ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第70話

「お腹空いたんだけど、何かある?」

「手伝って来れたらコレ食べていいわよ」

「…それは、ハンバーグ?」

「そう、手伝って」

…なるほど、確かにガッツリ行きたい気分…

 

差し出されたボウルを覗き込む

…思ってたのと違う…ミンチが入っているはずなのに、あんまり赤くない…

これは本当にお肉なのだろうか

「ねえ、フウカ、これ何?」

「ハンバーグのタネだけど」

「……そう」

…真っ白な塊の中にところどころピンク色…正直あんまり美味しそうではないけど…

 

「で、私は何をすればいいの?」

「それをそこのセルクルに流して、蒸し器に入れて」

「せるくる…?…これに入れて、しかも、蒸すの?」

「そうよ、蒸して固めるの」

「…これハンバーグなのよね?」

「いいから早くして…」

 

フウカに言われた通り、丸い輪っかの中にハンバーグのタネを流し込み、蒸し器に入れて蒸す

「…ところで、これ、何が入ってるの?」

「豆腐、玉ねぎ、えのきと豚肉」

「ああ、これ豆腐ハンバーグ…」

「そう、安いしかさ増しで大量にできるから…手間はかかるけど」

(みたいね…)

 

しばらくして、ようやく蒸しあがって形のできたハンバーグを今度は牛脂を引いたフライパンでこんがり焼いていく

そしてそれをサラダ、お味噌汁、ご飯と合わせて…完成

 

玉ねぎをすりおろし、砂糖と醤油、お酢で調味した和風タレをかけて…

「いただきます」

普段ならナイフとフォークで行くところをお箸で…

表面はカリッと硬い、だけど表面を割れば内側は箸で簡単に割れる…そして、肉汁がじんわりと滲み出て…

「はぐ……ほふっ…ふぅ……うん、これ良いわね…」

 

「豆腐ハンバーグって味が薄いし、生地も緩くて食感がないイメージがあったけど…これはしっかり塩気があって、歯応えもあって…」

しかもこのタレが憎い、甘塩っぱい味に玉ねぎとお酢がさっぱり…

ハンバーグをサッパリと食べられるせいで逆にご飯を食べるタイミングを見失いそうなほど箸が止まらない

「どう?美味しいでしょ」

「これ、本当に美味しいわ…特に、お肉の感じもちゃんとあるのが凄くいい」

 

そう、お肉がちゃんと存在感を主張している…豆腐ハンバーグなのに

「豚肉を自分で叩いて、粗いミンチにしたの、結構違うでしょ?」

「うん、凄く美味しい…これもっと作って、毎週出てきてもいいくらいだわ」

「じゃ、食べたら残り蒸すの手伝って」

「……えっ、嘘でしょ」

ゆっくり、じっくり味わって食べた

 

終わる時間が遅くなって睡眠時間が減った……

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