寄成ギョウに転生したから、キャラの良さガン無視して善人になるニョロ〜!   作:ライダー☆

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新・二十二話 新たな敵、登ジョー!?

「シンラバンショーがいなくなった?」

「えぇ……」

 

 私はジョーの通うラーメン屋で、ジョー、キラ、ボルツに言った。

 ……意外と醤油ラーメン美味しいわね。前までは塩だったけど、たまには味替えもいいかもね。

 

「ま、全部私のせいなんだけどね。お父さんとの真のデュエルに負けて、その時に相当心えぐられちゃって……立ち直れなくってね。」

「そこに、ボルツが来た、ってかんじか。」

「そういうわけだな。俺ちゃんも、来たときはびっくりしたぜ。ま、戻ったからよかったけどな。……そういうお前らは大丈夫か?仲っつーか、なんつーか。」

 

 ボルツの問いに、二人は食い気味に答えた。

 

『大丈夫!』

 

 その真っ直ぐな声に、私は思わず笑った。仲直りできたらしい。よかった……本当に。

 でも、私の心の中、あるはずの空席――そこにシンラバンショーがいない。胸の奥で、ずっと痛みが燻っていた。

 

「けど、シンラちゃん。」

「ん?何、キラさん?」

「シンラバンショーっていうのは、この世界の住人じゃない、いわばクリーチャーなわけなんだろう?だったら、クリーチャーワールドにいるんじゃないのか?」

「いや、そうだろうと思って……」

「え?」

 

 実は、私は、ボルツのおかげで自分を取り戻した後は、妖精のみんなにそれを報告して、そのあとに家を超大掃除して、ある程度が片付いたころで、私はみんなでクリーチャーワールドに言った。けど、どこにもシンラバンショーはいなかった。

 そして次の日も、そのまた次の日も……同じ結果だった。

 

「って感じ。」

「……そ、そうだったのか。」

「けど、だとするとどこにいるんだろうね。地球ってこと?」

「いや、多分ないわ。だって、あいつが地球にいたところで、生活ができないはずだもん。……アイツ人間じゃないし、そもそも私たちよりも二回りぐらいでかいし……。」

「てなると森とかで生活してそうだが……だとしても確かに、確率は低いかもしれねぇな。」

「じゃあやっぱり、クリーチャーワールドなのかな?」

「たぶんね……まぁ、これからの目的はお父さんを助けることと……シンラバンショーを見つけること。一つ増えた感じね。」

 

 ……そのあと、みんな私に「いつでも助けになる」って言ってくれた。嬉しいものね……私も、私を信じ続けることができるか、正直言って不安だからね……。

 けれど、それ以上に気になることがある。

 

「私の話でさ、脱線させちゃったけど……さっきのこと」

 

 ここのラーメン屋に入った後すぐに聞いた話………

 

「みんな、ボルツ以外は、私のお父さんとデュエマをしたって言ってたわよね。」

「あ?あぁそうだ……それが?」

「それがって……もしかして私だけだったのかしら………」

 

 

 ―いないはずのドラゴンが「いた」んだけど。―

 

 

『………あ!そういえば!!』

「あんたら忘れてたんかい!!衝撃的だろ普通!!」

「いやぁすっかり忘れてた……あと、キラが前の真のデュエルで、普通にドラゴン使ってたから…。」

「まさか!二番煎じって先のほうが薄くなることあるんだ!!」

「そういや、俺ちゃんも……シンラの父親ってわけじゃねぇけど、なんか…こう、化け物とデュエマした。そん時に、ドラゴンもそうなんだが……なんか、城みてぇなのがあった。」

『城?』

「おぉ、その城、嫌に気味悪かったし……あと、なんか、あれだ…変形した!!」

 

 え、なんで?なんでみんな「そんなことあるわけねぇじゃん」みてぇな顔してるんだ?いや、マジにマジなのに………

 

「そんなことあるわけないじゃない。」

(嘘だろシンラ!?)

「城が変形なんてするわけないだろう。夢でも見たんじゃないのか?」

(嘘だろキラ!?)

「なんかシンケ〇ジャーみたいだね。」

(いろんな意味で嘘だろジョー!?)

「嘘じゃねぇんだって……ま、まぁいいか。多分いつかわかると思うぜ。本当にあるんだからな!」

 

 ふーん、城が龍に、ねぇ……そういえばそんな話、お父さんとお母さんから聞いたことがあるかも……てか、私の記憶がなんとやらの初期設定どうなったのかしら?ま、いいか!

 

「…ごちそうさま。それじゃ、行ってくるわ。あ、これお勘定ねおじさん。」

「おう。」

「え、行ってくる?どこに?」

 

 ジョーにそう聞かれた私は、振り向いて答えた。

 

「決まってるじゃない!シンラバンショーを探しに行くのよ!」

 

 

 

 

 

 

 …………で、シンラバンショーを探しに行くことになるんだけど…

 

「なんであんたたちまでついてくるのよ。」

「当り前じゃないか!俺たちはいつだって助けになる!そういっただろう!!」

「だけど早くない!?その言葉回収するの!もっと先延ばしにして回収するのかと思ってたわ!」

「で、クリーチャーワールドに来たわけだけどよぉ、いないんじゃねぇのか?」

「……けど探すのよ。大事なものをどこに置いたか忘れた時、何回も同じ場所を探すことあるでしょ?それと同じよ。」

 

 とはいっても、あてが一切ないせいで、捜索区域を絞れるわけでもない。かといってこのクリーチャーワールドをすべて捜索しようものなら何十年かかるか……実際、一週間ほどみんなと一緒に散策しても、探しつくせたのは火文明だけ……

 

「火文明はもう大体探したから………行くわよ。」

「行く?どこに。」

「ジョー様、クリーチャーワールドは5つの文明、もとい構成でできていることを、前に話しましたよね。」

「え?あぁ話してたね。この小説の外で。確か火文明の上は………」

 

『自然文明!!』

 

  全員の声が重なる。そう、シンラバンショーが属していた文明。となればそこにいる可能性は高い。いや、そう思わなきゃやってられない。

 私は背筋を伸ばし、息を吸い込む。よし、気合い十分。準備万端!

 

「てなわけで……みんな、行くわよ!」

 

  ……と、勢いよく振り返った私は固まった。

 

 いない。

 

 ジョーも、キラも、ボルツも――さっきまで隣にいた三人が、忽然と姿を消していた。

 ここは火文明の荒野。遮る建物なんてほとんどない。視界の先にあるのは赤茶けた岩肌と火山灰だけ。隠れるような場所は皆無だ。かくれんぼなんて状況的にも精神的にもありえない。

 じゃあ……なおさら何?

 この数秒の間に、いったい何が――。

 

「……お前がシンラか?」

 

 耳を裂くような低音が崖の空間に落ちた瞬間、心臓が跳ね上がった。

 誰……?この声、聞き覚えはない。慌てて上を仰ぐ。切り立った崖の上、逆光の中に人影があった。

 そいつは、一目で“普通じゃない”と分かる男だった。地球じゃ絶対見かけない奇抜な衣装に、肌にまとわりつくような異質な気配。人間の形をしているのに、存在そのものがこの世界の重力から逸脱しているように見えた。

 

 赤黒のマントは裂けた炎のように揺れ、煤けた鋼の胸当てが光を跳ね返す。逆立つ朱の髪は燃え盛る炎そのもので、黄金と紅が混ざった双眸は、熔岩の奥で光る鉱石のようにぎらついていた。

 

「……あなた誰?私の友達をどうしたの!」

「友達?あぁ、後ろにいた三人か。心配すんな、地球に返してやったぜ。『地球から来た連中』と、『生まれた時からこっちで生きてる俺』じゃあ、「自由」の優先順位が違うだろ。」

「……強制的に返したってこと?」

「ご明答。で、残したのはお前ひとりだ。……理由、想像つくか?」

「私を殺すため。あるいは力を測るため。……そうでしょ?お父さんに命令されたんでしょ。『あの小娘を殺し損ねた、今度こそ仕留めろ』とか『あいつが今どれだけ強くなったか確かめてこい』とか。だから、あえて名前も呼ばなかった。」

 

 言葉を突きつけると、男は一瞬目を細め、それから吹き出した。

 

「……はは、やるな。後者が正解だ。頭の回転がやけに速ぇな……お前、歳いくつだ?」

「十二よ。それが何?」

「へぇ……十二……?…………なにぃッ!?じゅうにぃ!?おいおい嘘だろ、その体つきで!?」

「なっ……!?き、急に何言ってんの!?へ、変態!!セクハラよ!セクハラ!!ロリコン!!」

「違ぇ!ロリが好きなんじゃねぇ!年齢に似つかわしくねぇ肢体を持った女が好きなんだ!!」

「……し……しねぇ!!マジで死ねぇヘンタイ!!」

「変態じゃねぇ!こういうのはな、男なら誰もが抱える“性”ってやつなんだよ!!」

 

 叫びながら男は崖の上から飛び降りる。その姿はまるで獲物を見つけた猛禽のよう。着地と同時に、大地が重苦しい音を立てて震えた。

 でも……逃げるつもりなんてない。二度と折れたりなんてしない。今の私は、もうあの日の私じゃない!

 

「その目……いいな。威勢がある!」

「ッ……!!ほんっと、そういう目でしか見てないのね、アンタ…!!」

「……“威勢”だ。“異性”じゃねぇ。まぁどっちでもいいがな。」

 

 男は顎をあげ、獰猛に笑った。

 

「そういや名前、まだだったな。俺は――馬目雅拿碌(まめがなろく)。冥途の土産にでも覚えておけ!」

「……それ、絶対決め台詞として言いたかっただけでしょ。」

「お前、頭が回りすぎんのも考えもんだな。直球で気持ち悪ぃ。」

「アンタに言われたかないわ、この変態男!!」

【こうして!謎の男、拿碌とシンラの異様なデュエマが、幕を開けようとしていた!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンラ キーカード:最終形態チェンジアルティメタル

 

馬目雅拿碌 キーカード:メガ・マナロック・ドラゴン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『デュエマ、スタート!』

【拿碌とシンラのデュエマ!序盤、あまり動きを見せず、マナを貯めていくシンラに対し、拿碌は…!】

 

 

拿碌 ターン3

 

「俺のターン……襲撃者エグゼドライブを召喚!こいつはスピードアタッカー、シールドを攻撃!」

【攻めに攻めまくりシンラのシールドをブレイク!シールドの差では拿碌が有利を取る状況に!】

 

 シールドが割られた…けどまだ4枚あるし、それにマナゾーンにはカードは6枚!十分にリソースはある!次のターンを渡しても、盤面的にダイレクトアタックまではいけない……はず。

 けど念のためにも、最低限の防御をしておきながら切り札への準備をしておかなくちゃね…

 

 

 

 

拿碌 手札5 マナゾーン3 シールド5 バトルゾーン なし

 

シンラ 手札2 マナゾーン7 シールド5 バトルゾーン なし

 

 

 

 

シンラ ターン4

 

「私のターン!ドロー。……そして、GOD・P③!よって4コストで探索要請トレジャーを召喚!効果で山札から5枚見て、その中から…柔感妖精サバスを手札に!」

「コスト5……次のターンに備えたか。」

「いいえ!」

「なにぃ?」

「そんなことはしないわ……このターン、GOD・Pを使っていたら、このクリーチャーの召喚コストを5少なくできる!そしてこの子のGOD・Pは③……よって、3マナで召喚!!」

 

 ブロッカーを1体展開!さらに効果で墓地から2枚、フェアリー・ライフとジャスミンをマナゾーンに……。これでマナゾーンのカードは10!相当なリソースを得ることができた!!

 

「へぇ、面白れぇ……びっくりだぜ、まさか7マナも差がつけられるなんてよぉ。だが………それは「使えなくっちゃただの置物」にしかすぎない。」

「……?こんな潤沢にあるのよ。使わないとでも?」

「使わないんじゃない。「使えない」んだよ。これからそうなる……。」

 

 なにを言ってるのかした……まさかマナを封じるカードがあるっていうの?

 …いやいや、ないか。そんなのあったら反則級の強さだもん。

 

「ターンエンド。」

 

 

 

拿碌 ターン4

 

「それじゃあ見せてやる!教えてやる!何もできないっていう絶望感と喪失感!それを、欲張り野郎のお前にな!」

 

 行くぞ………最終局面!!!

 何者より怖いのは束縛!ただ封じられ、何もできずに朽ち果てること!!!

 それをこの俺が体現し!それをお前が体験しろ!!!

 ロック・ドロー!!!!

 

「来たぜ………!!」

(何か引いた…?けど、よく考えてみれば、たった4マナだけで何ができるのかしら…?)

「お前、4マナで何もできないんじゃないか…みたいなこと考えてるだろ?」

「!?」

「おっ、その感じは図星みたいだな。いやぁ、俺もお前みてぇに頭いいかもな。………呪文、スクランブル・チェンジ!その効果で、次にだす火のドラゴンのコストを5下げる!」

 

 なんですって……!?てことは、最大6コストのドラゴンが出てくるってこと!?

 

「よって1マナ……お出ましだ。メガ・マナロック・ドラゴン!!」

「ドラゴン……ですって!?」

「あったりまえだ。……俺はあのバケモンの部下みてぇなもんでな。下に就くことを引き換えに、ドラゴンとして生かされた存在なんだからよぉ。」

「……しょ、衝撃の事実!部下だろうなぁとは思ったけど予想の斜め上を…!!!」

「ま、そのせいでドラゴンとしての野蛮な生活はある程度控えることになって、自分の元の姿からここまで弱くなっちまったがな……。ま、そんなこたぁどうだっていい。今はお前を縛らなくっちゃな。」

 

 縛らなくっちゃっていったいどういう………っ!?私のマナゾーンのカードが、5枚黒く…!?

 

「マナロックはバトルゾーンに出た時、相手の各文明を1つずつ選び、それをタップさせる。そしてそのカードは次の相手のターンの初めにアンタップはしねぇ。」

「なっ……でも、あと5マナはある…!!なんとかは……」

「なる。…とでも思ってるか?」

「え…」

「マナロックの効果は攻撃時にも発動する。そしてスクランブル・チェンジの効果でマナロックはスピードアタッカーだ。……もうわかったろう。行くぜ、マナロックでシールドを攻撃!!」

 

 咆哮。崖が震え、空気が焼け焦げる。

 瞬間――更に5枚のマナが、音もなく闇に沈んだ。

 

「じゅ、十……!? い、一気に十マナ封じられたっていうの!? こんな、こんなの……!」

 

 膝が震えた。次のターン、何もできない。動くことすら許されない。もしこいつをこのまま放置したら……また5枚、また5枚とマナを喰われ続ける……!それは――敗北そのものじゃない!!となれば……!

 

「ブロックはしない!」

「……チッ。」

「…シールド・トリガー、ナチュラル・トラップ!メガ・マナロック・ドラゴンをマナゾーンに!!」

「運が悪ぃな。そのままトリガーを踏んじまうとはよ。……が、それでもいい。お前はマナチャージをしたところで、たったの1マナしか使えない。ターンエンド。」

 

 

 

 

シンラ ターン5

 

「くっそー……ドロー、マナチャージ……ターンエンド。」

 

 何もできねぇよなぁ……そらそうだ。さぁてこっから……とどめまで刺してやるぞ、シンラ!!

 

 

 

 

拿碌 ターン5

 

「ドロー!そして5マナ……瞬足チョッパヤ・ドラゴン!こいつでシールドを攻撃!このとき……パワー5000以上のアーマード・ドラゴンが攻撃したことによりアタック・チャンス発動!連撃ガンガンFIRE!その効果で、このターンチョッパヤ・ドラゴンは2回攻撃でき、さらにバトルに勝てば相手のシールドを1枚ブレイクだ。」

「ブロックしたところで無駄ってところかしら………。」

 

 となればトリガー頼みになるわね………

 

「行くぞぉ!チョッパヤ・ドラゴンでシールドをブレイク!!!」

「……来たわよ!シールド・トリガー、逆転妖精スパーク!GOD・P⑤を使って召喚よ!このターン、あんたは攻撃するなら、私の代わりにスパークを攻撃してよね。ちなみに、スパークのパワーは今11000!しかも破壊されないわ。」

「パワーでは相打ちなんだがなぁ……仕方ねぇ、ターンエンドだ。こんときチョッパヤ・ドラゴンの効果でこいつ自身を手札に戻し、お前は俺の手札を1枚、捨てていいぜ。」

「じゃあ、一番左。」

 

 よし、私のターンだ……マナゾーンのカードも全部復活した!いける!あとはあのカードを引ければ…!!!

 

 

 

 

シンラ ターン6

 

 絶対に勝つ!それが、強くなるための第一歩!!

 他の誰でもない……私がやらなければ誰がやる!!

 私はもう絶対に負けない。勝って、勝って、勝ち続けて――必ず辿り着く!

 ドローーッ!!

 

「来たわよぉ!12マナタップ!最終形態チェンジアルティメタル!!!」

「んだぁそいつぅ!?」

 

 でけぇクリーチャー……マジにガン〇ムみてぇだな。色も白いし。

 いや、それよりも……12マナ?なぁんかコストが高いの嫌な予感~~。

 

「チェンジアルティメタルがバトルゾーンに出た時!マナゾーンにある文明の数だけ山札からカードを表向きにする!そうして表向きにしたカードが、マナゾーンにあるカードの合計よりもコストが小さいのであれば、タダで使える!!」

「なんだとぉ!!!?」

「ていうことで……出てこいみんな!トレジャー、サンフラワー、レスキュー、クーラー、そして…希望萬壽インス・トール!」

 

 一気に5体も出てきやがった……だが、スピードアタッカーなわけじゃねぇ……。攻撃してくることはない……はずなんだが、猛烈に嫌な予感がする…。

 

「ここで……チェンジアルティメタルの効果発動!自分のクリーチャーは出たターン、相手プレイヤーを攻撃できる!!」

「っ!!嫌な予感が的中しやがった…!」

「と、その前に、サンフラワーの効果を発動するわ。山札から5枚……もう1枚のチェンジアルティメタルを手札に。……行くわよ。チェンジアルティメタルでクアトロ・ブレイク!」

「めった斬り・スクラッパー!!トレジャーとクーラーを破壊!」

「そんなんじゃあ止まらないわよ!サンフラワーでシールドをブレイク!」

「シールド・トリガー、爆殺!!覇悪怒楽苦!その効果でインス・トールを………」

「残念!インス・トールは呪文の効果で選ばれないわ!」

「だったらスーパー・ボーナスだ!山札から5枚を見て………って、あいつにパワーで勝ってるやつがいねぇ!!」

「それじゃあ、そのまま……ダイレクトアタック!!!」

 

 あーあ、負けちまった。が、大体の力量はわかった。それだけで十分。

 ……んじゃ、一旦、もう一つの目的もやっておかなくっちゃな。

 

「負けたよ。シンラ。お前意外と強いんだな。」

「まぁね。」

「…さすがってとこだな。ほんじゃ、ほい。」

 

 …?何、急に……あいつ、私に向けて手を出してるけど……

 

「握手だよ、握手。俺は見た目ほど野卑じゃねぇ。相手には敬意を払うんだ」

「……へ、へぇ」

 

 断るのも悪い気がしたし、私は彼と握手をした。数秒の後、彼は手を放し、崖へと飛び移ってどこかへといった。

 ……ヘンタイのくせに敬意を払う……へ、変な奴~。

 そういや、あいつって、私の力が今どれほどのものなのかを、確かめにきてたのか。てことは、いつかお父さんが私の前に立ちはだかってくる……。そのためにも、お父さんに勝てるような力を、つけなくちゃ、今のままで満足なんて絶対にしない!!

 ……とはいえ、かなり疲れている。今ので体力を使っちゃったから…。自然文明へ向かう前に、少し休もっかな。体を休めて、頭を整理して――それだけのつもりだった。

 足を踏み出す。背後から風が通り、崖の空気がざわめく。

 次の瞬間、私は立ち尽くした。阻むものがあった。身体の自由が、まるで見えない糸で絡め取られたように、寸前で止められる。

 

「………………」

 

 ──あれ? 帰れない。体が動かない。

 逃げるつもりはない。休みたいだけなのに、どういうわけか──ここから出られない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

―――――

 

―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい。帰ったぜぇ──」

 

 拿碌の声が、闇を満たすように放たれた。大広間の石壁にぶつかって反響し、幾重にも濁った輪が広がる。声はそこに留まらず、さらに奥の陰影へと滑り込んでいった。すると、闇の中からもうひとつの声が返る。低く、冷たい声、ギョウだ。

 

「どうだった、シンラは。」

「まあ、ボチボチって所だ。強い。だが隙もある。防御に偏りすぎだし、攻撃は感情先行で刃の角が丸い。だが――俺よりは確実に強ぇ。期待以上だよ」

 

 拿碌は肩越しに笑った。口元の影が、まるで赤い火のように揺れる。部屋の奥で、もう一つの声が問いを続けた。

 

「それで?お前の本来の仕事はちゃんとやったんやろなぁ。」

「あぁ、やっておいた。お前が与えた力を、あのガキの身体に流し込んでやった。「クリーチャーワールドに封じこめるための力」を。今は大焦りしてるだろうよ。」

 

 短いやり取りの合間に、部屋の空気がさらに濃く、粘りつくように沈む。蒼い松明が壁面を沿うように灯され、炎は青白く、常の火とは違う硬質な輝きを放った。光が揺れるたびに、暗闇から人影が浮かび上がる。拿碌の背後には、不揃いの高さで組まれた九本の柱が並び、その頂点には九つの顔が冷たく並んでいた。

 

 顔はどれも異なるが、共通しているのは狡猾な静けさだ。視線は拿碌に集まり、気配は刃物のように鋭い。彼らは下っ端の情報が役に立たなかったと噛みしめつつも、今ここで全てを動かすために集められていた。拿碌はゆっくりと手を広げ、九つの影を見渡す。

 

「あぁ、いたのお前ら。」

「………凶器なんつう下っぱは役に立たんかった」

 

 ──その言葉は短く、無慈悲に放たれた。

 

「だがお前らは違うやろ? お前らこそが、今、必要なんや。」

「……おう。」

 

 拿碌の顔に影が落ち、声が変わる。低音は石床を震わせ、言葉は重く落ちる。彼の口ぶりは宣言だ。呼ばれた者たちは微かに身を乗り出す。胸の内に秘めた野心が、まるで松明の炎と呼応するかのように揺らめいた。

 

「今――全文明をこの手に掌握する時が来た!!」

 

 一語一語に意味が宿る。彼らの周囲の空気が、少しずつ熱を帯びた。拿碌はゆっくりと笑みを作る。笑みの先にあるのは、これまでの計画の先へ踏み出すための狂気。

 すると、ギョウの声が静かに、しかし断固として宙を切り裂いた。

 

「今こそ、お前らが表に立つ時や。」

 

 

 

 

 ―十の暴悪(イレブン・ヴァック)!!!!―

 

 

 

 ギョウがその言葉を吐き捨てると、まるで大地が返事をするように、壁際の松明が一斉に青白い炎を吐いた。火の舌が天井を舐め、影が波紋のように揺れる——九つの顔が、燐光のなかで黒い彫刻のように浮かび上がった。

 静寂が一瞬裂け、子供らしい顔つきをした一人が身を乗り出す。好奇と冷笑が混じった声は、あたりにささやかな波を立てる。

 

「ようやく表で動けるんすね。で、僕たちは自然文明に行って、何すればいいんですか?」

 

──ギョウの声は静かに、だが深く重なる。

 

「そこで――元・『十の暴悪』の裏切り者共、すなわち……」

 

 

 

 

 

 

 

「『ガイアハザード四天王』を、始末しろ!!!!」




オリジナルカード紹介


柔感妖精サバス コスト5 パワー5000 文明:自然
種族:グランセクト/ゴッド・ミニ
レアリティ UC

・GOD・P③(このクリーチャーをバトルゾーンに出すとき、追加で③支払ってもよい。そうしたら、☒能力を使う。)
・ブロッカー
・自分のターン中、GOD・P能力を使った時、このクリーチャーの召喚コストは5少なくなる。
☒自分の墓地からカードを2枚選び、マナゾーンに置く。






連撃ガンガンFIRE コスト5 文明:火

・アタック・チャンス:パワー5000以上のアーマード・ドラゴン
・自分のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーが初めてタップした時、アンタップし、バトルに勝った時相手のシールドを1つ選びブレイクする。






最終形態チェンジアルティメタル コスト12 パワー21000 文明:すべて
種族:グランセクト/ゴッド・ミニ
レアリティ SR

・マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
・Q・ブレイカー
・このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分のマナゾーンにある文明の数だけ山札からカードを表向きにする。そうして表向きにしたカードが、マナゾーンにあるカードの合計よりもコストが小さいのであれば、コストを支払わずに使ってもよい。
・自分のクリーチャーは出たターン、相手プレイヤーを攻撃できる。
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