級の素材はそんなものよ。 ただ、これを防具に取り入れられたら、さっきの音波攻撃くらいなら耐えきれるかも」

 

「イルちゃんの負担が減るね」

 

「……そうね」

 

複雑そうなイルちゃん。

 

いつもシールドで敵の猛攻を防いで、その度に吐血するほどのダメージを受けている。彼女は盾では無く剣として戦闘では振る舞いたい様子なのだが。

 

それも厳しい。

 

攻撃に関して、あまり才覚が無いのかも知れない。

 

「お姉ちゃん、私が増やしてみるのです?」

 

「ううん、それはまだちょっと危ないと思うから、森をもう少し探してみよう」

 

「その方が危険ではないのです?」

 

ツヴァイちゃんの言う事ももっともだが。

 

だが、こんな強力な素材、増やしたりしたら、それこそツヴァイちゃんの命が危ないかも知れない。

 

元々複製の錬金術は、相当な消耗を伴うのだ。

 

しかもホムでも使える者が少ない。

 

人材という意味でもツヴァイちゃんは貴重で。

 

そんな大事な人材に、無理はさせられない。

 

他にも、採取しためぼしい素材をより分けていく。

 

先ほどの油の実。

 

アブラ木の実というらしい。

 

そのままアブラ木の実だから、だが。

 

臭いが強烈な分、確かに高純度の油が出ている。これは瓶に保存した方が良いだろう。

 

イルちゃんに半分これも譲渡。

 

他にも、珍しい木の実や、珍しい花や葉もある。

 

だが、品質は必ずしも最高峰、とは行かないようだ。

 

それに、一つ気になる事がある。

 

小首をかしげていると。

 

アングリフさんが代弁してくれた。

 

「何だかよ、どれも新しいな」

 

「アングリフさんもそう思います?」

 

「俺も金になる話や素材についてはある程度見知っているからな。 その絹糸、確か屋敷が建つような代物だろ? 前に一度だけ商品として加工されたものを見た事があるんだが、ちょっと手が出せる代物ではなかったな。 で、だ。 どれもこれも、どうも最近森の中で生えてきたように鮮度が高い」

 

「何かしらね……」

 

イルちゃんが腕組みして考え込む。

 

だが、考えても分からないだろう。

 

先に仕留めた獣を捌いて肉も取れたし。

 

わたしはちょっと苦手だけれど、食べられる野草もたくさん採取できた。

 

底なしに素材を飲み込んでくれるコンテナは、まだまだ余裕があるけれど。

 

使える分は、適宜使って行く。

 

皆で食事にする。

 

アードラの肉を贅沢に使い。新鮮な野草を炒めて作ったソテーと。角のある草食獣を美味しく煮込んだスープをレヴィさんが作ってくれたので、皆で有り難く食べる事にする。ソテーには細かく砕いたクルミの実も入っていて、とても贅沢だ。

 

存分に美味しい。

 

少し気を張ったので、食事の後は交代で休憩する。

 

ドロッセルさんは、最近意図的に時間を作っているからか。せっせと脚本作りに精を出しているようだ。

 

カルドさんは休憩時間を利用して、論文を書いている。

 

手元にある写し取ってきた資料などを参考にして、色々と書いているようだが。

 

いつもの柔和な雰囲気と裏腹に。

 

論文を書いているときは、近付きがたい非常に険しい、真剣な表情だった。

 

わたしも適当に休みながら。

 

採取した珍しい素材で何を作るか考える。

 

絹糸はもっと欲しい。

 

しかし、森の中を威力偵察するだけでは、簡単にたくさん手に入れられはしないだろう。

 

少なくとも、全員分の防具に必要なだけの量を揃えるには。

 

並大抵の努力では無理なはずだ。

 

ぼんやりとしている内に寝落ちして。

 

夜明けと同時に起きだす。

 

もう起きていたツヴァイちゃんが、せっせと収集品についてまとめていた。見せてもらうが、今までお店で買ったり、緑化した土地の森の中で得られた素材とはまるで別物の、図鑑でしか見た事がない珍しい品ばかりが並んでいた。

 

今回の採取品は、イルちゃんと半分こすることで決めているが。

 

イルちゃんも今回はまず生きて帰ることを優先したがるだろう。

 

それにこれは威力偵察だ。

 

いずれ安全に、このクラスの品を手に入れられるようにしたいのだが。

 

そうも行かないだろう。

 

貴重な素材ほど。

 

危険な場所に行かなければ。

 

手に入れる事は厳しいのだ。

 

皆が起きだしてから、外に出て、再び探索に戻る。せっせとカルドさんが、森の地図と危険地域について記している。

 

今度本格的に調査することになったら、パイモンさんにも声を掛けたい。

 

きっと、助けになってくれるはずだからだ。

 

 

 

昨日見かけた悪夢のような広間を避け、森を丁寧に見て回る。

 

一瞬でも気を抜くと、毒沼に足を踏み入れかねなかった。

 

しかも毒沼の中には、得体が知れない触手が蠢いている。

 

足を突っ込んだら、即座に足が溶けて消えかねないような毒沼の縁には。図鑑にも絶対に近寄るなと書かれている、凶悪な毒を垂れ流す紫色の木が、堂々たる姿をさらしていて。その根元には、多数の骨になった獣の残骸が散らばっていた。

 

ちょっとばかり危険すぎる。

 

森の中を彼方此方行き来しつつ、少しずつ高度が上がっているのが分かる。

 

或いは、帰りはもう開き直って、森の中を空飛ぶ荷車で低空飛行して一気に抜けるのが良いかも知れない。

 

踏むことがトリガーになっている罠は多数ある。

 

更に、この間のドラゴン戦で痛感した結果。

 

今、荷車はハルモニウム(前に作った型落ちだが)で装甲を固めている。

 

あの音速を超える根でも、貫通することは出来ないはずだ。

 

ドラゴンのブレスを防ぎきれるかは少しばかり自信が無いけれど。

 

根くらいなら、何とでもなるだろう。

 

また開けた場所に出る。

 

とはいっても、少しだけ。

 

日が差し込んでいて、獣道になっている、くらいの場所だ。

 

此処は戦闘になる危険がある。

 

周囲も獣だらけだし、此方を見て常時警戒している。ただ獣たちも、よく見ると、何だか若い。

 

巨大なのだが、風格がない。

 

ひょっとして、この辺りで。

 

最近何かが起きたのかも知れない。

 

その結果、植物も獣も急成長した。

 

あり得る話だ。

 

この森は昔から禁忌の森と呼ばれていたようだが。

 

何かの理由で最近更なる魔境へと姿を変えた。

 

それはもう、疑いのない事実だろう。

 

そして、見る事になった。

 

誰もが息を呑む。

 

丘の向こう。

 

それは、とてもこの世の光景とは思えなかった。

 

森に阻まれて見えづらいが、それは確かに存在している。

 

この辺りからなら、見える。

 

麓から見えなかったのは、多分地形やら何やらの関係が故だ。

 

其処には。

 

無数の巨大な岩が。

 

いや島が。

 

浮かんでいたのである。

 

思わず生唾を飲み込む。

 

あれは自然現象か。

 

だとしたら、100%邪神が関わっているだろう。勿論邪神のテリトリーである事は間違いない。

 

そしてこの森の攻撃的な性質。

 

近年の大幅な変化。

 

何が起きたかは、だいたい分かった。

 

要するに邪神に何かあったのだ。死んだか、大きく傷ついたか。

 

そんな事が出来るのは、他には邪神か、それに近い実力を持つ錬金術師。そしてドラゴンさえ倒せるか怪しい普通の錬金術師では、何人集まっても邪神にはまず勝てない。それこそ世界でも上位の錬金術師が束になるくらいの事をしないと、そもそも勝負にさえならないだろう。

 

ソフィー先生。

 

その顔を思い浮かべてしまう。

 

ほぼ間違いない。

 

あの人が、浮かぶ岩に住んでいる邪神に、何かをしたと見て良い。

 

その結果が、この森のおぞましいまでの異常だ。

 

しばし立ち尽くした後。

 

お姉ちゃんに肩を叩かれる。

 

此処は戦闘が起きるかも知れない場所だ。あまり気を抜かないようにと、注意を促されたのである。

 

アングリフさんもハンドサインを出す。

 

此処を離れるぞ、という意味だ。戦闘のリスクは、この場所では可能な限り回避したい、というのはよく分かる。

 

すぐにその場を離れ。

 

どんどん丘を上がっていく。

 

木々に遮られてはいるけれど。

 

それでも、浮かんでいる島の威容はそれこそ圧倒的だ。見聞院で見た記録によると、人間の錬金術師が城を浮かせたとか言う話もあるらしいのだけれど。

 

島を浮かせるのはそれともまたスケールが違いすぎる。

 

あれは、人間がやった事ではないだろう。

 

また珍しい素材を見つける。

 

木そのものが、黄金に満ちている。

 

その葉はとても強い、いや帯電するほどの魔力に満ちていた。

 

黄金色の葉だ。

 

確か強烈な回復剤に必須とされるとか言う、薬草の中の薬草。

 

これを越えるものには、ドンケルハイトという伝説の薬草があるらしいが。ドンケルハイトはそれこそ文字通りの伝説。

 

アルファ商会の商品リストでも、確か売り切れ、となっていた。

 

一般人にはどれだけ金を積まれても売らない、という意味なのかも知れない。

 

慎重に、植物を傷つけない程度に。

 

葉を摘む。

 

これを上手く利用できれば。

 

非常に体が厳しい事になっている人も、回復させてあげられるかも知れない。

 

加工次第では、摂理に反して、無理な病さえも癒やすことが出来るかもしれない。

 

それほどの力を感じる葉だ。

 

ただ、図鑑を見る限り、高品質のものとなると、それこそ周囲を黄金で照らすほどの魔力を放っているらしく。

 

これもそれほど品質が高い品ではないのだろう。

 

適切に採取。

 

あっとイルちゃんが声を上げ、アリスさんがさっと口を押さえる。

 

ぎゃあぎゃあと上の方で鳥が鳴いている。

 

森の中で騒ぐと言う事は。

 

獣に袋だたきにされるかも知れない。

 

森を傷つけていると獣が判断したら。

 

どんな風に動いてくるか分からないのだ。

 

イルちゃんを見ると、ちょっとむすっとした様子で、指す。

 

また、何かが出ていった跡の。

 

金の絹糸が。木の間に貼り付いていた。

 

思うにあの絹糸。黄金の葉を食べた何かが作った糸だから、あのような輝きと強度を秘めているのかも知れない。

 

更に、だ。

 

アングリフさんが手招きしてくる。

 

木陰に隠れて、様子を窺った先には。

 

体を丸めて、大きくあくびをしている。全身黄金色の鱗に覆われた、ドラゴンの姿があった。

 

あれが目撃報告があったというゴルドネアだろう。

 

中級ドラゴンという事は、この間戦った湖底の邪竜(上級とは言え弱体化していたので)に匹敵する実力を持っているかも知れない。

 

森の中だから静かにしているが。

 

近付くのは自殺行為だ。

 

頷くと、離れる。

 

もう少し、丘の上の方まで上がって、それで威力偵察は切り上げる事にする。

 

命が幾つあっても足りない。

 

わたしは、声を殺して歩きながら、何度も、何十度も思わされていた。

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