ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「…来たわよ、特別メニュー食べに」
「おはよう、ヒナ」
「おはようございます!」
…こんな朝早くから食堂に来たのは、フウカの呼び出しが理由
まあ、特別メニューが食べられるというのなら悪くない、しかも…
「本当にあのお店のパンケーキが食べられるの?」
「は、はい!」
「ジュリがバイトでキッチンスタッフもやってたから、安心して!」
(…行こうと思ってたらその前に倒壊して、もう食べられないと思ってたから…これは嬉しいわね)
「そういえば、ジュリが火を使ってるの…なんだか珍しい気がするわ」
「えっ…ぁ……そ、そうですかね!?」
「まあ、私が普段見てる時は、フウカがそこにいるイメージが強いのかもしれないわね…」
(ジュリは火を使えないのかと思ってたけど…まあ、フウカ1人しか火を使えないなんて言い出したら…給食部の運営は無理よね)
そもそも、4000人分の食事を2人で用意する辛さは私もよく知っている…身をもって
「…良い匂い…」
バターが溶け出した匂いと、甘く、香ばしい香り…生地が焼ける音と充満した匂いが食欲をそそる
「…あっ!?ふ、フウカ先輩!」
「逃がさないで!」
「は、はい!」
(あれ?何か、騒がしいような…)
ドゴッ…バリバリバリッガシャーン!
「え、ちょっと大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、もう捕まえたから」
「つ、捕まえた…?」
「な、なんでもありませんよ!」
「…そ、そう…」
「今から焼き直すので少し待ってください!」
「……さっき焼いてたのはどこ行ったの…?」
「はい、お待たせしました!パンケーキとコーヒーのセットです!」
「…美味しそう…ありがとう、ジュリ…いただきます」
フカフカの3段パンケーキに、たっぷりと粉砂糖とメープルシロップが回しかけられていて…
控えめに盛り付けられたクリームとフルーツもすごく美味しそう…
(…うわ…柔らかい…)
フォークが抵抗なく刺さり、ナイフもほとんど抵抗なくパンケーキを切り分けてくれる…
「…はむ……美味しい…!」
「良かったです!」
メープルシロップをたっぷり纏わせて口に運ぶとシロップのスモーキーで香ばしい香りとバターの甘くて華やかな香りが口いっぱいに広がる
そしてコーヒーを一口…
「……はぁ…」
シロップの香りもバターの香りもコーヒーと喧嘩しない…濃くて苦いコーヒーと良く合う…
「うん…ふふっ…すごく美味しいわ、これ」
フルーツを一緒に口に運ぶと先程までのネットリとした甘味とは違い、今度は瑞々しく、弾けるような食感がアクセントになる…
「そういえば、前に朝ごはんを食べた時もパンケーキだったわね…」
「あったわね、そんな事」
「あー…品質の監査前の…」
「そうそう、クマのパンケーキ…あれも美味しかったけど、こっちもすごく美味しいわ」
「だって、よかったわね、ジュリ」
「…はい!すごく嬉しいです!」
のんびりとパンケーキを楽しんだ
「ごちそうさま、じゃあ……あれ」
(ゴミ箱が、動いた…?)
「…どうかした?」
「今、ゴミ箱が……あっ」
ゴミ箱の蓋が開き…
(ぱ、パンちゃんが…!?)(まだ動けたの…!?)
「あれは、この間発生した動くパンケーキ?…こんなところにまで湧いて出るなんて…」
「…そ、そうね!早くやっつけましょ!」
(ご、ごめんなさいパンちゃん…)
動くパンケーキを駆除した