ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「……お腹すいた」
ぐぅ…ぎゅるる…
今日は風紀委員の仕事は休み…だけど
(…動けない…いや、動きたくない…)
ひたすらに、身体が重くて、眠い
でも、空腹…
(備蓄のカップ麺も尽きて、外に行くのも面倒…)
「…あるのは、これくらいか」
先生や風紀委員会の面々に貰ったチョコやお菓子
(…また不健康と言われそうだけど)
もはやコレで済ませる以外の選択肢はない
「…何からいこうかしら」
チョコがけの棒菓子か、それとも普通のチョコか、飴玉にクッキー、チップスまである
(探してる見ると意外に充実してるものね…期限切れもかなりあったけど)
それを処分する気力もないので、とにかく今はコレを食べることに集中したい
ベリベリッ
「…さて」
チップスを一枚口元に運び…パリッ
「…はぁ……やっぱりシンプルなうすしおもいいわね」
普段はのりしおが好きだけど…今日は…
「はむ……うん、意外と合う…」
後追いのチョコレート
コレがたまらない、チョコレートとポテトチップス、その相性は意外や意外に悪くないどころか良好
口の中でチョコが溶けたところにもう一枚、もう一枚と…
塩気が増したらチョコを継ぎ足す
(……喉が渇いた…)
水道水をコップに汲み、一息に飲み干す
「……はー…」
つい、周りを確認し一息つき…
(…そういえばゲーム詰んでたっけ…漫画も…)
…パラ…パラ……サクサク…
「…はぁ……クローゼットとか、片付けたほうがいいんだけど…」
期限切れのお菓子や備蓄食料を捨てるのすらめんどくさい
「…やっぱりコレ、手が汚れないのがいいわね」
棒状のクッキーにチョコをかけただけのお菓子、取っ手になる部分はチョコがかかってないのがいい
2本手に持ち、器用にチップスを挟み込み、口に運ぶ
ザクッパリッ…サク…
「……ふふ…あー…もう、何もしたくない…」
「……え、うそ…もうこんな時間なの…?…ほんとに何もしてない…あ、晩御飯……お店は絶対混んでる…」
結局出前でピザを取った
「…… …」
目の前で湯気を立てているピザが、こんなにも輝いて見える
口の中が涎で溢れ返るようだ
「…いただきます…!」
シンプルなサラミのピザを持ち上げ、口に運ぶ
やや上むきに受け止めたから、とろけたチーズが口の中に流れ込んできて溺れそうだ
今日初めて口にするまともな食事…
ふかふかの生地に塩気の強いソースとサラミ、さらにチーズ…
何より温かい食事であることが嬉しい
「…んふっ……はぁ…美味しい…」
熱々のピザを頬張り、咀嚼する
ああ、塩辛くて、熱くて…これは……
おもむろに伸びた手は、冷たいそれを掴み…
プシュッ…ゴクッ…ゴクッゴクッ…
「…ぷはぁ……」
ゴトリと音を立ててボトルが置かれる
「…ピザにはコーラね…」
炭酸と爽やかな香り、そして塩気を打ち消すほどの甘みでリセットされた口に更にピザが襲いかかる
それを打ち消すコーラ…
(…チーズにサラミがたっぷりのピザなんて、くどくて一枚食べ切れたものじゃないけど…)
コーラがあれば話は別…
「あ……最後の一枚、か」
下から掬い上げるように持ち上げ、耳にかぶりつく
耳を食べ尽くし、今度はチーズとサラミの乗った中心へと…
(…これは、ナシかも)
「…もぐ……ごくん……はぁ…やっぱり耳は最後の方が…くどくなかったかも…」
(…次は普通に食べよ)
結局クローゼットには触らなかった