寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜!   作:ライダー☆

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どうも、投稿期間を一ヶ月開けた作者です(*´ω`*)ゴメンネ
色々とモチベは上がりきっていませんしどんな話で書いていたのかさえ覚えてもいませんが、まぁ色々あって書くことにしました。
あ、バトルは全削除しました。あれはもう色々と見返してみて、ちょっとだめだったから・・・そもそもカードゲームをバトルに変えるってなんだよ(素朴な疑問)
てなわけで、今回から心機一転、ジョー編ということで頑張っていきますので、よろしくお願いします。
ちなみに、昔のような投稿頻度で書くことは多分できません。だってまだ熱が上がりきってないもん。デュエチューブのジョー編見終わってないもん。だからゆったり目で行きます。(*´ω`*)/ヨロシク


ジョー編
新・第一話 新たなデュエマの幕開け!?謎の少女シンラ登ジョー!!


 【デュエル・マスターズ】

 

 それは、遊戯に似て非なるもの。

 単なるカードの応酬では終わらぬ、世界と世界をつなぐ戦いである。

 

 カードに宿るのは、意志を持った生命──クリーチャーたちの魂。地球と、彼らが住まう異界〈クリーチャーワールド〉とを結ぶその絆は、盤面を介し、火花のように激突し、軋みをあげる。

 これは“デュエル・マスターズ”。

 命と誇りを懸けた者たちが、己の意志を剥き出しにして挑む、極限の闘争である。

 

 十数年前──かの世界を震撼させた存在があった。

 名を「終焉の禁断 ドルマゲドンX」。

 記録にも、記憶にも刻まれぬ、禁忌にして異端の存在。

 それは理を破壊する終わりそのものだった。あらゆる構造を呑みこみ、痕跡すら残さずに塵と化す、“絶対の無”の具現。クリーチャーワールド全域が、その存在に膝を折った。

 

 だが、その中核に封じられていたのは、かつて“破壊”の名を冠した人間──ザキラ。

 彼の復活は、世界の秩序を根底から破壊した。空は割け、大地は呻き、星々の灯火は深い闇へと沈んだ。支配と崩壊が、ひとつの意思によって解き放たれたのだ。

 

 ……そのすべてに、ただ一人抗った男がいた。

 

 寄成ギョウ──地球最強のデュエリストにして、クリーチャーたちと心を交わす者。

 彼は人間でありながら、あらゆる種族のクリーチャーと意志を通わせ、戦った。

 絶望が覆いかぶさっても、魂を折らず、信じたデッキと最後まで共に在り続けた。

 ドルマゲドンXの全能にも等しい圧力に抗い、彼は、決して譲らなかった。

 魂を焼き、命を賭け、その手札の最奥にあった一枚──それが勝敗を決した。

 

 敗北を認めぬドルマゲドンXは、自壊という最悪の結末を選ぶ。

 

 「滅ぶのならば、貴様らも共に──」

 

 その言葉と共に炸裂した終末の爆炎は、すべてを巻き込もうとした。

 だが、ギョウと仲間たちは生き延びた。ほんの数秒の奇跡が、彼らを絶対の死から引き離した。

 それは偶然か、あるいは宿命か──誰にも断言はできなかった。

 

 後日、クリーチャーワールドの統治者・女王プリンプリンは、ギョウに跪き告げた。

 

「あなたこそが、新たなる王にふさわしい」

 

 だが、ギョウは首を横に振る。

 

「王になりたいんとちゃう。ワイはただ、この世界を守りたかっただけや。普通の生活に戻りたい。そんなもん、ワイには重すぎる」

 

 英雄は民に讃えられる。だが、英雄自身はいつだって、ただの“人間”であろうとする。

だが──時代はそれを許さなかった。

 

「それでも、あなた以外に頼れる者などいない。どうか……助けて」

 

 懇願されたギョウは、渋々承諾した。

 それは栄光の戴冠ではなく、むしろ煩雑な面倒事を最小限に抑えるための、妥協の選択だった。

 

 ──時は流れた。

 ギョウは、かつて共に時を過ごし、戦った女性・ジャスと結ばれ、一人の子を授かる。

 名を、シンラ。

 彼女が生まれたとき、ギョウは静かに語った。

 

「この子には……ワイのような戦いをさせたくない。」

 

 だが、娘の目は父と同じだった。

 迷いなく何かを見つめる、曇りのない眼差し。信じたものに手を伸ばす、まっすぐな瞳。

 ギョウの言葉とは裏腹に、未来は、再び運命の輪を回し始めていた。

 

 シンラが十二歳を迎えた年。

 クリーチャーワールドにはようやく平穏が訪れ、裂けた空も、傷んだ大地も、再び光を湛えつつあった。

 

 だが──

 

 平和とは、つかの間の幻にすぎない。

 水面下で、何かが、確かに蠢いている。未知の音が、世界の輪郭を震わせている。

 

 これは、かつて世界を救った英雄の娘が、“自らの戦い”を知る物語。

 誰が真のデュエル・マスターかを問い直す、もうひとつの運命の序章である。

 

 すべては、ここから始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………」

 

 …………ここは……どこ?一面真っ暗……何も見えないわ。

 

「………………シンラ、シンラ……!!!」

 

 誰かが私の……名前を呼んでる?……聞いたことのある声……けど……思い出せない……。せめて姿を表してよ……!

 

「あなたが最後の望みよ…………お願い……あの人を助けて……!!」

 

 あの人って誰……?わからない、あなたのこともわからないのよ?ていうか助けてって……展開が急すぎるっての……!!

 け、けど……なんでかしら。そうしなくっちゃいけない気がするわ……ちょっと納得しちゃった私もいるんだもん。な、なんでこう思うのかは、わからないけど……

 

「ごめんなさい……あなたにこんな重荷を背負わせちゃうことになってしまって。……ごめんね、こんなお母さんで……!」

 

 お母さん?……そうだ。ちょっと思い出してきたわ。この声……お母さんの声!!

 そうよ、あの人っていうのは…………私の…………

 

「お父さん……。」

 

ーーーー

 

「わぁっ!!!」

「ぬおぉっ!?」

 

 ……はぁ。なんなのよ、今の。妙な夢だったわ……けど、ただの夢とは思えない。不思議と、あの感覚だけが現実のように肌に残ってる。そう、私はたしかに聞いたの。「お父さんを助けてあげて」って。お母さんの声で。

 でも、それ以外は全部霞がかかったよう。お父さんの顔も、お母さんの顔も――記憶の引き出しをいくら引いても、中は空っぽ。私がどこで生まれたのか、どうしてこんなところで寝ていたのかさえ、思い出せない。

 それでも……何もかも忘れたわけじゃない。

 

 一つ。私の名前はシンラ。今年で十二歳になる。

 ……で、二つ目は……えーっと……う〜〜ん……

 あらやだ、一つだけだったわ。

 

 ――と、そこからのぉ……えっと、誰この人?私が跳ね起きたせいで、見事に尻もちをついてるけど……

 なにあの髪型。前髪の上に乗っかるようにして、「D」と「M」を象ったような派手な房が跳ねてるじゃない。しかも、その部分だけビビッドな黄色。何かのマーク?いや、まさかファッション?……個性が過ぎるわ。

 それにしても、この部屋……どこ?天井は高くも低くもなく、壁一面に子どもが描いたような絵が貼られてる。風景、モンスター、笑顔の人々……けれどどれも彩度が強すぎて、どこか現実離れしてる。ここ、見たことない。知らない世界。

 

「いっててて……ようやく起きたか……」

「……?あなた、誰?」

 

「俺?……えーっと、切札ジョー。」

 

 切札……ジョー?

 その名前――聞いたことある。確か……お父さんとお母さんが話してた。たしか、「切札勝太」って名前のすごいデュエリストがいたって。写真も見たことある。幼い頃のお父さんが、その勝太さんと並んで写ってた。キラキラした笑顔だった。

 思い返せば、この子……その勝太さんに似てる。目元の力強さと、どこか抜けた雰囲気が。まさか……この子、あの人の子ども――?

 

「ねぇ、あなた……」

「ちょっとちょっとちょっとーー!!」

 

 なっ!?なに、今の声!?どこから!?……いや、今のは、確かにこの子の胸元……そう、デッキケースのあたりから聞こえた……?

 嘘でしょ?そんなはずない……私はまだ寝ぼけてるのよ。うん、夢と現実がまだ混じってるだけ……。

 

「あーんた、第一声が『あなた、誰?』ですとぉ〜〜!?まずはジョーさんにありがとうございますを言うのが、ジョー識でしょうーー!!」

「はぇ?」

 

 ……間違いないわ。こいつ、喋った。デッキケースが!!ケースが声を発してる!?うわっ、しかもテンションの高低がめっちゃくっきりしてる!?見た目に反してノリが軽いっていうか、口調が人間臭すぎる……!

 

「……なぁに驚いてるんですかこの子は!!」

「いや、デッキケースが喋ってるのを見たら、誰でも驚くと思うんだけど……」

「へ?」

 

 ああもう、混乱しすぎて思考が霧に包まれてる。えっと、私……私、何を言おうとしたんだっけ。確か、何か訊こうとしたところで、この喋るデッキケースに止められたのよね……?人生でこんな展開ある!?っていうか、きっとないわ。断言できる。

 ……あっ、そうだった。この子――切札ジョーっていう子について、訊こうとしてたのよ!

 

「ね、ねぇあなた!!」

 

 声が裏返った。思った以上に勢いが出て、自分でも驚くくらいだった。

 

「うぇぇ、何ぃびっくりした!?」

「あ、ぁ、ごめんなさい。……じゃなくって!訊きたいことがあるのよ」

「訊きたいこと? 俺に?」

「えぇ。…………ねぇ、あなたのお父さんって……」

 

 ――ガチャリ。

 

 扉の開く音が、あまりにもタイミング悪く重なった。

 

「ジョー、ご飯できたわ……ってあら、起きたのその子?」

 

 ひょっこりと顔を出した女性。あれが“お母さん”……なんだけど……すごいおでこ。尋常じゃない反射率。あの額に太陽が当たったら、あたり一面が眩しさで真っ白になるんじゃないかってぐらい。

 あぁもう、訊くタイミングを完全に逃したわ。最悪ね。どうしてこうも間が悪いのかしら。

 

「しっかし変ですよねぇ。この子、私と同じように隕石みたいに落ちてきたんでしょーう?」

 

 唐突にデッキケースが口を開いた。あのしゃべるやつ。相変わらず口数が多い。

 

「うん。母ちゃんが買い物で街まで歩いてたら、この子を見つけたって言ってたから」

(……は?)

 

 思考が、凍った。

 

(買い物のついでに見つけた……?私を……?“隕石みたいに落ちてきた”って……何それ。……私って、何?)

 

 頭の奥がキリキリと痛む。考えようとしても、思考は霧の中に散っていく。記憶も、感情も、足元から崩れていくようだった。

 

(だめ……考えようとしても、形にならない……これって……まだ夢の中にいるってことなの?)

「ねぇあなた、大丈夫?ちょっと顔が青いけど……」

 

 柔らかい声が耳に届く。ジョーの“お母さん”が、私の前にしゃがみ込み、心配そうに覗き込んでいた。間近で見ると、光る額以上に、瞳があたたかかった。

 ……正直、大丈夫とは言えない。でも、ここで「だめです」と言ったところで、どうせまたベッドに逆戻りだろうし……。今はとにかく話を聞いて、少しでも状況を整理しなきゃ。そう、まずは“動く”こと。止まってばかりじゃ、余計に心が沈む。

 

「……大丈夫です。けど、ここって……どこなんですか?」

「私たちのお家よ」

「……お家、ですか。じゃあここは……」

 

 ちらりと背後の少年を見やる。

 

「……ジョーの部屋よ」

「…………そう、ですか。……助けてくださったことには感謝します。けど……私、まだ色々と状況が理解できていなくて……」

「それくらい、わかってるわ。」

「え……?」

 

 その声に、少しだけ救われた気がした。まるで、痛みを伴わない薬のような、優しい確信に満ちていた。

 

「……ふふ。ねぇ、あなた名前は?」

「……シンラ」

「シンラちゃんね。……さ、ご飯を一緒に食べましょ。あなたの分もあるから」

 

 ――あっけにとられるほど、優しい人だった。

 

「ジョー、その子連れてきてあげて。私、ちょっと準備してくるから。」

「はーーい。……ねぇ、一緒に行こ!」

 

 ジョーが手を差し伸べてくる。けど――そう、私はもう立ち上がれるはず。一人で歩けるわ、舐めないでよ……。

 

「よ、っと――」

 

 ……あれ?

 力が、まるで入らない。まるで手足が空気でできてるみたいに、ひょろひょろと崩れ落ちる。両膝が床に着いた瞬間、ようやく気づいた。私、相当お腹が空いてる。いや、お腹の底が冷え切ってるみたいに、力が出ない。

 そういえば、いつから何も食べてなかったっけ……夢と現実の狭間で漂ってたせいで、空腹なんて感覚も、ずっと忘れてた。

 

「ねぇ、私って……何日寝てたのかしら?」

 

 問いながら、自分の声が妙に頼りないのを感じた。舌の上に残る微かな渇きが、それを裏づける。

 

「え?う〜〜ん……デッキー、どれくらい寝てたっけ?」

「まるまる三日は寝てましたねぇ。」

 

 三日。言葉の刃が、耳を通って脳の芯にまで刺さった。

 

「あ、あぁ……そうなの……。道理で、腕一本持ち上げるのに一苦労なわけだわ……」

 

 脚は鉛のように重く、指先は乾いた紙のようにひび割れた感覚。熱も冷気も曖昧な身体で、私は彼――ジョーの差し出した手を取った。素直に頼るのは癪だったけれど、あの細い手に縋る他に選択肢はなかった。リビングへと引かれながら、窓越しに見えた空は橙に焦がれていた。黄昏。終わりの色。……そうか、もう夕方なのね。特別な感慨もなく、ただ時間の流れだけを受け止めた。

 

 その夕食は、私の胃袋にあまりにも正直だった。

 

 テーブルの上には、雑にラップされたカレーパンと豚骨ラーメン。色はどちらも茶色一色、栄養価はおそらく深く考えられていない。盛りつけに工夫のかけらもなく、せめて野菜の一欠片でも乗っていればと思ったが、探しても見つからなかった。皿の上は、茶色の単色画。なんとも潔いほどに、食卓から「バランス」という言葉が削除されていた。

 

「うげぇ、母ちゃん、カレーパンはいいって~~。」

「好き嫌いせずに食べなさい!恥ずかしいわよ?」

 

 恥ずかしいのはむしろこの食事の偏り具合だわ、と心の中でツッコむ。二品。しかも両方揚げ物と炭水化物。栄養士が見たら卒倒するレベル。だけど――空腹には勝てなかった。腹の虫が怒声を上げて催促してくる。

 

「いただきます。」

 

 口に入れた瞬間、身体の芯がじわりと温まった。あぁ、美味しい。妙にスパイスが立っていて、カレーパンの外側が想像よりもサクッとしていた。ラーメンのスープは濃く、やや塩気が強かったが、それが逆に体に染みる。……空腹のフィルターを通しているとはいえ、味自体も決して悪くなかった。

 気づけば完食していた。お腹が満ちると、ようやく頭の中の霧が晴れてくる。今こそ聞かなくては。私には、この家の人たちに確認すべきことがいくつもある。

 

「……ありがとうございました。」

「ううん、いいのよ。でもびっくりしたわねぇ、空から女の子が落ちてきたときには。」

「デッキーと似てるなぁ。空から落ちてきたっての……」

「ま、まぁ確かに……似てますね……」

「食べ終わってすぐで悪いんだけど……私、ちょっとあなたたちに訊きたいことがあるの。」

 

 空気が、ぴんと張り詰める。ふと、部屋の温度が下がったような錯覚に包まれた。私は言葉を選びながら、最初の一歩を踏み出す。

 

「……ねぇ……ジョー君、だったかしら、名前?」

「え?俺?うん。」

「……名字を、切札って言ったわよね。あなたもしかして……切札勝太っていう人の子どもなの?」

 

 その瞬間、二人の顔に走った動揺は、隠そうとしても隠しきれないものだった。まるで豆鉄砲を喰らった鳩。言葉の意味を、理解するまでの一拍の間すら顔に出ていた。

 

「なんで……父ちゃんの名前を知ってるの?」

「かっちゃんの名前を……あなた、一体何者なの?」

「…………私の名前は、シンラ。名字は…………寄成。寄成シンラよ。」

 

 名乗った途端、ジョーの母親の瞳孔がわずかに開いた。全身が一瞬こわばるのが分かった。彼女だけが、その名前に意味を見出していたようだった。ジョー君の方は……たぶん知らされてない。あるいは、覚えていないか。

 

「寄成……って……嘘……ギョウとジャスちゃんの子ども……ってことなの……?」

 

 母親の声が震えた。驚きの色を含んだその声音は、空気をひときわ鋭く揺らし、部屋の温度すら一瞬だけ変えたように感じた。まるで、過去が突然、眼前の現実に流れ込んできたような錯覚。彼女の言葉の重さに、私自身も息を飲んだ。

 

「?ねぇ母ちゃん、ギョウって……あの、かっこいいおじさんのこと?」

 

 ジョー君の問いかけには、無垢な響きがあった。彼の記憶にある“ギョウ”という人間は、ただの頼もしい大人でしかないらしい。そのギャップに、私は少しだけ胸を締め付けられる。

 

「え、えぇそうよ。昔……一緒にデュエマをしたことがあったでしょう?」

「うん……って――えぇぇマジぃ!!?」

 

 彼の叫びが空気を割る。日常を突き破るほどの衝撃が、少年の喉から噴き出した。その響きは天井に跳ね返って、まるで部屋全体が彼の混乱を反響しているようだった。

 

「あ、あのぉジョー様、それにお母様。私にはなぁんにもわからないんですけど……?」

 

 デッキーの声が、場違いなくらい呑気に聞こえた。いや、呑気というより、場の深刻さにまったく追いついていないのだろう。彼女のような存在にとって、“血縁”や“過去”といった概念は、まだ実感として根付いていないのかもしれない。

 

「え、あぁえっとねデッキー、ギョウおじさんっていう人は……かくかくしかじかでこれこれこういうことで……そういうわけなの。」

「なっ、なんですとーーーー!!?」

 

 理解力があるのかないのか、判断に迷う反応だった。だが、そこにあるのは確かに“共感”の色であり、言葉の意味が通じた証でもあった。最近のデッキケースって……こんなに高性能なの?いやそもそも、喋る時点であんたしか知らないんだけど!!

 

「驚いたわ……まさか、あの二人の間に子どもができるなんて……。あの人たちは、絶対にそういうことはしない夫婦だと思ってたから……!」

 

 ジョーの母親の声がややかすれていた。過去への確信が、いま覆されている。それは、長年の記憶が静かに崩れる音にも似ていた。

 

「そういうこと……?どういうこと……?」

 

 ジョー君が首を傾げたその表情は、まだ半分、子どもだった。

 

「ジョー様、触れないほうがいいですよ。この小説は健全がモットーですから!」

「へ?急に健全ってワードが出てくるの?そんなにだめなワードなの、『そういうこと』って……!?」

 

 彼の声がわずかに裏返った。何かに気づいたような、しかしまだ理解しきれていないような、そんな妙な声音だった。

 

「で、私は夢の中で、私のお母さんの声を聞いたの。そこで思い出したのよ。『お父さんを助ける』――それが、私のやるべきことだって……」

 

 あの夢の記憶は、まだ肌の奥に熱を残している。母の声ははっきりと私の意識を突き刺し、使命の輪郭を明確に描いていた。感情じゃない。衝動でもない。あれは、魂が刻み込まれた“命令”だった。

 

「なんか展開が急すぎませんかぁ!?」

 

 デッキーのツッコミが空回りしていた。でも、その気持ちもわからなくはない。唐突なのは、私自身もわかってる。だって、元を辿れば――

 

「これ以上長ったらしくしてても意味はないからね! それに……もうこの小説の作者が投稿期間を空けすぎたせいで、書き方忘れちゃってるのよ! だから今こうして、長ったらしくて意味のない文章を、だらだら並べる羽目になってるじゃない! だったらここでピシッと終わらせなきゃ、まずいの!!」

 

【ちょちょちょちょっとぉ!?駄目だってそれは、色々とまずいんだってそれはぁ!!】

 

「――てなわけで、私はお父さんを助ける。何が起きたのかは……正直、断片すら浮かばない。でも、それでも。助けなきゃいけないってことだけは、心の奥にしっかりと刻まれてるの。胸に、杭を打ち込まれたように。」

 

 言葉を口にしている間、自分でも驚くほど確信があった。思い込みじゃない。妄想でもない。夢の中で聞いた母の声が、現実の輪郭を明確に描いた。あれは、“誰かの願い”とか“運命”ってやつじゃなくて、もっと生々しくて、個人的で、抗いがたい――“私の義務”だった。

 

「…………」

 

 誰もが黙った。重い空気。いや、沈黙というより“間”。一言挟めば割れてしまいそうな緊張感。でも、だからこそ私は続ける。

 

「……急すぎて理解が追いつかないのはわかる。私だって、自分の言ってることが突飛だってのは承知してるわ。でも……もう一度言う。私は、それをやらなくちゃいけないの。クリーチャーワールド。お父さんは、きっとそこにいる。だったら、行くしかない。手をこまねいてる時間は、一秒だって惜しいのよ!!」

 

 気がつけば、声が荒くなっていた。けど、押さえつけるような冷静さなんて、今の私には逆に嘘になる。熱が溢れて止まらない。まるで心臓から直接言葉が噴き出してくるみたいだった。

 

「う、うん。わかったんだけど……シンラちゃん?俺から訊きたいんだけど……」

「……何かしら?」

「クリーチャーワールドって……どうやって行くか、わかってるの?」

 

 ――その瞬間、すべての思考が、すとんと音を立てて止まった。

 

「………………」

「………………あっ。」

 

 ――し、しまったーーーーっ!!全ッ然わかってなかったーーーーっ!!!

 そうだった。勢いで全部喋っちゃってたけど、そもそもどうやって行くの!?どこ!? 次元の壁?転送装置?魔法陣?いや知らない!!誰か教えて!!!

 

「あ、頭抱えちゃったわ……」

 

 ジョーの母親がぽつりと呟いた。冷静な一言が、まるで氷のつららみたいに額に突き刺さる。……わかってるわよ、今、私すごく間抜けな顔してる。

 

「デッキー、俺……間違ったこと言っちゃったかな?」

「う〜〜〜ん……私にゃわかりません。」

 

 いやぁあああ頼りにならなすぎィ!!よりにもよって、こんなときにデッキーの柔らかすぎるリアクションが心に刺さるなんて、誰が想像した!?

 

 

【……え、えーっと……そうして、一日が過ぎていってしまいました。結局、シンラはクリーチャーワールドに行く方法が全くわからず、更に地球上に自分たちの家も一切ないため……るるちゃんの粋なはからいによって、彼女は切札家に居候という形で住まわしてもらうことになったのです!!!】

「……ナレーターさん、展開が雑すぎません?」

【いぃぃやだってしょうがないじゃんデッキー。作者がまだ感覚掴みきれてないんだから!投稿期間一ヶ月以上開けちゃったせいで……!!】

「は、はぁ……。」

【……あぁ後、今回はこれで終わりらしいっすよ?スタッフとかそこら編が言ってました。】

「えぇもう終わりぃ!!?まだ10000文字も言ってないのに!?デュエマもしてないのに!?てなったら上のタイトル詐欺じゃないですか!「新たなるデュエマの幕開け」って!幕開けてない!まだ閉じてるぅ!!」

【そんなこと言われてもあっち側のいったことなんでどうしようもないんですよねぇ。デュエマは次回らしいです……】

「は、はぁ……そうなんですねぇ……なんか、色々不完全燃焼感が強いですが、今回は……」

【ここまでってことですよぉ。……はい!!次回をお楽しみにねぇ〜〜!】

 

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