仮面ライダーヒューム   作:熊澤しょーへい

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前回少しだけ匂わせた2号ライダーの登場です。


No.4 RUBY/その戦士は誰?

 太陽がすっかり沈み切り、虫の音色があたりに響く。普通なら趣の一つや二つ感じるものであるが、それを聞く「人」がいなければ、それも無意味と化す。都市であれば人の気配があるのだが、あいにくとここには街灯や家の明かりはほとんどない。雲が空を分厚く覆い、星の輝きどころか月明かりさえも覆い隠してしまう、

 

 よって地上からは空中で行われている戦いは地上から観測されることはない。

 

 鉄塔から鉄塔へと滑空するように異形の怪物が飛び移る。細長いトサカと(くちばし)、膜状の翼。いわゆるプテラノドンと呼称される生物が人間に融合したような、醜悪な見た目をしていた。

 

 その怪物は時折後方を確認するかのような仕草を見せる。元になった人間の能力を引き継いだためか、それともプテラノドンの固有の能力だったのか、闇夜であっても問題なく周囲の状況を把握そることができるようだ。

 

 しかし、怪物のレーダーには何も異常は見当たらなかった。本来なら安堵するところだが、太古の時代を生き抜いた本能からか、むしろ警戒しているようだ。

 

《SHORT MODE!》

 

《ELECTRIC!》

 

 幸か不幸か、その懸念は当たることとなる。怪物の正面の鉄塔、何もないはずの暗闇から一本の矢が怪物に向けて放たれた。

 

《ALL RIGHT!ELECTRIC SHOOTING!》

 

 怪物は体を捻って何とか回避したものの、その一本を皮切りに矢の雨が怪物に降り注ぐ。矢は黄色い電撃を纏い、矢の平均速度と言われる時速200kmを優に超えて飛来する。

 

 避けきれなかった矢が数発怪物に刺さる。しかし、数と速度の分威力は控えめなのか、傷をつけたものの怪物の命に届くには至らなかった。

 

 怪物は鉄塔に着地し、射手と正面から向き合う。そこにいたのは暗闇とは相反する純白の狩人。その体は怪物が探知できなかったのが不思議なほどに外界から隔絶されている。手に持っているのは黄色のラインが通ったボウガン。一般に使われているとの相違点として、カードを入れるような機構が取り付けられている。

 

《AUTHENTICATION!WHAT'S HAPPENED?》

 

 狩人は腰に取り付けている端末を操作し、ボウガンをその端末にかざす。先ほど射出された矢と同じ色のオーラがベルトからボウガンへと流れていく。

 

 オーラが形作ったのは黄色の帯電する一本の矢。先ほどまでの矢とは見てくれは同じだが、内包するエネルギーは比にならないほど濃密だ。

 

 レコードカードと無理やり融合させられた怪物にはその行動を子細に理解できるほどの知能は失われている。ただ、(これ)が放たれたなら自分の仮初の命は終わるだろうという確信だけはあった。

 

「―――!」

 

 しかし、怪物にとってはまたとない好機でもあった。今まで捉えることもできなかった狩人の姿が目の前にある。矢が放たれる前に狩人を仕留めんと、翼を羽ばたかせる。数メートル上昇してからの急降下。ハヤブサであれば最高時速約380kmにもなるそれが、人間ほどの質量を持って狩人に襲い来る。

 

 だが狩人にとって獲物のその足掻きはたやすく予想できたものだった。

 

 急降下の寸前、怪物の体に半透明の矢がいくつも突き刺さる。それ自体に痛みはなく、命に届くこともない。しかし、怪物の体は突き刺さった場所を起点に、空間に縫い付けられたかのように動かなかった。

 

 無防備になった怪物に狩人がボウガンを向ける。狩人は仮面の向こうで怪物を狙いすまし、一拍して―

 

《ALL RIGHT!ARCHER ELECTRIC SHOOTING FINISH!》

 

 ―引き金を、引いた。

 

 ボウガンから一本の矢が射出され、狩人と怪物の中間で数十本の小矢へと分裂する。拡散した矢は一本一本が石を持つかのように、怪物に突き刺さる半透明の矢に向かって高速で殺到する。標的にされているのは怪物の眼球、翼、心臓、脳に当たる部分と、おおよそ急所とされる部分。雷光の矢が確固たる殺意を持って怪物に飛来する。

 

 拡散してから一秒と経たずして、現実の矢が半現実の矢と重なり合う。怪物は小さい呻き声のようなものを上げた後、空中から地面へと吸い込まれる。そして地面に叩きつけられた瞬間、怪物は小規模な爆発を伴って消滅した。

 

 狩人は爆発の中心に向かい、在りし日のとある翼竜が描かれ「PTERANODON」と下部に刻まれたカード―プテラノドンレコードカードを拾い上げる。数秒の間、狩人は周囲の気配を探る。そして危険はないと判断したのか警戒を緩めて踵を返す。

 

 そして自分が今いる場所を思い出し足を止め、どうやって帰ろうか、と小一時間悩むことになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 都心に高く聳え立っている警察庁の地下深く。捜査零課の管制室はその更に奥に構えられている。正面に備えられている大画面は映画館のスクリーンよりも何倍も大きく、日本各地の防犯カメラの映像が途切れることなく映し出されている。キーボードは一年中叩き続けられ、常に最新の情報が零課にもたらされている。

 

 管制室に呼び出された詩音はあまりの迫力に息を呑んだ。映し出されている映像は都会のビル群や店内のカメラだけではなく、裏路地や自販機のカメラなど幅広く埋められていた。

 

「三人とも、よく来てくれた」

 

 呼び出されたのは詩音だけではなく、他にも二人の隊員が呼び出されていた。

 

 一人は糸目が特徴の男性隊員。詩音と違って緊張した様子はなく、どことなくふてぶてしさを感じる。

 

 もう一人は肩下まで髪を降ろした女性隊員。こちらも緊張していないようだが、男性隊員と異なりどこか抜けている印象を感じる。

 

 二人とも詩音よりも身長が高く、コンプレックスを刺激されたのは詩音の心だけに留めておく。

 

「本題から行こう。本日呼んだのは他でもない、ついに我々はライダーシステムの完成に成功した」

 

 ライダーシステム。その単語に他の二人だけではなく、室内の作業している面々も反応する。しかし、その中にはトップシークレットが指揮官の口から明言されたことに対する緊張だけではなく、昏い歓喜の感情も含まれていた。

 

 第零課は民間だけでなく、一部上層部を除いた警察組織内にすら秘匿されている存在だ。異動が決まった時点で戸籍も含めて生存していた痕跡が徹底的に抹消され、零課にいる全員が外では死亡、もしくは生まれてすらいなかったとされている。

 

 零課にいる隊員の数はこれまでに陰で怪物に殺された、もしくは怪物に変えられてしまった人の数。故に、唯一怪物と渡り合えるライダーシステムに喰いつかないものなどこの中にはいない。

 

 全員作業を続けるように、と松下司令官が声を上げる。その言葉に詩音も現実に戻ってくる。

 

「そして君たち三人を装着者として任命したいのだが・・・」

 

 言葉を打ち切って少し苛立ったように時計を見る。どうしたのかと訝しむよりも前に管制室の扉が開く。

 

「はーい。呼ばれましたー」

 

 ガラガラと台車を押しながら雪村ノアが入室してきた。マイペースなのか肝が太いのか、遅刻したようであるが全く反省してないような声色であった。

 

「・・・主任研究員はどうした?」

 

 呆れたような様子の司令官の言葉に、ノアはやれやれといった様子で答える。

 

「それがー、五分前に急に寝入ってしまいましたー」

 

 なるほど、真にマイペースなのは主任研究員とやらだ、と訂正する。

 

「まー私も開発に関わってるのでー、説明は問題ないですー」

 

 そう言うと、司令官の返答も聞かずに台車に乗せられていた箱を次々と開封していった。その様子を見て司令官は深々と溜息を吐く。

 

 一分とかからずに机にはそれぞれ赤・青・緑色の長方形の分厚いデバイスが大きな音を立てて置かれる。デバイスの左側にはベルト帯が長く垂れており、先端にはジョイントが備わっている。赤色のデバイスには身に着けたときに右側に来る位置に、青色のデバイスには左側に来る位置に、緑色のデバイスには装着者の背面に来る位置に、それぞれ何かを差し込むようなホルダーがベルト帯につけられている。

 

 デバイスの中心に取り付けられたカメラのレンズのような部品が三人を映す。

 

「これがーシステムの核になるデバイスでー、インベスティドライバーと言いますー」

 

 変わらないテンションでノアが説明を続ける。専門の言語が飛び交いよくわからなかった部分はあったが要約すると、だ。

 

 デバイス―インベスティドライバーはレコードカードの力を用いて変身を行うということ。システムの殆どがセーブ機能に割かれ、怪人化を防ぐこと。このシステムは内部から改変されない限りは絶対だということ。理論上は全てのレコードカードで変身できるが、身体が持たないため非推奨だということ。

 

「だいたいー、レコードカードの力をー限りなく抑え込んだ状態でもー相性が少しでも悪いレコードカードだとーすぐに怪人化してしまうんですよねー。複数のカードを使い分けて戦うなんてー余程のイレギュラーじゃないと不可能ですよー」

 

「では、そのイレギュラーについての話だ」

 

 優成が机にあるパソコンを操作すると、スクリーンの一部分に四枚の写真が映し出される。それぞれ時間も場所も異なっているが、いずれにもダイヤモンドプレイスターを倒した白い仮面ライダーが写りこんでいた。

 

「彼、あるいは彼女に関する情報だが、ダイヤモンドプレイスターを倒して以降もたびたび姿を現している。我々が確認しているだけでも四件だ」

 

「どうするんですか。もう情報が結構流れ出してるいたいですけど」

 

 男性の隊員が関西弁が抜けきってないイントネーションで問いかける。

 

「インターネットには既に何枚か出回っているが、都市伝説という話という話で終結させつつある。各放送局には上層部の圧力で情報が入っていない。これ以上は仮面ライダーだけでなくプレイスターの情報までも事実として流れかねない」

 

 一つ呼吸を置いて優成が続ける。

 

「よってプレイスターの駆除だけでなく変身者の特定、並びに変身者の保護も君たちの任務に加える。異論はないな?」

 

 はい、と三人がまばらに答える。

 

「捜索に関してだが瀬良隊員、この仮面ライダーについて感じたことはないか?」

 

 詩音は唐突に問いかけられたことに驚きつつも、やっぱり聞かれるか、とあまり動じていなかった。唯一零課が白い仮面ライダーと遭遇したダイヤモンドプレイスター戦では、自分が最も間近で戦闘を観測した隊員なのだ。参考に聞かれるのは妥当なことだ。

 

 なので、慎重に言葉を選んで発言する。

 

「所感ですが、かなり戦いなれているように感じました。雪村研究員の話を聞くに、彼のドライバーは我々ものと同等かそれ以上にレコードカードの力を制限しているようです。剣術や弓術の技術がレコードカード由来のものだったとしても、それを使いこなすには相応の時間が必要のはずです。変身者は過去に警察や自衛隊に所属していた人間の可能性があります」

 

 そこまで言って、詩音は一礼する。優成は少し考える素振りを見せて口を開いた。

 

「なるほど。では我々はその線で捜査に動く。進展があり次第君たちに伝えよう。そして三人には―」

 

 優成は再びパソコンを操作する。スクリーンに先ほどまでの写真に加えて新たに二枚の写真が追加される。こちらにも白い仮面ライダーは写っているが、一部分だけであったり掠れていたりとどこか不鮮明だ。

 

「例の仮面ライダーはダイヤモンドプレイスター戦以前にも出現した可能性がある。君たちにはこの線で捜査を行ってもらいたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―開発研究部にて

 

 

「貸し一つですよー」

 

 管制室から戻るや否や、()()()()()()()()()()()()()()昭人にぼやく。相変わらず足の踏み場のない床を器用に飛び跳ねて自らの机へと向かう。

 

「これで貸しは幾つだったかなあ」

 

「二十四ですー」

 

 どうやって返すかなあ、と昭人が呟く。そんな会話をしつつノアは椅子にもたれかかり、昭人はパソコンの叩く手を全く緩めない。ある事情からこの地下本部から出られない昭人にとって、これが十数年続く日常であった。

 

「問題ないですー。全部終わったらまとめて返してもらうのでー。生憎私にはー時間が腐るほどありますのでー」

 

 その言葉に昭人のキーボードの叩く音が不意に止まる。そんな昭人に苦笑しながらノアが失言でしたー、と軽く訂正する。

 

「で、どうだった?優成はアイツの正体に気付いていたか?」

 

「まだ特定できてない様でしたー。でもー貴方が何か隠してることにはー気づいてる様子でしたー」

 

「だろーな。あんだけわかりやすい態度をとってちゃ気が付かねえほうがおかしいか」

 

「あの人怖いんですよー。何もかも見透かしてるような感じでー」

 

 無理やり出てもらって悪いな、という昭人の言葉をBGMに、ノアは自分の机の寝かせてあった写真立てを立てる。

 

「いいんですよー。仮にも甥のためなのでー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ~あ」

 

 昨夜の疲れが尾を引いているのか、海翔の口から大きな欠伸が出た。既に学校が始まっているので日野森学園には海翔と明奈の二人しかいない。

 

「コーヒー淹れていい?」

 

「珍しいわね。あの棚の中に入ってるから」

 

 明奈が棚の一つを指さす。カチャカチャとどこかぎこちない様子で、眠気を飛ばすために普段は飲まないコーヒーを淹れる。コーヒーの苦みが未だに苦手で、月に一度も口を付けない。

 

「うっ・・・」

 

 口をに含んだ瞬間、口内に満遍なく広がる苦みに思わず呻き声をあげる。安物のインスタントだからか、学生時代に友人が奢ってくれた店のコーヒーよりも数段苦みが強いような気がした。味覚から意識を逸らそうと、近くにあったリモコンを手に取りテレビをつける。何度かチャンネルを切り替えた後、一つのニュースに辿り着いた。

 

『今日未明、――市で起こった爆発事故について―』

 

 そのニュースは海翔が夜戦闘を行った場所についてだった。

 

『原因は電線の整備不良だとして、警察は捜査を―』

 

 目撃者がいないのか、それとも警察がもみ消したのか。どうやら海翔のことは世間一般には広まっていないようだった。被害者も出ていないようなので、海翔はホッと胸をなでおろす。

 

 ダイヤモンドプレイスターを倒して早一週間、海翔はほぼ毎日怪物と戦闘していた。あいにくと不気味な少女とは会うことがなく、電話やメール、手紙など間接的に情報が送られてきている。確かに嬉しいが、昼夜問わずそれも怪人が出てから送られてくる点は一言文句を言いたいところだ。

 

(まあ、いざ対面したら何も言えないんだろうけど)

 

 そう、電話越しで声を聴くだけでも冷や汗が出てくるのだ。

 

(でもあの子、僕の過去について何か知ってるような口ぶりだった)

 

 海翔は日野森学園に引き取られるまでの記憶を失っているが、それを気にするような素振りはほとんど表には出さない。

 

 更に思い返したのはヒューマンレコードカードについて。これまでに幾つものレコードカードを集めてきた海翔だったが、どこからともなく生成される、という特性を持っているのはこのヒューマンレコードカードのみであった。

 

(そもそもこのカードはどこから生まれたんだ?)

 

 これまで海翔は怪物を倒すことでレコードカードを手に入れてきた。しかし、ヒューマン、ブレイズ、エレクトリックは明らかに他のレコードカードとは異質の存在だ。特にヒューマンレコードカードはまるで・・・

 

「ブフォッ!」

 

 テレビをぼー、と眺め流れ紡いでいた思考は、横からの怪音によって唐突に打ち切られた。音の発生源に向かって慌てて視線を向けると、明奈が咳き込んでおり、その机にはコーヒーの海が出来上がっていた。

 

「ちょっ、大丈夫?!えーっと、タオルタオ―」

 

「そんなことより!」

 

 大急ぎで拭くものを探そうとする海翔を制止し、直前まで見ていたスマホの画面を海翔の眼前に近づける。

 

「これを見なさい!」

 

 おお、と明奈の気迫に押されるように数歩後退した後、液晶の画面に視線を巡らせる。表示されていたのは某SNSサイトの投稿だった。そこには―

 

 “なにこれ、なんかの撮影?”

 

 “ヤバいの撮れた!もしかしてUMA?”

 

 “例の怪人騒ぎと関係あるのかも”

 

 という文面と共に、ビルとビルの間を屋上をジャンプで渡っている、残像を残して人々の間を通り抜けているといった様々なヒュームの画像が投稿されていた。徹夜で疲れているのかな、と思い画面から離れ、コーヒーで覚醒しきった目をもみほぐす。

 

 一つ深呼吸をしてスマホに目を戻す。

 

 しかし、画面には無情な現実がしっかりと刻みついていた。

 

 はい、ヒューム(海翔)の活動、見事にバレていました。

 

「て、そんな悠長なこと言ってる場合じゃなくて!え、これマズくない?」

 

「マズいわよ!ていうか、何でこんなに大々的にあんたの活動が知れ渡ってるわけ?!」

 

「こっちが知りたいよ!」

 

 そう、何が問題かというとこれらの投稿、めっちゃバズっているのである。全ての投稿が一万いいねを超えており、固有のハッシュタグまでつけられている始末。ここまで話題になっているにも関わらず、ネットニュース含む報道機関で一度も取り上げられていないのだ。単に情報の裏付けが取れなかったのか、それとも―

 

 リーン

 

 警察が本人(仮面ライダー)に情報が渡るまいともみ消していたか。

 かすかな鈴の音がやけに大きく建物に響き、先ほどまでの騒音が嘘のように静まり返る。しかし、なけなしの資金を投じた補修工事が功を奏して外の人物には先ほどのやり取りが聞こえていなかったのか、はたまたどこか抜けている人物なのか、

 

 リーン

 

 と先ほどと同じように来客を知らせる音が響く。海翔と明奈は向き合い必死の形相で、しかし一言も発しずに手のみを動かす。

 

「(ちょっと、どうするのよ!)」

 

「(いやまだ僕のことがバレたって決まったわけじゃないでしょ!どうせ祈里さんあたりが遊びに来たんだって!)」

 

「(決まってるわよ!祈里さんとか亮介ならうちのインターホンの調子が最悪なのは知ってるから直接ドアをノックするわよ!)」

 

 悲しいかな、会話の節々や通販という選択が出てこないことから日野森学園の財政状況の悪さが伺える。高校生三人、中学生2名、小学生5名を養う日野森学園の財源は国や地方自治体の支援金から成り立っている。勿論使い道は厳格に決められており、尚且つ有限であるために懐事情は余裕がない。人員の補給に際しても「まあ、二人で回ってるし」という理由で見送るほどだ。

 

 ちなみにその会話を聞いていた子供たちは、(まあ、実際問題は出てないんだよな)(海翔兄もだけど明奈姉も負けず劣らずの超人だし)(逆に何ならできないの?)(見捨てること)(海翔兄の手綱を握ること)(二人ともまじカッケー)という反応になったとか、ならなかったとか。

 

「(とにかく、あんたがいると拙いから教会にでも行ってなさい!)」

 

「(でも―)」

 

「(それに、捕まってるタイミングで怪物が出たらどうするつもり?)」

 

「(うっ)」

 

 痛いところを突かれたように、海翔の視線が泳ぎまくる。

 

「(・・・ごめん、助かる)」

 

 数秒の沈黙後、折れたように海翔が裏口へと向かう。出ていったのを確認してから明奈は正面の玄関に向かう。

 

「すみません、お待たせし―」

 

 ゴッ

 

「キャッ」

 

 海翔がいたことがバレませんように、と願いながら明奈が急いで扉を開けた。しかし、訪れた人物は不幸にも扉の正面にいたようで、鈍い音と可愛らしい声と共に人影が倒れ伏す。

 

「ちょっ、大丈夫ですか!?」

 

 そこにいたのは柔和な笑みを浮かべた細身で長身の女性。その体を強調するように黒いスーツを見事に着こなしている。頭を押さえてうずくまるその姿に、明奈は先ほどまで抱いていた警戒心を薄れさせてしまう。

 

 少しして痛みが引いたのか、女性が体を起こして明奈に話しかける。

 

「わたくしは捜査一課の芦屋(あしや) 夕夏(ゆうか)と言います。伊藤海翔さんはいらっしゃいますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大都市に位置するスクランブル交差点。その一角で一人の女性が路上ライブを行っていた。

 

 平日の昼過ぎからか、朝夜のピーク時よりは目に見えて人が少ない。しかし、その歌唱力からかかなりの人数が足を止めてその歌声に耳を傾ける。

 

 女性のスタイルはギターと歌声のみのシンプルなもの。だからこそ、歌い手に要求されるスキルのハードルは高く、ここまで高めた女性の才能と努力は並々ならない者だとうかがえる。

 

 演奏を終えて一礼する。それを皮切りに客が満足そうに散会してく。人の塊はたやすくほどかれていき、すぐさまいつも通りの人の川に戻っていく。

 

 そんな中一人の女性が音楽家(ミュージシャン)に近づいていく。その不自然さに音楽家(ミュージシャン)は警戒するどころか、その人物を歓迎する仕草さえ見せる。

 

 カツカツ、とヒールを鳴らして音楽家に向かう女性。服装は周りの有象無象と同じだが、その傲岸不遜な態度はは女王(クイーン)を想起させるものだった。

 

 女王(クイーン)音楽家(ミュージシャン)の耳に顔を近づけ、一言何かを呟く。喧騒によって容易くかき消されるほど小さいそれを音楽家(ミュージシャン)は一言一句逃さずに受け取る。

 

 女王(クイーン)はそれを終えると踵を返し、再び人ごみの中江消えていった。

 

 それを見届けると、彼女は虚空に手をかざす。光の粒子が収束し、一枚のカードが手に収められる。

 

 そこに描かれていたのは一つの人影。ギターのような楽器を演奏しており、下部に「MUSICIAN」と刻まれている。

 

 ふいに、そのカードを自らの体に突き刺す。カードはスムーズに彼女の体に吸い込まれ、彼女の本来の姿を顕現させる。

 

《MUSICIAN》

 

 おどろおどろしい声と共に現れたのは異形のヒトガタ。手にはボロボロになったギターを構え、目に当たる部分からは小さい手が生え、錆びの目立つ金管楽器のようなものを構えている。僅かに見える歯はピアノの鍵盤のような形をしていて、耳に当たる部分にからは臓器のような色をしたインカムのような器官が生えている。

 

 突如現れた怪物に、人々がパニックを起こす。一角からだったものは波のようにたちまち全体に波及する。

 

 その波に向かってギターを一つ鳴らす。すると衝撃波が発生し、射線上にいた人間は壁に叩きつけられ、物言わぬ肉塊と化した。

 

 そうして怪人にとっては短く、人々にとっては長い虐殺の時間が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 裏口からリュックサックを背負って出てきた海翔は有村教会に足を向けようとしたが、その瞬間、どこからともなく黒色の紙飛行機が海翔の顔面に直撃する。

 

「痛っ」

 

 誰が飛ばしたものかと周囲を見渡してみるものの、これを投げたと思わしき人影は見当たらなかった。不意に嫌な予感がし、地面に落ちた紙飛行機を拾い上げ、折り紙を広げる。

 

 そこには怪物が現れた旨と、その位置が詳細に描かれていた。

 

「噂をすればこうだよ・・・」

 

 明奈の慧眼性に心底感服する。すぐさま向かおうとするが、ある疑惑が海翔の脳裏をよぎった。

 

「また明奈に怒られるのでは・・・」

 

 先日ダイヤモンドプレイスターを倒しに行った際すれ違いで明奈たちが帰った来ており、もぬけの殻となった日野森学園を見て大騒ぎになったようだ。慌てて付近を捜したが全く見当たらず、あわや警察に通報というところで何食わぬ顔で本人が帰ってきたわけだからさあ大変。怒りの矛先は海翔に向けられ数時間に及ぶ説教を浴びたのだった。

 

 あの時の明奈の形相を思い出して、有村教会に向けて全力で走り出す。

 

 十分と掛からずに有村教会の正面門に辿り着く。そこには待ち構えていたかのように祈里神父が立っていた。

 

「どうしたのですか、海翔君」

 

 相変わらずにこやかに言う。太陽は既に頂上付近まで昇っているのにも関わらず、汗一つ掻いた様子がない。

 

「明奈が僕の居場所を聞きに来たら、すぐに戻ると伝えてください」

 

 では、と海翔も走って怪物が現れた現場に向かおうと踵を返す。駆け出そうとした瞬間、背後から祈里神父の静止するよう声がかかる。

 

 振り返ると一本の鍵が海翔のに向かって飛来していた。慌ててキャッチすると投げた張本人である祈里神父が門のわきに留めてあるバイクを指さした。

 

「そのバイク使ってください。プレイスターを倒しに行くんでしょう、仮面ライダー?」

 

 聞きなれない単語に首を傾げたかったが、祈里神父が発した最後の単語に、油を入れ忘れた機械のように不自然に首を動かした。

 

「な、ナンノコトデスカ?」

 

 顔を背けて、海翔なりに精一杯否定する。そんな海翔の焦りとは裏腹に、祈里神父はいつもと変わらない様子で続ける。

 

「大丈夫です、優月や明奈君には言いません。それよりも行かなくていいんですか?」

 

 その言葉にはっとなる。大急ぎでバイクにまたがり、大急ぎで走り去る。去り際に「絶対に返しますんで!」と言い残すことを忘れない。

 

 教会らしく静寂が戻った有村教会で、祈里神父が一人呟く。

 

「・・・否定、してほしかったですね」

 

 余裕そうな、同居人からは「何考えてるか分かりにくいっす」と言われた表情は祈里神父にはもうない。

 

「茨の道に神のご加護があらんことを。――、いや、海翔君」

 

 つぶやきの一部は風によって霧散する。首に下げた十字架(ロサリオ)を握りしめ、教会内に戻っていく。

 

「祈ることしかできない私を、どうか赦してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分前まで騒がしかったスクランブル交差点からは人の気配は一切なくなり、代わりに血痕と物言わぬ死体、爆発した車があちらこちらに散乱していた。

 

 誰もが息を呑み、足を踏み入れるのを躊躇してしまう虐殺の現場に、一組の足音が入っていく。

 

 足音の主は瀬良詩音。その手には長方形型の真紅のデバイスと、デバイスに負けないほど赤く輝く大型の拳銃を携えている。

 

 目指す先は交差点の中心、人ならざる怪物の元。その足取りは平静で、恐怖も怒りもそこからは感じられない。

 

「オマエガ、ミコカ?」

 

 怪物が言葉を発する。詩音には届かなかったのか、答えることはなく怪物に向かって進んでいく。詩音を全く無視して怪物は続ける。

 

「ジョウヲウサマガイッテタ。ミコナラコロセ。ミコデナイナラ―」

 

「黙れ、怪物」

 

「―ハ?」

 

「黙れと言ったんだ。聞こえなかったのか?怪物」

 

 怒気を含ませて詩音がミュージシャンプレイスターの話を遮る。管制室で緊張していた女性隊員は何処にもおらず、一人の復讐鬼がそこにいた。

 

 一拍おいたのち、怪物が激高したように叫ぶ。

 

「カ、カイブツ!ワタシヲ、ワタシヲワタシヲワタシヲカイブツトイッタノカァ?!ユルサナイユルサナイ、ワタシタチコソガシンノ―」

 

「何だ、怪物と呼ばれたのがそんなに嫌だったか」

 

 詩音は肉塊へとなり果てた被害者を見やる。現代技術をもってしても身元の判明が困難であろう死体に、兄妹の成れの果てがフラッシュバックする。

 

 グチャグチャに溶け合い混ざり合った肉塊。見たくなかった。否定してほしかった。認めたくなかった。湧き出る涙と嘔吐感と共に、詩音の心に昏い炎が点火された。

 

 訓練のときも機材の点検のときも誰かと会話しているときも帰宅するときも食事のときも入浴するときも洗い物をするときも一人でいるときも何時でも何時でも何時でも何時でも何時でも何時でも何時でもいつでもいつでもいつでもイツでもイツでもイツデモイツデモ――その炎は私を焼いている。

 

 ふう、と詩音は一つ息を吐く。この感情に飲まれる必要はない。ただ宿しているだけで詩音にとっては変えることのできない原動力となる。

 

 「なら、怪物は怪物のまま惨たらしく死ね」

 

 炎の熱を再度認識し、持っていたデバイスを腰に巻き付け、ベルト帯の左側にあるホルダーに真紅の拳銃―インベスティマグナムを差し込む。

 

《インベスティドライバーβ!》

 

 中心のレンズが怪しく輝き、無機質な機械音声が周囲に響き渡る。

 

『瀬良隊員、始めろ』

 

「了解しました」

 

 いつもの様子で司令官の無線に答える。他の零課の隊員らはこの領域に入っては来ない。それはひとえに巻き添えを食らわないため。

 

 詩音は懐から真紅の宝石が描かれたレコードカード―ルビーレコードカードを取り出し、インベスティドライバーβの中心に備えられたカードが一枚入るほどの空間に、上部からレコードカードを挿入する。

 

《Set Ruby》

 

 機械音声に続いて神秘的な待機音声が鳴り始める。ベルトのレンズ部分から赤色の光で設計図が投射され、同時に詩音を護るかのようにデータで構築された赤い宝石の塊が六つ浮遊する。

 

 ベルトからインベスティマグナムへとエネルギーが流れていく。一拍おいて詩音は右手で拳銃を抜き取ると、そのまま正面へと構える。

 

「変身―!」

 

 叫ぶように宣言し、インベスティマグナムのトリガーを引く。放たれた弾丸が設計図を通過し、不規則な軌道を取って五つ全ての宝石に弾丸が命中する。宝石は形をそぎ落とされ、一つは仮面、一つは胴の、他は四肢の装甲へと形を変える。

 

『Burning, Breaking, Victory!』

 

 無駄だと判断された残骸は塊から離れるやどんどんと黒ずんでいき、詩音に降り注ぐ。詩音に接する瞬間残骸は再び形を変え、詩音の体に密着するように吸い付いていき、やがて黒色のアンダースーツへと変化する。

 

  加工された六つの宝石が詩音に装着され、詩音は戦士の姿へと完全に変化する。

 

《Kamen-Rider Gares Mode:Ruby!》

 

《System All Green》

 

 詩音―否、仮面ライダーガレスがインベスティマグナムをミュージシャンプレイスターに向けなおす。

 

 ミュージシャンプレイスターのギターを持つ腕が動く。弦に触れ、衝撃波を放とうとするが真紅の光弾によって阻まれる。ガレスはミュージシャンプレイスターに向かって歩みを進めながら、無遠慮に光弾を命中させていく。

 

 インベスティマグナムには弾を込める必要がない。ドライバーを介してレコードカードのエネルギーで光弾を生み出しているのだ。先日ドライバーなしでトリガーを引いても何も起こらなかったのはそのためだ。

 

 なので、本来銃に発生する弾込めという隙が生じることなく、光弾の雨を怪物に浴びせることができる。

 

「ナメルナヨ、ニンゲン!」

 

 しかし、怪物も無抵抗のまま殺されるはずもない。人間でいう目に当たる部分から生えている小さな手が動き、小型の金管楽器のピストンバルブを操作する。

 

 すると息を吹き入れていないのにも関わらず、金管楽器からは甲高い音か響き渡る。それに乗ってガレスの元に小さな、しかし銃撃を止めさせるには十分な衝撃波が届く。

 

 その隙を狙って怪物がギターの弦を弾く。不協和音の不快な音と共に、人を肉塊に変えるほどの威力を持つ衝撃波がガレスを襲う。

 

「―ッ!」

 

 ガレスは大きく後方へと吹き飛び、建物へととっこむ。その衝撃で土煙が巻き起こり、ガレスの姿を完全に覆う。

 

「キャハハハハ!サテ、ドンナブザマナスガタニ――」

 

 怪物は嘲笑し、ガレスの死体を見ようと吹き飛んだ先へと駆け寄ったが、愉快そうな声は途中で途切れることとなる。

 

「どうした、これで終わりか?怪物」

 

《1-Reading》

 

 無機質な機械音と共に、土煙の先からミュージシャンプレイスターの脳天に向けて銃口が当てられる。

 

「―ナ、」

 

《Ruby Shooting Burning!》

 

「――アアアアア!」

 

 ミュージシャンプレイスターが何か言うよりも早く拳銃の引き金が引かれる。銃口からは光弾ではなく真紅の宝石が打ち出される。もろに浴びた怪物は先ほどのガレスのように大きく吹き飛び、地面にのたうち回る。

 

 土煙が晴れ、ガレスの姿が現れる。真紅の鎧には傷一つなく、一切のダメージが入っていないようであった。ミュージシャンプレイスターの攻撃は人間なら容易く死に至らしめるのだろう。しかし、目の前の戦士は既に人間から逸脱した存在なのだ。

 

「これなら衝撃を殺す必要はありませんでしたね」

 

 ガレスは自分から後方に飛ぶことで衝撃波によるダメージを軽減していた。のたうち回る怪物を見下ろし、インベスティマグナムをホルダーに戻す。

 

「ナラ、コレナラ―ッ!」

 

 隙を見せたと思い、ミュージシャンプレイスターがギターのネックを両手で持ち、斧のようにガレスに向けて振りかざす。ガレスは完全に対応できなかったようで、左腕にある装甲を盾にする。

 

 しかしこれでも十分。ガン、という音と共に怪物の足掻きは防がれる。決死の反撃が防がれたというのにミュージシャンプレイスターの態度には余裕がみられる。

 

 怪物はガレスの腕に叩きつけたままギターの弦を鳴らす。衝撃がガレスの腕に直接伝わり、ついに左腕の装甲をたたき割った。

 

「――捕まえた」

 

 しかし、ガレスの方にも動揺はない。そのまま左腕で怪物の腕を強く握る。残った右腕でインベスティドライバーからルビーレコードカードを取り出し、腰に掛かっているインベスティマグナムに読み込ませていく。

 

《1-Reading,2-Reading,3-Reading》

 

 三度スライドさせると、インベスティマグナムに先ほどとは比べ物にならないほどのエネルギーが蓄えられる。慌ててミュージシャンプレイスターが後ろに引こうとしたが、ガレスは左手を放すことはない。

 

「――マ、マテ!」

 

 怪物の戯言は一切耳を貸さず、ガレスはインベスティマグナムの引き金を引く。拳銃に蓄えられたエネルギーはガレスの右足へと集中する。

 

「――ハアッ!」

 

《Ruby Shooting Victory!》

 

 左腕を放すと同時に、真紅のエネルギーが集中した右足で怪物に回し蹴りを放つ。ミュージシャンプレイスターは大きく吹き飛ばされ、再び地面に倒れ伏す。

 

「――ッ!」

 

 怪物の全身から真紅の宝石が突き出ていき、瞬間、爆散する。断末魔を上げる暇もなく散った怪物の残骸を静かに見下ろす。残骸の中からミュージシャンレコードカードを回収し、ガレスは変身を解除する。

 

「終わりました、指令」

 

『ご苦労。すぐに回収部隊を向かわせる』

 

「了解しました」

 

 短く返答して無線を切る。見るも無残な姿になり果てた交差点の中心で、詩音は幾ばくか残念そうに呟いた。

 

「彼は、来ませんでしたね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガレスが戦闘を開始したころ、海翔は一つの人影と対峙していた。人影は黒づくめのローブを着てフードを深く被っており、海翔からはその顔を見ることはできない。

 

 人影はインベスティマグナムよりも一回り小さい拳銃を所持している。しかし、従来のものとは異なる点が一つ。ヒュームが扱う武器のようにカードを読み取る機構が取り付けられている。

 

「お前が仮面ライダーヒュームだな」

 

 変声機を使っているようで、声の特徴をうまく聞き取ることができない。知り合いでもない何者かに正体がバレていることに、海翔の警戒レベルが数段上がる。ヒューマンレコードカードを出現させいつでも変身できる体制を取る。

 

 海翔の返答を待たずして人影が動く。

 

「主の命によりお前には死んでもらう」

 

 突然の殺害宣言と共に、ローブの中から一枚のカードを取り出す。取り出したのは黒鳥の群れが描かれたレコードカード―クロウレコードカードだ。

 

 人影は持っていた銃―プレイングスキャナーにクロウレコードカードを差し込んだ。

 

《レコードカードを確認。読み取り開始》

 

 掠れ切って聞こえづらい人工音声と共に、周囲に古びた機械を無理やり動かしたような不快な音が鳴り響く。人影は自らの腕に銃口を当て、呟きと共に引き金を引く。

 

「再生」

 

 不快な音が一層大きく鳴り響き、海翔はつい耳を塞ぐ。人影の体はどんどん変化していき、やがて一つの形に収束する。現れたのは機械で覆われた一人の灰色の戦士。いつも現れる怪物とは違い全身が機械で覆われている。烏の形を模した頭部は金色の目が怪しく光り、機械でできた灰色の翼は無理やり折りたたまれている。

 

《再生完了、(CROW)

 

 謎の戦士はその手に持つプレイングスキャナーの銃口を海翔に向けて構えた。




2号ライダーだけだと思った?残念だったな!

最後に出てきたのは今作のダークライダー枠です。
その正体についてはまたいずれ・・・

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