ヒナ「お腹空いた…」 作:ひよりん
「……お腹減った」
誰もいない部室に独り言がポツリと響く
こんな時間だ、風紀委員会もそれ以外の生徒も皆んな寮に帰っている時間…
ゲヘナといえど、夜は静かだ……基本的には
「…何か、食べようかしら」
空腹を誤魔化せる物はないかと冷蔵庫を漁る
すると出てきたのは…
(おにぎり…コンビニのやつね、賞味期限はセーフ…)
いくつか選び、温かいお茶を淹れてソファに座る
選んだのは鮭、塩…
「いただきます」
ぺりっと音を立ててフィルムを剥がし、塩おにぎりを頬張る
「はむ……うん…うん、いいわね」
お米の食感がしっかりしてて、食べてる感じがする
塩味も程よくて、そのおかげでお米の甘さも引き立っている
(こう言うおにぎりも意外と悪くない…けど、これだけじゃなんだか寂しい…)
暖かいお茶を口に含むと、口内に少し残っていたお米が柔らかく解ける食感がして、それもまた心地よい
「……暖かい物…お味噌汁とか…」
保存食の棚を漁り手に入れたシーフード味のカップ麺にお湯を注ぐ
(…絶対に食べ過ぎね)
嫌な現実には目を瞑り、まだフィルムを開けていない鮭おにぎりを蓋に乗せて3分待つ
「……美食研究会………温泉開発部…」
スマホでSNSを確認しながら、時計の進み具合をチラチラと眺める
こう言う時に限っては、時間の流れが嫌に遅い…
「…経った」
カップ麺の蓋を開け、箸で麺を掬い上げる
「ふぅ…ふぅ…いただきます」
麺を啜り、咀嚼する
それだけだと言うのになんと言う幸福感だろう…
(…暖かいって、大事ね…)
濃い塩味、どこかミルキーなまろやかさ…このスープをたっぷりまとった麺を口いっぱいにすすり、噛み締める
そして麺を呑み込み、そこにおにぎりを頬張る…
「あむ……」
スープも一口…
「…ふぅ…」
冷えたおにぎりが熱いスープで解けて、ご飯の粒感がより感じられる
2度その流れを繰り返すだけで、あっという間におにぎりも麺も無くなってしまった
(……)
残った鮭おにぎりのフィルムを開け、そのままにスープに落とし、よく混ぜる
「…ずずず」
非常に良くない味がした
シーフード味のスープに鮭のほぐし味の旨みが足されて、そのスープを吸ってほぐれたご飯が…美味しくないわけがない…
「…これは、よくない…」
おにぎりの海苔、鮭、シーフードヌードルの卵にカニカマ、タコ…
いろんな具があって、食べる程に色んな風味がして、飽きない…
「……次は明太子でやってみようかしら…ごちそうさまでした」
満腹感を感じ、ソファに身体を預ける
翌朝、時計を見て絶望した