寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜! 作:ライダー☆
№2 とデュエマを交わしてから、ちょうど一週間が過ぎた。…… 特筆すべき出来事もなく、ただ淡々とした日々が、まるで淀みのない川の流れのように、過ぎ去っていくニョロ。
相変わらず、星を賭けたデュエマの誘いは絶えない。僕自身はもう、星なんて必要としていない。だけど、向こうはありったけの星を渇望しているもんだから、なし崩しに付き合ってしまう。その結果、知らず知らずのうちに、星の数は際限なく膨れ上がっていくニョロ……。
「負ければいいじゃん」って?…… まぁ、あんたたちの言いたいことは、痛いほどわかるニョロ。負ければ、星はたちまち減っていく。だけどなぁ、わがままかもしれへんけど、デュエマに関してだけは、どうしても負けたくないねん。やっぱりさ、負けるってことが、心の奥底から、ひりひりと悔しいやんか。その感情を、味わいたくないというか、何というか……。
つまりはこういうことや。勝てば星が増えて、面倒くさいことになるのは百も承知。だけどかといって、負けるのは絶対に嫌だから、全力でデュエマに臨む。…… まぁ、見事なジレンマニョロ。星が増えることが、今の僕にとっては、紛れもないマイナスなんや。え、なんでかって?今の星の数、言ったろか?
30万個ニョロ。多い!今の僕に必要なものは、すべて手元に揃っとるニョロ。「じゃあ使わなきゃいいじゃん」って?その通りなんやけどねぇ…… せっかくあるもんを、ただ無駄にするのも、なんか違うかなって、ぼんやり思うねん。すっごいワガママやろ?でも、僕はそういうもんニョロ。
しかし、どうしたもんか……。どれだけ使っても、一向に6桁の壁を下回る気配がないニョロォ……。あ、そうだ!勝太くんたちなら、僕の星を快く受け取ってくれるかもしれないニョロ!欲深いニョロからなぁ。よーし、そうと決まれば、勝太くんたちの元へ、足を運ぶニョロー。
「デュエマフォン、勝太くんたちが今おる場所を、教えてくれへんか?」
お、これはちょうどええニョロ。どうやらみんな、デュエマーランドの対戦台に、集まっているみたいニョロ。んじゃ、出発ニョロ。
そして到着ニョロ。いつも以上に、デュエマーランドは熱気に包まれ、賑わいを見せていた。なんかフェスでも、盛大に開催されてるんやろか。まぁ、どうでもええか。目的の勝太くんたちの姿は、すぐに見つけることができたんやからな。
……ただ、その目つきは、尋常じゃないニョロ……。星を求めるあまり、自分自身の立ち位置すら崩壊させかねない、そんな危うい輝きが、瞳の奥に燃えている。
「しっかし、みんなデュエマーランド…いや、デュエルマ・スターカップに、すっかり魂を奪われとるニョロねぇ。」
「当たり前なんだなぁ。今日は一ヶ月に一度の『デュエルマ・スターカップフェス』の日。デュエマーランドでデュエマすれば、奪い取れる星の数が、なんと 3 倍になる日なんだなぁ。」
「そうなんや。……って、ぶっちゃけはん。あんたは、デュエマしないニョロか?」
「俺はしないんだなぁ……したって、負けるだけなんだなぁ。」
「そんなに自分を卑下することは、ないんちゃうか?頑張れば、絶対に勝てるニョロ。」
「そ……そうかもしれないけど、さっき俺は、勝太に圧倒的な力の差を見せつけられて、木っ端微塵にやられたんだなぁ……。それで、星があと 10 個しかないんだなぁ〜〜!」
「そいつは、お気の毒やなぁ。」
「これじゃあ、ハラグロのグッズもチケットも買えないんだなぁ〜!せっかくコツコツためてたのにぃ〜〜……」
ぶっちゃけさんの肩が、小さく震えているのが見えた。
……今、チャンスなんちゃうか?ぶっちゃけさんに、星を分けてあげたら……ほい。
『ぶっちゃけさんに、ギョウさんから星200個が献上されました。』
「ん?今、連絡が来たんだなぁ…… って、ギョウ!?お前、星を……」
「別にええニョロ。僕は、星を持て余しとるニョロからなぁ。」
「ありがとうなんだなぁ!……わーい!今まで持ってた星よりも、50個も多くもらったんだなぁ〜!!」
ぶっちゃけさんは、そう叫ぶと、まるでバネのように跳ね起き、どこかへ駆け去っていった。満足したんかなぁ。
「ぅおーい、ギョウ!」
背後から、聞き覚えのある声が響いた。ん、勝太くんの声や。どうやら、僕に気づいたみたいニョロねぇ。
「久しぶりニョロねぇ、勝太く……ん?なんや、その目は……」
修羅の目をしてるニョロ……。星を増やしたいがために、ここまで精神を蝕まれてしもたニョロか……。てか、顔がもう、ゴルゴみたいやな。いや、ほとんどゴルゴやん。
「おお、久しぶりだな、ギョウ……久々なんだけどさ、俺とデュエマしね?もちろん、星をかけてだぜ…!」
声まで、いつもよりずっしりと重く、地鳴りのように太っている。まんまゴルゴやんけ……。あ、ホカベンはんとルルちゃんも、こっちに駆け寄ってきたニョロ……。おーっと、そっちの面々も、すっかりゴルゴの面持ちかぁ。これは、デュエマが始まったが最後、一筋縄ではいかない、そんな予感がするニョロかねぇ。…絵面的な意味で。
「どうなん?ナレ太郎はん。」
【この顔維持はきついので、多分変わります!】
「オッケー。んじゃ、勝太くん。僕と星をかけて、デュエマしようニョロ!」
「よぉし、きた!俺は星30個をかける……って、そういやお前、めちゃくちゃ星持ってたよなぁ…… 賭ける星の数ゥ、俺よりも、ちょっと多くていいんじゃないのぉ?3万個ぐらいとかでさぁー。」
【釣り合ってねぇ要求してきてるぞ、この主人公!?】
「ええニョロよ。星3万個ニョロね。」
【いや、いいんかい。めっちゃ持ってるとはいえ、3万も減らすのいいんかい…】
「決まりだな……じゃあ、見せてやるぜ。お前のいない間に、俺が手に入れた、ドギラゴンの革命の力をよぉ!!!!そして、カレーパンの山を、俺の手に……!」
【下心丸出しだぁ!?】
「いいなぁ……かっちゃん。星3万個かぁ。」
「ずるいべ……オラだって、デュエマして星ぶんどりたいべ……!!」
【おっと、こっちも下心が出てるぞー?てなわけで、普通のキャラがギョウしかいないデュエマ、開始ぃ!】
切札勝太 キーカード:燃える革命ドギラゴン
寄成ギョウ キーカード:疾風怒闘キューブリック
『デュエマ、スタート!』
「意外と久しぶりな、この2人のデュエマ!…… が、こんな感じで良かったのかは知りませんがぁ!序盤は勝太がメラッチとトップギアを並べ、更にギョウのシールドを1枚ブレイクしている状況。一方ギョウは静かな立ち回り。バトルゾーンにはコートニー以外のクリーチャーはいないが、果たして……!?」
ギョウ 5ターン目
うん、顔はしっかり直っとるな。良かったニョロ。あのゴルゴ顔のままだったら、僕、ゴルゴ勝太くんとデュエマしなきゃならなかったニョロからな。そんなの、絶対に嫌ニョロ。…… じゃ、そろそろ気を取り直して、デュエマに、神経を集中させるニョロ。
「ドロー。まずは、キリモミ・ヤマアラシ。効果で、ジャスを3コストでバトルゾーンに召喚。更にマナ加速してからの……2マナで、エマージェンシー・タイフーン。2枚引いて、1枚捨てるニョロ。」
カードが机を叩く音が、静かに響く。
「しっかり手札補充とマナ加速を、両立してきたわね……」
「墓地に置いたのはハヤブサマル…… 一見、防御札を捨てたように見えるけど、手札という危険な場所から、敢えて逃がしたと捉えることもできるべ……。」
「まだ行くで。ジャスでトップギアを攻撃。こんときにも、マナ加速や。ターンエンドニョロ。」
「やっぱりやるな。けど、俺はぜってぇ負けねぇ!星のためにもなぁ!カレーパンのためにもなぁ!!」
勝太くんの声が、真っ赤に燃え上がる。…欲望にまみれた声やけどな。
勝太 6ターン目
「行くぜ!ドロー!」
引いたのは…… よし、ドラッケンだ!このまま、一気に押し切ってやるぜ!
「まずは、ラブ・ドラッチを召喚!そしてメラッチとドラッチの効果によって…… 革命龍ドラッケンをぉ、ラブ・ドラッチの上に進化だぁ!」
にっひっひ…… こいつの効果を使えば、ドラゴンをただでバトルゾーンに叩き込むことができる!そのまま押し切ってやるぜ。
「行くぜ。ドラッケンでシールドを攻撃。このときに能力発動!山札の一番上を見て…… よっしゃー!メガ・マナロック・ドラゴンを召喚だぁ!」
げげげっ!?そいつは、僕のデッキには、めちゃくちゃ効くニョロ!!
「マナロック・ドラゴンの効果発動だ。お前のマナゾーンのカード5枚は、次のお前のターンにアンタップしないぜ!コートニーで全文明にしたのが、仇になったなぁ〜にひひ!」
「うーん、困ったニョロねぇ〜。割とマジに。」
「ドラッケンでシールドを、ダブルブレイクだぜ!」
ガシャン、ガシャンと、乾いた音が連なる。ガシガシと割ってきたニョロね……。これで革命 2 が発動できるし…… さらに、手札にあるこいつも、存分に使えるニョロ。
「ギョッギョッギョッ……」
「ん?」
「無用意にシールド割ったこと、後悔するニョロ。スーパー・S・バック、発動〜。いつもの!デッドブラッキオを、バトルゾーンへ!」
黒い影が、バトルゾーンに立ち昇る。
「いい!?そいつは……!」
「そう、マナゾーンにすべての文明が揃っとるのと、カードが 5 枚以上あるという条件を、見事に満たしてるから、ただで召喚できるニョロー。からの…… マナロック・ドラゴンを、マナ送り。」
「くそっ!」
「かーらーのー?シールド・トリガー、幾何学艦隊ピタゴラス!ドラッケンとメラッチにも、ここで退場してもらうニョロ。」
まじかよ…… 一気にバトルゾーンにいたクリーチャーがぁ……!やっぱり、こいつは簡単には勝たせてくれねぇってか。けど!負けるわけにはいかねぇ!星3万個が、かかってるんだからなぁ!
「ターンエンドだ。」
ギョウ 6ターン目
「僕のターンニョロ。ドローからの、呪文再誕の社。効果で、墓地のハヤブサマルとフェアリー・ミラクルを、マナゾーンに。からのからのぉ、ガード・グリップで 1 枚ドロー。」
……よし。今引いたカード、これで一気に有利に進めるかもしれないニョロ。
「さぁ、ブレイクの時間ニョロよぉー。デッドブラッキオでシールドを、ダブルブレイク。」
「くそっ……!」
「まだ行くで。ジャスでシールドを攻撃ぃ。からの、マナ加速。」
「シールドトリガー……こい!よっし!シールド・トリガー、イフリート・ハンド!コートニーを破壊だぁ!」
炎の手が、コートニーを握りつぶす。
「……けど、次のターンでダイレクトアタックまで、持っていけるニョロよ。ターンエンド。」
「そうはさせねぇ!全力で抗ってやらァ!」
勝太 7ターン目
「行くぜぇ!ドロー!そして、デーモン・ハンドをマナチャージ!」
闇のカードが、マナゾーンに沈む。勝太くんが、闇文明のカードをマナチャージした……?なにか、裏がありそうニョロねぇ。
「ラブ・ドラッチをもう一回召喚からのぉ…… その上に、ドラッケンをもいっちょ進化だ!そして、デッドブラッキオに攻撃!このとき…… 革命2、発動だぁー!!」
「来たわ!かっちゃんの革命2!」
ドラッケンの革命 2…… こいつで、一気に形勢を逆転させてやるぜ!そして、カレーパンの山を、この俺の手に……!!
「まずは、ドラッケンの能力を発動!よし、メガ・マグマ・ドラゴンをバトルゾーンに!そしてメガ・マグマ・ドラゴンの登場時効果で、パワー 5000 以下のクリーチャーを、全て破壊ィ!」
灼熱の衝撃波が、バトルゾーンをなぎ倒す。
「ギョウくんのクリーチャーを、ほとんど破壊したべ!」
「まだまだ行くぜ!革命 2 の効果で、山札から2枚を見て火のドラゴン1体を出せる。」
……このドローは、激しく重いぜ…… だが!俺は引く!たとえこの指が、ゔぃいっきりぃ…… 折れようともなぁ!行くぜ、ドロドロドロドロ…… ドォローーー!!!!来たぜぇ!俺の…… 切り札…… 勝ったァーーーー!!
「ドギラゴン!かっちゃんの切り札が来たわ!」
「メガ・マグマ・ドラゴンの上に…… 燃える革命ドギラゴンを、進化だぁーー!」
紅蓮の炎龍が、天を衝く。これで革命2が発動して…… 次のターン、僕は勝太くんを攻撃できない……。つまり、ダイレクトアタックまで持ち込めへん。となれば、こちらからカウンターを仕掛けるしかないニョロ。
「そして……ドギラゴンの革命2、発動!次の俺のターンの初めまで、ギョウ!お前はゲームに勝てず、俺は負けない!そして待たせたな、ドラッケンでデッド・ブラッキオを破壊!」
ここはドギラゴンで攻撃したい……ところだけど、もしイメン=ブーゴを持ってたら、攻撃できるクリーチャーが減っちまうかもしれねぇ。しかもあいつのシールドが0になって、ヴェロキボアロスが出てくる可能性だって、捨てきれねぇ。1ターンは無敵なんだ。……やめておくか。
「ターンエンドだ。」
警戒してきたニョロね。ま、それが今の勝太くんにとって、一番ええ行動やからなぁ。そらそうか。…… じゃ、こっちは、その警戒を、見事に無駄にしてやるニョロ。
ギョウ 7ターン目
「ドロー。エメラルーダを召喚。シールドのカードを1枚、手札に戻して…… よし。シールド・トリガー、サイバー・ブレイン。カードを3枚ドローニョロ。からの…… シールドを追加ー。」
さっきガード・グリップで引いたこいつを、ここで仕込むことができたニョロ。これで…… 次のターン、どうにかしのげるニョロ!
……あいつ、シールドになにか仕込んだな?俺のデッキがバンバン殴ってくるデッキだと思ってるから…… どうせ、マスター・スパークとか、なんやら仕込んでるんだろうぜ。だが、甘いな、ギョウ!そんな俺は、もういないのだぁ!
「からの、呪文、リバース・チャージャー。効果でデッド・ブラッキオを手札に。マリン・フラワーを召喚して…… ターンエンドニョロ。」
勝太 8ターン目
「ターンエンドで良かったのか?…… じゃあ、ここでお前の星……3 万個は、この俺のもんだぁ〜〜げっへっへっへ……!!」
【主人公が、しちゃいけねぇ顔してる!おぉい今すぐ直せ!ひでぇ!】
「行くぜぇ……もいっちょ、デーモン・ハンドをマナチャージ!これで準備は整ったぁー!!呪文、デビル・ドレーン!効果でシールドを、すべて手札に加えるぜ!」
闇の渦が、シールドを飲み込む。
「なるほど…… そのために闇文明のカードを、わざわざ入れていたニョロか…… そして今、シールドがなくなったってことは……!!」
「そう!お前にも見せてやるよ…… ドギラゴンの最後の切り札!最強の切り札ぁ…… 革命 0、発動だー!ドギラゴンはこれで、無限攻撃ができるようになる!」
……前の俺は、ここで完全に終わって、無限攻撃をしまくっていた。…けど、今の俺は違うぜ!
「まだまだ行くぜ!まずはチッタ・ペロルを召喚!こいつの効果により、バトルゾーンにあるドラゴンはすべて、アンタップしているクリーチャーを攻撃できる!そして次に呪文、崩壊と灼熱の牙!」
なんや…… あのカードは?見たことがいないニョロねぇ。
「行くぜ、まずはドラッケンでエメラルーダを攻撃!このときに能力発動!山札上1枚見て……メガ・タイマン・ドラゴンをバトルゾーンへ!更に革命 2 の効果でもう一丁!メガ・タイマン・ドラゴンの上に、ゴウ・グラップラー・ドラゴンを進化だぁ!」
轟音と共に、新たなる龍が舞い降りる。これでエメラルーダは、確実に破壊されるニョロか。めんどいことになったなぁ。
「そして……ここでさっき唱えた、崩壊と灼熱の牙の能力を発動だ。このターン、相手のクリーチャーが破壊されたとき、相手はマナゾーンにあるカードを 1 枚選んで墓地に置いて……その後ぉ、シールドも1枚選んで、墓地に置いてもらうぜぇ〜!!」
……なぁるほど、そうきたニョロか。けど残念。さっきデッドブラッキオを手札に戻したのは、別にスーパー・S・バックを使うためだけじゃないニョロ……。あれは、カモフラージュでもあるニョロよ。こういうときのための、伏線やったんや。
「じゃ、さっき仕込んだシールドを、墓地に置くニョロ。」
「にひひ……諦めたか?ギョウ。」
「そういうわけじゃないニョロよ。こいつをスーパー・S・バックで落として、除去を狙っとったんやけどなぁ……ま、こいつだけでも、十分に除去はできるから、ええんやけどな。」
なっ……俺のドギラゴンが、手札に戻された!?
「疾風怒闘キューブリック。こいつは、どこからでも、墓地に置かれたとき、条件を満たしていればクリーチャーを一体、手札に戻す能力を持っとるニョロ。これで、ダイレクトアタックまでは、行けへんくなったニョロなぁ……。」
「ぬぁにぃ!?ドギラゴンの無限攻撃をする前に……おい、ギョウ!ちょっとは展開の事情も考えろ!この VSR 編で、まだドギラゴンの革命0の効果、発揮できてないんだぞ!せっかく無限攻撃できると思ったのにぃ!」
【おい、やめろ主人公!下心満載な上に、そんなこと言うんじゃありません!】
「ちっ……だけど攻撃はできる!ゴウ・グラップラー・ドラゴンでマリン・フラワーを攻撃!そして、崩壊と灼熱の牙の能力、発動!」
マナからは…… 適当にアクア・ハルカスでも、墓地に置いとくか。シールドを…… ほい。おっと、運がええニョロなぁ。ヴェロキボアロスが落ちたニョロ!じゃあ次のターンで、さっきドローしたこれを唱えれば…… 勝ちニョロ!
「ターンエンドだ。
だけど!こっちには革命の鉄拳が、まだ 2 枚ある!負けるかよ!カレーパン…… カレーパァン!!!
「カレーパンは、俺のもんだぁーー!」
【あらら声に出しちゃったよ!】
ギョウ 8ターン目
「悪いけど、勝たせてもらうニョロよ……。まずはマナチャージ。これでマナは 13 枚。からの呪文、ダーク・リバース。」
闇の光が、墓地を照らす。
「あのカードは…… クリーチャーを一体、墓地から回収できる呪文…… てことは、ギョウさんは!」
「ヴェロキボアロスを、回収ニョロ。」
「なっ!?っことはまさか…!?」
「行くでぇ、マナゾーンにカードが 11 枚。全文明揃ってるから、更に 5 軽減。よって、たった9マナでいらっしゃぁい!頂革命 我威亜ヴェロキボアロスの、ご登場ニョローー!!革命 2 の効果は、相手にクリーチャーがおらんから使えへんけど……やられたらやり返す、革命0発動やぁー。これにより、僕はマナゾーンから、クリーチャーのコストが合計10以下になるように、自然のクリーチャーを好きな数だけ出せるニョロー。コートニー、タイガ、からのぉ……聖鎧亜クイーン・アルカディアスを、タイガの上に進化ニョロ!!」
威厳ある光が、バトルゾーンに満ち溢れる。
「な、なんだべ!?あのクリーチャー!見たこともないべ!!」
「こいつは、相手が多色ではない呪文を、唱えられないようにすることのできる、超強力なカードニョロー!」
「え!?てことは、まさか…… 俺は…!?」
「かっちゃんが、逆転の最後の手段として持っていた『革命の鉄拳』は…… もう、使えなくなっちゃった、ってこと?」
えぇ…… 俺、負けるの?ちくしょーー!カレーパンの山がぁ、目の前まで来てたのにぃー!
「クイーン・アルカディアスで、ダイレクトアタックニョロ!」
「俺のカレーパーーーン…………」
ほい、決着。そして、僕の勝ち。だから…… またしても、星が増えたニョロ。
その後、どうなったかというとやな。まぁ、勝太くんには、こっそり星を戻してあげたニョロ。だって、僕はいらないもん。んでなぁ、星をいっぱい持っとるってことがバレて、僕はいろんなデュエリストから、格好の的にされたニョロ。けど…… やっぱり負けたないから、全部に勝ってしもた結果、なんと星が 2万5千個も増えたニョロ。すごいやろ。って言っても、使い道が思いつかへんのやけどね。
夕焼けが、空を真っ赤に染め上げ、背中を優しく撫でるように照らす中、僕は一人、家に帰ったニョロ。靴音だけが、静かな道に響く。……一人だけで暮らしとると、やっぱり寂しいニョロねぇ。誰か、話し相手が欲しいもんやけど……。
だぁ〜、こんなこと考えてたら、余計に寂しくなってきたニョロ!気を晴らすために、デッキ調整でもするか………… ちょっと待てよ。僕は、革命妖精ジャスのカードを手に取り、ふと、あることを思いついたニョロ。
「……なぁ、デュエマフォン。ジャス…言ってしまえば、このクリーチャーをこの世界に、呼び出すことはできるニョロか?もしできるとしたら、星は何個必要ニョロか?」
あ、すぐに返事が返ってきた。「可能」…… 必要な星は、なんと 20万個!めっちゃ使うやん、めっちゃええやん!これをやらない理由は、どこにもないニョロな。はい、20万個使って、ジャスをこの世界へ、呼び出すニョロー。
「…… わっ!」
部屋中に、柔らかな光が満ちる。あ、出てきたニョロ。カードの絵そのままの、ちょっと武装したジャスミンニョロ。身長は、僕よりも 20cmほど低いぐらい。目は…… 前髪が邪魔をして、よう見えないニョロねぇ。
「……え……ここは?」
「ここは地球ニョロよ。やっほー。僕、寄成ギョウちゅうもんや。よろしく。」
「ギョウさん……?あなたがですか!?私を使っているデュエリストが、どんな人かと思いましたが…… あなただったんですね!」
ジャスはんの声が、弾んでいる。
「ん?なんや、僕のこと、知っとるんか?」
「はい!革命カードになって、外の声しか聞けないときでも、あなたの噂をしている人が、ちらほらいたんですから!」
「ふーん、そうなんや。」
「そういえば、なんで私をこの世界に呼んだんですか?」
「話し相手が欲しかったんや。一人は、寂しいニョロからねぇ……」
そう言うと、ジャスはんは、明るい笑顔で、たくさん僕と話してくれた。クリーチャーの世界のことだったり、自分が革命の力を手に入れたのは、時空が歪んだことで偶然力を得たからだったり……。結構、面白い話がたくさん聞けて、心の奥の方が、ぽかぽかと温かくなったニョロ。
いやしかし、これで長年の心細さは、すっかり解消されたニョロ。同時に、星が大量にあるって言う悩みも、綺麗さっぱりな。もう 5 千個しかあらへんから、あとはテキトーに使って、どんどん減らそ。
「そうだ!私、お料理できるんですよ!見せてあげましょう!」
「えっ。」
急に何を言い出すかと思ったら……ジャスはんは、猛ダッシュで「調理場はどこですか!」と叫びながら、走っていったニョロ。……少し心配やけど、まぁ、あの自信満々な様子やから、大丈夫やろ。
「ぎゃー!……ギョウさん、助けてくださーい〜〜……!」
………うぉい、だめなんかい。それよりも、ジャスはん、大丈夫かなぁ……。
「大丈夫ニョロ〜?」
僕が台所に駆けつけると、ジャスはんは煙の中で、しょんぼりと肩を落としていた。
「なんか、クリーチャー世界と調理器具の使い方が、全然違って……ごめんなさい〜。」
「ええよ、ええよ。ジャスはんは、テレビでも見てて、ご飯ができるのを待っときや。」
「はぁい。」
ジャスはんが、小さくうなずく。なんか、本当に一人の子供が、家の中におるみたいな感じやな。妙に、ほのぼのと、心が和むニョロ。
……この生活が、ずっと続くんやったら、ええなぁ。早くこうしてれば、よかったニョロ。さぁて、明日は、何をしよかなぁ〜。