ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第66話

「…はぁ、帰る気失せるわね」

「そんなに?」

“ゲヘナはいつも賑やかだからね…”

今日はシャーレ当番、チナツの提案で私がシャーレに行く事を風紀委員会のSNSで発信したところ…

 

“でも、おかげでいつもより穏やかな気がするよ”

「うへ、確かに出動ない当番は久々だぁ…ヒナちゃんのおかげでのんびりできるかもね〜」

…この日、ゲヘナ生による自治区外での騒動は、普段より少なかったらしい

「それは光栄ね、でも…小鳥遊ホシノ、貴女一人でも騒動は抑えられるでしょう?」

「まあね?」

書類を整理し、さっさと提出物をまとめる

(……それにしても…)

 

時計の針は、まだ11時だけど……もう良い時間だ、そう…

「…お腹減った、とか?」

「……なに、なんで」

“さっきから時計気にしてたもんね、少し早いけどお昼にする?”

「……はぁ…」

大きなため息が出た、恥ずかしさよりも、やるせなさが勝ってしまった

 

「なに食べよっかなぁ〜、おじさん的にはね、ウナギとか…」

“ホシノ、お願い、もう少し手加減を…”

「え〜?大人なんだからカッコいいところ見せて欲しいなぁ〜」

“ぐ……ひ、ヒナ!ヒナはなにが食べたい!?”

「そうね、私もウナギかも」

“…そ……っ…かぁ…”

 

狼狽する先生を横目にデリバリーのチラシを眺める、冗談半分でウナギと言ったが、確かに食べたくなってきた

(…でも、流石に悪いわよね…なにが他に……)

次々にチラシを分ける、食べたいのは…お肉、デリバリーの冷めて少し硬くなったような…

 

「…コレ良いわね」

「どれどれ……サンドイッチ?えー…お腹にたまらないよ…」

“いや!お菓子もあるしそれにしよう!!”

「じゃあ、私はコレ」

チラシの端にかかれた分厚いカツサンドを指差す、それなりに高いが…

“ぐっ!?……う…まあ、ウナギ、よりは……うん”

 

項垂れた先生がサンドイッチを注文したのを確認し、カバンから書類を取り出す

「……あれ、シャーレの仕事って…」

“終わっ…た、ね?”

「これは風紀委員会の仕事、サボると明日が大変なのよ」

「いやサボりじゃないでしょコレは…」

 

書類を片付け始めて少しした頃、デリバリーが届いた

「いただきます」

「…仕事しながら食べられるから選んだ…とか?」

“…かもね”

半分正解、カツサンドを一つ口に運ぶ

「はむ……ん」

分厚い、チラシの通り、お肉が分厚い、パンよりも分厚いお肉、そして申し訳程度のキャベツ……

 

「うん、美味しいわ」

「…いただきまーす」

“いただきます……うん、良いね”

噛むたびにギュッ…ギュッ…と歯を使ってお肉を噛み砕くこの感触、コレが欲しかった、お肉を食べてる実感がある

(ソースも良いわね…普通のとんかつソースなのが逆に…)

 

コーヒーで口の中に残った残骸を流し込み、一息つく

「ふぅ……ごちそうさま」

「美味しかった?」

「……奢りだから美味しかったけど、違うと考えるとちょっと割高ね」

“…ソウダネ”

 

2人に手伝ってもらって3人で書類仕事を片付けた

 

 

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