寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜!   作:ライダー☆

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新・十三話 最キョーの降臨

「……《オブ・シディアDG》で、ダイレクトアタック。」

 

 静かな宣告だった。

 だが、次の瞬間、虚空を裂く絶叫がフィールドに響き渡る。

 

「ギャァァァァァッ……!!」

 

 閃光。衝撃。魂を焼くようなエネルギーが放たれ、デュエルウォーリアの肉体が、光の粒子となって空へ散った。 

 ──それは、もう慣れきった“処刑”だった。

 これで、20体目。

 俺は、デュエルウォーリアに“正義”を執行してきた。何度も、何度も。迷いなどとうに捨てたはずだった。

 

 ……なのに。

 

(……なんだ、この胸のざらつきは。)

 

 焼けた鉄を喉に押し込まれたような、不快な残滓が残る。

 

(火文明の──あの男と戦ってから……か?)

 

 胸の奥、忘れかけていた記憶が疼く。

 

「“お前のやってる正義のための行い”は、親友に打ち明けられないほどに後ろめたいもんなのかよ?」

 

 その言葉が、音として、熱として、鋭利な刃のように突き刺さる。

 誰よりも真正面からぶつかってきた、あの男の目。あのときの火炎すら焦がすようなまなざし。

 

 ──思い出すな。

 

(あれはただの、戯言だ……!)

 

 心の奥で何かが叫んでいるのに、俺はそれを必死に封じ込めた。

 

(俺は……間違ってなどいない。)

(俺はキラ。デュエルウォーリアを討つために生まれた、正義の執行者……!)

 

 そう言い聞かせるたび、心の奥に何か黒いものが沈んでいく。

 力強く拳を握る。

 決意は、揺れていない。……はずだ。

 

「……帰ろう。」

 

 呟きは、風に溶けて消えた。

 

「お母様に、すべてを報告しなくては。」

 

 俺は、瓦礫と炎の残るデュエルフィールドを背に、地上へと戻った。

 背後で、誰にも知られることなく、一枚のカードが灰となって風に舞った。

 デュエルウォーリアの、残骸だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

「〜〜〜♪」

「……ねぇ、ももちゃん…だっけ?」

「ん?」

「ずっと鼻歌鳴らしてるけど……聞いたことないわ。なんの曲なの?」

 

 私は、ジョーの友達のももちゃんに聞いた。

 ももちゃんは今日、ジョーといっしょに私が暮らしてる家にやってきた。どうやら、私と交流を深めたいってことらしい。え?じゃあジョーはどこに言ったのかって?ラーメン食べにいった。……結構勝手なことしてるわよねあの小学4年生。

 

「なんの曲?うーんっとねぇ……わかんない!」

「わかんないって……どっかで聞いたことあるだけってことなの?」

「それも違うかなぁ〜。もも、もーず〜っと、ちっちゃい頃からこの曲知ってるの。けどそれがわからない。どこでそれを聞いたのか……」

「ずーっと昔に聞いたものってこと?」

「うん。」

「ふ〜〜ん………けど、不思議ね。」

「え?」

「それ、私も初めて聞くような気がしなくってね……こういう話持ちかけたからかもしれないけどさぁ。」

「ほへぇ〜〜。じゃあこの歌、ひょっとして有名なのかなぁ?」

「どうなのかしらねぇ………」

 

 …なんか、不思議な気持ちになったわね。こういうのって初めてかも……

 

「おーい、シンラちゃーん!」

 

 玄関から声が聞こえる。どうやら、ジョーが帰ってきたらしい。

 ん?いや違うぞ?……扉に近づくと、何やら聞いたような音が聞こえる。……まさか、あのDJ?

 私が扉を開けると、予想通り。DJファイブカラーがいた。なんでこいつ地球にいるのよ……!

 

(ね、ねぇシンラセンショー!これってちょっとまずいんじゃない?)

(あ、あぁ……こいつも立派なクリーチャー。いわばデュエルウォーリアだ。もしそれがバレでもしたらとんでもないことになるぞ…。)

「ヤッホーシンラ!今日、私がここにやってきたり・ゆ・う・はァ〜〜……ユーの力を確かめるためでぇす!!」

 

 そんな理由で地球に来るのかよっ!!だったら私がそっちの方に行ったってのぉ!!

 しかも前にボルツから聞いた話によれば、キラがこっちを警戒してるらしいし!こんな場面をキラに見られでもしたらまずい!私の力を確かめに来たってんなら、早速家に入ってもらって、外からバレないようにしないと……

 

「あ、あぁそうだったの!じゃあわかったわ!デュエマしましょ!!さぁ〜早速家に入って………」

「NO〜〜!」

「…へ?」

「ワタクシ、ここに来る途中、この人に外でデュエマできるめっちゃいい場所見つけちゃったんですよぉ〜!公園の上らへんにあるんだけどさッ!!」

「……え?…えぇぇ?」

「ですから、そこでやりましょうヨォ、ユー!ワタクシ、ケッコー楽しみです!!」

 

 ……終わった―――

 なんでこういうときに限ってこんな事になっちゃうのか……。

 いや、まだだ。まだキラって子に会わなけりゃいいんだから…あぁお腹痛い!

 

「?みんなー、そこで固まってどうしたの?」

「あ、ももちゃん…じ、実はねぇ、私のお友達が来ちゃってぇ〜…」

「へ?お友達?」

「ドーモー!!DJファイブカラーと言いまーす!」

「私とこのDJが一緒にデュエマするのよ。外で、ね。」

「へぇ〜。じゃあ私も行く!!もも、もーすっごい気になるし!!」

 

 ……完全に外に行く流れになったわね。…よぉし!こっからはキラに見つからないことを願って出発……

 

「…おい、お前。シンラちゃんの家で、何してるんだ?」

「あ、キラくん!こんにちはー!」

「ももちゃん?」

「…この人ね、シンラちゃんのお友達らしいの!ファイブカラーさん!」

 

 ……終わった―――

 なぁんでこうも私の思いとは全く持って真逆のことがこうポンポンと起きるのよ!!アニメの展開みたいになってるじゃない!!……いや、アニメだからそうなのか。

 んなこと言ってる場合じゃない!この状況とんでもなくまずい!!と、とにかくDJがデュエルウォーリアだってことがバレないようにしなくっちゃ……

 

 シンラが非常に追い詰められている中で、キラは静かに眉をひそめていた。

 

 目の前で朗々と話すDJファイブカラー。その軽快な口調も、気取ったジェスチャーも、奇抜な色のサングラス越しに揺れる瞳すらも——違和感をぬぐえなかった。

 

(……あの時、見たのは……)

 

 クリーチャーワールドで起きた、ほんの一瞬の出来事を思い返す。火文明、濃密な火の粉の風が渦巻く領域で、自分は見たのだ。

 彼女を——シンラちゃんと思しき影を。

 距離があった。明確な顔までは確認できなかったが、あの小柄な背丈と特徴的な仕草、そして何より「ただ者じゃない」気配に、キラの感覚が鋭く反応していた。

 ……だが、驚くべきはそこではない。

 

 そのシンラらしき人物の向かいに、もう一人、異質な存在がいた。派手な装飾、鮮烈な音と光の演出、リズムに乗せてカードを操る姿——そう、それはDJファイブカラーそのものだった。

 

(ありえない……)

 

 キラの脳裏に、音を立てて警鐘が鳴る。

 今、自分の目の前にいるこのDJと、クリーチャーワールドでシンラと対峙していた"もう一人のDJ"。

 口元の笑みの角度まで、まったく同じに見えた。

 

(いや、だが、こいつは……!)

 

 キラは意を決して、声をかけた。

 

「す、すみません……」

「nnnn?なんだぁいキラキラしたユー!」

「間違えていたら謝ります……あなたを、クリーチャーワールドというところで見たような気がして、ならないのです。」

(まっ、まずい!!キラはもう勘づいちゃってる!!どどど、どうしよう……い、いやでも!嘘をついてくれるはずだし、大丈夫か……。)

「YEEEES!!!ワタクシクリーチャーワールドからやってきた、DJファイブカラーと言いまァす!よろしくねぇユー!」

 

 その瞬間、その場の空気が凍りついた。

 ももちゃんは一切のことがわかっておらず、DJの気圧に押されて黙っている。

 シンラは真逆の回答が聞こえたことに対して耳を疑い、そして絶望じて声が出せなくなっている。

 キラは疑念が確信に変わり、彼を排除することを決めた。

 キラは無意識にデッキケースへと手を伸ばした。握った指先が微かに震えているのを自覚しながら、低く、抑えた声で続けた。

 

「そうか……ならば!お前はこの世界での悪!!!お前をこの地球で生かすわけには行かない!!」

「ほう…んじゃぁ〜、ワタクシとデュエマするってことですカァ〜〜?」

「そのとおりだ!!……どうせ、お前みたいなやつはこの世界で何かを企んでいたんだろう?」

「さぁねぇ。」

「どんな理由があろうが、俺の正義は揺るがない!…二人共、家の中に避難してくれ!!」

「えぇっ!キラ君、一体どうしたの?」

「……も、ももちゃん。一緒に家の中に行きましょう。ここは素直に言うことを聞いて。」

「ふぇ?……う、うん…。」

 

 これで二人は大丈夫だ。…しかし、シンラちゃんも警戒にいれるべきだが、今はそれ以上に警戒する存在が目の前にいる!!!

 

「行くぞ!デュエル!!!」

 

 キラとファイブカラーは、3人を残してその場から消えた。3人は取り残され、ぽかんとしたままだった。

 

「……ね、ねぇシンラちゃん。あの人って、とっても悪い人なの…?」

「…………ううん、悪い人ってわけじゃない。あの人は私のデュエマの力を上昇させてくれた…前に……ジョーとデュエマして勝ったときも、そこんところが関係してたりするわ。」

「…そうなんだ……じゃ、じゃあキラ君に、あの人は悪い人じゃないって言わなくちゃ…!」

「………いいえ。もうあの二人は、この場にはいない。」

「え?」

「詳しくは言えないわ。けど……私達が横入りするようなことは、決してできない……。」

 

 ももちゃんは首を傾げたが、いずれどうしようもないことを知ると、下を俯いて黙り込んだ。

 

 そして、場面は真のデュエルフィールドへと転送された二人に映る。

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 キラは、睨みつけるように前を見据えていた。

 その目に宿っていたのは、揺るがぬ信念——裁き。

 「これは遊びじゃない」と言わんばかりの、張り詰めた空気が彼の体から発されていた。

 その指先には確かな震えがあったが、それは恐れではない。

 ——殺意。

 迷いなき怒りが、彼の体温を底から突き上げる。

 一体何者だ?なぜ、地球にいる?

 この男が笑っていられる理由を、キラは暴き、粉砕しなければならなかった。

 

「……お前だけは、見逃せない。」

 

 その一言に込められた重さを、ファイブカラーはどこまで受け止めたのか。

 だが彼は、相変わらずの調子だった。

 

「Yo!いいね〜その殺気、マジでビリビリ来る!このフィールドにピッタリのスパイスってやつ!」

 

 そう言って、ファイブカラーはターンテーブルのようなデッキホルダーを軽やかに回す。足を交差させながらターンし、決めポーズを取ると、背後のスピーカー群が一斉に重低音を轟かせた。

 

「いいかい、ユー。人生も、デュエマも、リズムが命さ!たとえ君が怒りに燃えてても、ボクはいつだって"ノってる"んだよ!」

 

 キラは、その軽薄さに嫌悪すら覚えたが、同時に理解もしていた。

 この男の余裕は偽物じゃない。

 狂気にも似た自信と、底知れぬ腕前——それがファイブカラーという男の「強さ」だった。

 

 だが、それでも——

 

「ノリもリズムも必要ない。ただ、裁くだけだ。」

 

 キラが構えた瞬間、フィールドの空気が一変した。

 凍てつく冷気と、焼けるような熱気が同時にぶつかり合い、空間が揺れる。

 二つの極が、今、デュエルという名の舞台で衝突する——!

 

『デュエマ、スタート!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キラ キーカード:サッヴァークDG

 

ファイブカラー キーカード:DJファイブカラー〈ver.NATURE〉……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【始まった、キラとファイブカラーのデュエマ。キラは、クリスタ、バーナインとクリーチャーを展開し、ファイブカラーのシールドを1枚ブレイクする。対するファイブカラーは、フェアリー・ライフとフェアリー・ミラクルでマナ加速をし、更にディメンジョン・ゲートで〈ver.DARK〉を手札に加える展開に。クリーチャーは出さず、何かを企んでいるよう……】

 

 

キラ 手札3 シールド5 マナ4 クリーチャー クリスタ バーナイン

 

ファイブカラー 手札4 シールド4 マナ6 クリーチャー なし

 

 

ファイブカラー ターン4

 

「ではそろそろ、こちらも動きましょうかァ!ドロー、マナチャージしてぇ……そのマナチャージしたカードを墓地に送りマァスッ!」

 

 なに…!?一体、なんのためにそんなことをするんだ…!?

 

「これにより、コストを軽減して7マナ!DJファイブカラー〈ver.DARK〉を召喚デス!」

「コスト軽減のためだったのか……まずいな、コスト9のダブル・ブレイカーか。」

「かーらーのー……墓地のカードを1枚、山札下に置けばぁ…相手のクリーチャー1体のパワーをマイナス5000!厄介なバーナインには消えてもらいましょうかぁ!!」

「チッ……」

「ターンエンド!!」

 

 まずいな……リソースを確保しようとしていたが、ここまで早く打ち砕かれるとは……だが、それでもまだ十分に動ける時間はある!ならば、こいつを裁くため、俺は引く!それだけだ!!!

 

 

 

キラ ターン5

 

 キンキラキンに、引いてやるぜ……!!

 スリー、トゥー、ワンッ!!

 キラめけ、俺の正義!!俺はキラめく、正義の星!

 ………お前を、サッヴァーク!!

 キンキンキンキラ、キンキラキン!!マッキンキンキラ……スターダスト、ドロ―――ッ!!!

 来たぜ、キンキラキンに、大正義だぜ!!

 

「思い知らせてやる、俺の正義の恐ろしさを!」

「おぉ〜〜。見せて見せてぇ!!」

「DG 〜ヒトノ造リシモノ〜 を、召喚!」

 

 DG……へぇ〜、こんなやつが正義だなんて、おこちゃまだねぇ。 

 ……昔なんかよりも、よっぽど平和的だ。フフフ…。

 

「DGの能力で……」

 

 っ、盾が割られた。いや、あっちの盾も…?となればあっちに有利に動くような能力を持っているって感じかナ〜〜?

 

「そして……俺は、ブレイクしたシールドから手札に加えるメタリカと裁きの紋章全てに、シールドトリガーを与えることができる!!」

「Oh!!」

「シールド・トリガー、行け、そして悪を裁け!!俺の正義よ!!サッヴァークDG!!!!」

 

 こっ!これは!!……馬鹿な!?なぜドラゴンがいる……?

 なんと、なんと………まさか……!!

 ここまで良い収穫ができるとは……思わなんだ。

 

「フフッ……」

「(なっ、なんだ、アイツ……不気味な感覚だ。今まで味わったことのない……いつものようではだめだ。こいつには、ハナから全力でいかなくちゃ駄目だ!!)サッヴァークDGの登場時能力!山札から3枚を表向きにして、その中からメタリカ、呪文、裁きの紋章すべてを手札に加えることができる!」

「3枚全部?そいつはイケてるねぇ!」

「そしてターンエンド。このときに、サッヴァークDGの効果で、呪文、命翼ノ裁キ!山札から1枚をシールドに!」

 

 あの呪文、シールドに束ねるんだ。……変なの。

 しっかし、面白い能力だ。こいつから奪い取ってやるとしよう。

 

 

 

ファイブカラー ターン5

 

「ではぁ?ワタクシのターンでぇす!!ドロー!からのぉ………コートニーを召喚!からのからの〜〜、呪文、古龍遺跡エウル=ブッカ!効果でサッヴァークDGをマナ送り。そしてマナ武装5により、DGもマナ送りです!」

 

 なんだと……俺の正義が!?

 

「そして〈ver.DARK〉で、シールドをダブルブレイクデスよぉ!!」

「シールド・トリガー、ヘブンズ・ゲート!効果でクローツ2体をバトルゾーンへ。そしてシールドを2枚回復だ!!」

「おーっとぉ?こいつはとんでもない!ただ〈ver.DARK〉をタップしただけになってしまったぁ〜〜!!…ピンチピンチぃ!」

「どこまでその調子を続けるつもりだ……!?」

「さぁ〜?ま、ワタクシはこれでターンエンド。ささ、ユーのターンですよ?」

 

 これ以上アイツのペースに流されていたら、まずい……サッヴァークとDGはマナに送られたが、そのおかげでマナを使える自由度も高まった!

 

 

 

キラ ターン6

 

「これ以上、お前の好きにはさせないぞ!!ドロー!…よし!そのままDGを召喚!そして……ブレイクだ。」

「どんどんシールド割られてくなぁ〜。しかも、そっちシールド・トリガーでしょ〜?強くなぁ〜い?」

「お前に何を言われようが知ったことか!…シールド・トリガー、DG!もう1枚ブレイクだ!」

「おおっ!?まさかのブレイク2回ぃ?」

「そしてシールド・トリガー……行くぜ、俺の第3の正義!オブ・シディアDG!!」

 

 なんか……DGって名前のつくやつ多くない?主張激しいなぁ。

 

「そして行けぇ!クリスタで最後のシールドをブレイクだ!!」

「シールドは……トリガーじゃなぁい。」

「ターンエンドだ!!」

 

 ブロッカー2体、そして俺のシールドは十分。更にアイツのターンのはじめに、オブ・シディアDGの効果も発動する。……守りは十分だ!これを突破することなんて、容易にはできない!!俺の裁きは変わらない!!!

 

「フフフ……」

「!?」

「アーッハッハッハ!!」

「何がおかしい!?」

「今、君、勝ったとか思ってたりシなぁい?」

「………?」

「一つ教えてあげるけどねぇ、その程度の守りなんて余裕で突破できちゃうんだヨォ!まだまだまだまだ、浅い浅い!」

「何だと……戯言を言いやがって……だったら証明してみろ!ここから逆転できると!!」

「……えぇいいですよ。……じゃあ、」

 

 

 ―ぶっ殺したるから覚悟しろや―

 

 

「!?口調が……変わった?いや、声色も、ヤツの……全身も…!?」

 

 変化だ、変化していく……あの衣装は鱗のようなものだったのか!?ど、どんどんと剥がれ落ちていく…馬鹿な……アイツの真の姿が、あれだっていうのか!?さっきのおちゃらけた姿の面影が一切感じられない。

 顔だけはよく見えない…よいうよりかは、仮面で口元以外が隠れている。だが、それでもわかるぞ、感じるぞ!まるで、まるで……邪悪そのものだということに!!

 

「ほな、行くでぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

「ふ〜!食った食った〜!!よっし、シンラちゃんの家に戻ろう!!」

「そうですねぇ〜。……ぅうっぷ!!?」

「え?どうしたのデッキー?」

「おるろろろろ!!!!」

 

 のぉ〜〜!?デッキーが吐いたぁ!うわキモっ!!

 

「直球で悪口言わないでくださいよ!!」

「どうしたの、デッキー?そんなラーメンもあんまり食べてないってのに。」

「ど、どうやら……真のデュエルフィールドで、とんでもないことが起きようとしているらしいのです。おろろろ……」

 

 真のデュエルフィールドで?一体何が起きようとしてるんだろう……

 もしかして!?俺は前に、キラを真のデュエルフィールドで見たことを思い出した。そうだ、あのとき、亀のじいちゃんを、キラは……!!

 もしかして、キラが何かを起こそうとしてるんじゃないか?そうと思ったら立ち止まってなんていられない。俺はデッキ―の口の中に入って、真のデュエルフィールドへと行こうとした……けど、

 

「なんか、吐いた口に入るの、嫌だなぁ……」

「大丈夫ですって!臭くありませんから!!!!」

 

ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファイブカラー? ターン6

 

「お前も終わりやぁ!!」

「くっ……だが、ここでオブ・シディアDGの能力発動!自分のシールドを1枚手札に加え、新たに山札上2枚をシールドに!そしてシールド・トリガー、シーディアス!そしてこいつのラビリンス能力で、俺の他のメタリカは選ばれない!」

 

 ここで決めるッ!!

 ワイのターン!これはただのドローじゃナァァァイ!!!

 魂が求める一枚……バァァァンク!!!天啓のドロー!!!

 ワタクシの……いいや、ワイのエンタメ、クライマックスじゃああ!!!!

 

 

「まずは、呪文エマージェンシー・タイフーン。効果で2枚引いて……1枚捨てる。かぁらぁのぉ……シールドが1枚もないんで、〈ver.WATER〉をコスト4で召喚。」

「また、大型クリーチャーのコストを減らしながら展開してきただと…?」

「こいつの能力で、まずは1枚ドロー。そして墓地からさっき捨てた呪文、「邪帝の神秘」を唱える。」

 

 何だあの呪文、見たことも聞いたこともないぞ……!

 

「これにより……山札の上から5枚を墓地に置き、クリーチャーを1枚手札に加えられる。〈ver.NATURE〉を手札に。からの……マナゾーンにカードが5枚以上あり、すべての文明が揃っとるとき、墓地からコスト9の自然ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出せる。〈ver.SHINE〉をバトルゾーンへ。」

「クリーチャーを展開してきた……いや、だがその程度なら…!!」

「何くだらんこと言っとる。……ワイはターンエンドなんて1度も言ってへんでぇ?」

 

 っ!?とんでもない気迫………いや、駄目だ。気圧されるな!ここで退いたら、この状況でも、負ける可能性だってあるんだ…!

 

「コスト7以上のクリーチャーを、3体破壊して……〈ver.NATURE〉をただで召喚。かぁぁぁらぁぁぁのぉぉ!!」

「まだなにか仕掛けるってのか!?」

「2マナで学校男を召喚!そして能力で自身と〈ver.NATURE〉を破壊し、お前も破壊するやつを選べ。」

「……クリスタを破壊。だ、だが…自分のクリーチャーを、わざわざ破壊だと……一体、何が目的なんだ…!?」

「〈ver.NATURE〉が破壊されたとき、墓地からこのクリーチャーとコストが同じクリーチャーを、墓地から場に出せる……文明関係なしにな!」

 

 

 その瞬間——息が詰まった。

 まるで時間が一瞬、止まったかのような錯覚に陥った。

 アイツがそのカードを場に置いた、そのただ一つの動作が、現実の常識を根底から覆したのだ。

 

「……嘘だろ。」

 

 目の前で墓地から呼び戻された影。それは、かつて絶滅し、クリーチャーワールドから完全に姿を消したはずの、あの種族だった。

 

 ——ドラゴン。

 

 世界を焦がし、時代そのものを焼き尽くした古の王者。

 その名が語られることすら、今では禁忌に近かったはずだ。

 多くのプレイヤーが憧れ、恐れ、そして……忘れた。

 だが、アイツは、それをあまりにも自然に、あまりにも当然のように蘇らせた。

 

 俺の頭の中で、無数の疑問が一斉に暴れ出す。

 どうしてアイツが持っている?

 どこで手に入れた?

 いや、それ以上に……なぜ操れている?

 

 墓地から溢れ出すように現れたその存在は、決して「懐かしさ」などという生易しい感情を抱かせるものではなかった。

 圧倒的な重量感。燃え盛る魔力の奔流。

 そいつが、ただ一歩踏み出しただけで、場の空気が一変する。

 

「……あれが、ドラゴン……?」

 

 いや、違う。そんな言葉では済まされない。

 あれは、災厄そのものだ。

 その瞳は焼けた金属のように鈍く輝き、視線一つで精神が灼かれる錯覚すら覚える。

 身体を構成する鱗は、既存の体系に収まりきらない五色の輝きを帯び、見ているだけで情報がオーバーフローしていく。

 

 そんな“それ”が、俺の前に立ちはだかった。

 

「これがワイの切り札……」

 

 

 

 

 

 

 邪帝類五龍目ドミティウスや。




オリジナルカード紹介

邪帝の神秘 コスト6 文明:自然
レアリティ VR

・山札の上から5枚を墓地に置く。その後、クリーチャーを1体選び、手札に戻す。
・自分のマナゾーンにカードが5枚以上あり、すべての文明が揃っているとき、自分の墓地からコスト9の、自然ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出してもよい。

フレーバーテキスト 「男はついに真理へと至った。だがその真理は、光ではなく悪で満たされていた。そして彼は微笑んだ——世界を壊す力を、悦びと共に。」
 ——〈禁絶王朝・第三記録〉
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