暗黒錬金術師伝説7 暗黒!フィリスのアトリエ   作:dwwyakata@2024

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1、退路を断つ

レンさんのアトリエには、オレリーさんが来ていた。どうやら、フルスハイム東の湖の周辺におけるインフラ確保について、話し合いをしていたらしい。

 

現在の時点で、フルスハイムの南の幾つかの集落には、緑化した道が通じたそうだ。

 

これによって、水路と陸路で、避難路が作られたことになる。今後はフルスハイムと連携しながら、周辺の獣や匪賊に対応するべく、計画を進めていくという。

 

わたしはお姉ちゃんとカルドさんと一緒にアトリエに来たのだが(レヴィさんは退屈な話は好まないと言って、街に買い出しに出かけた)。カルドさんは苦手な女性がたくさんいるからか、青ざめて石像のようになっていた。

 

オレリーさんはわたしを見ると、相変わらず不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 

「少しはマシになったようだね。 それで、戦略事業ってのは」

 

「はい。 此方で独自に調査を進めた結果、フルスハイム東の湖の湖底に上級のドラゴンがいる事が確定し、更に力が弱っていることも分かりました。 それを退治するために、湖底まで船で行きます」

 

「ほう?」

 

「具体的には……」

 

昨晩と今日来る途中に、考えたアイデアを披露する。

 

レンさんは驚いていたが。

 

オレリーさんはそれほど驚いているようには見えなかった。

 

多分この人の中では、それくらいは「普通の錬金術」の範疇なのだろう。ソフィー先生クラスまで行かないにしても。この人はライゼンベルグでもトップクラスの錬金術師だった人で、ラスティン全体でも確実に最上位に食い込む実力者なのだ。いや、この世界全体でも、だろうか。

 

「プラティーンベースで装甲した船を泡で覆い、錬金術で炉を作って浮き沈みをコントロール。 浮力、周囲の確認は魔術で制御か。 面白い事を考えたじゃないか」

 

「泡を魔術で固定して、徒歩でもぐることも最初は考えました。 でもそれだと、水中にいる大型の獣には対抗が難しいと思ったので」

 

「確かに船なら潜行できる時間もかなり長くなりますね。 空気を作り出すための手段も確保した方が良いでしょう」

 

「そうですね。 最悪の場合に脱出する手段も準備します」

 

それについては、小型の同型船を連結する形でかまわないだろう。

 

更に、メッヘンとフルスハイムの間を、街道で直通させる話についてもする。レンさんは眉をひそめたが。

 

確かにその道が通じれば。

 

危険地帯と化しているフルスハイムの西を、安全に通行できるようになる。退避路が増える、と言う事でもある。

 

今回の竜巻の一件で。

 

巨大都市フルスハイムのインフラが極めて脆弱だという弱点が露呈したのだ。

 

それを補う事は、幾らでもやるべきだろう。

 

その結論については、レンさんも納得したようだった。

 

「分かりました。 フルスハイムとしても、作業に協力しましょう」

 

「では、此方は此方でやらせて貰うよ。 峡谷の北側、フルスハイム東に向けての街道は、此方主導で行うがかまわないね」

 

「お願いします。 マンパワーは船の建造に回したいので」

 

「ふん。 いずれにしても、北側へのインフラを強化するにはまだまだ手間が掛かるね」

 

現時点でも、フルスハイム北にある集落の幾つかには、装甲船を使わないとまともに物資が送れないし、行き来も出来ないという。

 

非常にまずい状況だ。

 

もしも装甲船さえ太刀打ち出来ないほど竜巻が凶悪化したら。

 

その場合は。文字通りそれらの集落は詰んでしまう。

 

餓死するか、匪賊や獣に襲われるのを覚悟の上で強行突破するか。

 

いずれにしても、多くの住民が死ぬだろう。

 

ただでさえ、この世界は過酷なのだ。

 

エルトナだってあんな状態だった。

 

慎ましく暮らしていた間は影をひそめていた醜悪な本性が。

 

陽の光と富が見えた途端に顔を出し。

 

人々を醜い争いに駆り立てた。

 

ましてや、破れかぶれの状況になった場合。

 

人間はどんなことでもする。

 

匪賊共の記憶を覗いたことや。世界滅亡の記憶を見せられたことは。

 

わたしの心に大きな影を落としている。

 

今後のためにも。

 

もっともっと。

 

出来る事を増やし。

 

力をつけていかなければならないのである。

 

カルドさんの作ったチャートを見せた後。コンテナから、現状ある分のプラティーンを出して、レンさんのアトリエに納入。

 

何、鉱石はいくらでもある。

 

ライゼンベルグに行く途中で緑化作業をした際、余るほど手に入ったのだ。

 

頷くと、レンさんは受け取ってくれた。

 

契約書を作り、サインする。立ち会いはオレリーさんがしてくれた。

 

その後は、ロジーさんの鍛冶屋に行く。

 

相変わらず忙しそうに働いていたロジーさん。会計はエスカちゃんがやっている様子だ。

 

エスカちゃんはてきぱきと働いていて。

 

お金には無頓着そうなロジーさんの女房役として頑張っている。

 

まだ幼いのに、随分しっかりした子だ。

 

ロジーさんに、ハルモニウムを渡して、話をする。

 

お姉ちゃんとレヴィさん。更にカルドさんとドロッセルさん用に、これで武器を仕立てて欲しいと。

 

実際お姉ちゃんは弓の威力不足に嘆いていたし。

 

そろそろ武器の更改が必要なのだ。

 

わたしはつるはしがあるし。

 

色々な道具があるから現状でいい。

 

ロジーさんはハルモニウムのインゴットを手に取ると。

 

久々に触るなと、目を細めた。

 

「品質はまだまだだが、ついに作れるようになったか。 大したものだ」

 

「武器、お願い出来ますか」

 

「分かった、やっておこう」

 

それと、もう一つ頼む。設計図を見せると、小首をかしげていたが、それでも職人。作ってくれるという。ありがたい。

 

ぺこりと一礼。

 

外に出てから、時間を確認。流石にイルメリアちゃんの所に行って戻るには厳しいか。いや、やってしまおう。

 

エルトナの方は即時でやる作業ではない。

 

此方については、往復での事を考えると、出来るだけ時間を短縮するためにも、作業は一度に全て済ませておいた方が良いだろう。

 

装甲船に乗って、フルスハイム東に。丁度来ていたので、乗せて貰う。かなりの乗員と荷物を連日運んでいるようで。

 

作ったばかりのぴかぴかだった頃に比べると。

 

内部はかなり汚れていた。

 

カイさんが嬉しそうに操縦しているが。やはりもう何度かメンテナンスをしているという。

 

急がなければならない。

 

本来、竜巻を無理矢理突破する、というのがムチャクチャなのだ。

 

この船は、そんなに早く消耗する代物では無い。

 

無茶な使い方をしているから、無茶な消耗をしている。

 

それだけなのである。

 

船に揺られている中には、錬金術師もいた。

 

どうやらライゼンベルグへの安全路が通じたらしいと聞いて、此処を通っているらしい。ただ、竜巻を見て尻込みしてしまう錬金術師もいるらしく。まあそういう人はその時点で試験には受からないだろうなと思う。

 

フルスハイム東に到着してからは、一気にイルメリアちゃんの所へ急ぐ。

 

街道はしっかり整備されていて。

 

戦士達が監視と管理をきっちりやってくれていた。

 

時々見知った顔とすれ違うので、手を振って挨拶する。

 

向こうも笑顔で手を振り返してくれるのが嬉しい。絶望しかなかったこの辺りを通れるようにし。

 

匪賊の聖地とまで言われた峡谷に橋を通し。

 

ドラゴンも仕留めてネームドも蹴散らして進めるようにした。

 

その事について、感謝してくれるのは嬉しい。

 

心を闇が覆っていても。

 

光は差し込むのだ。

 

そして、イルメリアちゃんの所についたときには。

 

既に夜になっていた。

 

街はかなり既に出来上がっている。イルメリアちゃんは私を見て驚いたけれど。話を聞くと、頷く。

 

「なるほど。 そんな事業をするつもりなのね」

 

「うん。 それで、イルメリアちゃんのレシピを買いたいの。 シールドのレシピ、売ってくれないかな」

 

「……分かった、良いわよ。 ただし二つ条件があるわ」

 

「なあに?」

 

一つは、その作戦にイルメリアちゃんとアリスさんも参加すること。

 

周囲を見渡す限り、かなりの数の戦士達が働いていて。少なくとも、フルスハイムとメッヘンを通す路が出来。更に潜行用装甲船が出来る頃には、この宿場街は形になる筈だ。イルメリアちゃんがちょっとやそっと離れても大丈夫だろう。イルメリアちゃんに推薦状をもらいに来た錬金術師も何人かいるらしい。まあこの街の場所が場所だし、更にイルメリアちゃんは若い。

 

与しやすいと侮るのも分からないでもない。

 

ただ、イルメリアちゃんが、そんな相手に、容易く推薦状を書くとも思えないが。

 

それについては此方も大歓迎だと伝えると。

 

イルメリアちゃんは頷いて。

 

そしてどうしてか、ちょっとそっぽを向いた。

 

「もう一つは……その。 私達、そろそろつきあいも長いんだし、名前……」

 

「名前?」

 

「短縮して呼んでも良いわよ。 イルメリアだと長いでしょ」

 

「そうかなあ。 じゃあ、イルちゃんって呼んで良い?」

 

好きにしなさいと、自分から言い出したのに。妙なことを言い出すイルメリアちゃん、改めイルちゃん。

 

わたしとしても、それは歓迎だ。

 

いずれにしても、レシピは売ってくれる。

 

見るとかなり完成度が高いレシピだ。これを装甲船に搭載すれば、確かに船を守りきる事が出来るだろう。

 

ただし炉は二つ積んだ方が良いかも知れない。

 

一つは航行、潜行、浮上を。

 

もう一つは攻防を制御する。

 

この攻防を制御する炉に、わたしのブリッツコアと、イルメリアちゃんのシールド。後は色々な魔術を発動できるように仕込む。

 

これで、かなり完成度は上がるはずだ。

 

「それじゃあ、準備が出来たら声を掛けなさい。 此方もドラゴンの素材は欲しかったから」

 

「うん。 アリスさんの武器も、もうハルモニウム製にしているの?」

 

「おかげさまでね。 随分と獣狩りがはかどって助かるわ。 分厚い獣の毛皮と骨が、クリームみたいに切り裂けるんだから。 魔術で防御を固めているネームドになると話が別だけれど、ドラゴンはこんなので守りを固めていると思うと反則ね」

 

「全くだね」

 

苦笑すると、手を振って、すぐに戻る。

 

ちょっと強行軍だが、仕方が無い。

 

わたしが無理をしてどうにかなることなら。それでどうにかする。

 

それくらいはしないと。

 

ただでさえ豹変したわたしに不満を持っている人達は、決して納得しないだろう。

 

更に言えば。わたしと同じ努力を、他の人に強要はしない。

 

人には出来る事と出来ないことがある。

 

わたしには出来る。

 

ならば出来る事を、全力でやるだけだ。

 

イルちゃんは声を掛けたら喜んで協力を引き受けてくれた。これは、パイモンさんにも声を掛けるべきかも知れない。

 

帰り道、レンさんに炉を増やす話をする。

 

これも、地味に時間を取られた。

 

 

 

エルトナに戻ると、予定を一日オーバーしていた。

 

アングリフさんが、何かあったのか聞いて来たが。予定が前倒しで終わったので、イルちゃんの所まで行って来て、協力を取り付けてきたと説明すると。納得して、それで良いと言ってくれた。

 

そして、もう準備は整っているとも。

 

頷くと、わたしは一日休み。

 

翌日早朝、コンテナから荷車と、用意しておいた発破を取り出す。

 

この作業は失敗できない。

 

だから、疲れは取っておかなければならないからだ。

 

エルトナがあった場所に出向く。

 

そうだ、この場所。

 

扉をソフィー先生が吹き飛ばして。

 

一瞬で元に戻した。

 

それから、全てが始まった。

 

圧倒的過ぎる錬金術と言う力を見て。わたしは外の世界に行きたいと思った。全ての始まりの場所だ。

 

その後闇も見た。

 

地獄も見た。

 

だが、それゆえに。わたしは戻ってきた。

 

扉は。

 

エルトナを長年守ってきた扉は既に外されていた。

 

この扉は、鋳つぶすことも最初は検討した。だが、今鉱物の声を聞いても、良く出来ていることが分かる。だから今後山に囲まれたエルトナの壁。その一番外側に設置して、其処で改めてエルトナを守るのだ。

 

長老が来る。

 

その目には、明らかにわずかな怯えがあった。

 

「フィリスや。 本当に、本当にエルトナを爆破してしまうのか」

 

「説明したとおりです。 湖には危険な獣たち、いつ崩れてもおかしくない坑道の中の生活、それに日の当たらない生活が不健康を招く。 何より、もはや今やエルトナは此処です。 地下の旧エルトナではありません」

 

周囲を見回してみせる。

 

建ち並ぶ家々。

 

清潔な水を確保した水源。

 

子供達は笑顔で走り回っているし。皆も相応に満足そうにしている。

 

不満そうにしているのは。

 

家に移る順番を後回しにされた、エルトナの重役達だけだ。

 

実は、「出来損ない」のシールドを、イルちゃんに貰っている。これをその場で展開する。

 

「全員で内部を再確認。 更にシールドに人が立ち寄らないように警備を」

 

「おう」

 

キマリスさんを一とする、ソフィー先生が貸してくれた戦士達が展開。周囲を警戒し、内部を確認する。

 

わたしも一緒に入る。

 

見事なまでにすっからかんだ。

 

家なども全て解体されて運び出されている。

 

家の跡や。

 

ゴミ捨て場などについては、わたしが硬化剤で固めてしまった。その後、掘り出して外に運び出し。基礎などの石材に使った。露出する場所には流石に使わなかったが。それでも、この内部は一旦綺麗な状態にしておきたいと判断したからだ。

 

大丈夫。

 

内部に生命反応はない。

 

お姉ちゃんと一緒に周囲を確認。

 

二人で気配を探って、住民が隠れ潜んだりしていない事をチェックしてから。入念に発破を仕掛け始める。

 

此処に仕掛ければ全部崩れるよ。

 

より鮮明に聞こえる鉱物の声が、教えてくれる。

 

頷きながら、わたしは丁寧に発破を仕掛けていく。

 

この鉱山は、今は鉱脈がかなり怪しいが。

 

露天掘りに移行すれば、以降は落盤の危険を考える事もなく、一気に掘り進めることが出来る。

 

この山と、向こうにあるもう一つの岩山を丸ごと潰して撤去すれば。

 

今度は、西側へ街道を開く事が出来る。

 

西側にずっと進むとアダレットがあるのだが。

 

その前に、幾つか街があることは、メッヘンで大きな地図を見せてもらって確認済みである。

 

それらの街のどれかに街道をつなげば、更にエルトナを発展させることが出来るだろう。

 

いずれも理にかなった話だ。

 

それなのに、どうして感情で反発するのか。

 

それが分からない。

 

発破を仕掛け終わる。

 

周囲を確認していた戦士達が戻ってきた。

 

「問題なし!」

 

「外での点呼は」

 

「其方も問題なし!」

 

「では全員退避してください」

 

退避だ退避。

 

戦士の一人が叫ぶと、わいわいと獣人族を中心とした戦士達がエルトナ跡地を出ていく。わたしは最後にお姉ちゃんと一緒に出た。

 

シールドの状態を確認。

 

爆破の瞬間は、フルパワーにする。

 

わたしの無駄に有り余った魔力をフルにつぎ込むから、衝撃には余裕で耐え抜くだろう。イルメリアちゃんもわたしと同じくらいの魔力だったし。ドラゴン戦時に比べてわたしの身に纏った装備類は更に改良を進めてある。

 

念のために、キマリスさん、レヴィさん他、シールドの魔術が使える人にも、全員出て貰う。

 

その間に、今此処にいる人の点呼を、もう一度やって貰った。

 

全員揃っている。

 

問題なし。

 

では、これで終わりだ。

 

シールドを全力で展開。視界が光に包まれる。住民が、おおと呻くのが聞こえた。それは嘆きか驚きか。いずれにしても、関係無い。

 

さよなら、わたしの育った場所。

 

起動ワードを唱える。

 

一度目でロックを外し。

 

二度目で爆破。

 

この手順を踏むことによって、事故を避けるためだ。

 

次の瞬間。

 

全ての発破が炸裂。エルトナを内包していた山が一瞬にして崩落した。凄まじい負荷がシールドに掛かるが。

 

この程度なら、充分にはじき返せる。

 

大体、山が「沈み込むように」発破を鉱物の声を聞きつつ仕掛けたのだ。

 

此方に転がってきそうな大岩なども、事前に全て片付けてある。

 

だから、負荷が小さいのも、当然と言えた。

 

程なくして。

 

土煙が収まってくる。

 

鉱物の声を聞く。

 

大丈夫。

 

誰も人間は埋まっていないよ。

 

湖は完全に潰れて、中にいた巨大な獣たちは全部死んだよ。

 

ため息をついた。

 

この世界では、獣は荒野に幾らでも湧いてくる。

 

もしも、獣が勝手に湧いて来ない世界だったら。わたしがやった事は許されないのかも知れない。

 

だけれどこの世界では違う。

 

この世界では、獣は明確な荒野の主であり、幾らでも湧いてくる存在であり。そして人間の敵だ。

 

誰もが無言の中、シールドを解除。

 

少し背が低くなった山と。

 

もはや無くなった入り口が。

 

其処には存在していた。

 

現時点ではこれでいい。

 

此方としても寂しいという気持ちがないでもないが。

 

だが、合理的に考えて、この場所は危険なのだ。

 

潰してしまうのが、最良の選択肢だった。

 

力と破壊を責任を持って使う者として。判断を誤ったとは思っていない。

 

そして後始末をする。

 

一旦崩した山に登り、入念に鉱物の声を聞いて回る。崩れそうな岩は、先に崩してしまう。

 

何しろ発破で無理矢理坑道を全部潰したのだ。

 

今後どんな衝撃が発生するか分からないし。

 

地底湖ごと粉砕したのである。

 

それこそ、水とかが噴き出しても不思議では無い。

 

途中、危ない場所が何カ所かあったので、つるはしを振るっておく。

 

これに丸一日かかった。

 

崩した岩からはかなり水晶も取れたし。ソウルストンと呼ばれる貴重な石もたくさん手に入れられた。

 

また石材も大量に入ったので、いざという時に備えて、エルトナの入り口付近に分厚い壁を作っておく。

 

この壁を作るのが次の作業になる。

 

今此処にいるメンバーなら数日でいけるだろう。そして壁の内側に掘りを造り、更にもう一重壁を作る。これで相当なことが無い限り、事故は起きないはずである。少しばかり手間は掛かってしまうが。

 

更にその次は、メッヘンから東へ街道を延ばし、フルスハイムへの直通路を作る。彼処は前に船を作るために岩山を崩したとき赴いたが、強力な獣だらけの上、ネームドも多数存在している。

 

以前出向いたときとは比較にならないほど戦力を増しているとは言え。

 

それでも油断したら、いつ命を落としてもおかしくない。

 

また、この経路はあまり人が通っていないこともあり、どのような資源があるか分からない。

 

その調査も兼ねる。

 

ネームドを退治できれば、劇的に安全になるし。

 

緑化した道が通れば、それだけ流通も確保できるようになる。

 

フルスハイム側からはこれについては援軍は期待出来ないが、まだしばらくソフィー先生から貸してもらった戦士達はいてくれるようなので。彼らと協力しながら道を切り開いていく事になる。

 

彼らの中にはネームドとの交戦経験がある人もいるようで。

 

頼もしい限りだ。

 

アトリエに戻り、タスクを確認。

 

フルパワーで働いたから、かなり疲れた。

 

一つずつタスクを潰して行くとしても、終わるのは当分先だ。わたしは頬を叩いて意識を集中させると。

 

終わったタスクと。これからこなすタスクを。

 

再確認していた。

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