ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

84 / 93
第84話

「……ふぁ…あ…?」

重たい瞼を開け、今日も1日が始まる

眠たくて、頭の痛い朝

何もかもがダルくて、ベッドから出るのすら嫌気がさすような朝の始まり──

(……え、7…時?あれ、嘘…)

時計に表示された7:00の文字、携帯の時計を確認し、その事実が現実なことを確認する

…普段の起床時刻は6時、そして今は7時…

 

サーッと血の気が引いていくような、心臓が凍りつくような感覚、掛け布団を蹴飛ばして大急ぎで身支度をして…

(お弁当…は、無理!)

…普段の起床時刻から1時間近く遅れての動きだし、何もかもがボロボロなまま登校する

 

「おはよう…!」

「お、おはようございます…珍しいですね」

「委員長、だ、大丈夫…?」

肩で息をしながら部室に入り、ソファに腰掛ける

…全力ダッシュで登校したのなんていつ以来だろうか

コーヒーを出してくれたアコにお礼を言い、すでに万魔殿から送られてきた嫌がらせ(恒常業務)の束に目を通す

「……はぁ、これなら走らなくてもよかったわね…」

期限が今日までの書類はなかった、てっきりギリギリの書類があると思っていたけど…

(これならあと5分寝た後ゆっくり登校できた…)

 

「ところでヒナ委員長、お食事は…?」

「…寝坊したし、食堂に行くわ」

「えっ…朝から?」

「ちゃんと食べないと動けないでしょ、一緒に来る?」

「ご一緒します!」

「アコちゃんさっきパン食べてなかった…?まあ、行こうかな」

「なら、私も」

 

「今朝は予定をあげてなかったと思うけど、4人分追加できる?」

「1人で食べるの?」

「そんなわけないでしょ、アカリじゃないんだから」

「そりゃそうよね、はい」

やや気怠げなフウカからプレートを受け取る

「ハムエッグ…頑張ったわね」

「そう言ってくれるのはヒナくらいよ」

 

「「「「いただきます」」」」

「…ハムエッグとキャベツの千切り、玉ねぎのお味噌汁ですか」

「なんか、今ひとつなんだよなぁ…もう少し食べたいんだけど」

「目玉焼きなんて黄身が潰れてるのもありますよ」

「……この朝ごはんにも随分手間がかかってるのよ」

 

日に3度も数千人が来る食堂でハムエッグを出すのはかなりの労力がかかる

卵を割るだけでもそうだけど、全てを均一に焼き上げるのにも、考えたくなくなる手間がかかる

それを一つ一つ調理しているのだから…大鍋やオーブンで大量に仕上げられる料理に比べると……

 

「…委員長、随分と給食部の肩を持つんだな…?」

「すごく実感のこもってるような……」

「ですね」

「…はぁ……どうでも良いから、冷める前にさっさと食べなさい」

給食部でたまに手伝い(強制労働)してるの、隠しているわけじゃないけど…風紀委員会では言ってなかった気がする

 

(……まあ、良いか別に…)

千切りキャベツにマヨネーズを乗せて口に運ぶ

「はむ……?…これ…」

「ん…?…このキャベツなんだろ…ちょっとしなしなだけど…うん、これ好きかも」

「ごま油の香りがいいですね、ただの千切りキャベツかと思ったら味がついてて…」

そう、中華風スープと塩コショウで和えられているのだろうか、コレがなかなかに癖になる

 

(意外と悪くないわね…)

「はぐ…あむ」

ハムエッグに醤油を少し垂らし、マヨネーズを乗せてご飯の上に一旦乗せ…大胆にかぶりつく

そしてご飯を口に放り込む

…ハムエッグとご飯、最高

「うわぁ…」

「よ、よく食べますね…委員長」

「…食べなきゃ動けないでしょ、ごちそうさま、私は先に戻るから」

 

「…お腹いっぱいで、逆に眠くなってきた…」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。