ヒナ「お腹空いた…」   作:ひよりん

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第93話

「流石にこの時間は…冷えるわね…」

「ええ、まったくです」

「…何でいるのよ、セナ」

深夜、もう日付が変わってしばらくした頃

ようやく今日も、やることが一通り終わってのいつも通りの帰り道…

 

いつもと違うのは、たまたま出会したセナの存在くらい

「緊急出動の帰りです、引き継ぎも終わったので軽食を買いにコンビニに」

「…そう、あなた達も大変ね、いつもお疲れ様」

「ヒナ委員長程では」

「風紀委員会は、いつも大忙しよ」

救急医学部も風紀委員会もゲヘナにとって欠かせない部活

それが忙しいと言うことは、いつも通りの日常が流れているという事

「仕事後で空腹なので、良ければ一緒にどうですか?買い食いでも」

「付き合うわ」

 

2人でコンビニに入る

「…外と比べたら天国ね」

「急な温度変化はあまり体に良くありません、心臓に負担がかかってしまいます」

「…そう」

 

空調のおかげで快適なコンビニの中で、食べたいものを選ぶ

(おにぎり、手巻き寿司…いや、おでんなんてのも…セナは…?)

「肉まん?」

「温かいものを食べながら帰りたくて」

「歩きながら食べるのはどうなの?」

「風紀委員会としては、受け入れ難いですか」

「……まあ、今はオフだから、気にしないわ」

(そう言う問題じゃない気がするけど…)

 

ホットスナック、温かい状態をキープされた揚げ物や肉まん…焼き芋まである

(悩みどころね、でも今日は…)

「…カニクリームコロッケをください」

先に買い物を済ませて外で待つ

指先が痒くなるような寒さをコロッケを持つことで耐え忍ぶ

 

「お待たせしました」

「買えた?」

「欲しい味は売り切れでした」

「…そう、仕方ないわね」

セナが肉まんを取り出す

(…あれ、この匂い)

「ピザまん?」

「はい、半分食べますか?」

「なら、こっちからは…カニコロッケで」

半分に割られたピザまんを受け取る、そのまま口に入れたら火傷しそうなほど熱い

「ふー…ふぅ…いただきます…はふっ」

「はぐ……ほふっあふっ」

熱々のトマトソースとチーズ、そしてそれらを包む柔らかな生地…

「ピザはしばらく食べてなかったけど…コレもいいわね」

「チーズがアクセントになってとても美味しいです」

甘めの生地とトマトソースに対して塩気のしっかり効いたチーズ、確かにコレは欠かせないかもしれない…

 

「じゃあ、はい」

半分に割ったクリームコロッケを差し出す

「どうも…はぐ、ほふっはっ…あふっ」

まだサクサク感のある衣とホワイトソース、それからほのかにカニの香り…

コレだけなのにこんなに美味しいなんて…

「カニの爪がついてるやつ食べたくなりますね」

「まあ、そうね…」

 

「ごちそうさまでした」

「それじゃあ、私はこっちですので」

「うん、また明日…いや、もう今日か……」

 

…その日のお昼は今までにないほどの いつも通りの日常 を過ごした

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