暗黒錬金術師伝説7 暗黒!フィリスのアトリエ   作:dwwyakata@2024

20 / 150
4、凶獣駆除

街から出てきた物資補給班の中にフィリスがいる事を確認したティアナは、先回りして行動。

 

そして途中で、匪賊が巣穴から出て、襲撃を目論んでいる様子を確認した。

 

まあそうなるだろう。

 

街に籠もられている所を襲うよりも。

 

出てきた所を狙う方が戦果を得やすい。

 

特にフィリスはまだ子供。

 

肉も軟らかくて美味しい、というわけだ。

 

舌なめずりしている匪賊達は、武装して、出陣する準備を整えていた。岩場に辿りつく頃に襲撃。つまり街から一番離れた所を襲うつもりだ。そして、崖の上から岩を落として、機先を制するつもりなのか。山の中に入り始めた。

 

そして、ティアナとでくわした。

 

満面の笑顔のティアナ。

 

先回りしていたのだから当然だ。

 

なんでこんな所に子供が。

 

そう思った様子の匪賊達だが。

 

すぐに獲物が増えたと、笑みを浮かべ。

 

その笑みを浮かべた頭が、胴体から離れるのに、瞬き一つも時間は掛からなかった。

 

遅い。

 

たまに手応えがある匪賊もいるが。

 

今年斬ったのはどれもこれも弱すぎる。

 

だから遊ぶことにする。

 

最初のは一太刀で首を胴体から切り離し。

 

次のは胴体を切った後、首を胴体から切り離し。

 

その次は両腕を切りおとした後、首を胴体から切り離す。つまり順番に斬る回数を増やしていく。

 

首から上は、串刺しにして並べるために、無事なまま残しておく。

 

これは大事な事だ。

 

楽しい狩りを。

 

より楽しくしなければならないからである。

 

一匹斬るごとに。

 

斬る回数を増やす。

 

十五匹目を斬ったときには。

 

既に匪賊共は逃げ腰になり。

 

逃げ散り始めていたが。

 

一匹も逃さない。

 

全部まとめて斬り伏せる。

 

巣から出てきていたのは皆殺しにした。

 

首から上を回収すると。

 

後の死体は、渡されている音の出ない発破で焼却。

 

首を入れる籠も、ソフィーさんが作ってくれているもので。コレに入れると重さを感じないのだ。

 

勿論返り血も。

 

傷も。

 

一つも受けていない。

 

そのまま、大股で歩いて。

 

匪賊の巣に。

 

残っていたわずかな連中は。

 

堂々と歩いて来るティアナを見て、ぽかんとしていたが。

 

次の瞬間には、目の前にいるティアナを見て、硬直し。

 

そして首を斬り飛ばされていた。

 

最後の一匹。

 

首領を残しておく。

 

首を拾って、籠に入れているティアナを見て。

 

腰を抜かしたひげ面のヒト族の首領は、震えながら言う。

 

「な、何だお前! 何がしたいんだ!」

 

「オモチャで遊んでるだけだよ」

 

「ひ……」

 

ティアナの声は。

 

氷点下だ。

 

匪賊として、悪逆の限りを尽くしてきた男が、何をしても勝てないと悟らされて。震えあがっている。

 

此奴らは人間を喰らう。

 

人間を止めた時点で、駆除しなければならない害獣と化した存在だ。

 

さて、どう嬲って殺すか。

 

そう思っていたら。

 

首領の後ろにいつの間にかソフィーさんが立っていて。

 

首領が振り向く前に。

 

撫でるようにして。

 

首をもぎ取っていた。

 

前のめりに倒れる首領。

 

その体は、地面に接触する前に、溶けるように燃え尽きていた。

 

「はいティアナちゃん、これ欲しかった?」

 

「わあ、ソフィーさん、ありがとうございます!」

 

ばしっと礼をするティアナ。

 

ソフィーさんは、数人の護衛を連れていたが。

 

護衛が手を出す必要もなかった。

 

護衛達は匪賊の巣を確認。

 

殺された人々の骨を埋葬する作業と。奪われた財宝類の回収を開始していた。

 

持ち主が分かる場合は遺族に返却し。

 

そしてそれ以外は、アルファ商会を通じて、殲滅した匪賊から回収したという名目で、近くの街に渡すのだ。この場合はメッヘンになるが。

 

作業は彼らに任せて。

 

ソフィーさんは、ティアナに話を聞いてくる。

 

「どう、ここのところのフィリスちゃんは」

 

「頑張ってます! 全然関係がない街のために、それこそ身を削る勢いで!」

 

「ふふ、元気が良くていいね。 ティアナちゃんも、フィリスちゃんも」

 

「光栄です!」

 

何度も頭を下げるティアナ。

 

そして、籠に入れている生首を自慢するが。

 

ソフィーさんは、此処には飾らないように言った。

 

フィリスが見るかも知れないから、というのが理由らしい。

 

今回そもそもティアナが出るよう指示された理由は、まだフィリスが人を殺すのは早い、というものらしい。

 

そうなると、確かにティアナのコレクションをフィリスが見ると、ショックを受けるかも知れない。

 

残念だけれど、別の所に飾るしかないか。

 

いずれにしても大好きな人の言葉だ。

 

逆らうという選択肢は無い。

 

犬だったら尻尾をぱたぱた振っていただろう。

 

ティアナは、大好きな人と話せる時間を大事にしていた。

 

「ソフィーさんは、今はどの辺りで働いているんですか?」

 

「今はライゼンベルグ周辺で、ネームドを駆除して回っている所だよ。 ちょっと強いのが多すぎるから、駆除が大変かな」

 

「でも、手間が掛かるだけですよね。 ソフィーさんが負ける所なんて、想像できないです!」

 

「うふふ。 ティアナちゃんには期待しているからね」

 

ティアナは頭を撫でられて。本当に天にも舞い上がる気分になった。

 

よし、これからも影からフィリスを守って。

 

匪賊を斬って斬って斬りまくろう。

 

そう思った。

 

 

 

(続)




隣街の水害に対する戦いに加わるフィリス。

公認錬金術師になる、という以前に人としてそうするべきだと思ったから、フィリスは力を使います。使う事を躊躇っていたら、多くの不幸がでるのだから。

そんなフィリスを見守る幾つもの影。
それぞれの思惑が違っています。

現在本作は一章分の内容を二日に分けて投稿しています。このペースについて意見をお聞かせください。

  • このままでいい
  • 一日で一章がいい
  • 更に分割して欲しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。