ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第57話

「……はぁ…」

ゴツ…

額が机とぶつかり、鈍い音が響く

「…つかれた……」

予定外の忙しさ、温泉開発部、美食研究会、便利屋68…いろんな不良生徒が各地で暴れ回った結果…

(もう、2時か…)

こんな時間にようやく執務室に帰ってくる羽目になった

もちろん深夜である

 

「……はぁ……」

特大のため息を一つ、戸棚からカップ麺を取り、蓋を開ける

「……え?…嘘……」

…間違えた、というか持った時に気づくべきだった…

「…カップヌードルじゃない…なにこれ、お米?しかも、この乗っかってるのは…カレールー…?」

少し大きいサイズのカップ麺だと思って手に取ったせいで、これは…ガックリきた…

 

(…これ美味しいの…?…どうしよう…)

とはいえ、開けた以上はもう保存も効かない、止むを得ず、作り方を見ながらお規定の量の湯を入れ、放置

(…カレーヌードルだと思ってたのに…)

戸棚を確認すると、確かにカレーヌードルが隣にあった…

(不味かったらこっちも食べるしかないわね)

 

「…さて、と…」

ケータイのアラームが鳴り、蓋を開ける

…正直、これは…

「悪い意味で、予想通り…」

薄いカレー色のスープ、やや溶け残ったカレールー…らしきものがポツポツ…

(というか、カレールーそのまま入れるのってどうなの?…これをよく混ぜて食べる…っていっても)

 

スプーンを突っ込み、そこから掬い上げるようによく混ぜる

…混ぜる、混ぜて、混ぜたは良いものの…

「…シャバシャバ…」

自分でカレーを作った時に、汁気が多すぎてスープ状になった時の感じにそっくり…

(……1分混ぜれば美味しいとは書いてたけど…これは…)

ぐるぐると、よく、混ぜる…

(……そういえば、食堂のカレーしばらく食べてないわね…)

 

「……あれ」

…いつの間にか、やや、とろみが出た…?

水分も結構蒸発していて、普通のカレーくらい、それをご飯とよく混ぜたような…

(いや、その通りなんだけど……これくらいなら、まあ…)

「いただきます…はむ…あれ…」

…しっかりと、カレーの香り、味わいもちゃんと辛い、でも野菜の溶けたような甘味とコクがあって…

「…意外と美味しい…はぐ…」

思っていたよりもカレーらしい味、特に細かい乾燥野菜がいいアクセントになっている

 

「うん……全然美味しい…」

(てっきり、カップ麺の残りのスープにご飯を入れたようなのを想像してたけど…ちゃんとカレーライスって感じね)

「ふう……」

容器を洗って、ゴミ箱に捨て、ソファで横になり、眠った

 

……翌日、普段の倍の書類仕事をした

(なんで満足して寝てるのよ、昨日の私は…)

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