寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜! 作:ライダー☆
「あ〜れ〜……」
……呑気にあ〜れ〜なんて言っとるけど、この高さから落下して大丈夫なんか?普通地面に激突した衝撃で死ぬようなもんやけど……って、あ、そうや。僕るるちゃんに胴上げされてとんでもない高さから落っこちたときに……痛かったけど無事やったな。じゃ大丈夫か!そもそもこのアニメの根っこはギャグアニメのテイストしてるんやし、そんな心配もいらんか!
てことでぇ……地面に衝突ー!…………むごっ!?
「な、なんやこれ……ビーズクッション?くっそでかいなぁ……なるほど、落ちてくる人を受け止めるためにあるっちゅうことか。」
体を起こして、周りを見回す。暗い。天井が低くて、どこか古くて黴臭い空気がただよっとる。デュエマーランドの地下帝国……アニメで見た感じとおんなじやな。
さぁて……ワラマキはん探しに行くかぁ。えーっと確かアニメでは……なんかの建物の中におった気がする……。
「ギャッ!ハー!」
ん?この甲高い声は……あのネズミはんか。
「……この声は、デュエマウスか。」
「そうっでチュー!!けど、うれしいでチュねー!ギョウくんがデュエマーランドの地下帝国に、やって、きた、でチュー!」
「うん。そうや。それがどないしたんや?」
「だから……今から君には、強制労働してもらうでチュ!というわけで……デュエマウスの杵を……くらえででチュー!!」
ホンマに振り下ろしてくるやん!?ま、簡単に避けれるねんけどな。そのまま逃げてみるけど……執念深く追っかけてくる。どんだけ強制労働させたいねん。僕はただワラマキはんと会いたいだけなのになぁ。
「待てゴラァー!さっさとお縄につくでチュー!」
「いやニョロー。捕まえられるもんなら捕まえてみろニョロ〜。」
とはいえ、ネズミはんとの距離は全然離れへん。このままやと埒が明かへんと思った僕は、細ーい路地裏に逃げ込んだ。僕みたいなヒョロガリがぎりぎり通れる場所。ということは……
「待つでチュ……むぎょぉ!?」
横幅の大きいネズミはんはこの路地裏を通れずに僕を逃がしてしまうというわけや。立ち止まり、振り返ってみると、どうにか必死に通ろうとして詰まっとるネズミはんが見えた。
かわいそうやなぁ、けどごめんな、助けはせんニョロ。どうせ次に登場するときにはなんやかんやあって抜け出すことできとうはずやから。そうしないと、アニメの展開も生まれへんしなぁ。
「むぁ……むぁつでチュー……」
「待たへんもんねぇ〜じゃぁねデュエマウス〜。」
「ぬおおおおー!ヒョロガリぃ〜〜……」
よし!逃げることには成功したで。
で、結構山奥まで来た。ここなら大丈夫やろ。入り組んどるし、何より……木々が邪魔で横幅大きいやつは登ることすら難しいやろうからなぁ……ギョッギョッギョ。
あとぉ、森彷徨っとったら木の切れ目にカード挟まっとるの見つけたから取ってみたけど……ジュランネル。全然覚えとらんなぁ。能力見た感じは強そうやけど……ま、それは一旦おいといてや。
「あのネズミはんも、流石に追ってはこんやろ。じゃ、ワラマキはんを探すとするニョロかな……」
「そうだなぁ。」
「しっかし、無意識的に森に入ってしまったけど、ここにおるんかなぁ……」
「そうだなぁ。」
……あれ?
「デュエマーランドのこの地下帝国……思ったより広いから探すのには骨が折れるかもしれへんなぁ。1つ、いそうなところは目星ついとるんやけど……そこにいるっていう確証もない……」
「そうだなぁ。」
……この「そうだなぁ」は、もした…
「いやー、どこにおるんかなぁ〜……ってことで、久々やなワラマキはん。」
「そうだなぁ、ひっさびさだなぁギョウ。」
いつの間にかすぐ隣に立っとった。ワラマキはんが。ずっと返事しとったんかいな、こいつ。
【さっきからそうだなそうだなうるさかったこの男こそ、ワラマキィ!デュエマ甲子園エリア代表戦でギョウと戦い、敗北した男!しかも牛次郎の仲間らしき感じも思わせていた……が、なぁんだこの変わりようはぁ!?え、誰ぇ!!!?ワラ着たおっさんじゃん!】
「いやぁ〜久々だなぁギョウー。元気しとったー?」
「元気やったでぇー。色々あったけどな。いやしかし、ワラマキはんもずいぶん変わったニョロねぇー。」
「お前と初めてデュエルしたときにお前に言われた言葉……その通りだった。俺は変わった。外も中身もな。牛次郎が負けたときに、俺は本当に正しいことをしているのかと思った。自分がやってきたことは、ただただ惨めなことなのではないかと反省をした……そして反省した姿が……これだぁっ!」
キリッとしとる。けどそれ以上に外見のクセが強すぎてあんまり入ってこおへん……ニョロ。
「で、お前負けたの?」
「ん?あぁ負けたニョロ。バサラっちゅうやつにな。……意外と善戦はしたんやで?」
「お前もかぁ。俺もな、そいつに負けた。元々ここで、バサラみたいに仕事してたんだがぁ、クビって言われてアイツとデュエマさせられて……そのままって感じだぜぇ。」
「ふーん……じゃあワラマキはん、デッキ持ってるっちゅうことか?」
「持ってるぞ。やるか?」
「やろやろ。……クビって言われたちゅうことはさ、侵略者のカード、持っとるんやろ?仕事に就いとったときにもらったかなんかしてさ……」
「……お前、よぉくわかったな。もちろん持ってるぞ〜。じゃ、この新しい侵略の力を……生まれ変わった、この俺ワラマキのデュエマを見せてやろう!」
【ついに始まるギョウ対ワラマキのデュエマ!一体、どうなr……】
「ちょっと待ってくれ。」
【ん?】
「ん?どうしたニョロかワラマキはん。下向いて深刻そうな顔して……」
「た、たしかこのアニメって、デュエル・マスターズVSからデュエル・マスターズVSRになって、タイトルが長ったらしくなっただけでなく、少しばかり新能力だって追加されたわけだ。」
「そうやなぁ。」
「つまり……チュートリアルを行わなければ、新規さんが困惑してしまう……!新しいカードだけを見て、「何だろうこのカード」と思わせてしまうだけの変なアニメになってしまう……!!」
……えぇ……じゃあ第18話の僕のデュエマは一体何やったニョロか……?ってか、もうデュエマーランドでそのチュートリアルはやっとるっちゅうねん!勝太くんとデュエマウスが。このまま困惑してもらっても面倒やし、そのこと伝えるかぁ。
「な、ななな、ぬぁにぃ!?そうだったのかよ!!?……フッ、この俺はそのことに、とっくに気がついていたがな。」
【いやお前絶対に知らなかっただろ!!】
「……そ、そうか。ならええんや。じゃあやるか。」
「おう!すまんな!ちょっと尺稼がなくてもいいのに稼いじゃった!えへへ!」
【えへへじゃねぇよっ!……ま、まぁ、とにかく、デュエマ開始ー!!!】
寄成ギョウ キーカード:界王類七動目ジュランネル
ワラマキ キーカード:幻影ミスキュー
【なんやかんやあって始まった2人のデュエル!序盤は、2人ともしっかりとマナチャージを行っていき、静かな立ち回りを繰り広げていく。まだ2人のバトルゾーンにはクリーチャーはいない……さぁここからどうなっていくのか!?】
ギョウ 6ターン目
「行くニョロ。まずはコートニーを召喚。」
コートニーが静かにバトルゾーンに現れた。マナゾーンのカードが全文明になる。このターン、そして、これからの動きには欠かせへんやつや。
「かーらーのー……フェアリー・ミラクル。効果で1枚加速からの!マナゾーンにすべての文明が揃っているのでぇ、もう1マナ加速。さらにさらに、3マナでエナジー・ライト。カードを2枚ドローして、更にケラサスを召喚。ターンエンドニョロ。」
ワラマキ 7ターン目
「むむむ……やっぱり京都代表かつ優勝した男!実力は、たぁだもんじゃねえなあ。」
「ん、あんたみとったんか?決勝戦。」
「ふっつーに家のテレビで見てたぞー。すっげぇかっこよかったなぁお前。けど……俺はあの褐色男のようにはいかないと、教えてやるぞぉー!燃えろ、この俺のデュエ魂……うおおおおお……!」
な、なんて激しくアツいんや!これはかっこいいドローが見れるんちゃうんかぁ……!?
「ドロー。イエーイきたぞー。」
あ、すっごい普通なのね。テンション上げた僕が馬鹿みたいニョロ……で、来たっていったけど、何引いたんや?ワラマキはんのことやから、多分ミステリー・トーテムなんやろうけど……
「まずは3マナでホルデガンスを召喚。効果で1マナ加速して……6マナで幻影ミスキューを召喚!」
幻影ミスキュー……?そんなカードあったっけかなぁ……覚えとらんわ。そういう感じの僕なので、当然能力も知っとるはずがなく……
「ミスキューの効果で、俺はホルデガンスをマナゾーンに。」
「せっかく出したクリーチャーをマナゾーンに送るんか?」
「そうだ。そうすれば、幻影ミスキューの効果は発動する!山札をシャッフルし、上から1枚目を見せる。それがクリーチャーならば場に出せるんだよぉー。じゃ行くぞぉー。……ぅおんどりゃあああああ!!」
いま全力のドローすんの!?さっきの燃えろデュエ魂の時ではなくぅ!?
「来たぞー!幻影ドン・サボテをバトルゾーンへ!」
ど、でかい……。緑色の巨大なクリーチャーが轟音とともにバトルゾーンに現れた。クッソでかい……えてか、こんな大型が出てきて……どうにかできるんか、ワイは……?
「ターンエンド。ちなみに、幻影ドン・サボテの効果でこっちのミステリー・トーテムはすべてワールドブレイカーだから。気をつけてなぁー。」
え。そんな能力あったんやっけ。……てことはまずいなぁ。ワラマキはんのクリーチャーを除去できるものは僕の手札にはない……ということは、山札の1番上で解決するしかないニョロなぁ。
ギョウ 7ターン目
「ドロー!」
……いまこいつが来るかぁ……除去できないけど、次のターンに持ち越すことができれば、こいつが暴れることができるニョロ。……このターンは、ブロッカーを展開していくニョロ。
「呪文、ヘブンズ・ゲート。ラ・ローゼ・ブルエとシリウスをバトルゾーンに。」
白い光が弾けて、2体のブロッカーが姿を現した。バトルゾーンに壁ができる。
「かーらーのー界王類七動目ジュランネルをバトルゾーンに。ケラサスでシールドをブレイク。ターンエンドニョロ。」
ワラマキ 8ターン目
「なーるほど……ブロッカーを展開してシールドを割らせない戦法を取ったか……昔の俺だったら対処はできなかった、だろうが!今の俺は違う!ブレイズ・クローをマナチャージして呪文、超爆デュエル・ファイヤー!ブロッカーを持つクリーチャーをすべて破壊する。よってお前のクリーチャーはコートニーとケラサス、あとなんか寝てるでっかいやつ以外すべて破壊だぁ!」
炎が弾けるように広がり、ラ・ローゼ・ブルエとシリウスが一瞬で消滅した。精魂込めて展開した壁が、呆気なく崩れる。
「えっ、まじかいな……ちゅうことは、シールド直行?」
「そういうことだぁー!いけぇミスキュー!ワールドブレイクどぅぁっ!」
ドン・サボテがその巨体を轟かせ、シールドに向かって突進してくる。地面が揺れる感覚がした。
トリガー引かへんと負けてまう……1枚、2枚、3枚、4枚……来たニョロ!
「シールドトリガー、デーモン・ハンド!ドン・サボテを破壊!」
巨大な悪魔の手がドン・サボテをがっしりと掴み、押しつぶした。あれだけの巨体が、一瞬で沈む。
「ぐぬぬっ……!?……ターンエンドだ。」
ギョウ 8ターン目
「ワールドブレイクなんて、すごいことしてくれるやないかワラマキはん。じゃぁこっちも……やられたらやり返すの精神ニョロ。」
「えぇ?」
「マナゾーンに自然のカードが6枚以上あるとき、こいつは目覚める!界王類七動目ジュランネル!!!!」
地面が割れた。地の底から這い出るように、ジュランネルが起き上がる。さっき「なんか寝てるでっかいやつ」なんて言われとったあいつが、とんでもない存在感とともに目を覚ました。その咆哮は、地下帝国の天井まで届くんちゃうかっちゅうぐらいやった。クソでかい咆哮。けどこいつにとっちゃそれはただの目覚めのあくびニョロ。
「これにより、ジュランネルはパワー24000のワールドブレイカーニョロ。ブレイクの前に……ブレイガーを2体召喚して……行くで、ジュランネルでワールドブレイク!」
ジュランネルの一撃がシールドに叩き込まれる。1枚、2枚、3枚と、まとめて砕かれていく。
「トリガ〜……トリガ〜……よし、シールド・トリガーメッタ斬り・スクラッパー!ケラサス2体とコートニーを破壊!」
反撃の刃がバトルゾーンを斬り裂く。ケラサスたちがそれぞれ倒れていった。
「残念やったな。ブレイガーの全文明セイバー発動。代わりにコイツラ2体を破壊や。」
「うっそぉ〜……ん。」
ブレイガーが身を挺して庇い、弾き返す。まずはなんとか凌いだ。
「コートニーで、ダイレクトアタック!」
コートニーがまっすぐにワラマキはんへと突進した。静かな、しかし確かな一撃。決着や。
昔とは違うデュエマやったなぁ。しっかし、幻影ドン・サボテ。トリガーが来んかったら危なかったニョロ〜。
「負けたー……負けちまったよ俺〜。」
「けど強かったニョロよ。トリガーやってあんたに応えたんやし、そもそも、あんなにある山札からドン・サボテを引けるなんてすごいやないか。」
「……そうかなぁ。そうかも。」
ワラマキはんは照れくさそうに頭をかいた。そのワラ着た姿が微妙にシュールやな……けど、なんかこいつ、ええやつになっとんなぁ。本当に変わったんやなぁ。
「……あ、そうだ!お前、俺について来い。」
「ついてこい?なんかあるニョロか?」
「いや、俺がいっつもグータラしてるとこがあるんだけどさ、お前連れてってやるよ。侵略者の一員ってことで、教えといたら強制労働もせずに済むと思うしなぁ。」
強制労働……?あぁ、ネズミはんが言っとったやつニョロか。それをせんでええってなると助かるわぁ〜。じゃ、ついていくとするニョロ。それに……僕の計画も、実行せなあかんしな。
「わかったニョロ。ワラマキはん、そこに案内してくれニョロ。」
「ん。オッケー。じゃあ行こうぜぇ!いざ、デュエマーランド発電所へ!」