暗黒錬金術師伝説7 暗黒!フィリスのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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1、いにしえの負債を崩せ

翌朝も日の出と同時に作業を開始する。

 

人夫は定期的に入れ替えているようで。どちらかというと、力仕事が出来ない人が回されてくる様子だった。

 

多分若い人や働き盛りの人は。

 

ドナの方で、主要産業を支えているのだろう。

 

豊かな街であるドナだけれども。

 

それでも、誰もが何もせず食べていけるわけではない。だから老人や子供の貧困層が、人夫として赴いてくる。

 

幸い様々な補助装備のおかげで、労働による負担は大きくは無い様子だけれど。

 

わたしも錬金術の才能がなかったら。

 

こういう仕事をしていたか。

 

もう結婚して子供を産んでいたのだ。

 

この世界は平等では無いし。

 

豊かでも無い。

 

働いている人達には、せめてわたしの目が届く範囲内では。不平等では無く、生きていけるようになってほしい。

 

それがわたしの願いだ。

 

まず、危険地帯に踏み込む前に、岩の除去を始める。わたしが昨日めぼしい岩は砕いておいたけれど、それでもまだ邪魔なのがある。それを更に細かく砕き、ドロッセルさんや力自慢の戦士が荷車に乗せ。人夫が荷車に指示を出して捨てに行く。今後緑化の予定が無い地点に捨ててしまうのだ。

 

岩を砕く段階で、貴重な鉱石が出る事もある。

 

それについてはわたしが貰って良いことになっているので、貰っておく。

 

また捨てるといっても、いずれ荒野を全部緑化するのだし。最終的には徹底的に砕きたい所だ。

 

荒野に転がっているのが岩だと言っても。

 

あまり無為にうち捨てるのは良い気分がしない。

 

鉱物は何というか、とてもドライだ。

 

声を聞く限り。

 

売られようが、捨てられようが、まったく気にしない。

 

考えて見れば、わたしが踏んでも何も文句を言わないし。

 

わたしが砕いても痛いとも言わない。

 

むしろどうすれば砕けるかを丁寧に教えてくれる。

 

この声を聞く限り。

 

わたしからは、鉱物達はとても優しくて、人間よりもずっと心も出来ているようにしか思えない。

 

だから、せめて。

 

使える分は、丁寧に使わないといけない。

 

学者先生はわたしの技を見て驚いていたが。相変わらずどうしてかお姉ちゃんがくると、露骨に距離をとる。

 

お姉ちゃんはどうしてか、わたしとカルドさんの間に入りたがるが。

 

カルドさんは雰囲気的にも落ち着いているので。

 

理由はよく分からない。

 

ただ、何となく法則性が分かってきた。

 

大人でも、男性や魔族、獣人族やホムとは普通に話せている。

 

大人のヒト族、それも女性から距離をとっている。

 

何だろう。

 

そういえば、少し前に。

 

レヴィさんに露骨に乳臭い子供扱いされて、むっとした事があったが。

 

考えて見ればわたしはちんちくりんのひょろっひょろ。

 

そう言われても仕方が無い。

 

もしかして、お姉ちゃんは。

 

カルドさんが子供しか好きじゃない人じゃないかと、心配しているのだろうか。

 

でも、その手の人は、ホムに対しても執着を示すと聞いている。

 

ホムは男性女性関係無く、大人になってもヒト族の子供によく似た容姿をしている。

 

しかも人間と交配不可能なので。

 

昔は色々と良くない歴史があったという話も聞くし。

 

何より匪賊には真っ先に狙われるとも聞く。

 

肉が美味しいし軟らかい、というのが理由だそうだ。

 

カルドさんはホムに執着している様子も無いし。

 

わたしと話すときも別に嬉しそうにはしていない。

 

だから杞憂では無いのかな、と思うのだけれど。

 

まあでも、人の本心が常に表に出ている訳では無いし。

 

ロクな人数と接していないわたしでは。

 

分からない事も多いか。

 

邪魔な岩の処理完了。

 

上空を旋回している魔族の戦士が、警戒のサインを出してくる。

 

一斉に皆が構える中。向こうで爆発音。

 

断末魔が聞こえ。

 

そして、魔族の戦士が、問題なしとサインを送り直してきた。

 

オレリーさんだろう。

 

一瞬だ。

 

凄いと言うほか無いが。

 

一方で、どうやって戦ったのかは、興味があった。

 

後方を耕し、緑化作業をして貰いながら。

 

わたしは既に充分な量用意している栄養剤と肥料の在庫についてチェック。此処までの地盤はかなり固く。

 

掘り崩し、耕すのに兎に角時間が掛かった。

 

屈強な戦士達には頑強な農具が渡されているのだが。

 

それでも、この乾ききった、死んだ大地に空気を入れ直すのは大変だったのだ。

 

栄養も全く無い死んだ土地。

 

だが、何となく分かってきている。

 

エルトナの周辺もそうだったが。

 

この世界では。

 

死こそがむしろ当たり前。

 

獣は何故生きていられるのかがよく分からない。

 

「カルドさん、と呼んでも良いですか?」

 

「かまわないが」

 

「カルドさんは、この死んでしまった街の、何を調べているんですか?」

 

「僕は標の民と呼ばれる一族でね。 ラスティンと契約して各地を調べているが、元々各地を調べて、失われてしまった技術や文化を、可能な限りサルベージする仕事をしているんだ」

 

なるほど。

 

でも、話に聞いたのだが。

 

あからさまに危険度が高すぎる場所に、平然と踏み込んでいたと聞いている。

 

そう聞くと。

 

カルドさんは、腕組みして考え込み。

 

そして答えてくれる。

 

「僕はこれでも新米でね。 何しろ姉が辣腕だったもので、僕はその補助ばっかりしていたんだ」

 

「お姉さんがいるんですか? わたしと同じですね」

 

「……ああ、そうだね」

 

意外にしゃべり方は柔らかいし、わたしと話すときもきちんと目を見てくれる。

 

ただ、お姉さんという単語が出てきた時。

 

恐ろしいものを語るような口調だったのがちょっと気になったが。

 

遺跡の一部を崩し始めるのだが。

 

まったをカルドさんが掛ける。

 

そして、崩される前に、石畳や、崩壊した家を調べ始め。中にある崩れた彫刻や石材などをメモし、或いは運び出していった。

 

「すまない、少し此処を避けて作業をして貰えないだろうか。 貴重な文化資材などは此方で回収する」

 

「別にかまわないが、回収するって何処に」

 

「昔は一族総出で運び出していたのだが、最近ある錬金術師にこういうものを作ってもらってね」

 

カルドさんが取り出したのは、袋のようなものだ。というのも、何かを入れるように作っているとは思えないほど口が広い。

 

それにものを突っ込むと。

 

次々に入っていく。

 

魔術の一種だろうか。

 

いや、錬金術師に作ってもらったと聞いている。

 

それならば違うのだろう。

 

「これで標の民の本拠に文化資材などを送ってしまう。 最悪の場合は、僕自身が入る事で、難敵からも逃れられる」

 

「これはまた便利だな」

 

「ただ一方通行だから、いざという時にしか使えない」

 

「ああ、それで遺跡を一人で彷徨いていたのか。 納得したよ」

 

バッデンさんがからからと笑う。

 

カルドさんはわたしからみても、お姉ちゃんやレヴィさんと実力的にそれほど離れているようには見えない。

 

銃弾一発で死ぬようなヤワな人間なんてあんまりこの世にはいないし。

 

鍛えた戦士になると、銃弾程度表皮ではじき返すという話も聞いている。

 

だから銃使いは少ない。

 

お姉ちゃんに聞いた話だ。

 

錬金術で作った弾丸などになると話は別らしいのだが。

 

この人は、或いはその、錬金術で作った弾丸を使っているのかも知れなかった。

 

いそいそと作業を進めるカルドさんを横目に、わたしも動く。カルドさんは貪欲に石畳から何から、袋に突っ込んでいた。

 

やがて、問題ないと手を振って来たので。

 

廃屋を崩し。

 

城壁の名残も壊してしまう。

 

この辺りの石材には使えそうな部分も多い。

 

使えそうな石材に関しては、相談した後、ドロッセルさん達力自慢に頼んで、キャンプの方に運んで貰う。

 

その内この辺りに休憩所などを作る時に使えるだろう。

 

加工してある石材は、相応に貴重だし。

 

此処のは劣化してしまっているとは言え、錬金術で強化されている節もある。

 

獣の襲撃くらいなら。防ぐ事も出来るはずだ。

 

邪魔な遺跡の一部を崩しながら。

 

今までの半分以下のペースで、緑化作業を進めていく。

 

もう少し行くと、土が汚染されている地点に出る。

 

それについても、対策は既に話し合い済みだ。

 

日が暮れてきたので。

 

一度キャンプに戻る。

 

既に四ヶ所にキャンプは増えていて。

 

その度に増員が掛かっている。

 

ドナの街はかなりの人員を有する大都市だが。

 

既に戦士だけで四十五人、人夫も二十人ほどが此処で作業をしていた。しかも交代制で、である。

 

最前線に出てきている戦士は十五人いる事を考えると。

 

巡回と、軌道に乗った地点の緑化でも、かなりの人員が動いている。

 

時間がある時にバッデンさんに聞いたのだけれど。

 

現時点で、ドナの人口は三千七百に少し届かない程度だそうである。

 

となると、ドナの人口の五十分の一弱がここに来ている訳で。

 

更に後方支援要員も加えると、五十分の一を越えるはずだ。

 

戦士に至っては、ドナの専業戦士の三割近くがこの作戦に参加しているらしく。

 

それを考えると、相当な大規模計画である。

 

フルスハイムのあの状況を考えると。

 

ドナへの安全通路を作ることは。

 

急務なのだ。

 

わたしとしても、それはよく分かっているので。

 

手は抜けないし。

 

急がないといけない。

 

キャンプで、進捗を確認。

 

耕した地点と。

 

明日耕す地点を確認。

 

カルドさんが、調べたい地点を提案。

 

わたしたちが耕している間、周囲を確認して、めぼしい場所に目をつけていたらしかった。

 

バッデンさんが苦言を呈する。

 

獣人族であるバッデンさんだが、苦々しく思っているのは、何となく分かる。

 

エルトナにも獣人族はいたし、表情くらいはわたしにも読めるのだ。

 

「学者先生、城壁を崩すときとか石畳をひっくり返すときはいいんだがな、廃屋にホイホイ入るなよ。 何がいても責任もてないぞ」

 

「分かっている」

 

「もう少し用心してくれよ。 一応俺らが側にいるとはいっても、獣の中には擬態する奴もいるからな」

 

「擬態?」

 

わたしの質問にお姉ちゃんが教えてくれる。

 

壁や床、或いは場合によっては岩などに化け、獲物を襲う獣がいるらしい。

 

或いは、体の色などを変えて姿を隠したり。

 

恐ろしいほど巧妙に気配を消して、獲物を襲うのだそうだ。

 

思わずひっと声が出たが。

 

カルドさんが怖れている様子は無かった。

 

この人、怖いものはないのだろうか。或いは、本当に怖い目にあった事がないのか。いや、そういう決めつけは良くない。もっとじっくり様子を見て人となりを知るべきだ。

 

会議が終わって、一旦解散。

 

ドロッセルさんが水使いたいというので、蒸留水をくみ出す。すぐに炉を使って沸かす。女性陣がアトリエの奥で脱いで体を拭き始めたのを察したのか。

 

レヴィさんは無言でふらりとアトリエを出て。

 

カルドさんは慌てた様子でアトリエを出た。

 

何だろう。

 

妙な違和感を感じる。

 

気になったので、アトリエの外に出たカルドさんに聞いてみる。

 

「カルドさん」

 

「なんだい」

 

「カルドさんって、ひょっとして女の人苦手ですか?」

 

直接的すぎたのか。

 

カルドさんが噴く。

 

非常に真面目そうなこの人だが。

 

こんなリアクションも見せるのか。

 

「な、なんで」

 

「お姉ちゃんやドロッセルさんと露骨に距離とってますし、無害なウィッテさんまで避けてましたし」

 

「そ、それはだね」

 

「でも「女の子」が好きな人にも見えないんですよね」

 

側で聞いていたレヴィさんが真っ青になって引く。

 

いつの間にか、側で着替えも身繕いも終えたお姉ちゃんが、真顔のまま立っていたからだ。いつからそこにいたのか。まったく分からなかった。恐怖そのものである。

 

カルドさんに至っては、ひいと悲鳴まで上げていた。

 

わたしだって、時々音速移動してくるお姉ちゃんにはびっくりするのだから無理もない。

 

「フィリスちゃんを、どうするですって?」

 

「違う! 誤解だ! ぼ、僕はその、じょ、女性恐怖症なんだよ」

 

「わたしも女性ですけど」

 

「いや……君くらいのコドモは大丈夫なんだ」

 

むっとする。

 

レヴィさんといい酷い。

 

でも、此処で瞬間沸騰すると話がこじれるだけだ。

 

レヴィさんはレヴィさんで、とっくにその場から姿を消していた。危険を察知する能力には流石に長けている。

 

「……僕は今回が初の単独任務なんだが、半人前の頃僕と組んでいたのが姉なんだ。 この姉が、兎に角恐ろしくて、幼い頃から絶対的な暴君として僕に君臨してきて……今でも思い出すのも恐ろしい」

 

「……」

 

何だろう。

 

この人の言動。

 

お姉ちゃんを怖れるわたしにどこか似通っている気がする。

 

とにかく愛が重いお姉ちゃんに対して、時々わたしも怖い思いをするのだけれど。

 

この人のお姉さんも、凄く怖かったのだろうか。

 

「だ、だから、やましい所とかはないんだ。 その、勘弁して欲しい」

 

「分かったわ。 貴方がフィリスちゃんに手を出さないのであれば何もしないけれど、何かあったら切り刻むわよ。 大事な場所から」

 

「ひ……」

 

「リア姉!」

 

声が氷点下だったので、思わずわたしまで真っ青になる。

 

ぷんすかしながら、戻っていくお姉ちゃん。

 

はあと嘆息するカルドさん。

 

何だかこの人に。

 

ちょっと親近感が湧いた。

 

今の発言も、嘘だとはとても思えなかったからだ。

 

 

 

翌日。

 

城壁の残骸を崩す作業を進めながら、土を耕していく。やはりかなり手強い土だ。しかも、である。

 

鉱物の声を聞いていくと、あまり良くない事が分かってきた。

 

「深い所まで汚染が拡がっています」

 

「本当か」

 

「はい。 鉱物が警告してきています」

 

「……少し深めに掘ってみるか。 森が上手く出来ない可能性がある」

 

バッデンさんが、戦士を集めて、深めに掘り始める。

 

魔族の背丈くらい掘り進めると、案の定だった。

 

どす黒い土が出てくる。

 

フルスハイムへの道中で見かけた、変色している土の比では無い。

 

これは一目でまずい汚染だと分かるほどだ。

 

「こりゃあちっとばかりまずいな」

 

「どうします?」

 

「長老と要相談だ。 フィリスどの、汚染されている土の深さは分かるか?」

 

「少し待ってください」

 

お姉ちゃんに手伝って貰って、穴の底に降りる。底の土には直接触れたくないので、先に浮遊の魔術を使える魔族の戦士に掛けて貰った。わずかに地面から浮いた状態で、鉱物に声を聞くが。

 

どうやらこの地下、ずっと深くまで汚染されているらしい。

 

何でも、錬金術で出る危険な廃棄物を、この辺りにまとめて捨てていたらしく。

 

その汚染が、何百年も残っているそうだ。

 

ほどなく、オレリーさんが来る。

 

話をすると、鼻を鳴らす。機嫌がまた悪くなっているのが分かった。

 

「はん、ここの街が邪神にやられるわけだ。 歴史書は読んではいたが、見境無く錬金術を使っては、廃棄物をいい加減にばらまいていたってわけだね」

 

「オレリーさん、これ、どうしましょう」

 

「植物の根を通さないようにするしかないね。 森が育つ過程で、この程度の深さまではどうしても根が伸びる。 植物の根を通さない素材で、この土を覆ってしまうしか無いだろうね。 汚染された土の処理は私がやるよ。 深さはこの程度でいいから、汚染された土は全て掘り出して、荒野に積み上げておきな。 積み上げる場所については、指示をしておくからメモをしておきな。 それとフィリス、今からいうものを作るんだよ」

 

穴から出ると、口頭でレシピを言われる。

 

ちょっと難しめだ。

 

簡単に言うと硬化剤の一種だが。

 

調合の負担が小さく。

 

より大量に作れるものだ。

 

素材に関しては。周囲にある鉱物を加工することで作る事が出来る。

 

ただし、此処からフルスハイムまでの面積をカバーするには、多分一週間は缶詰になるだろう。

 

砕いた岩を見に行く。

 

これは、先にやるしか無いか。

 

わたしはつるはしを取り出すと、徹底的に砕く。

 

細かくした岩の残骸を荷車に詰め込むと、アトリエに片っ端から運び込む。

 

前線も見に行きながら、調合を進めなければならない。

 

ちょっと厄介だけれど、やるしかないのだ。

 

更に、人夫には少し下がって貰って、今荒野になっている、緑化地点の側の地面を適当に掘り返していてもらう。

 

柔らかくした土を準備しておいて。

 

汚染された土をどかした後。

 

其処に投入するのだ。

 

これらの準備については、バッデンさんと相談して、先に決めてしまう。

 

バッデンさんは頷くと。

 

素直に褒めてくれた。

 

「フィリス、お前頭が回るな。 きちんと先の事まで考えながら動いているじゃないか」

 

「え? そう、ですか」

 

「しかも見習いでこれだろ? ……なあ、長老が後継者を欲しがっているんだ。 公認錬金術師になったら、長老の後を継いでくれないか? お前ほどの有望株がいてくれれば、長老も安心できると思うんだが」

 

こんな事を言われたのは初めてだ。

 

でも、少し考えてから。

 

首を横に振る。

 

「まず、エルトナを何とかしないと……」

 

「ああ、鉱山に引きこもって暮らしてるって街か。 話を聞くだけで悲惨だよな」

 

「はい。 ごめんなさい……」

 

「いや、良いんだ。 これだけやってくれているだけで、ドナにもフルスハイムにも本当に貢献してくれているからな。 さっきの発言は忘れてくれ」

 

ベリアルさんも、バッデンさんも。勿論オレリーさんも。

 

ドナのことを本当に考えている。

 

わたしも、エルトナの事を本当に考えているから、こればかりは譲れない。

 

でも、エルトナをどうにかしたら。

 

少しでも世界全体をよくすることを考えたい。

 

特にフルスハイムの話は、聞けば聞くほど放置出来ない。

 

水運に頼り切った、冗長性の無いインフラは。

 

確かにちょっとしたことだけで致命傷を受けてしまう。

 

各地の集落も。

 

ドラゴンや邪神に襲われたら、余程の凄腕がいなければ、焼け出され、壊滅してしまう。

 

そんな世の中は。

 

どうにかしなければならないのだ。

 

順番に作業を片付けていく。

 

既に必要量の栄養剤と肥料は納品済み。

 

此処からは硬化剤の作成に注力する。

 

後は、戦士達の負担を可能な限り減らせるように。

 

人夫達の作業負担を軽減する方法を、色々と考えなければならなかった。

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