ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第59話

「…来たわよ、特別メニュー食べに」

「おはよう、ヒナ」

「おはようございます!」

…こんな朝早くから食堂に来たのは、フウカの呼び出しが理由

まあ、特別メニューが食べられるというのなら悪くない、しかも…

「本当にあのお店のパンケーキが食べられるの?」

「は、はい!」

「ジュリがバイトでキッチンスタッフもやってたから、安心して!」

(…行こうと思ってたらその前に倒壊して、もう食べられないと思ってたから…これは嬉しいわね)

 

「そういえば、ジュリが火を使ってるの…なんだか珍しい気がするわ」

「えっ…ぁ……そ、そうですかね!?」

「まあ、私が普段見てる時は、フウカがそこにいるイメージが強いのかもしれないわね…」

(ジュリは火を使えないのかと思ってたけど…まあ、フウカ1人しか火を使えないなんて言い出したら…給食部の運営は無理よね)

そもそも、4000人分の食事を2人で用意する辛さは私もよく知っている…身をもって

 

「…良い匂い…」

バターが溶け出した匂いと、甘く、香ばしい香り…生地が焼ける音と充満した匂いが食欲をそそる

「…あっ!?ふ、フウカ先輩!」

「逃がさないで!」

「は、はい!」

(あれ?何か、騒がしいような…)

ドゴッ…バリバリバリッガシャーン!

「え、ちょっと大丈夫?」

「大丈夫大丈夫、もう捕まえたから」

「つ、捕まえた…?」

「な、なんでもありませんよ!」

「…そ、そう…」

「今から焼き直すので少し待ってください!」

「……さっき焼いてたのはどこ行ったの…?」

 

「はい、お待たせしました!パンケーキとコーヒーのセットです!」

「…美味しそう…ありがとう、ジュリ…いただきます」

フカフカの3段パンケーキに、たっぷりと粉砂糖とメープルシロップが回しかけられていて…

控えめに盛り付けられたクリームとフルーツもすごく美味しそう…

(…うわ…柔らかい…)

フォークが抵抗なく刺さり、ナイフもほとんど抵抗なくパンケーキを切り分けてくれる…

「…はむ……美味しい…!」

「良かったです!」

メープルシロップをたっぷり纏わせて口に運ぶとシロップのスモーキーで香ばしい香りとバターの甘くて華やかな香りが口いっぱいに広がる

そしてコーヒーを一口…

「……はぁ…」

シロップの香りもバターの香りもコーヒーと喧嘩しない…濃くて苦いコーヒーと良く合う…

 

「うん…ふふっ…すごく美味しいわ、これ」

フルーツを一緒に口に運ぶと先程までのネットリとした甘味とは違い、今度は瑞々しく、弾けるような食感がアクセントになる…

「そういえば、前に朝ごはんを食べた時もパンケーキだったわね…」

「あったわね、そんな事」

「あー…品質の監査前の…」

「そうそう、クマのパンケーキ…あれも美味しかったけど、こっちもすごく美味しいわ」

「だって、よかったわね、ジュリ」

「…はい!すごく嬉しいです!」

のんびりとパンケーキを楽しんだ

 

「ごちそうさま、じゃあ……あれ」

(ゴミ箱が、動いた…?)

「…どうかした?」

「今、ゴミ箱が……あっ」

ゴミ箱の蓋が開き…

(ぱ、パンちゃんが…!?)(まだ動けたの…!?)

「あれは、この間発生した動くパンケーキ?…こんなところにまで湧いて出るなんて…」

「…そ、そうね!早くやっつけましょ!」

(ご、ごめんなさいパンちゃん…)

動くパンケーキを駆除した

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