ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「……ふう、いい時間ね」
時計の針は頂点頃、普段ならもう嫌気のさしている時間
でも、今日は違う、お楽しみがある…この為にわざわざ朝早くからやっているパン屋に行き、フランスパンを買い
そして朝食の準備をしているフウカたちを無視して隣で仕込み、冷蔵庫に寝かせている
…まあ、凄い目で見られてたが、それは気にしない
「……まあ、そうよね、こうなるわよね」
「そりゃあそうでしょ、1人だけいい思いさせると思う?」
…当たり前みたいにフウカとジュリがいた、これについては正直予想はしていたから仕方ない
「…なんでハルナまでいるのよ」
「美食のあるところに──「そういうの良いから」─食堂の幽霊を退治しようかと…」
「………、そう、頑張って」
冷蔵庫から卵液にヒタヒタに浸かったフランスパンを取り出す
「……?」
(…仕込んだパンが、増えてる……)
「どうせ使い切る前に悪くすると思って、やっといたわよ!」
「…せめて一言伝えてからやらない?それ…」
フライパンに薄くサラダ油を塗り、バターを一欠片溶かす
熱されたバターが完全に溶けて、泡立ち始めたら弱火にしてパンを投入、ジワジワと中まで火を通して、バットに出す
「…暇してるならせめて生クリームか何か用意してくれない?あるんでしょ?」
「そういうと思って…ほら」
フウカが冷凍庫からアイスクリームを取り出す
(…用意よすぎでしょ…これで私が今日来なかったらどうしてたのかしら)
バターをもう一欠片フライパンに投下し、溶かして泡が出て、それが消え始める…バターが色づく手前でパンを再度焼き上げる
(中火で、焦がさず、でもしっかり…バターを吸わせる)
「よし、完成」
お皿にフレンチトーストを乗せ、フウカとジュリがアイスとハチミツで盛り付ける
「ヒナさんが焼き上げ、フウカさんとジュリさんが仕上げたフレンチトースト、私が美味しく「ハルナ、後片付けよろしく」…はい」
「さて、いただきます……うん」
フレンチトーストを一口
(…甘い、疲れた体に沁みる…)
トーストを噛むたびに口の中でジワジワと滲み出る甘いエキス、端の方は少しカリカリに焼き上がってるのもいい…
「ここによく焼いてカリカリにしたベーコンなども添えられたら最高ですね」
「…甘塩っぱいの最高ね…はむ」
…何気なく口に含んだが、このアイスクリーム…異様に美味しい
「これ、手作り?」
「そうよ、自作アイスって手間がかかるけどおかしくなるくらい美味しいでしょ?」
「…味が濃いし、香りが強いし、そうね…うん、美味しいわ」
(下手したら、ダッツとかよりも美味しいかも…)
「はぁ、ごちそうさま」
「じゃあハルナ後片付け宜しく〜」
「お願いします!」
「ところで2人は何で残ってたのよ」
「明日の仕込み」
「お疲れ様」
「……あれ、本当に私1人でやる流れですか…?」
「当たり前でしょ」