ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「……お肉が食べたい」
今は夜、もう直ぐ11時…こんな時間に…だけど…
一度気になったらもう我慢できない、食べたくて仕方ないのだ、お肉が
(……でも、流石に怒られるかしら)
モモトークアプリを起動し、フウカにメッセージを送る
「お肉、食べてもいい?」
「豚の薄切り肉と鳥もも肉なら」
「ありがとう」
これはツイている、許可が出たなら存分にやろう
食堂に入り、冷蔵庫から取り出したのは豚の細切れと鳥もも肉一枚
(…面倒な事はしたくない)
お米を研ぎ、浸水、そしてその間にお肉を焼く
冷たいフライパンに鳥を皮を下にして置く
そして弱火にかける
「豚肉は…」
脂が多い…悪くないけど、これはたしかに扱いに困る
鶏肉とは別のフライパンを火にかけ、ある程度温まったら豚肉を投下、ほぐし炒める
(あとはご飯を)
ご飯を炊きながら、お肉を焼く、良い匂いが充満する
豚肉に塩胡椒、そして小皿には焼き肉のタレ…
(…まだ火は通ってないけど、完成)
グラスには水道水と氷、そして炊き上がるご飯、完璧な布陣だ
「いただきます」
まだ焼いてる途中のフライパンから豚肉を拾い上げ、口に運ぶ
「うん」
しゃくしゃくとした脂身、塩コショウがたっぷりかかっているのがいい
(…ごはん…)
「ほふっ…あふっ…うん」
熱々の白米が最高に合う、次は焼き肉のタレに浸して、ご飯の上に落としてから…少しずらした位置の白飯ごと
「あふっ…うん…はぁ…美味しい」
甘辛い焼き肉のタレを纏ったお肉がご飯に合わないはずがない
口の中を火傷しながらでもこれは食べる価値がある
(鶏肉は…)
まだもうしばらくかかるだろうか、いや…だけど…
(待つの、めんどくさい)
キッチンハサミを取り出し、鶏肉をやや持ち上げて刻む
一口大に刻んだ鶏肉を強火で炒めて蓋をする
「最初からこうすればよかった…はぁ…はむ…」
豚肉も美味しいけど、薄すぎて食べ応えがない、複数まとめて食べてしまうとすぐになくなる…
チラリとフライパンを覗くと、豚肉から出た脂がかなり溜まっている、しかもその脂で赤身がこんがりと揚がっている
「……いいわね」
フライパンで焼き肉をするならこの状態の豚肉を目指すべきだ
揚げられてやや小さくなった豚肉を焼き肉のタレに浸し、ご飯の上へ
そしてご飯をお肉ごとかきこむ…ガリッ…バリボリ…味のついたご飯に所々顔を出す豚肉がいい
「これは、美味しい」
さて、と蓋を開くとすっかり白く染まった鶏肉…
(生じゃない…わね)
中身もちゃんと確認し、塩胡椒をたっぷりかけて…
「あむ…うん」
鶏肉はやっぱりこれが美味しい
本当なら皮をパリパリに焼くつもりだったけど、今回は断念
(ブヨブヨの皮も嫌いじゃないし…)
カリカリ食感は豚肉がある、鶏肉をタレにくぐらせて口に運ぶ、そして追いかける様にご飯
今度は豚肉、ご飯、鶏肉、ご飯、豚肉、ご飯…とまらない
「……ふぅ……食べたわね…」
…雑にお肉欲を満たせたのはよかった…
意外と満足感もある…けど…
(…もっと美味しい食べ方が今更浮かぶのはどうして……)
豚キムチ、チキン南蛮…ああ…
「もっと早く思いついていれば…はぁ…」
どこか残念な気持ちを覚えつつ、後片付けをした
後日、給食が豚キムチだった日にガッツポーズした