ーーーーもう一度、"ハンドラー" として立ち上がりながら。
「ここまで、か…………」
焼き尽くされたはずの喉は、その言葉を紡いだ。自分でも可笑しいと自嘲を含んだその言葉は、仕事をやり遂げた621を見れたからだろうか?
あいつは決断した。カーラも同じようにあいつの決断を尊重し、手を尽くしたのだろう。
何も決断しなければ、意味を持たない。俺も、あいつの決断を認めよう。621が、何を見出し思いどんな未来を創り上げるのか………それを観れないということを残念に思いつつ、焼かれていく機体で静かに悟る。
もう長くないようだ。ただ、621。俺はお前の決断をーーーーーー
「仕事……は、終わ…り…だ……6……2…1。」
やり残したことはある………だが、あいつが決断し俺やカーラを手にかける程の決意を抱き、羽ばたいて行くのなら俺に悔いはない。
「…A-…1ダ…ン!B……01ダウ…!」
声が聞こえる……バカな、俺はあの時に……
燃え残ったコーラルに火をつけられず、地獄に落ちたはずだーーーーー
嘗ての自分の使命が俺を立たせた。もう一度、燃え残った体に火をつけて。
紅炎は全てを焼き尽くした。俺の体を、意思を、使命を………その全てを焼き尽くしたのに何故、俺は生きている?
「答えて……きゃっ!?」
「一度生まれたものはそう簡単には死なない………跳ね返って来たか」
いつかの621に教えた使命の象徴……文字通りの意味で返って来た事に少しの困惑を感じた。
だが、鴉が成長し飛び去っていく姿を見た老人に一体何を求めるーーーー
「あ、あの、指揮官………?」
起き上がって気づいたが、俺に言葉をかけていた少女………年端も行かない少女が持つにしては些か可笑しい銃火器を手に携え、戦士としての決意を宿すその瞳は嘗ての猟犬達を思い起こす。そして周り、は橙赤色の炎に包まれ人類が築き上げた栄光達は虚に見つめている。
一目見ると、"破綻"が訪れたと感じてしまうほどの荒廃具合だった。
「わ、私の声が聞こえていたら何か反応をーーーー」
「…すまない。状況を掴もうとしていた。」
「い、いえ、それなら大丈夫です……?
あ、あぁ!そうです、指揮官の容体です!え、えっと、先ほど敵の対空砲火によって輸送機が墜落し心肺停止の状態を彷徨っていました…………」
……少なくともここはルビコンIIIではない。
そして、本来の体の持ち主は一度完全に死んだ。俺はその体に入り込んでしまった異物ということか……………
「今、爆発音を聞いたラプチャー達が集まって来ています。混乱しているとは思いますが、私を指揮してください。
ーーーーーできますか?」
それは、呪いだ。数多の強化人間を死地に送り込み、その人生を買い戻してやることすらできなかった俺への罪。
今まで救えなかった猟犬達が与えた最後のチャンスだ。俺が生み出し、621が清算し、猟犬達が与えた最後の機会。それに応えなければ、俺は大罪人となる。
ならば、最後のチャンスを掴み取る。
「ーーーーわかった。」
もう一度、立ち上がれ。
「ーーーーさぁ」
火を付けろ。
「仕事の時間だ。」
燃え残った全てに。
性懲りも無く二つの作品を並行して書くとかいうアホをしでかすバカです(正直)
ごすずんしかって!!(脳溶)
とりあえず今回はこんくらいにして次から文字数増やしていきましょうかね。流石に少ない文字数ですよねこれ。
と、まぁ、次回もお楽しみに〜。