ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「委員長、お疲れ」
「イオリ…?なんでこんな時間に戻ってきたの?」
夜遅く、日付が変わる少し前
いくら騒がしいゲヘナといえど、この時間帯ばかりは流石に静かだ
「いや、なんか最近立て続けに問題が起きて、今日も委員長残ってるんじゃないかと…」
そう言いながらイオリが袋を机に置く
…温かいパンの甘い香り、少しスパイシーで、スモーキー…これは…
「ハンバーガー?」
「そう、差し入れ」
「ありがとう、いただくわ、ちょうど一息入れようと思ってたの」
ガサガサと音を立てながら、ビニール袋から紙袋が顔を出し、そしてそこからさらにハンバーガーの包みが現れる
「…見たことない包み、どこの?」
「ああ、いつものバーガー屋さんと仲悪いところ、試しに食べたくなって」
「へえ……ねえ、待って、大きくない?」
ハンバーガーの包みを受け取り、持ち上げる
流石に広げた手のひらよりは小さいけど、それでもかなり大きい
「あとはポテトと、コーラでよかった?」
「え、あ…うん…ありがとう…」
(……流石にこの時間にこのサイズのハンバーガーを食べるのは、躊躇うわね…)
分厚さもそこそこある、コレが標準サイズだなんて、到底信じられないけど…
「私も食べよっと」
イオリが包み紙を剥がすと、ふわりとスモーキーな香り…
「……」
美味しそうな匂いに思わず口の中がツバでいっぱいになる
「はぐ…うん……ん〜!コレ美味しい!」
「…へ、へぇ…そんなに?」
「最高!」
包装を剥がすとレタスに輪切りの玉ねぎとトマト…お肉以外もしっかり存在感がある…
「…いただきます、はぐ……あ、美味しい…!」
トマトと玉ねぎ、どちらも瑞々しく、とくに玉ねぎは特有のクセも強い
だけどそれ以上にお肉の肉感が強いし、スモーキーな香りと甘辛いソースが嫌なクセを上塗りしてくる…!
(パンもしっかり甘いし、レタスもシャキシャキしてる…いろんな味がして美味しい…!)
「はぐ…もぐ……」
口いっぱいにハンバーガーを頬張り、噛み砕いたところに…
(コーラで流し込む…!)
「…ふぅ……良いわね、美味しい」
「こんな時間のハンバーガーなんて久しぶりに食べたけど…病みつきになる…!」
太めにカットされたポテトを口に放り込み、ハンバーガーをまた頬張る
(うん…ポテトは薄味だから、バーガーのソースと一緒に食べた方が美味しいわね…)
バーガーを食べ切り、包装紙に残ったソースをポテトで拭い、口に運ぶ
「……ふふ」
(行儀、悪いわね…こんな時間だし、まあいっか)
「ぷはっ…はー…お腹いっぱい」
「ごちそうさま、ありがとう、イオリ」
「ううん、じゃあ委員長、また明日」
「それじゃあ…」
「……手伝ってはくれないのね」
一人で書類を片付けた