ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第91話

「…最近冷えるわね」

「そうですね、秋なのを忘れそうになる寒さです」

「…まだこの位は秋の範疇よ」

(そう、そうじゃなきゃ困る…)

秋はあっという間に過ぎてしまう、だから、その前に…

(秋の味覚、まだ食べてない…)

 

「というわけで、特別メニュー、何かない?秋らしい奴」

「お昼ご飯食べに来ていきなりそういうこと言う?」

「……食べ逃すのが嫌で」

「ハルナもそうだけど、ヒナも大概よね…」

「悪いとは、思ってるわ…でも、毎日毎日自由な時間が無くて、季節感を感じる余裕なんて無いのよ…」

「……ああ、もう…」

 

フウカが大きくため息をつき、冷蔵庫を開ける

「秋刀魚はこの前使った、キノコ系は…正直秋らしいものなんて作れるほど余裕はないし…」

「……簡単なものでいいから」

「その簡単なものが難しいの!!野菜はあるけど…魚…?サケとサバしか…」

「そうね…」

2人揃って、ため息をつく

「あのー…なんでもいいけど、後ろつかえてるんで…早く行ってくれる…?」

「そうだよ、お腹減ってるのに!」

「あ、ごめん…はいこれお昼、秋らしい献立は考えておくから」

「ありがとう」

 

(秋らしい、か…)

自分で言ったものの、秋といえば…秋刀魚…は先ほど無理と言っていたしそれならキノコご飯とか…?

「いや…うーん…スイートポテトとか、食べたいかも…」

(夜コンビニ寄ろう…)

 

そうこうして夕飯時、差し出されたのは…

「はい、サケのちゃんちゃん焼き」

「…ちゃんちゃん?…サケ…?」

差し出されたのは、ゴマだれの様なソースのかかったサケと野菜の蒸し焼きのような料理…

これが秋らしい料理…?

 

「いただきます…あむ」

(…美味しい、思ったよりも具沢山で、良いかも)

ソースは味噌がベースで甘さもある、それがよく野菜やサケに合う…

特に、これでもかと入っている野菜は種類が豊富で、それぞれの味もしっかりと感じられる

レンコンやニンジンといった根菜は味噌ダレをたっぷりつけて

キャベツや玉ねぎは蒸し焼きにしたときに出たエキスをたっぷり浸して食べるとさらに美味しい

 

(特に、このしめじ…いいわね)

秋だからだろうか、キノコらしい香りが強い…気がする

サケもホロホロで、なのに噛むとギュッとした食感があって、噛むほどに魚の旨味が染み出して…そこに味噌ダレがよく馴染む…

「うん、たしかに秋らしいかもしれないわね」

 

「ごちそうさまでした」

「どう?気に入った?」

「美味しかったわ、ところで…ちゃんちゃん焼きってどう言う意味?」

「さあ…」

 

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