ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第80話

「……疲れた」

委員会の部屋のソファに上着を投げ捨て、飛び込み、ぐったりとしながら目を閉じる

「…委員長、その…まだ他の委員の目もありますから」

「……わかった」

チナツのお小言に座り直し、携帯をいじる

「…お腹減ったわね」

「そうですね…」

今日は朝から立入禁止区域を荒らした歴史研究部、また変な依頼を受けたらしい便利屋68

山を一つ消し飛ばしそうになっていた火力研究部と温泉開発部、そしてD.U.周りで2件爆破した美食研究会と…

(…結局朝ごはんしか食べられてないのに、もうこんな遅い時間…)

 

「…では、委員長、私たちは…」

「ああ、待って、あなたたちもご飯食べてないでしょ」

「ええ、まあ…」

「食堂、空いてるみたいだから食べて行かない?」

委員たちが少しどよめく

まあ、正直気持ちはわかる、普段の食堂で食べられる食事のクオリティは決して高くはない

でも、今からどこかに食べに行くにも時間が遅すぎる

(せめて宅配ピザでもやってればよかったんだけど)

 

「大丈夫、今日のは味は保証するから…まあ、もしどこかで打ち上げの予定があるなら無理にとは言わないわ」

「……」

「なら、ご一緒させていただきます」

 

「ってわけだから、用意してくれる?」

「…まあ、仕込んでるのに火を入れて出すだけだからいいけど…」

「悪いわね、いつもいつも」

「そう言われると、お互い様だからこっちも弱いけど…」

少しすると、油がパチパチと弾ける音がする

「……いい匂い…」

揚げたての香り、そして酸っぱい、馴染みのある香り…これは…梅?

(いいわね、さっぱりしてて…)

 

「できたわよ、取りに来て!」

フウカの声に従い、順々に配膳されたトレーを受け取る

(これは…最高ね)

メニューは豚汁、お浸し、千切りキャベツとトマトのサラダに…イワシのフライ

「魚かぁ…」

「温かいだけマシだよ、黙って食べよ…」

 

「いただきます」

「「「いただきます」」」

「…ふう…ふう…はぐ、カリッ…うん…ふふっ」

薄い衣の鰯のフライ、噛み締めると魚の脂が溢れてくる…

魚の脂で若干臭みを感じるかと思ったけど…

(梅がいい仕事してるわね)

叩いた梅肉を包んでいるからその香りで嫌なクセを感じない

この酸味と旨味、塩気、たまらない…サラダ用のマヨネーズを少しつけて食べるのもいい

「…美味しい」

「うん、意外と…?」

 

豚汁に七味をふりかけて…

「ずずず…うん、これもいいわね」

特に根菜がいい、今日はニンジンと里芋、どちらもホクホクで、食べ応えがある

ガッツリ食べたい時には最高、カケラほどのお肉よりはよほど存在感が感じられて良い

(…というか、お肉節約しすぎでしょ…)

 

「…ふう、ごちそうさま」

「委員長が給食部に用意を頼んでくれたんですか?」

「…まあ、連絡はしたけど、フウカたちは今日たまたま残ってただけよ、給食部も基本遅いから」

「そうでしたか…」

 

「じゃあ、また明日」

「はい!お疲れ様でした!」

「いつもあんだけ美味しかったらなぁ…」

「それでは、失礼します」

…チナツ達を見送った

 

ポン、と肩に手を置かれる

「じゃ、後輩にいいとこ見せたんだし、後片付けよろしくね?」

「…分かってるわよ」

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