寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜! 作:ライダー☆
第1話 寄成ギョウに転生したんやけど、何か思ってたんと違うニョロ〜!?
えーっと、みんな、転生モノって知ってるよね?
ただのなんの特徴もない人間が、なんかの事故やらなにやらで死んで、その時の記憶をまるごと引っ提げたまま、新しいからだと魂になって生まれ変わるって感じのやつ。まぁ転生モノにもいくつか種類はあって……
まず、完全に未知の世界に転生するやつがある。地図にも載ってへん異世界、魔法あり竜あり、なんもかんも一から学び直しの世界。次に、かつてフィクションとして手元にあったアニメや漫画の世界に転生するやつ。物語の構造も、キャラの性格も、「こいつここで死ぬ」っていう結末まで、全部ネタバレ済みの状態で飛び込む、ある意味最強のやつや。ざっくり言うとこの2つが王道やな。
で、後者。これが結構よく見かける。悪役に生まれ変わって、もともと持ってたその作品の知識をフルに活かして、どうにか破滅の末路を回避する……みたいな展開、よくあるよな。
え?なんで急にこんな話をしはじめたのかって?そんなの簡単なことや。俺がその後者やねん。転生したんよ、俺。
デュエル・マスターズって知っとるか?知らん人のために説明するとな、トレーディングカードゲームの1つで、略称はデュエマ。アニメはいわゆる王道カードゲームよろしく、デュエマこそ頂点、デュエマこそこの世界の至上主義!どーーーんな展開でもきっちりデュエマに持ち込む。それも自然な流れで、しっかりとな。細かいところまで丁寧に描かれてて、チラッと映ったカードのトリガーを確認したり、相手のデッキ構成を読んだりするのが、これがまた結構おもろいんや。一瞬しか映えへんカードに伏線が仕込まれてたりして、何度見返しても発見がある。ま、説明はそんなとこや。次は俺自身の話をしよか。
もともと普通に、何事もなく、平和に暮らしてた一般男性だった……。名前は
デュエマ自体は、ドギラゴン時代から始めて、ジョーカーズが出てきてからもぼちぼち続けとった。けど次第に環境が難しくなってきて、新カードについていけんくなって、ある日友達にミッツァイルというカードで脳天をカチ割られた。そこで俺の火は消えた。……あ、ミッツァイルって火文明のカードなんですけどね、皆さんがた。なんか因果なような、そうでもないような。
だからといって、カードを捨てたり売ったりすることはなかった。大きくてしっかりとした黒いデッキケースに全部まとめて入れて、大切にしまい続けた。必死に集めて、笑いながら遊んだカードたちを、ゴミみたいに手放すことが、どうしてもできへんかったんや。
そうやって毎日を続けてきたある日……会社に行こうと思ったら、地面が大きく揺れ始めたんや。かなり大きな地震やった。身をかがめて、頭を守って、揺れが収まるのを待った。けど……運が悪かった。俺がかがんだ場所のすぐそばは工事現場で、鉄骨が落下してきた。それがそのまま全身に直撃して、俺は死んだ。っちゅうわけや。
……まぁ、これで俺の話はおしまいや。あっさりしすぎてて、興味もわかんかったかな?それやったらすまんな。で、転生した先が誰なのかというとやな……
ギョウや。
デュエマをやったことある人なら、ギョウぐらいは知っとるはずや。悪名高いデュエリスト。普段はいっつもふざけていて、道化師のようにおどけているが、いざ本性を見せたらとんでもなく残忍かつ冷酷な顔つきに早変わり。筋肉が膨れ上がり、白い仮面を外して、まるで歌舞伎を彷彿とさせる禍々しい素顔を晒す……デュエルの実力もまた本物や。VSRでは勝太くんに完勝して圧倒的な強さを見せつけ、その後ルシファーには敗れるものの、サンヴァッカさえ使えれば逆転できたと苦しそうにつぶやいたり、ワラマキさんから「デュエマは楽しかっただろ」と問われれば静かに笑みを返したり……本人はどうしようもない外道なんやけど、デュエマそのものはちゃんと楽しんでるんよな。そこが、こいつを「名勝負製造機」たらしめるゆえんなのかもしれへん。
最初は味方するような素振りを見せておいて、最終局面でまさかの裏切り……!あれはほんまにしびれたで。前作でも因縁があったことが透けて見える。前作は友達に「まだキャラがCGやないで」って言われたから見ることをせんかったけどな。CGのアニメテイストに慣れてしまってから昔の絵柄に戻るのは、どこか違和感があって、ちょっと毛嫌い感もあったんよ。
まぁそれはおいといて、今、俺はそんなやつに転生したんや。で、どうするのかって?決まっている。こいつを善人に仕立て上げるんや……!悪者やからこそギョウは輝く、なんて意見もあるかもしれん。だけど俺は別に悪逆非道でも裏切り者でもなかった。悪人として生きたところで、俺自身がなんか得するわけでもあらへん。せやからな、今ここで、寄成ギョウを最高の"ライバル"として作り上げるために、俺は動く!
まずは切札勝太くんを見つけて、デュエルに持ち込む。そして勝つ。それだけや。負けるのは違う。最高のライバルになるためには、相手からまた向かってきてもらわんとあかんからな。ギョウならとんでもなく強いデッキを持ってるはずやし、戦略次第では勝太くんを打ち負かすことも夢やない……!
あとはなんやかんやあって最高のライバルになれるやろ。カードゲーム系の主人公はめちゃくちゃ熱くてまっすぐやから、俺が善人として動く分には特に問題ない。裏切りなんてするつもりもないし、そもそもあの熱血くんはあんまり人のことを疑うたりもせぇへん。VSRで最後まで信じてたしな。VSで何をされたかは、見てへんからよう知らんけどな。
あ、そうや。こいつの語尾は「ニョロ」がついて、一人称は確か「僕」やったか……。よーし、今から僕、頑張るニョロ〜!!!
………………
………………え、なんやこれ。
気がついたときには、もうそこに立っていた。
足元の土の感触、風の匂い、人々の喧騒――どれもがやけにリアルで、生々しい。目を瞬かせながら腰に手をやると、そこには小さなデッキケースがしっかりとくくりつけられていた。パチンと開けて中を覗けば、見慣れたカードがぎっしり40枚。使い込まれた、僕だけのデッキや。一枚一枚に、指の跡が染み込んでるみたいな、確かな重みがあった。
……けど、そんな感傷に浸る間も惜しかった。
視線を上げて、あたりをキョロキョロと見回す。瓦屋根の家々、和風な木の看板、石畳の通りを行き交う人々――この雰囲気、ここは……京都や。現代とも違う、ちょっと古風な空気を残した京都。観光地っぽさと非現実的な透明感が混在しとる。普通の日本とはどこかが違う。世界そのものが、少しだけ「作り物」に寄っとる気配があった。
んで、そっからさらにとんでもないことが起きたんや。
ふと、視線の先に見覚えのある人物を見つけた。……というか、見間違えるわけがない。あの髪型、あの服装、あの「俺が主人公やぞ」と全身で主張してくるような自信満々な背中――切札勝太や。デュエマ界の中心、幾人もの物語を動かしてきた熱き男。そして隣に寄り添うのは滝川るる。彼女もまた、シリーズを通してヒロインとして確かな足跡を刻んできた存在や。
……こいつは、とんでもない大当たりや。
序盤も序盤、冒頭中の冒頭でこの2人に出会えるなんて、もう奇跡やろ!?これが運命の出会いやなくてなんやって話や!!さすがにテンションが一気に跳ね上がった。体の奥底で、デュエリストの血が沸騰する音がした。そんな音がするわけないとわかっててもそうとしか言いようがなかった。
でも……おかしい。こんなシーン、僕の記憶にはなかった。VSRの展開でも、こんな場所に勝太くんたちがいた記憶はないし、たしかギョウはもっと別のところ、デュエマーランドの地下とか、そういう舞台に登場してたはずや。……時間軸がズレてるんか?それとも、この世界は原作とは少し異なる分岐を辿っているのか?
……ま、ええか!細かいことに囚われてたら、せっかくのチャンスが逃げる!
けど!やっぱり慎重にいかんとあかん。いきなり話しかけたら逆に警戒されてアウトや。素性も文脈もわからん存在に、いきなり声をかけてくるアホがどこにおる。ここは様子見や。じっと観察して、彼らが動くまで影のように静かについていく……
「こそこそ……こそこそ〜……」
……なぜか擬音を声に出してしまうのは謎やけど、まぁ気にしない。草むらと人混みを盾に、完璧なカモフラージュを展開。スパイ映画もびっくりの尾行で、2人の背中を追いかける……!
が。
10分経過――なんのイベントも発生しない。
ただの散歩!?いや、買い物!?ここまで何も起きんとは思わんかった……主人公とヒロインが、のんきに一般市民みたいにお好み焼き屋を覗いてる姿を目撃して、僕は壁に手をついた。これがあの熱血カードバトルの申し子たちの素顔なんか……!?……まぁ、休日くらいゆっくりするよな。うん、そりゃそうや。
だが、ここで諦めるわけにはいかん。この出会いには、きっと意味があるはずやから。
となれば……僕から展開を作っていくしかない。けどどうする?バレないように肩と肩をぶつけて、「おっと失礼!……ん、お前、デュエマのカード持ってんのか!?」みたいな流れに持ち込む?いや、さすがにあからさますぎる。
「ん?展開……そうだニョロ!」
突如として、天から舞い降りたかのようなアイデアが脳内を駆け抜けた!そう、これは王道カードゲームアニメ――ギャグと、お約束の洪水でできた世界!そしてあの切札勝太くんは、どう見ても完全無欠の"アホの子"や!ということは——アホな作戦でこそ、釣れるはずや!
僕のポケットには……ある。さっきから妙な膨らみを感じていたポケットに手を差し込んだら、出てくる出てくる、謎の大金が詰まった財布!!中身、20万!?なぜ!?どこから!?……いや、今はツッコんでる場合やない。存分に使わせてもらうで。
「ありがとうございましたー!」
「どういたしましってニョロー。」
数分後、僕はパン屋を出ていた。手にはずっしりと重い袋。中身は——カレーパン30個!!袋からもうカレーの香りがだだ漏れで、鼻の中がスパイシー天国になっとる。これが今作戦の、根幹たる主役や!
作戦の概要はシンプルやった。さっき勝太くんたちが歩いてきた道と繋がる一本道に、3メートル間隔で1個ずつカレーパンを置いていく。誘導や。カレーパンによる、究極の人間誘導作戦……!
「よいしょ……よいしょ……。」
1個、また1個と、丁寧に並べていく。まるでパンくずで森の奥深くへと子どもを誘い込む、グリム童話さながらの戦法や。最後の1個をベンチの真ん前に置いて、僕はそこにさりげなく腰を下ろした。……さて、うまくいくもんやろか。さすがに勝太くんをナメすぎやろか、これ。
「ラッキーラッキー!京都すげぇー!カレーパンの道じゃあーい!!」
「ちゃうちゃう!!」
思考がフラグやった!!
叫びながら飛び跳ねてくる勝太くんの姿が、視界に飛び込んでくる。右腕にはハムカツがしがみつき、顔は満面の笑みで、手にはすでに29個目のカレーパンが握られている。そして3歩後ろを歩いてくる、完全に表情のなくなったるるちゃん。あの目や……見たことある、あの目。親に「その子とは付き合わないで」って言われてる顔や。
ま、まぁ……とにかく、作戦成功や!
「あっ!最後のカレーパン!いっただきぃ〜……」
その瞬間を狙って、僕も同時に手を伸ばした。一歩でも速く、一センチでも先に触れるために!そうすれば——
「……おめぇ!カレーパンを!」
キタキタキタ!!!勝太くんの顔が、まるで友情そのものを奪われたかのような衝撃に歪んだ。けれどすぐに、まっすぐな目が僕を正面から捉えてくる。うん……いい目や。脇目もふらず直球でしか生きていないキャラクター。こういうやつ、ほんまに大好物ニョロ。
僕はその視線をしっかり受け止めながら、カレーパンを一口。サクッ……ああ、熱々のカレーが口の中で暴れ狂う!溢れてきそうやけど、ここで悶絶するわけにもいかん。涼しい顔を装って、余裕たっぷりな声で言う。
「待つニョロ〜。これは誰のカレーパンでもないニョロ〜。ただただ道に落ちてたカレーパン!だから、僕がとっても別になんでもないニョロ〜。」
「そ、そうか……悪かったな。……ってか、お前変なやつだな。誰だ?」
うんうん。さすが主人公、話が早い。疑問に思ったら即質問、脳内フィルターは存在しない。それにしたって初対面で「変なやつ」はノンデリにもほどがある……否定はできへんけどな!
「僕は寄成ギョウ、ニョロ〜。」
「ふ〜ん……お前もカレーパン好きなのか?」
「そうニョロ。僕もカレーパン大好きニョロ。」
もう一口。サクッと齧れば、勝太くんのテンションは天井を突き破る勢いで急上昇した。肩をバンバン叩いてくるもんやから、内側から骨まで揺れる気がする。
「なんだよ〜!お前もカレーパン好きなのかー!じゃあちょっと喋ろうぜ〜!カレーパン談義だよカレーパン談義ー!あ、そうそう!俺、切札勝太くんっつうんだ、よろしくな!!」
「ちゃうちゃーう!」
「……オ、オーケーニョロ……。」
えーと、カレーパン談義ってなに!?カレーパンに語るべき議題があるん!?揚げ具合?スパイスの配合?皮の薄さ?……ま、まぁ、こっちはその間にやることがあるからええか。
ふふ……勝太くんの足元へと、僕はそっとデッキを滑らせた。さりげなく。自然に。完全なる忍者ムーブで!
「あれ、それって……」
来たッ!勝太くんの目が、一瞬で変わった。カレーパンの温度から、カードの匂いを嗅ぎつけた獣の鋭さへ。好奇心と闘志が混ざり合った、あの目。これや。これが見たかったんや。
ここから先は、僕の腕の見せどころや。デュエマで、勝太くん——いや、"切札勝太くん"を叩き潰して、ライバルポジションをかっさらう!そのためにも——まずはカレーパン談義という名の試練を乗り越えることや……長い一日になりそうやなニョロ……!
と、そんなことをのんきに思てた矢先やった。
突如、地面にズシンと重たい音が響いた。反射的に顔を上げると、そこには「鬼の形相」という言葉をそのまま実写化したかのような少女が立っていた。るるちゃんや。
口元はぴくぴくとひきつり、瞳の奥には燃え上がるような怒りの炎が煌々と灯っとる。全身から、まるで湯気みたいな怒気がメラメラと立ちのぼっとる。あれはもう……人間の怒りの枠を軽く超えてるで。存在そのものが、一個の警報装置みたいやった。
どうやら、勝太くんとのひとときを二度にわたって邪魔されたことで、完全に沸点を突き破ったらしい。しかもその二度とも、直接的にせよ間接的にせよ、原因は全部僕や。カレーパンで気を引いて、デッキで場の空気を叩き割った。……弁解の余地もない、どう見ても僕のせいや。
るるちゃんはまだ、僕が絡んでいることには気づいてへんっぽいけど、怒りの火種はとっくに臨界点を超えとる。僕と勝太くんとハムカツの3体がそろってぺこりと頭を下げたところで、るるちゃんの表情は一ミリも和らがなかった。
……僕は知ってる。こういう「ギャグ寄りヒロイン」はな、この世界の補正で理不尽なくらい強い!そしてるるちゃんはその中でもぶっちぎりでバランスブレイカー側の存在や。あんなんに本気で殴られたら、地球どころか次元そのものがねじれかねん……!
でも。ちょっと待てや、僕。冷静になれ。この状況、ただのピンチやない。むしろこれは——デュエマに持ち込む、最高のきっかけやないか?
「待ってや!……えーっと、勝太くん、この子の名前、デコちゃんって呼んでたんやっけ?」
「んー、それ俺が勝手に呼んでるだけ。本名は"るる"ちゃんだぜ。」
「オッケーニョロ。……じゃあ、あらためて――オホン。るるちゃん、ちょっと話さへん?」
一歩、前へ出た。背筋を伸ばして、指をピシィッと天に向けて立てる。
「デュエマで決着つけようや!僕が勝ったら、ほんのちょっとだけでええ、カレーパン談義に付き合ってくれへん?でも、もし僕が負けたら……おとなしく帰る。二人の時間、これ以上は邪魔せぇへん!」
るるちゃんの目がギラリと光った。怒りが、今度は闘志へと形を変えていくのがわかった。その変化の瞬間が、ビリビリと肌に伝わってくる。
「……いいわ。受けて立つ!」
即答やった。それ以上の言葉は要らなかった。僕らは自然な流れで、それぞれのデッキケースに手を伸ばす。まさか最初の対戦相手がるるちゃんになるとは、想定外もええとこやけど……逆に、腹の底からテンションが上がってきた。この勝負で勝てば、勝太くんに"ただの変なやつ"やなく、"一目置くべきライバル"として刻まれるはずや!
場所は公園のど真ん中。気がつけばいつのまにか、そこだけがキラリと輝くバトルゾーンに変わっていた。ベンチでも芝生でもない、この世界にしか存在しない、特別な舞台や。……あかん、こんなん、燃えへんわけがない!
さて……るるちゃんのデッキ。たしか以前は《コマンデュオ》を軸に、仲間との"絆"をつないで連鎖させていくコンボ型やったはずや。けど今の彼女から漂う空気は、昔の面影をひとかけらも残してへん。怒りと共に、カードも戦術も、新たな時代の波に乗り切っとる。そういう気迫が、全身から滲み出てた。
……よし、じゃあ僕も——
……ん?え?ちょっと待て……な、ななな……ない!?知ってるカードが……ぜんっぜんない!!!???
目が飛び出そうになった。ざっと手札を見ても、見覚えがあるのは《エウル=ブッカ》、《コートニー》、《ナチュラル・トラップ》くらい。あとは見たこともない火文明と闇文明のカードがわんさか混ざっとる。極めつけは——《ドラグナー》?《ドラグハート》……!?
思わず手が震えた。この単語群、この概念、僕の知識の中には存在していない。試合開始の合図をほんの少し待ってもらって、カード効果を一枚ずつ丁寧に読んでいく。ふむふむ……《ドラグナー》は《ドラグハート》をデッキ外から呼び出す種族で、《ドラグハート》は「龍解」という進化を遂げることで新たな力を解放する……か。
そこで、ようやく合点がいった。これ、『デュエマVS』の時代のカードや!『VSR』のひとつ前、ちょうど僕が見てへんかった時代のカード群やから、全然知らんかったのも当然やった。
そりゃ驚くはずや。でも考えたところで時間はない。しゃーない、自然文明特有のじわじわ展開するスタイルで相手の出方を探りながら立ち回るしかない。……でも、それもまた、めちゃくちゃ面白いやないか!
るるちゃんのデッキも、もしかしたら昔の"絆"コンボとはまるで別物かもしれへん。怒りを纏って進化したデュエリストは、カードまで変えてくることがある。それがどんな形であれ、受け止めてみせるまでや。
冷や汗が頬を伝う。けど、これは恐怖やない。純粋な興奮や。胸の奥がビリビリと、気持ちよく震えとる。この世界で、ギョウとして初めての、本物のデュエル。
勝ってみせる。この手で!
「ギョッギョッギョ……よっしゃあ、いくでぇ!激アツのデュエル、始めよか!」
『デュエマ、スタート!!』