ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「はぁ……お腹減った…」
日付が変わるまでにはもう少しあるものの、日が落ちてしばらく経った
だと言うのに、じっとりと暑い夜…まだ初夏のはずなのに
(…お腹は減ったけど、動く気力が湧かないし、胃がだるい…)
既に体は夏バテ状態…これでは何も食べる気力が起きない…
でも、空腹はある
(……行くしかないわね、食堂)
「……ま、誰もいないか…」
となると冷蔵庫を漁って何かを…
(…めんどくさいわね、そういえば晩御飯の残りとか残ってたり…まだ起きてるかしら)
フウカへモモトークを送り、携帯をポケットに…入れようとした時に通知音
「……返信早…」
『冷蔵庫の余り物なら食べて良いわよ』
「…余り物、何だろう…」
冷蔵庫から取り出したのは…
(野菜炒め?…いや、これ…レバニラ?…レバー…しかも味濃そう…)
…ややテンションが下がったものの、他にそのまま食べられそうなものはないので…
『なんでレバニラなの?』
『みんな、暑くて夏バテ気味でしょ?スタミナがつくもの食べて欲しくて』
『…そう』
フウカの気遣いは嬉しい、だけど…
(…夏バテの時にこんなにコッテリしたもの、食べられないわよ…)
レンジで温めたレバニラからは、確かに美味しそうな匂いがする…
(…ご飯も、お味噌汁も…食べる気がしないわね…と言うかこれ冷たいまま食べればよかったかも…)
冷蔵庫からくすねた沢庵を齧りながら、レバニラが冷めるのを待つ
(…もう、この距離でもわかるくらいニンニクとショウガの匂いがするし、全体的に香ばしく焼き上げられてて…)
「……」
箸でもやしとニラを少し摘み上げて、口に運ぶ
(……甘辛いし、ガツンとインパクトのある味…うん…)
「コレはご飯いるわね」
「じゃあ、いただきます…はぐ…うん」
レバニラをたっぷり掴み、ご飯に一度乗せてから口に運ぶ
噛み締めるほどにニラともやしから旨味のエキスが染み出してくる、そしてこのしっかりとした食感…
(…レバーなのに、美味しい…?)
正直に言って、レバーに良い印象は無かった、ボソボソで、食感が最悪、臭くて味も悪い…はずなのに
(これは、もうお肉…いや、元からお肉なんだけど…)
嫌な癖もなく、弾力のある食感…コレは、美味しい…
「…うん、美味しかった…ごちそうさまでした」
気がつけばあっという間に完食、
レバニラを見るだけで気持ち悪くなっていた胃も、いつの間にかすっかり元気になった
(…思ったより食べられるものね…さすがフウカ)
食器を片付けて、残りの作業を済ませて帰った
「……」
“あ、あの…ヒナさん、その…睨むのやめない…?”
「先生、今日は5メートル以内に近づいたら、怒るから」
“な、なんで…”
(…当番、忘れてたわ…)
翌日ものすごく気疲れした