ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第43話

「…はぁ、お腹減った」

時間は深夜、場所は自分の部屋

だけど、何も変わらない

今日は口うるさい万魔殿を避けるために資料を持ち帰って業務をしている

しかし、これで業務効率が上がるわけではないし、気持ちは落ち込み気味

ノルマを目前に空腹でペンとやる気、思考回路が完全停止した

(……仕方ないわよね)

こうなれば食べるしかない、食べなくては動けないのだから

 

「…ええと」

実は、今日自室で仕事していたのにはもう一つ理由がある

最近は委員会の共有のカップ麺を食べ過ぎたのか、周りの目が厳しいのだ

アコもチナツも、あのイオリですら健康を気にするような小言を言ってくる

(フウカは最近余裕ないみたいだし…自分で作るのもね)

体力と気力が尽きた時に手軽に食べられる、そんなカップ麺を取り上げられた、まあ…不健康な認識はあったけど

だから、カップ麺並みに手軽、そして少しだけ、気持ちだけ不健康に見えないモノを…

 

「これこれ…」

冷凍パスタ、しかも大盛り…

前々から気になっていた、冷凍の麺類なんてぐにぐにの、箸で掴めばちぎれていくようなモノだとおもってたけど

これはなかなか好評らしくて、食べてみたかった

スーパーの合わせ売りを買ったので味も豊富、トレーに入ってるからお皿も必要ないのがすごくいい

「…どれにしようかな、明太子…ナポリタン、クリームソースもいいけど…」

(……ウインナーが入ってるのね、しかも、野菜も見えるし…)

ナポリタンを手に取り、封を開ける、容器をレンジに入れ、設定された時間を温めれば完成

手軽さはカップ麺並み…

だけど待ち時間はそれ以上…時間を持て余す

 

(…ポタージュでも飲もうかしら)

袋入りのスープをマグカップに開け、お湯を注いで溶く、そして冷たい水を入れて再度良く混ぜる

ややとろみのあるコーンポタージュを少しずつ飲む

「……はぁ…」

コーンの甘い香り、やや塩気のあるスープ、まったりとした舌触りも最高

コーンの粒を噛むと若干苦いのは嫌い

 

「…そろそろかしら」

レンジがなったと同時に開き、容器をテーブルに、もうすでにケチャップのいい匂いがしてる、たまらない…

フォークでくるくると麺を巻き取り、細切りのピーマンとウインナーを合わせて…

「ふー、ふー…はむ……うん…!」

驚いた、これなら自分で作るよりこの方が美味しい

(ウインナーもしっかり食べてる感じがするし、麺も歯応えが残ってる、全然ベシャベシャしてない…)

対照的に、面に紛れるほどに刻まれたピーマンや玉ねぎはとろとろ、やや食感はあるけど、嫌な主張はない

それどころか良く味を出してくれてるから、自然な甘みも感じられる…

「…ふう…」

ケチャップの味もかなり濃い、美味しいけど、かなり濃いめの味付け…

(…もう一味は…要らないわね)

粉チーズくらいはありだと思うけど、生憎わざわざ買う理由もないし…

(……今度食堂に持って行って食べようかしら、なんとかして私用の冷蔵庫でもおければ…)

「あ…」

もう無くなってしまった、意外と足りない…

「容器を捨てるだけでほとんど片付けが終わるのも…いいわね」

ポイっ…カラッ……

「……」

(…明太子が気になる…いや、でも2個も食べるのは…でも……)

「……ああ、そうだ、私はまだ食べてない…だから、今から食べれば…」

結局3つとも食べた

 

しばらく体重計に乗らず、外回りの業務に徹した

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