寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜! 作:ライダー☆
僕は……そうや、負けたんや。勝太くんとのデュエマで、負けた……。けど不思議と悔しくはないなぁ。胸の奥がすっきりして、清々しい気持ちでいっぱいやわ。
「いや〜……負けたニョロ。やっぱり、勝太くんは強いなぁ。デュエ魂があるから、カードも応えてくれとる。あそこでマスター・スパークを引けたのも、そのデュエ魂あってこそやろうしな。」
「けど、ギョウだってめちゃくちゃ強かったじゃねぇか。あそこまでクリーチャーを展開させてきて、最後の最後までトリガーを引いて……しかも最初にDNA・スパークで阻害までしてくるなんてよぉ……!まじで震えたぜ……。」
「そう言ってくれると嬉しいニョロ。ありがとうニョロ。」
「にひひ……ほら、立てよ。」
差し伸べてくれた手を、僕は強く握ったニョロ。温かかった。それと同時に、アツきデュエ魂をぶつけ合った僕たち2人を称賛する声が、生徒たちから溢れ出してきた。わあっという歓声が、運動場いっぱいに広がっていくみたいやった。
デュエマをしただけで、こんなに人から称賛されるなんて、現代社会ではありえへん話やなぁ。この世界、慣れればものすごく楽しいかもしれへん。なんなら……もう、十分すぎるぐらいに楽しいわ。
「よしっ!じゃあこっから、デュエマ甲子園決勝に向けて、一緒に頑張ろうな!!」
「ちゃうちゃう!!!」
あ、そうやったな。そういえばそんなのあったわ。牛次郎も、僕のことをデュエマ甲子園京都代表とかなんとか言っとったなぁ。ん?で、今、一緒に頑張ろうと言ってくれたっちゅうことはや……僕は勝太くんと、デュエマする機会がめちゃくちゃ増えたわけやないかぁー!最高やで!しかも、勝太くんの周りには強いデュエリストがぎょうさんおる。他の人とデュエマするのも楽しみになってきたなぁ……。
「そうや!お互い高みを目指し合って、そしてまた決勝戦で戦うために頑張ろうニョロ!」
なんてえぇ展開や……これはこのあとの授業も、優越感に浸って集中できそうにないわー。
で、優越感に浸ったまま5時間目を終えて、そのまま帰ろうと学校を出て、正門の目の前まで来たときや。ふと、後ろから誰かに声をかけられたんや。聞き覚えのある声やから、すぐに誰かはわかったで。けど、ここはあえて知らないふりをするんや。そうしたら、展開はいい感じに回る。
「ん?誰や?」
そこにいたのは、ホカベンくんやった。必死に僕を捕まえようと走ってきたんやろうな、ものすっごく疲れて荒い息を吐いとる。
「そんなに急いでどないしたんや?もしかして、僕何か忘れ物でもしてたニョロか?」
「ち……違うんだべ……。」
「んん?」
するとホカベンくん、何を血迷ったか僕の前で土下座してきたんや!な、なんや、一体僕が何をしたっていうんや……!?
どうやら話によると、デュエマ甲子園に出場するために力をつけてほしいということやった。このままの自分じゃ絶対にだめやって言ってな。土下座までして何を聞いてくるかと思ったら、なんやそんなことかいな。そんなこと、土下座なんてせんくたって軽く承諾したるのに、律儀やなぁ。ちょっと度が過ぎてるぐらいに……。
「えぇよ。デュエマしたるわ。」
「ほ、本当だべか!!」
「ほんまやでほんま。そ・れ・と〜……僕にはそんな丁寧に接しなくてもええで。友達感覚で、舐めた口聞いたってええで。それと、それと〜……」
ここで、あることを思いついたんや。ホカベンくんのやる気を、さらに増やすためにな……。
「僕に勝ったら、君にレアカードを4枚あげる。嘘ちゃうでぇ……?」
「え!?」
「ささ、早くデュエマしよや。力、つけてほしいんやろ。」
「わ、わかったべ!じゃあ僕の全力、見せてやるべ!」
「じゃ、運動場に行って、か〜ら〜の〜……」
『デュエマ、スタート!』
【始まったホカベンの力をつけるためのデュエル!だが、ギョウのデッキは少し違うデッキであった!】
ギョウ 2ターン目
「2マナタップ。トップギアを召喚ニョロ〜。」
「ひ、火文明のカード……しかも軽減クリーチャーだべ!?」
「だいたい言いたいことはわかるで。「多色使いやのに単色軽減のクリーチャーをなんで入れとるんだろう」……みたいな感じやろ?」
「そ、そうだべ……はっ!そういえばギョウくんのデッキ外に、ドラグハートがないべ!まさか、ギョウくんのデッキは……!」
「ちょっとさっきとは違うニョロよ〜。火と水の2色デッキや。これはもともと勝太くんとのデュエマで使おうと思っとったんやけど、トリガーが少なくてなぁ。攻め込まれたらかなり不利やから急遽チェンジしたんや。さぁて……僕はターンエンドやでぇ。」
【ぬぁんと!火と水の2色デッキぃ!?これは予想外!そしてぇ、5ターン目まではこれといった動きは見られず、静かに両者が出方を伺う展開に。ネクスト・チャージャーを使ってマナの数はホカベンが有利。……か〜ら〜の〜?先に動いたのは……!】
ホカベン 5ターン目
「よし!こっちから行くべ!マナチャージ!そしてコッコ・ルピアを召喚だべ!これでコッコ・ルピアは2体!」
「ドラゴンのコストは4軽減……厄介やなぁ。」
「そのとおりだべ!コストを4軽減して……ボルシャック・NEXを召喚だべ!」
出てきおったか。CGやないけど、絵は地味に凝ってるなぁ。かっこえぇで。で、能力発動かぁ。
「能力で、山札から「ルピア」とつくクリーチャーをバトルゾーンに出せるべ!マッハ・ルピアを召喚!」
かわいい。ああいうかわいいクリーチャーは、試しによしよししたくなるなぁ。けど、能力自体は可愛くあらへんねんなぁ。
「マッハ・ルピアの能力で、自分のアーマード・ドラゴンはすべてスピードアタッカーを得る!ボルシャック・NEXで、シールドをダブルブレイクだべ!!」
ありゃりゃ。これはまずいなぁ。僕のバトルゾーンにはまだトップギアとアーマ・フランツしかおらへん。トリガーもないし……加えられたカードも重くて使えそうにはないし……。
「マッハ・ルピアの効果で、ボルシャック・NEXを手札に戻してターンエンドだべ。」
ギョウ 6ターン目
ここはトップ解決しかなさそうやなぁ。ほい、ドローっ!……おっ、このカードはこの状況にうってつけやないか!
「ええカードきたでぇ。マナチャージ!1マナタップして、呪文、鬼奥義ザコダケ・イッソー!パワー1000以下のクリーチャーを全部破壊ニョロー。」
「あぁっ。コッコ・ルピアがぁ!」
ようし、これで軽減クリーチャーを2体消せた!これは大きいで。さらに、まだ5マナある……こいつ召喚や!
「熱血龍バトルネードを召喚。登場時効果で、マッハ・ルピアとバトル!そして破壊や!これでホカベンくん、君のバトルゾーンにはクリーチャーはいなくなったでぇ。」
「くっ……!」
「さぁ、ブレイクの時間や。トップギアでシールドをブレイク!」
「トリガーは……ないべ。」
「続いてアーマ・フランツでもシールドをブレイクや。」
「トリガーは……あったべ!シールドトリガー、ピアラ・ハート!トップギアを破壊だべ!」
ただでは終わらせてくれへんか……軽減クリーチャーを減らされたのは、かなり痛いなぁ。ま、これでターンエンドやな。ホカベンくんのバトルゾーンにはクリーチャーが一体。あそこから何か巻き返してくるかもしれへん。油断は禁物や……!
ホカベン 6ターン目
「ようし、行くべ!このドローは……激しく重いべ……!だが、オラは引く!たとえこの力が……絶えようとも……引くんだべーー!!!」
切り札を引いたかな?この感じは……さて、どうくるんや……!!
「行くべ!まずは、コッコ・ルピアを召喚!そして4マナで、ボルシャック・NEXを召喚だべ!効果で、山札から探索をして……鳳翔龍機バルキリー・ルピアを、ピアラ・ハートの上に進化だべ!効果で、山札を探索して……バトライオウを手札に!行くべ、バルキリー・ルピアで、アーマ・フランツを攻撃。そして!火のドラゴンがバトルに勝ったから、こいつをただで召喚できるべ!爆竜勝利 バトライオウを、2体バトルゾーンへ!」
さっきサーチしたのと、さらにもう一枚持っとったのか……つまり、次のターンに動けへんかったら、あの巨大クリーチャーたちが一斉に襲いかかってくる。ホカベンくんはこれでターンエンド。このターンで決めなきゃいけへん。
いけへんのに……ここに来てスーパー炎獄スクラッパーがめくれるんかーい!まずいで、強力なトリガーが1枚、シールドにないことが確定してしまった!このデッキの中にトリガーは9枚。そのうち3枚はマナゾーンに、1枚は墓地に、1枚はいま手札に……シールドの中にあるっていう見込みは薄い……。
ん?あ、これ仕込めるニョロ。ここは仕込む以外に道はないニョロ!
「呪文、ブレイン・チャージャー。1ドローしたあと、この呪文はマナに。そして3マナで、アクア・スーパーエメラルを召喚。そして手札1枚をシールドへ。そして、シールドを1枚手札へ………。これでターンエンドや。」
「動かないなら、ここで一斉攻撃させてもらうべ!」
ホカベン 7ターン目
「ドロー!行くべ!コッコ・ルピアの効果でコストを2軽減して、4マナ!行くべ!さっきのターンに引いたこの切り札を、使うときが来たべ!!」
「おもろくなってきたなぁ!一体、何が出てくるんや……?」
「進化
その名のとおりやな。ギラギラしとって目を塞ぎたくなるぐらいや。しかし……進化Vか。犠牲が大きい分、力も凄まじいか……!!
「ギラギラ・ドガッツでシールドをブレイク!そのときに、こいつよりもパワーの小さいクリーチャーを2体まで破壊できる!アクア・スーパーエメラルを破壊!これでブロッカーもいなくなったべ!いけぇー、ギラギラ・ドガッツ!!」
トリプルブレイク……1枚は確定でシールドトリガー。バルキリー・ルピアを破壊して……あとは2つのシールドチェック!1つ……違う……最後の1枚は……!!
「シールド・トリガー!
「くっ……ターンエンドだべ!」
あっぶなーい!どうにか助かったって感じやな。クロックが出てきてくれたのは九死に一生……!繋いだターン、無駄にはせぇへんで……!!
ギョウ 8ターン目
「行くニョロ。」
これは……鼓動や!水の静かな流れの中で聞こえる……ささやかな、けれど確かな鼓動……。行くで、ドロー!!
「今一番来てほしいカードが来たニョロー!!」
「一番来てほしいカード……!?一体何だべ!?」
「今から見せてあげるニョロー!!まずはマナチャージ!2マナタップして行くで!呪文、ブレイン・ストーム!効果で山札上から3枚見る。1枚目は……トップギア。2枚目は……デカルトQ。3枚目は……き、きたで!1枚、デカルトQは手札に。そして手札を好きな順序で山札の上に!上から鬼丸「覇」、トップギアの順で山札に戻すニョロー。……かぁぁらっのぉー!1マナで呪文、キリモミ・ヤマアラシ。効果で、次に召喚するクリーチャーのコストを1下げる。
「……どういうことだべ?バルガゲイザーは出たときには攻撃できないはず……これで、ターンエンドってことだべか?」
違うんやなぁ〜……それが。
「キリモミ・ヤマアラシの効果はコストを下げるだけやない、召喚したクリーチャーに、そのターン中スピードアタッカーを付与すんねん。だからそのまま……バルガゲイザーでギラギラ・ドガッツを攻撃。」
「なっ!?パワーはこっちのほうが上だべ!?」
「それでいいニョロ。攻撃すれば、バルガゲイザーの効果は発動するねんからなぁ〜!効果発動!山札上から1枚見てドラゴンやったらただで出せる。けど……これはギャンブルちゃう、確定事項や……。」
「ん?……あ、あぁ!!まさか1番上は……!!」
「思っとる通りニョロ。行くで。鬼丸「覇」をバトルゾーンへ!」
さーて、バルガゲイザーは一仕事したから破壊されて墓地送りや。で、まだ攻撃してへんのは2体……鬼丸とクロックや。
「鬼丸「覇」で、シールドを3枚ブレイクニョロ!そん時にガチンコ・ジャッジ!……あんたのコストは3、こっちは5!僕の勝ちニョロ。」
「そ……そんな……!!」
「どうやら、トリガーはないらしいな。けど、ここまで追い詰めてくるとは……すっごいびっくりしたし、デュエ魂が滾ったで。これでトドメや。クロックで、ダイレクトアタック……!!」
これで僕の勝ちや。
ホカベンくんは力が及ばへんかったってすっごく悔しそうにしてたけど、それでも僕にお礼を言ってきたんや。デュエマしてくれてありがとうってなぁ。……律儀やなぁ、ほんまに。こういう人を見ると、何かせずにはいられなくなってくる。
もともと、僕に勝ったら「永遠」のリュウセイ・カイザーをあげようかと思っとったんやけど、それは取り消しニョロ。代わりに……ほい。僕はデッキをそのままホカベンくんにあげることにしたんや。
「え……?」
「このデッキ、君にあげるで。君とのデュエマ、すっごくアツかったしなぁ。」
「い……いいんだべか?うわぁ〜……リュウセイ・カイザーも、ホワイト・ドラゴンも!バルガライザーも……!他にもいっぱい入ってるべ!ほ、本当にいいんだべか!?」
「ええよええよ。お返しはいらへんから、ホンマやで。それ、使ってみてわかったんやけど、僕にはちょっと使いづらかったしな。やっぱり全文明をよく使っているデッキが一番やりやすいわぁ。ホカベンくん、君のデュエ魂なら、まだまだ強くなれる。それをほったらかしにしとくのはもったいないからな。…そのデッキのカードを入れて、進化したデッキを、また僕に見せてくれぇや。」
「うん!ありがとうだべ!絶対に見せるべ。そして、また一緒にデュエマしようべ!」
「うん。じゃ、またなぁ〜。」
いい気分やわぁ。人から感謝されるってこういうことなんかなぁ。
ま、実際使いにくかったし、最後はブレイン・ストームを使った結構大きめの賭けやったし、運が良かったっちゅうやつや。僕ではあのデッキの強さを十分に引き出せへんかった。けどホカベンくんのドラゴンデッキと混ぜ合わせたなら、ルピアで軽減したりして高コストのクリーチャーもすぐに出せるはずや。あのとき墓地においたカードかて、イフリート・ハンドと地獄スクラッパー……意外としっかりトリガーが詰め込んである。ブレイクされても逆転はちゃんとできるようになっとる。あとはあの子がデッキ構成をどうするか、やな。ま、困っとったらまた教えればいいだけのことニョロ。
ん?なんか飢えている匂い……正門の右にコジローはん!!
「てめえらのデュエル、遠くから見させてもらってたぜ。京都代表、寄成ギョウ!聞いているよりかは……てめぇ、優しいじゃねぇか。」
「……僕は変わったニョロ。これからは、人に優しく接して、激しくアツかりしデュエルをするためだけに生きていくニョロ。もう、昔のギョウはどこにもいないニョロ。」
「フッ……そうか。じゃあ、俺等がデュエマをするのは甲子園の決勝で、か……。その時は、全力でお前を倒すぜ!」
「こっちも、君を倒すために全力を出すニョロ。負けたくはないんでねぇ。それと同時に……僕の実力も認めてくれて、嬉しいニョロ。」
「フン……まぁな。」
佐々木コジローはんの去っていく後ろ姿は……全てにおいて飢えていた……。あの人は、デュエマ甲子園決勝に出場するための未来が予測できとる。実力もあれば、強者に対する策さえ怠らない。やっぱり、カッコえぇなぁ。
で、数日が経った頃や。僕は今、何を見てるんやろうか……
「コジたぁ〜ん♡」
「やめろ!来るんじゃない!俺はお前とは馴れ合いたくはねぇんだよ!!!」
「いや〜んそんなところもかーぅわいい〜!!」
「やめろっつってんだろうがぁ〜〜〜!!!」
「やーだやめな〜ぃ。気が済むまで追いかけ続けてあげるんだからぁ。」
「やめろっt……あ、おい!ギョウ助けてくれ!こいつを、どうにかしろーーー!!!」
「えっちょっ、なに。」
僕の横をとんでもない速さで駆け抜けていく2人……何や、疑問が頭の中でごっちゃごちゃやで!誰やあの緑髪の少し破廉恥な女の人。で、盛大にキャラ崩壊をしていたコジローはんは一体何なんや…………?
……はぁ〜〜……終盤にギャグテイストを持ってくる。カードアニメの逃れられぬ、運命、なんかなぁ……。