ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第81話

「……お腹減った」

ふとカレンダーを見る、もう7月も終わりの良い頃合い

(今日はそうめんでも……ああ、そういえば)

「ウナギ、今年も食べてないわね…」

とはいえ、もう丑の日も過ぎたし、わざわざ買って食べるのもなんだかめんどくさい

切ってご飯に乗っけるのすら面倒に感じる、だけど、それでも…

「…今日は、ウナギね」

「ウナギですか?そう言えば今日は食堂がうな丼だとか…」

(それは最高ね……でも、予算大丈夫なのかしら…)

 

「委員長!美食研究会が食堂を襲撃しました!!」

「…理由は」

「食堂のうな丼がウナギの蒲焼き風の、イワシの蒲焼きだったと暴動を…!」

「…うん、そんなことだろうと思ったわ」

「委員長助けて!!温泉開発部が川の周辺を掘削して苦情が!」

「美食研究会をつかま……全滅させたらすぐに行くわ」

「申し訳ありません委員長!万魔殿の議長が委員長に要件があると…」

「キキキッ!オイ、ヒナ!今日は──「邪魔しないでくれる、忙しいから」──…わ、わかった」

(…珍しく素直に引き下がったわね、まあおかげでこれ以上は仕事が増えない…)

「委員長ー!!!」

「……はぁ」

(今日は、もうダメね)

 

執務室に始まり、ゲヘナを東へ西へ、北と南もついでに掃除して、あとは自治区の外も回って…

(…疲れた)

「……もしもし?今日直帰するから、うん、あとは明日やりましょう……え?もう委員会は誰も残ってないの?…そう、お疲れ様…ごめんなさい」

ふと辺りを見回すと、もうすっかり暗かった

(忙しくて全然気が付かなかったわ……こんな時間じゃ、もうウナギを食べる手段なんて…)

「……いや、ある」

 

「いらっしゃいませー」

「うなぎと牛丼の盛り合わせ、ご飯大盛りで」

「かしこまりましたー!」

注文してすぐに運ばれてきたのは、ウナギの半身と牛丼の具が乗ったアンバランスなどんぶり…

だけど、そう、今はコレがほしかった

なぜか牛丼屋さんにあるウナギが、食べたかった

 

「いただきます…はぐ、はふはふ…むぐ」

ホロホロでフワフワ、甘辛いタレのウナギをご飯と一緒に頬張る

(…ようやく食べられた…夏の風物詩ね…)

うなぎを頬張り、さらに牛丼を続けて頬張る

(……別々でいいわね、おいしいけど)

ふわふわのウナギと対照的に、噛み締めるほど反発してくる牛肉

どちらも美味しいけど、これを合わせようと思った人の気が知れない

(美味しいけど、なんでこんな…美味しいけど…)

 

「ごちそうさまでした…はぁ…」

(…いっその事、片っ端から制圧してみようかな…)

 

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