ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「ふぁ…あ……疲れた」
「え〜?夜はまだまだコレからでしょ〜」
“お疲れ様、ヒナ、ホシノ”
先生が差し出したコーヒーを受け取り、一口含む
「…ふぅ…落ち着くわね」
「いやー…おじさんはコーヒーよりももっと違う飲み物が欲しいなぁ…?」
“華の女子高生が何言ってるの…で、ご注文は?”
「例えば、シャーレの冷蔵庫に大事にしまわれているコーラとか、ね?」
“別にそんなに大事にしまってないから、コーラね”
先生の袖を掴んで引き留めた小鳥遊ホシノがにっこり笑う
「待って先生、コーラをくれるならついでに──」
“…まさか…”
「床下に隠されているお菓子達も欲しいなぁ…なんて?」
“…なんで知ってるの…私の秘蔵のお菓子の隠し場所…セリナにもユウカにもバレたことないのに…”
「年の功…ってヤツ?」
「私と歳は変わらないはずでしょう」
「うへへへへ…」
程なくしてテーブルに大量のお菓子が運ばれてくる
「おお、大量だあ」
「…コレ、全部1人で?先生、あんまり体に良くないと思うけれど」
“いや、流石に1人では…食べないと思うよ、多分”
「ホントかなぁ?そろそろお腹周りが気になる頃じゃない?」
“そ、それよりも!シャーレは21時を過ぎたら営業終了だから!もう過ぎてるしそろそろ帰ろうか!ね!?”
確かにそろそろ夜も更けて、早い人はベッドに入る頃
「先生はさ、もし…夜遅くに危険な目に遭った生徒が助けを求めていたら…見捨てちゃうの?」
“え?…いや、そんなことしないよ、絶対にするわけが──”
「じゃあ良いよね?実は今ものすご〜くお腹減ってて」
“いやそれとこれとは話が──”
「さて何から開けよっかなぁ…お、コレ好きなんだよね」
先生を無視し、容赦なくお菓子が開封されていく
(次から次に開けて…全く、もう手遅れね)
開封済みのポッキーを一つ、手に取り口に運ぶ
「ポリッ……うん、コーヒーに合うわね」
“ヒナまで…!?”
「諦めて、もう無理よ、せめて開けた分は食べなきゃ」
ようやく観念した先生を交えて、映画を流しながらお菓子を食べ始める
“私の備蓄が…”
開封済みのお菓子はチップスにせんべい、スティック菓子も含めてしょっぱい物ばかり…
(…あ、これは…)
未開封のチョコパイを迷いなく開封し、口に運ぶ
表面のチョコのパリッと食感とふわふわのスポンジ、そして甘さがたまらない
今度はクッキー、しっとりした、ほろほろ崩れる甘味の強いクッキーを口の中でコーヒーに溶かして楽しむ
指でつまめるようなサイズのドーナツ、チョコレート、キャラメル…
(久しぶりにこんなに甘いもの食べてるわね…)
「ヒナちゃん甘いのばっか食べてない?」
「まだコーヒーが残ってるのよ」
「ふーん、でもこういうのも面白いと思うけどなぁ」
甘いのもそこそこに、小鳥遊ホシノが差し出してきたのは堅揚げチップス
「…ポリ…パリポリ……うん……」
何か違う
お肉を噛んでいるかのようなジューシーな風味、刺激的で食欲をそそる香りと塩味
それでいてほのかに甘く、香ばしいこの香り…ただのチップスじゃない
「もっとくれる?」
「美味しいでしょ、このスパイスかけてみたんだ〜」
差し出されたのはアウトドアスパイス、お肉用のミックススパイスをチップスに?
(…用途は間違えてると思うけど……美味しいからまあ、良いか)
“うわ、コレやばい…おかしくなりそうなくらい美味しい…あれ”
気づけばチップスがもうない…
「さて、次は何開けよっかなぁ」
結局朝までシャーレで映画とお菓子を楽しみながら過ごした
「…流石に1回くらいなら…大丈夫よね」
やや体重計が怖くなった