暗黒錬金術師伝説7 暗黒!フィリスのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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2、圧殺駆除

オスカーさんが主導している緑化作業が、橋を渡って、わたし達のキャンプを包むようにして進展し始めた。

 

橋の向こう側の土地は、既に緑化がかなり進展しており。

 

地盤が怪しい場所や、上空から襲われやすい場所などを避けて、かなり通りやすくなっている。

 

確かに手をかざして見ると、既に低木が生い茂り始めていて。

 

草食動物が、植物を過剰に傷つけない程度に、大人しく葉を食み始めているのが見えていた。

 

勿論、フルスハイム東に拡がる広大な荒野から見れば一部に過ぎないのだが。

 

その一部では、かなりの安全性が確保できるというのがとても大きいのである。危険なのは匪賊くらいで。それ以外は、傭兵が気を張っていればどうにでもなる。そういう状況まで、今は改善したと言える。

 

橋と言っても、埋めてしまった峡谷だが。

 

其処も、既に緑化が進展している。

 

ドラゴンが近くの岩山の上にとまって、長い首を伸ばして此方を見ているが。

 

少なくとも、緑化した辺りを焼き払おう、という意思は無い様子だ。

 

ただ流石に危険なので、ドラゴンがいる間は、作業は控えめに、いつでもキャンプに逃げ込めるようにする。

 

また、橋そのものには、常時見張りをつける。

 

東フルスハイム側から様子を見に来る人も、この先は危険だと言う事を説明して、帰ってもらうか。

 

もしくは、よほど大規模な傭兵でも連れていない限りは、そのまま追い返す。

 

アルファ商会が一度来たが、例のグラオ・タールの街が目的らしく。かなりの規模の傭兵を連れていたので、通したくらいだ。何でも魔術を使って峡谷を無理矢理突破するという。お金持ちは良い人材を連れているなあと感心した。

 

ドラゴンがいない隙を狙って、岩山を崩し。

 

崩した岩山は更に細かく砕き。

 

鉱物はより分け。

 

そして準備を整える。

 

途中で、邪魔になりそうな獣。特に大物は徹底排除。毎回の戦いがかなり厳しいが、フルスハイム東でグリフォンを釣りながら倒していたときに比べると、キルシェさんがいる事もあって、戦力も充実している。

 

そのキルシェさんも、数日に一回はフロッケに戻って様子を確認してはいるが。

 

わたしの作った飛行キットをあっという間にコピーして見せた事や。

 

改良して更に大型にし、錬金術を行える小型の小屋を持ってきたことなどを見ても。

 

やはりこの人が、今のわたしやイルメリアちゃんよりも数段格上の錬金術師である事は間違いの無い事実だった。

 

歩調を合わせながら、作業を進める。

 

少しずつ、少しずつだ。

 

マイペースで周囲の緑化をしているオスカーさんも、緑化計画の件で、皆に声を掛けてくる。

 

硬化剤で土を固めてしまう地点について、事前に話し合いが必要だからだ。

 

オスカーさんは植物に関しては厳しいが、それ以外についてはとてもマイペースで。仕事を求めてフルスハイム東から来ている人夫達も、あまり怖がっている様子は無い。更に言うと、時々オスカーさんは見かけからはとても想像できない武勇を発揮して、自分より何倍も大きい獣を叩き伏せている。

 

その辺りが、人夫達を信用させるのだろう。

 

何度か会議を経て。

 

最初の橋を架けてから二週間ほどで。

 

二つ目の橋を復旧する手立てが整った。

 

早朝から、その日は動く。

 

動員できる荷車を全て使い。

 

今まで準備していた石材を、わたしのアトリエのコンテナから引っ張り出し、次々と峡谷へ放り込んでいく。

 

「橋」作成予定地の下も、やはり水が流れていない事は既に確認済みだ。

 

どんどん石材は放り込んでしまってかまわない。

 

コンテナに大量に蓄えていた石材を惜しみなく使い。

 

どんどん埋めていく。

 

激しい音が、どうしても獣を引き寄せるが。

 

ネームド二体を含め、周囲にいる大物は全て片付けた後だ。

 

激しい戦いで、毎回酷い目にあったが。

 

それでもこの作業を行えるだけの準備は充分に整えたのである。

 

陽が昇り始める。

 

獣も活発に動き始める。

 

流し込んでいる岩が、峡谷の上から見えるようになりはじめた。

 

声を聞きながら、どんどん流し込む。

 

時々仕掛けてくる獣は、容赦なく追い払う。

 

流石に戦力差を見て、見ているだけの獣もいるが、近くに来られるだけで面倒だ。お姉ちゃんやカルドさんに威嚇射撃で追い払って貰う。

 

時間との勝負だ。

 

時間が掛かれば掛かるほど。

 

面倒な厄介事が起きる可能性が高くなる。

 

ほどなく、峡谷が充分な石材によって埋め尽くされる。

 

後はグラシャラボラスさんに、例のごとく踏みつけて貰う。上空からの気合いが入った踏みつけで、何度も石材を崩し、安定させる。

 

その度に石材を補充し。

 

丁度良いと判断したタイミングで、硬化剤を投入。

 

ガチガチに固めて、安定させた。

 

良かった。

 

これで二つ目の橋が通る。

 

周囲確認。

 

アングリフさんが声を張り上げて、戦士達が周囲を警戒する中。

 

今度は柔らかく耕した土を、人夫達が運び込み。硬化剤で固めた石材の上にブチ撒け始める。

 

同時にわたしは、橋が安定してから作った、落ちるのを防止するための柵を準備。

 

落ちたとしても坂になっているから、即死するわけではないとは思うが、一応柵は作って置いた方が良い。

 

土がこぼれ落ちるのも防げる。

 

最初の橋を造った後。

 

教訓として学んだ事だ。

 

グラビ結晶を用いた重さ軽減のキットを取り付けて、先に作って置いた柵を運び込み。硬化剤で接着する。

 

きっちり設計通りだ。

 

接着が終わった所で、一度距離を置いて、様子を確認。

 

土まで運び込み終えて。

 

一段落という所か。

 

あと二つ。

 

というか二箇所と言うべきか。

 

橋を通さなければならない。

 

峡谷の構造上、どうしても無理なのだ。

 

橋を通せる狭い峡谷で。

 

なおかつ最短距離で通れるのが其処なのである。

 

そもそも橋が架かっていたのを。

 

何故かドラゴンが攻撃して落とした。

 

それ故に、こんな事をしなければならなくなった訳で。偉そうに近くの山の上から見ているドラゴンは許せない。

 

でも、今は倒せる戦力が無い。

 

故に、やるしか無いのだ。

 

オスカーさんが、土の状態を確認している。わたしは人夫達を下げさせて、一旦緑化が完了している地点まで下がる。

 

さて、此処からだ。

 

実は数日前から。

 

嫌な気配を感じるようになっていた。

 

数は十を超えている。

 

獣と違い。

 

緑化が終わった森の中に入り込んで、容赦なく踏み荒らしている事からも。正体は明らかすぎるほどだ。

 

匪賊である。

 

この辺りを根城にしていた連中だろう。

 

橋の警戒が強くなって、逃げ出すことも出来なくなり。

 

此方の隙をうかがっている、と見て良い。

 

かといって、此方の戦力は、連日の獣狩りで確認している。

 

だから、迂闊に仕掛ける事も出来ず。隠れて様子を見ている、程度の事しか出来なかったのだろう。

 

新しく出来た橋の方も。

 

オスカーさんが、苗を運び込んで、植え始めている。

 

順番に沿って緑化をしていくのだろうが。

 

例え獣がそれで大人しくなるとしても。

 

匪賊は違う。

 

奴らはむしろ好機とみて、橋を押し渡ろうとするかも知れない。

 

だが、そんな事、許すものか。

 

うっすらと緑地が出来たのを見て、一旦キャンプに撤収。此処から低木が橋を守ってくれるようになるまで、少し頑張らなければならない。ドラゴンがじっと遠くから此方を見ているのも不安だが。

 

それ以上に不安なのは匪賊共だ。

 

わたしのアトリエで、会議を開く。

 

最初に発言したのは、アングリフさんだった。

 

「数人貸してくれるか。 偵察に行ってくる」

 

「空飛ぶ荷車も貸しましょうか?」

 

「いや、歩く。 アードラの大きいのが何体かいたからな。 手練れを使って、地上から様子を見に行きたい」

 

「分かりました」

 

アングリフさんが指名した戦士が数人、立ち上がる。

 

彼らは皆、フロッケから来てくれた手練れだ。実力については、獣狩りやネームド狩りで見せてもらっている。

 

いずれも問題は無いだろう。

 

続けて、お姉ちゃんが挙手。

 

厳しい表情をしていた。

 

「間違いなく匪賊がいるわよ。 恐らくこのキャンプが、もう一つ次の橋を架けるために動くタイミングを狙って仕掛けてくると見て良さそうだわ」

 

「匪賊は見敵必殺が基本」

 

お茶を飲みながら、キルシェさんが言う。

 

イルメリアちゃんも頷いた。

 

わたしも、既に匪賊を処刑するところを見たし。彼らが何の躊躇も無く、子供をさらって喰おうとするところも見た。

 

一切容赦は出来ない。

 

「それならば、誘き寄せて一網打尽にしよう、リア姉」

 

「連中はこの荒野で生きているのよ。 舐めて掛かるのは危険だわ」

 

「……」

 

不意にお姉ちゃんの服の袖を引くのは。

 

ツヴァイちゃんだった。

 

まさか。

 

「私が、エサに……なるのです」

 

「待って、ツヴァイちゃん。 そんな事、しなくても」

 

「数字、管理する……くらいしか、できなくて。 くやしいの、です。 それに……まだ戦える力もないのです。 出来る事……これくらいしか」

 

手が震えている。

 

怖いのは嫌と言うほど分かる。

 

匪賊によって、どんな悲惨な目にあったか、知っている。

 

だから、ツヴァイちゃんが未だに恐怖を抱えているのは、よく分かる。

 

アングリフさんが大きく嘆息した。

 

「やらせてやれ」

 

「ちょっと、アングリフさん!」

 

「敵の規模は十前後。 俺もそれは確認している。 フィリス、今作れる最高の防御の道具、渡してやれ。 それと絶対にしくじるなよ」

 

「はい」

 

頷く。

 

そして、わたしは、いつかツヴァイちゃんが戦いたいと言い出したときのために、準備しておいた道具類を、コンテナから取り出した。

 

手袋。マフラー。獣のアロマ。それにグナーデリング。

 

いずれも身体能力を極限まで引き上げる。

 

更に、たくさん作ってコツを覚えたから。

 

最初の頃の品とは、質もまるで桁外れだ。

 

自分の手で、身につけるように教える。

 

ツヴァイちゃんは賢いから。すぐに覚えた。

 

その様子を見ていて不安になったのか、キルシェさんが挙手する。

 

「私が囮になるのでは?」

 

「あー、お前さんは駄目だ。 連日前線で戦ってただろ。 匪賊も錬金術師が相手だと、流石に分が悪いことを知ってる。 此処で奴らの好物であるホムの上、非戦闘員であるツヴァイが出る事に意味があるんだ」

 

「……」

 

ツヴァイちゃんをぎゅっと抱きしめると、頑張ってと耳元に囁く。

 

震えているのが分かる。

 

でも、乗り越えようとしているのも分かる。

 

一匹でも捕まえれば、後はパイモンさんに教わった、尋問の魔術によって、他のも一匹残らず一網打尽だ。

 

勿論、パイモンさんも厳しい表情である。

 

協力してくれるだろう。

 

打ち合わせを綿密にする。

 

そして、策を開始した。

 

 

 

まず、キャンプをアングリフさんが出る。早朝だが、匪賊共は見張っているはずだ。気付いているだろう。

 

魔術なんて、誰だって使える。

 

匪賊にも使える奴がいる。

 

流石に匪賊化する錬金術師は考えにくいが、アルファ商会などの隊列を襲って、質が低い錬金術の道具を持っている可能性はある。この辺りの匪賊は、匪賊の聖地と言われる程の数が集まっているのだ。今まで橋が架かっていた頃、此処を通ろうとして襲われ、殺された錬金術師もいただろう。

 

油断だけは絶対にするな。

 

何度も念押しされた。

 

そして、ツヴァイちゃんがわたしのアトリエを出る。

 

キャンプの備品の確認を開始。

 

この作業自体は、いつもと同じだ。

 

違う事をすると、それだけ警戒させる事になる。

 

そして今回。

 

キャンプはいつもより手薄になっている

 

其処につけ込む隙がある。

 

そう錯覚させるのだ。

 

お姉ちゃんが物見櫓に上がって、周囲を確認。既に所定の位置についているわたしは、少なくともお姉ちゃんの視界に匪賊がいない事はそれで察した。敵にしても、此方の監視のローテーションくらいは把握しているはず。

 

そういう連中を相手にしているのだ。

 

鉱物の声が聞こえる。

 

足音がするよ。

 

人間のものだよ。

 

頷く。

 

だけれど、わたしは心の中で否定した。

 

違う。匪賊は人間じゃ無い。

 

声をもっと良く聞く。それによって、鉱物達は丁寧に教えてくれる。相手の体格や人数、種族まで。

 

ゆっくり、顔を出す。

 

拡大視の魔術を展開。

 

確認した。

 

人数は四人。

 

身を伏せて移動しながら、舌なめずりして、キャンプに接近している。周囲の緑化した地形を上手く利用している。

 

驚くべき事に、錬金術で展開したトラップも回避している。

 

なるほど、獣が引っ掛かるのを見て、何処にあるのか察知していた、と言う事か。

 

そうまでして、子供の肉を食いたいのか。

 

怒りを抑えろ。

 

自分に言い聞かせながら。

 

ゆっくりと、呼吸する。

 

奴らは、ツヴァイちゃんをじっと見ている。キャンプを移動しながら、備品の確認をしているツヴァイちゃんを狙っている。食べるためにだ。匪賊にとってホムはごちそう。それだけが、視線で分かる。

 

一人が、弓を取り出す。

 

いわゆるロングボウではなく、小型の弩だ。

 

小さくとも、その威力は強烈で、矢が突き刺さりでもしたら大人でも当たり所によっては即死である。

 

狙っているのは、足か。

 

動けなくして、かっさらうつもりなのだろう。

 

アングリフさんには恐れ入った。

 

此処までの動き、全てアングリフさんの予想通りだ。

 

仕掛けてくる人数は恐らく四人から五人。

 

ツヴァイちゃんは元々キャンプの備品をチェックしていた。それを匪賊も知っている筈。

 

そして、ツヴァイちゃんが、櫓の死角に入った瞬間、足を狙い。

 

悲鳴を上げてから、誰かが駆けつけるまでにさらって逃げる。

 

だが、匪賊共の動きが分かっている以上。

 

それ以上はさせない。

 

弩の矢が放たれ。

 

ツヴァイちゃんが倒れる。

 

この瞬間。

 

歓喜に油断した匪賊達の運命が決まった。

 

一人が落雷によって瞬時に炭になり。

 

更に二人の喉に、飛来した剣が突き刺さる。

 

愕然と立ち尽くす最後の一人を。

 

グラシャラボラスさんが、頭上から降り立ち。地面に組み伏せた。

 

かなり体格が良い獣人族の男だったが。流石に魔族とは体格が違いすぎる。しかも今は、まだ陽が出きっていない。

 

つまり、魔族の力が更に倍になる時間帯だ。

 

隠れていたパイモンさんとイルメリアちゃんが出てくる。

 

続いて現れたキルシェさんが、水瓶を取り出すと。其処から、大量の水を流して、黒焦げになった匪賊の死体を消火した。

 

喚きながらもがく匪賊の腕と足を、容赦なくグラシャラボラスさんがへし折り。

 

そして、ドロッセルさんが、ツヴァイちゃんを助け起こした。

 

勿論怪我などしていない。

 

身体能力を上げる装備品だけでは無い。

 

要所に鋼板を仕込んでいたのだ。

 

身体能力が上がったから、それを気付かせなかったし。

 

早朝だから、普段と衣服が違う事だって気付けなかった。

 

そして、狙うのは足か胴。

 

そこは特にしっかり固めていた。

 

頭を狙うのは素人だ。普通、動きやすい場所は狙わない。胴を狙って確実に動きを止める。更に腕に自信があるなら足を狙う。

 

お姉ちゃんから習った狙撃の基本。

 

匪賊も、その辺りは忠実に守っていたわけだ。

 

なお頭を狙われた場合を想定して、頭にはレヴィさんがガチガチに防御の魔術を掛けてくれていた。

 

はかられたことを悟った匪賊が喚くが、わたしはその頭を掴むと。

 

躊躇無く、パイモンさんから教わった魔術を展開出来る道具を使用。これは以前パイモンさんが使ったのよりも更に強力なもので、頭の中を直接覗き込む。止めた方が良いと最初はパイモンさんは言ったのだが、無理を言って教えて貰った。わたしは、知らなければならないからだ。

 

案の定、嫌悪しか無い映像が流れ込んでくる。

 

捕らえた旅人を痛めつけ、苦しめ。泣きながら命乞いする旅人を切り刻んで喰らう。

 

意味もなく街に火をつけ。

 

老人が火だるまになって転がり回っているのを見てげらげら笑う。

 

命がけで隊商を逃がして殿軍になった傭兵をなぶり殺しにし、切り刻んで喰らう。

 

此奴らはやはり人間じゃ無い。

 

そして、此奴らのアジトについても、場所を確かめた。どうやら、この近くの峡谷の影。少し峡谷を縄ばしごで降りた場所にあるようだ。

 

わたしは立ち上がると、それを周囲に告げる。

 

愕然としている匪賊の頭を、わたしは躊躇無く杖で叩き潰した。二人目だから、手元を誤る事もなかった。

 

こんな獣以下。

 

掛ける慈悲など無い。

 

そして、残る匪賊は七匹。

 

此処の戦力で、殲滅は充分だ。

 

ただ、相手のアジトにまともに乗り込んだら、それはそれで被害が出るかも知れない。相手が洞窟に潜んでいた場合については、既に策を練ってある。そして今回がその場合だ。

 

「パイモンさん、例のものをお願いします」

 

「おう、使うと良いだろう」

 

パイモンさんが取り出したのは、強烈な刺激物を爆裂させる特殊なクラフトだ。種類としては「催涙弾」というらしい。これは別口で用意して貰っていた。わたしでも作れるが、わたしは他の作業で忙しかったので、分担したのだ。

 

即座に移動。

 

作戦が失敗した事を悟られる可能性がある。

 

空飛ぶ荷車を利用し、峡谷の上を飛ぶ。操縦はわたしがやる。お姉ちゃんには、紐をつけたクラフトを、匪賊のアジトに放り込んで貰う。

 

お姉ちゃんのコントロールは流石で。

 

吸い込まれるように、峡谷の影に隠れてわかりにくい場所にあった敵のアジトへと。クラフトが吸い込まれ。

 

爆裂した。

 

ほどなく、住処を追われた害虫共が。

 

入り口に殺到してくる。

 

其処を、お姉ちゃんとカルドさんがつるべ撃ちにする。

 

悲鳴を上げながら、ばたばたと落ちていく匪賊。

 

降伏する、殺さないでくれとか喚いているのがいるが、どうでもいい。そのまま撃ち殺して貰う。

 

やがて、煙が出ているアジトからは、何も出てこなくなったので。

 

峡谷の底まで降りて。

 

グチャグチャに潰れている匪賊共の死骸を回収した。

 

獣に人間の味を覚えさせないためだ。

 

殆どがヒト族だったが、獣人族も混じっていた。

 

いずれにしても許しがたい鬼畜共だ。

 

キャンプに戻る。

 

そして、死体は。フルスハイム東で見たように焼却処分し。骨は粉々に砕いて、硬化剤で固めた上で、地面に埋めた。

 

此奴らには墓すら必要ない。

 

一番若い匪賊はまだ十代のようだったが。

 

そんな事は関係無い。

 

死体の処理を終えると。

 

ツヴァイちゃんを抱きしめる。ツヴァイちゃんは、最初から最後まで。何も言わず、ただ冷たい目で、処分されるヒトの形をした獣どもの末路を見つめていた。

 

その後、匪賊のアジトを確認。

 

喰われた人の遺骨が残っていたので。此方は丁寧に埋葬。

 

そして再確認する。

 

匪賊に慈悲は不要。

 

情け容赦なく根絶やしにしなければならないと。

現在本作は一章分の内容を二日に分けて投稿しています。このペースについて意見をお聞かせください。

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