零 ~イヌツキの少女達~   作:もふもふたぬきねこ

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5/2にタイトルを変更しました。
舞台設定や要素は「千恋*万花」主体ですが、根幹は「零」なのでこんな感じに。
それでもパッとしない感じなんですが……。

相変わらず時間経過しませんが、作者的にわりと大事なお話です。

今回もよろしくお願いします。


48. 持ち帰ったもの、持っていたもの

「すみません、休ませてもらっちゃって」

 

「マヨイガでは獅子奮迅の活躍だったんだ、もっと休んでもらっても問題ない。こっちもこっちで好き勝手にやらせてもらっているからな」

 

「常陸さんも大丈夫なの?」

 

「ええ、ご心配をおかけしましたアンドお昼ごちそうさまでした。とはいえ、わけのわからない動きをされたせいで結構な筋肉痛ではあるんですけどね。また有地さんの前であんな……あんな醜態を晒したくありませんのでいち早く復帰させてもらいますけれど。有地さんの記憶消せません?」

 

「そんな小春式対廉太郎記憶消去術みたいなのは止めて欲しいんだけど? まあ正直……死ぬまで忘れられそうにない。初めてだったし」

 

「そこは嘘でも覚えていないと言うべきですよ? 有地さん」

 

正直なのはいい事なんですけどね。私だったらひと月は顔を見れなさそう。

お父さんは社務所かしら。あちらを空けるわけにはいかないものね、本来私の仕事だし。

 

みづはさん、不来方さん、有地さんが作ってくださったお昼を頂いて、茉子と深羽さんはみづはさんの診察を受けられて。取り敢えず仕切り直しが出来た感じですね。

 

 

 

「それで……天倉さんにご連絡はついたので?」

 

「ああ、あっさりと答えを出してくれたよ。俺も少し神話関係を読み込むべきなのかもしれんな」

 

放生さんはやれやれと言った感じで、マヨイガから回収してきたらしい書籍と文字が書かれた紙を一枚出される。どこかにお電話されていたみたい。

そこに書かれていたのは。

 

「……「磯良(いそら)」? これが、この部分の?」

 

「おそらくな。天倉さんが言うにはそういう名の海の神がいるそうだから、発音だけ聞いてもすぐ当てはまったらしい。この漢字を見た上でこちらの駒川何某を見ると、確かにそれっぽく読める。「駒川(こまかわ)磯良(いそら)」――これがこの書籍と武実神社の聖域の文献を書いた人物の名であり……恐らくあの絶対霊の正体だろう」

 

「そして私の先祖であり、当時の朝武家に仕えていた陰陽師、という所ですか」

 

『吾輩も会っている可能性がありそうだの。全然記憶にないのだが』

 

「駒川磯良」さん、ですか。

あの文献がこの方のものなら、「妖の女」と言われる方から黄泉の門の封印方法を受け継ぎ、ムラサメ様と叢雨丸を使って何かを行い、そしてご自身はあの姿になってしまわれた人。

多分ですけど、私のご先祖に仕えて下さっていたんですよね。

 

一体この方は、当時何を知って何を実行されたんでしょう?

 

「それと……一応こちらを」

 

続けて今度はみづはさんが……スマホを?

 

「マヨイガに居た間、録音を続けていたんですよ。私には分からない何かが記録されているかもと思いまして。それでまあ、確かに記録はされていたんですが……あまり聞かない方が良いかもしれません」

 

「確かにあまりいい雰囲気の内容ではありませんでしたから」

 

「夕莉さんがそんな事を言うなんて、ますます気になるじゃないですか。私達があっちで耳にしていたものとは違うって事ですよね?」

 

レナさんも仰っていたボイスメモ機能ですね、こんな使い方が出来るなんて。

ただ……ちょっと内容に不穏なものが混じっていそうですけど。

 

みづはさんが再生のシンボルをタップされる。

 

 

 

『あべれかにじょとんのむ、あべれかねがさそえいん、うならなへてさりといらきう、うならなべれかねあたおうじむ、ならなへてさりとあなふ』

 

『いなたなこいとののもな、おいけす、およのむぐと、おいものす、おいぇみふ』

 

『おあらきといななふ、おいものす、おいぇみほなかう、おいぇみふ』

 

『おあらきとにろまなふ、おいじょとんのむ、いななほあらきとのす、およのむぐと』

 

『おやらきとにろまなふ、おいじゅうほんのむ、あらきとおなます』

 

 

 

「…………なんですか、これ」

 

『奇妙、としか形容できん音だな。なんだこれは』

 

「あちらに居た時は全く聞き覚えのない音ですよ? ワタシでもまだ言葉だと分かるものだったはずです」

 

不気味な、言葉というか音が変なリズムで流された。壊れかけのテープの様な。

聞き続けていると頭がおかしくなりそう。なんとなく似たようなフレーズも聞こえた?

 

「随分とはっきり録音されるもんなんですね。私じゃここまで聞き取れませんでしたよ」

 

「深羽さんはコレの内容が分かるんですか!?」

 

「いえ? 内容は分からないですけど、あっちで実際に訊いた声はここまでハッキリと「音」になってなかったんですよね。中身はともかくちゃんと音だと分かるだけでも違いますよ。お母さんが霊石ラジオを使った時に似てるかな?」

 

「深羽さんもそう思いますか? 内容はともかく私も看取りをした時の様な聴き心地になりました。深紅さんのは……まあ、はい」

 

なるほど、そういう事ですか。

私が最初に磯良さんの絶対霊に遭遇した時みたいに、ハッキリとは聞き取れていなかったという事でしょう。それが録音によってハッキリしていると。深紅さんについてはもうツッコまない。

 

「このままでは意味不明ですし、私自身があちらで聞き取れた内容にも何一つ結びつきません。が、有地君が突破口を見つけてくれそうなんですよ」

 

「有地さんが?」

 

「うん、合ってるかどうか分かんないけど。ちょっと待ってね、もうすぐDL終わるから。この辺電波が微妙に弱いんだよなあ……」

 

「便利な時代になったもんだよな。昔ならそれこそ専用の機材が要っただろうに」

 

先ほどまで、お話は聞かれつつもスマホに触れられていた有地さん。

何かをして下さっていたようです。ウチにもわいふぁいとやらを導入すべき?

 

スマホに耳を当てられて。

 

「………………よさそう、やっぱそうか」

 

されていた事が合っていたようですが……?

 

「有地さん、一体何を?」

 

「ちょっとした加工。取り敢えず再生するから聞いてみて」

 

今度は有地さんのスマホの再生がスピーカーモードでタップされる。

 

 

 

『はなをちらせてはならぬ。みずをあたえなければならぬ。ひかりをちらせてはならぬ。にえをささげなければ。もんをとじなければ』

 

『ひめよ、そのみを。つぐものよ、せきを。あのもののちをかなたに』

 

『ひめよ、わかのひめよ、そのみを。はなにおちからを』

 

『つぐものよ、そのちからをはなに。もんをとじよ。はなもりのちからを』

 

『さまのおちから、もんをとじよ。はなもりのちからよ』

 

 

 

すごい。内容の理解はともかく意味が分かる音声になった。

 

「逆再生ね。それっぽい音だとは思ったけど、ここまでハッキリするとは」

 

「逆再生、ですか?」

 

「まあ芳乃様は知りませんよね。ビデオテープって巻き戻しをする時は音が鳴らないじゃないですか。それってこういう音が流れてしまうかららしいですよ。機械的に逆さまに音を流すと全く違う内容になるんだそうです。元が逆に録音されたものを再度逆再生するのは初めて聞きましたけど」

 

最近は全然見なくなったビデオテープだけど、たしかに巻き戻しの時は音が鳴らなかったっけ。

あるいはノイズみたいな音だけだったかしら?

 

「昔の映画でこういうのをやってるのがあってさ。その映画では確か……逆再生すると全然違う話や誰かの名前を連呼してたっけかな? それを思い出してやってみたんだけど」

 

『一体ご主人は何の映画を見ておるのだ……』

 

「元はお母さんが子供の頃の映画かな。ブリッジ階段下りでしょ、その方面では超有名作よ? 女の子の演技が凄かったわ」

 

「その感想が最初に出るのは深羽さんならではですね。ムラサメ様は多分ご覧にならない方が良いと思います――「あてられる」と思いますから」

 

『……承知した。忠告感謝するぞ、不来方。というかお主も知っておるのだな?』

 

ジャンルがそっち方面なのは分かりました。シチュエーションが意味不明ですが。

私が見た場合は夜のトイレが危険そうなので遠慮したいところです。

 

「さて、駒川磯良が言葉として口にした事から推測される漢字を当て嵌めると……こんな感じか。それと駒川先生だけが聞き取れたものも書いておくぞ」

 

音声を書き出されていた放生さんが、そこに漢字を併記してくださった。

 

 

 

『花を散らせてはならぬ。水を与えなければならぬ。光を散らせてはならぬ。贄を捧げなければ。門を閉じなければ』

 

『姫よ、その身を。継ぐ者よ、責を。あの者の血を彼方に』

 

『姫よ、若の姫よ、その身を。花にお力を』

 

『継ぐ者よ、その力を花に。門を閉じよ。花守の力を』

 

『~~様のお力、門を封じよ。花守の力よ』

 

『花守の儀』『「さんよう」を止めて』『花と水』

 

 

 

合っているかどうかはともかく、かなり意味は理解しやすくなりました。

わりと同じ事を繰り返し口にしているんですね。もうそれしか意識が残っていないんでしょうか。

 

一番気になる言葉は……これは音声にはなかった単語ですね。

 

花守(はなもり)()……犬神も口にしていましたね。そもそも「花守」とは何の事でしょう?」

 

「そういう苗字の人がいるのは知ってるかな。意味なんて考えた事もなかったけど」

 

有地さんが仰るには、穂織の外になら苗字としてお持ちの方がいる模様ですね。

普通に考えると庭師さんのようなイメージですが。

 

『なんだ、芳乃やご主人達は知らんのか?』

 

「ムラサメ様は御存じなのですか?」

 

そして、ムラサメ様が意外と言わんばかりの御反応。

 

『現代には残って居らなんだか――「桜の花の守り人」の事だ。昔は桜を愛でる行事、今でいう花見みたいなのが重要視されておってな? 現代と違って綺麗な桜を見ようと思うなら、そのための守り人を付けて鳥や虫から木を守らせねばならんかった。今でも邪気祓いの「桃の節句」はあるだろう? この国の代表的な花と言えば「桜」、故に無病息災を願う花の祭りには欠かせん。大事な職だったのだ』

 

「平民だったわりに博識ね? 私でも初耳なんだけど」

 

『そう言われると……確かにそうだな。吾輩はどこかで聞かされた事があるのか?』

 

「ムラサメ様が何かを仰られたので?」

 

「ええ、今しがた「花守」という職の解説をしてくれました。俺も初めて聞きましたね。言葉通りではあるが――昔から重要視されていた儀式の職、か」

 

深羽さんや放生さんでもご存じなかったあたり、職業自体は廃れてしまったか数が少なくなってしまっているようです。

ですが「花守」自体が儀式の守り人という可能性は高そうですね。他にもそれらしいワードは散りばめられていますし。

 

「ここの言葉は……みづはさんでも聞き取れませんでしたか? 私には欠落したかのような聞こえ方をしまして」

 

「私もだよ。不自然に音が飛んだかのような聞こえ方だった」

 

「……なんか聞こえた気がしたんですよね、ワタシには」

 

次に不来方さんが指さされたのは『~~様のお力、門を封じよ。花守の力よ』の「~~様」。

誰かのお名前? あるいは何かの様子でしょうか?

茉子は微かに感じたものがあったみたい。犬神が宿っているからかしら。

 

 

 

「ああ、茉子君。深羽さんも。もう大丈夫なんですか?」

 

 

 

あ、お父さんが戻って来た。いつもの時間より大分早いけど、まあ仕方がないわよね。

 

「安晴様、ご心配をおかけ致しました」

 

「体調はもう大丈夫なので。神主さんのお仕事も大変ですね」

 

「いえ、深羽さんのようなお仕事に比べたら時間の余裕はたっぷりあるものですよ。茉子君もこっちまでお任せしてしまって申し訳ないね。何かわかりましたか?」

 

「例の絶対霊の正体と名、そしてその存在の発した言葉の解読中という所です」

 

放生さんが簡単にあらましをお父さんに説明される。

流石説明がお上手ですね。すらすらと頭に入れやすい。

 

そして、さっきのお話まで追いついた所で。

 

「ここが誰かの名なら……音が飛んだというより現代では「名を失われた」可能性はないでしょうか?」

 

そんな意見。

最近そんなお話をお父さんから聞いた気がする。確か……。

 

「それって、この穂織の「土地神様」の事?」

 

「そうだね、恐らく「姉君様」がその御方に該当する可能性が高い。何らかの理由で名を失くされ、該当する言葉が現世にないから僕達では聞き取る事が出来ない。逆に言えば、この磯良なる人物が発声できているなら当時はお名前がまだあったという事だよ。ムラサメ様が「綾さん」から「ムラサメ様」になられ、叢雨丸と一緒に聖域に安置された……その後。何らかの理由で名を失くされたんじゃないかな。犬神様が仰るには、駒川磯良さんは姉君様を祀っていた方だ。他の人が知らなくても、この人なら知っていた可能性は十分にある」

 

『吾輩が芳乃達からの信仰を失いかけて「ムラサメ」でなくなり始めておるように、神が信仰を失えばその存在は秘神として現世から去られてしまう。そういう事もあるかもしれんの』

 

「その可能性は高そうですね。何よりワタシの中の犬神が何も言ってきません。間違った事ではないのでしょう」

 

犬神をうそ発見器に使うのはちょっと違う気がするけど……。

でも、そうよね。おかしな事を口にしていたら表に出てきそうなお話なのに、無言。

さっきのやり取りで疲れている可能性もありそうだけど、今は正解なのだと思いましょう。

 

此処の名の方が、穂織のもう一柱の土地神様。何かがレナさんに似ている可能性がある存在。

 

「なかなかいいペースで解読が進むな。普段もこのくらい筆が走ればいいんだが」

 

「そこが蓮さんが累さんを養うくらいのおつもりで頑張ってください。あとは……「水」ですか。水に関する信仰はないと芳乃さんやムラサメ様から伺いましたが?」

 

『そこは間違いないと思うぞ?』

 

花を守る――生かすための「水」。

ですけど、確かに穂織に「水」に関する信仰はないはず。お父さんも悩み顔だし。

何かそれっぽいワードは……。

 

 

 

「…………あ?」

 

 

 

反応されたのは再びの有地さん。穂織の住人以上に穂織の事をご存じだったり?

 

「有地君? 思い付いたなら何でも言ってみて。ハズレでも新しい発想は大事だし、貴方の考えって結構当たってる事が多いから」

 

「いや、う~ん。まさかとは思うんですけど……」

 

そう仰られて、右手で床に置かれていたものを握って。

 

 

 

「――これ、違います?」

 

軽く掲げられたのは、有地さんが管理されている叢雨丸。

使い手としてはともかく、祀っていたりとお世話になっている期間は私たちの方が圧倒的に長く、その歴史も知っている御神刀、のはずなんですが。

 

ええっと?

 

「刀、ですよね? 御神刀で、姉君様のお身体ではありますけど……「鉄」でできた」

 

 

 

「それはそうなんだけど――刀の()

 

「「「「『…………あっ』」」」」

 

 

 

全然考えた事なかった。ムラサメ様やお父さんすら含めた穂織生まれの5人の顔が固まる。

 

「成程な。「叢雨(むらさめ)」、にわか雨の事だ。これ以上ない水への信仰が穂織にもあったと」

 

「水と聞くと、日上山のように流転する液体が当たり前だと思ってしまっていました」

 

「あんた、一応これの管理者なのよね? ついでに今のあんたの名前よね?」

 

『これについては一切言い訳出来んな。名の意味など全く考えておらんかった……吾輩が名乗りを変えたのも、水を信仰させるためのものだったのか』

 

「僕は今まで何をしてきたんだろうね……お祀りする役を賜っているというのに」

 

「私なんて郷土史の調査者ですよ? こんな単純な繋がりに気付かないなんて……」

 

「『屑共が』ツッコミが入りました。これは反論できない……」

 

私もそれなりですけど、特に年長組へのダメージが大きい。

犬神的にもツッコむレベルでこれはアウトだったようで。

 

 

 

そうか、叢雨丸って「水」を示しているんだ。

 

 

 

「南総里見八犬伝とかゲームに「村雨」って刀が出て来る事があって、「露走(つゆばし)りの剣」なんて呼ばれてたからまさかと思ったんだけど」

 

「あー伝説の剣なのに唯の刀の正宗(まさむね)より攻撃力の低いアレね! 血が付かないんだっけ」

 

「そうですそうです! 昔は村正(むらまさ)と村雨の違いがよく分かってなかったですよ」

 

有地さんと深羽さんはまるでローカルトークのようにわいわい盛り上がられる。

私もゲームに触れた方が良いのかもしれない。なんかくやしい。

 

「「水」が叢雨丸なら、「花」は……ムラサメ様、「綾さん」のお身体ですか」

 

「かつては一緒に安置されていたらしいしな。女性を花に例えるのは一般的。永久花と置き換えればより繋げやすい」

 

『今朝聞いた、吾輩自身も穂織の守りだという話だな。つまり花守の儀とは今の吾輩と叢雨丸の状態にする儀式という事か』

 

「贄を捧げて門を閉じるんだから、大方の予想通りになったけど叢雨丸が門の封印として機能していたんでしょ。祟り神祓いの効果は偶々の後付けで、本当はこっち。だけど刀が有地君を選んで今ここにある以上、刀としても何かやって欲しい事があるんでしょうね。じゃないと封印を解かせただけの完全な欠陥品だし」

 

「俺にやらせたい事……」

 

いけない。皆さんが話に復帰し始めた。私たちも再起動しましょう。ほら、お父さんも!

 

「……大変失礼を。しかしムラサメ様がいらっしゃって、叢雨丸も間違いなく神力を帯びているのに駒川磯良さんの霊は強力な怨霊と化している。という事は」

 

「当時行われた儀式は恐らく不完全だったのでしょう。「朝武義和に瘴気を撒かれた」との事でしたからね。夕莉君、絶対霊は強力な神職が瘴気を大量に浴びた存在、でよかったかい?」

 

「そうですね。他の例もあるようですけど、大体その解釈で問題ないかと」

 

つまり。

 

「駒川磯良さんは……儀式の途中で朝武義和に邪魔をされて、瘴気を大量に浴びてしまった?」

 

「十分あり得そうですね。そしてその結果起きた出来事が」

 

「この、漢字の当て方が分からない「さんよう」って事か」

 

元の意味が全く分からない「さんよう」なる言葉。

これが怨霊発生の大本なんでしょうか?

 

「まあこれに関しては回収してきた書籍を解読すれば分かるかもしれん、少し時間をくれ。朝武さんを今後どう取り扱うかの話もあるしな」

 

「私を、ですか?」

 

「花に力を与えられる「姫」がいると言っています。当時の「若の姫」というなら朝武次男の娘、つまり最初の巫女姫ではないでしょうか? 芳乃さんはその子孫ですから」

 

「朝武さんがマヨイガに招かれている理由はそこにありそうですね。私が「朝武さん」だった時、絶対霊が寄って来たのは「朝武さん」だったんですよ。じゃあ武者の霊もそうなのかな? 捕らえるつもりなのか、殺すつもりなのかが分からないけれど」

 

なるほど。私にどんな力があるかは分かりませんけど、血縁は必要なのかもしれません。

下手に私が怨霊に捕まってしまうと、どうにかなるものがどうにもならなくなる。

関わり方を考えないといけない部分が出てきそうです。

 

 

 

……いや、「私が自害すればすべて終わる」ってこの事だったりする?

 

 

 

巫女姫という立場のあり方は、本当はそちらにあったのかもしれない。そんな気もします。

というか、相変わらず私は物騒な立場に置かれているんですね……。




本作が零の中でも「濡鴉ノ巫女」をクロス先に選んだきっかけがコレでした。
一番現代に近い時系列(濡鴉ノ巫女を除き、零シリーズは昭和末期が舞台です)、
キャラ数が多い、雛咲&黒澤家がいるのもあるんですが、要素が割と合うんですよね。

7話も使って、やっと午前が終わった頃。なっが……。
次回も楽しんで頂けたら嬉しいです。
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